古谷ふるや綱つな正ただし

ふるや つなまさ 古谷ふるや 綱つな正ただし
生誕せいたん	(1912-04-15) 1912年ねん4月がつ15日にち 東京とうきょう
死没しぼつ	(1989-05-11) 1989年ねん5月11日にち（77歳さい没ぼつ） 東京とうきょう都と
死因しいん	肺炎はいえん
国籍こくせき	日本にっぽん
出身しゅっしん校こう	京都きょうと帝国ていこく大学だいがく文学部ぶんがくぶ
職業しょくぎょう	ジャーナリスト、ニュースキャスター
栄誉えいよ	日本にっぽん記者きしゃクラブ賞しょう（1975年度ねんど） テレビ大賞たいしょう特別とくべつ賞しょう（1979年ねん） ギャラクシー賞しょう・特別とくべつ賞しょう（1981年ねん）

古谷ふるや 綱つな正ただし（ふるや つなまさ、1912年ねん（明治めいじ45年ねん）4月がつ15日にち - 1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）5月11日にち）は、日本にっぽんのジャーナリスト、ニュースキャスター。毎日新聞社まいにちしんぶんしゃ論説ろんせつ委員いいん、JNNニュースコープメインキャスター。

人物じんぶつ・来歴らいれき

東京とうきょう出身しゅっしん。旧制きゅうせい成城せいじょう高等こうとう学校がっこうを経へて、1932年ねん（昭和しょうわ7年ねん）に京都きょうと帝国ていこく大学だいがく文学部ぶんがくぶに入学にゅうがく。滝川たきがわ事件じけんの時ときには、文部省もんぶしょうによる大学だいがく自治じちへの干渉かんしょうに反対はんたい、花田はなた清輝きよてる・高木たかぎ養よう根ねらとともに学生がくせい運動うんどうの中心ちゅうしんとなった。

1935年ねん（昭和しょうわ10年ねん）、東京日日新聞とうきょうにちにちしんぶん社しゃ（のちの毎日新聞社まいにちしんぶんしゃ）へ入社にゅうしゃ。整理せいり部ぶ、学芸がくげい部ぶなどを歴任れきにんし、整理せいり部ぶ時代じだいの1941年ねん12月8日にちには、当日とうじつの朝刊ちょうかんでは唯一ゆいいつとなる「日米にちべい開戦かいせん」スクープの紙面しめん作づくりにも携たずさわった。1953年ねんに論説ろんせつ委員いいんとなり、巻頭かんとうコラム「余録よろく」を10年間ねんかん担当たんとうする。

毎日新聞まいにちしんぶん在籍ざいせき中ちゅうの1964年ねん（昭和しょうわ39年ねん）から、81年ねん3月がつまでTBSの『JNNニュースコープ』メインキャスターを務つとめた。

宮内庁くないちょうからの園遊会えんゆうかいへの招待しょうたいを生涯しょうがい断ことわり続つづけ、新聞しんぶん記者きしゃ達たちから「だから彼かれのニュースコープは人気にんきがある」と快哉かいさいを浴あびた。映画えいがにも造詣ぞうけいが深ふかく、キャスター引退いんたい後ごは映画えいが評論ひょうろんの著書ちょしょも著あらわし、神奈川かながわ県けん逗子ずし市しの米べい軍ぐん住宅じゅうたく建設けんせつ反対はんたいの市民しみん運動うんどうでは、進すすんで三島みしま虎とら好このみ市長しちょうのリコール運動うんどうの発起人ほっきにんとなり、緑みどりの保存ほぞんを訴うったえる地元じもと文化ぶんか人じんグループの先頭せんとうに立たって活躍かつやくした。

1989年ねん5月がつ11日にち、肺炎はいえんのため死去しきょ。77歳さい没ぼつ。

JNNニュースコープメインキャスター

優やさしく親したしみのあるキャラクターと分わかりやすい解説かいせつに努つとめ、日本にっぽんのウォルター・クロンカイトともいわれた。TBSスタッフからつけられたニックネームが「こってすオジサン」。「…ということです」が時ときに「こってす」と聞きこえたためだという。生粋きっすいの東京とうきょう・下町したまち育そだちで、例たとえば「おしえる」が「おせーる」となるなど、本人ほんにん自身じしんも、サ行ぎょうの音おとには相当そうとう悩なやんだこともあった。その人気にんきのほどは、まだニュースキャスターやアナウンサーのタレント化現けげん象ぞうが皆無かいむだった1970年代ねんだい後半こうはん、楳図うめずかずおの漫画まんが『まことちゃん』に彼かれを模もしたと思おもわれるニュースキャスターが出でてきたことからも窺うかがえる。

親族しんぞく

ペルー公使こうしを務つとめた外交がいこう官かんの室田むろた義文よしふみは祖父そふ。父ちちの古谷ふるや重しげる綱つなは外交がいこう官かんでアルゼンチン公使こうしを務つとめた。文芸ぶんげい評論ひょうろん家かの古谷ふるや綱武つなたけは実兄じっけい。家事かじ評論ひょうろん家かの吉沢よしざわ久子ひさこは義姉ぎし（綱武つなたけの妻つま）。綱武つなたけの長男ちょうなん・昭あきら綱つなは京都大学きょうとだいがく卒業そつぎょう後ご、TBSに入社にゅうしゃし、『8時じだョ!全員ぜんいん集合しゅうごう』のディレクター・プロデューサーを務つとめた。俳優はいゆうの滝沢たきざわ修おさむは義弟ぎてい（実妹じつまい・文子ふみこの夫おっと）。伊藤いとう博文ひろぶみの秘書官ひしょかんを務つとめた古谷ふるや久ひさ綱つなは伯父おじ。妻つまの糸子いとこは元もと毎日新聞まいにちしんぶん記者きしゃの評論ひょうろん家かで、戦後せんごまもなく社内しゃない結婚けっこんで結むすばれた。糸子いとこは夫おっとの死後しご、回想かいそう録ろくを上梓じょうしした。

従兄弟いとこ（伯父おじである室田むろた小一郎こいちろうの娘むすめ）は、衆議院しゅうぎいん議員ぎいんや日本冶金工業にっぽんやきんこうぎょう社長しゃちょうなどを務つとめた森もり暁あきら（昭和電工しょうわでんこう創業そうぎょう者しゃである森もり矗のぶ昶あきらの長男ちょうなん）の前妻ぜんさいで（その妹いもうとは吉田よしだ茂しげるの側近そっきんである福田ふくだ篤あつし泰やすしに嫁とついだ）、また森もり暁あきらの妹いもうとが安西あんざい正夫まさおに嫁とつぎ、正夫まさおの長男ちょうなん・安西あんざい孝之たかゆきが日清製粉にっしんせいふんグループ本社ほんしゃ会長かいちょう正田しょうだ英三郎えいざぶろうの次女じじょ・恵美子えびすを妻つまに迎むかえ、さらに英三郎えいざぶろうの長女ちょうじょが上うえ皇后こうごう美智子みちこなので、古谷ふるや家かは室田むろた家か・森もり家か・安西あんざい家か・正田しょうだ家かを通とおして天皇てんのう家かの縁戚えんせきとなっている。

著書ちょしょ

• 『一等いっとう女性じょせい十じゅう人にんの恋こい』東西とうざい文明ぶんめい社しゃ、1955年ねん3月がつ31日にち。NDLJP:2972010。 
• 『ニュースを追おって』東西とうざい文明ぶんめい社しゃ〈少年しょうねん少女しょうじょ基本きほん学校がっこう図書としょ全集ぜんしゅう10〉、1956年ねん7月がつ29日にち。NDLJP:1626963。 
• 『新聞しんぶん作法さほう：ジャーナリスト的てきものの考かんがえ方かた』光文社こうぶんしゃ〈カッパブックス〉、1957年ねん2月がつ20日はつか。NDLJP:2932723。 
• 『保守党ほしゅとう政治せいじの周辺しゅうへん』みすず書房しょぼう、1962年ねん2月がつ20日はつか。NDLJP:2975899。 
• 『私わたしだけの映画えいが史し - 国民こくみんの創そう生せいからキューリー夫人ふじんまで』暮くらしの手帖てちょう社しゃ、1978年ねん。 

回想かいそう

• 古谷ふるや糸子いとこ『こんばんは、古谷ふるや綱つな正せいです―あるジャーナリストの肖像しょうぞう』鎌倉かまくら書房しょぼう、1991年ねん。ISBN 978-4308005233。

参考さんこう文献ぶんけん

• 佐藤さとう朝ちょう泰たい『日本にっぽんのロイヤルファミリー』立たて風ふう書房しょぼう、1990年ねん11月。ISBN 978-4651700489。 
• 佐藤さとう朝ちょう泰たい『閨ねや閥ばつ―日本にっぽんのニュー・エスタブリッシュメント』立たて風ふう書房しょぼう、1994年ねん3月がつ。ISBN 978-4651700144。