六ろく芒すすき星ぼし

六ろく芒すすき星ぼし（ろくぼうせい、りくぼうせい）とは、星ほし型がた多角たかく形がたの一種いっしゅで、六ろく本ほんの線分せんぶんが交差こうさする図形ずけいである。六角形ろっかっけいの各かく辺あたりを延長えんちょうすることでできる。六角ろっかく星ほし、六ろく線せん星ほし、星ほし型がた六角形ろっかっけい、ヘキサグラム (hexagram) ともいう。また、六ろく芒すすき星ぼし中ちゅうにある六角形ろっかっけいを抜ぬいた形かたちを六ろく光ひかり星ぼしと呼よぶ^{[要よう出典しゅってん]}。

ユダヤ教きょうがなにか教義きょうぎの上うえからこの図形ずけいを神聖しんせいなものとして見みているというような事実じじつはないが、17世紀せいき以降いこう、伝統でんとう的てきにユダヤ人じんを表あらわす記号きごうとして定着ていちゃくしている。このため、ユダヤ人じんの国くにであるイスラエルの国旗こっきにはダビデの星ほしと呼よばれる青色あおいろの六ろく芒すすき星ぼしが描えがかれている。

日本にっぽんでも、同様どうようの「籠かご目め」という文様もんようがある。竹たけ編あみの籠かごの編あみ目めを図案ずあん化かしたもので、魔除まよけけとしてこの図形ずけいを用もちいることがあった。以前いぜんは伊勢神宮いせじんぐう周辺しゅうへんにある石いし灯籠どうろうに籠こめ目めが刻きざまれていたが現在げんざいはすべて撤去てっきょされ一いち基きも現存げんそんしていない(そもそも伊勢神宮いせじんぐうの管理かんり所有しょゆう物ぶつではない)。家紋かもんとしては籠かご目め紋もんといい、「籠かご目め」、「丸まるに籠こめ目め」などが使用しようされている。江戸えど時代じだいには、小宮こみや氏し、曲淵まがりぶち氏しなどが用もちいた。

等辺とうへん六ろく芒すすき星ぼし

等辺とうへん六ろく芒すすき星ぼしとは、全すべての辺あたりが等ひとしい六ろく芒すすき星ぼしのことである。この図形ずけいは2枚まいの正三角形せいさんかっけいに分解ぶんかいできる。また、正ただし n/m 角形かくがたというような描えがき方かたをすると6/2、約分やくぶんされて3になるため、この表記ひょうき法ほうには適てきさない。この星ほし型がた多角たかく形がたは、上記じょうきの2点てんから星ほし型がた正多角形せいたかっけいではないことになる。

六ろく芒すすき星ぼしの一筆ひとふで書がき

等辺とうへん六ろく芒すすき星ぼしが正三角形せいさんかっけいを2回かいに分わけて描えがかれる性質せいしつ上じょう、六ろく芒すすき星ぼしの一筆ひとふで書がきは一見いっけん不可能ふかのうのように見みえる。だが、実際じっさいには一方いっぽうの正三角形せいさんかっけいの描画びょうが途中とちゅうに、交点こうてんで他方たほうの正三角形せいさんかっけいの描画びょうがに移うつり、他方たほうの正三角形せいさんかっけいの描画びょうがが終おわった時点じてんで先さきの正三角形せいさんかっけいの残のこりの部分ぶぶんを描画びょうがすれば、図形ずけい上じょうの何いずれの位置いちからスタートしても一いち筆ぴつ書がきが可能かのうである。スタートを交点こうてんとすれば、より簡単かんたんに一筆ひとふで書がきが出来できる。

交点こうてんで折おり返かえさずに一いち筆ぴつ書がきができる六ろく芒すすき星ぼしも考案こうあんされている。一筆ひとふで書がきの六ろく芒すすき星ぼしの図ずのように正六角形せいろっかっけいの頂点ちょうてんを何なん個こかおきに飛とばして結むすんで、丁度ちょうどアルファベットの「N」（もしくは「Z」）を続つづけて書かく六ろく芒すすき星ぼしである。この六ろく芒すすき星ぼしはセレマでしばしば用もちいられるシンボルの一ひとつであり、発案はつあん者しゃのアレイスター・クロウリーの名なを冠かんして「クロウリーの六ろく芒すすき星ぼし」などと呼よばれる。だが、目視もくしでも確認かくにんできるように内角ないかくが等分とうぶん不可能ふかのうなため、やはり星ほし型がた正多角形せいたかっけいではないということになる。