地下ちかしつマンション

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地下ちかしつマンション(ちかしつマンション)とは、日本にっぽん建築けんちく基準きじゅんほううえ合法ごうほうであるが、ほう改正かいせい例示れいじされていた専用せんよう住宅じゅうたく地下ちかしつ利用りようではない、高低こうていのある敷地しきち半地はんじ形式けいしき建築けんちくされるマンション法的ほうてきには共同きょうどう住宅じゅうたく)。地下ちかマンション傾斜地けいしゃちマンションともいう。

誕生たんじょう経緯けいい[編集へんしゅう]

地下ちかしつマンション(地上ちじょう4かい地下ちか5かい)の概念がいねん

1994ねん建築けんちく基準きじゅんほう改正かいせいにより、住宅じゅうたく地階ちかいのうち、面積めんせきの1/3以下いか面積めんせき容積ようせきりつふくめないという規制きせい緩和かんわがなされた。この「住宅じゅうたく」に専用せんよう住宅じゅうたく共同きょうどう住宅じゅうたくべつはなく、ほう改正かいせいにより、従来じゅうらいでは建設けんせつコストがかさみ敬遠けいえんされていた傾斜地けいしゃち容積ようせき算入さんにゅうされない地下ちか[1]部分ぶぶんおおふくんだマンションをてて分譲ぶんじょうすれば価格かかく競争きょうそうりょくのある物件ぶっけんとなりうることに開発かいはつ業者ぎょうしゃ着眼ちゃくがんした。

これによって傾斜地けいしゃち周辺しゅうへん住民じゅうみんかられば従前じゅうぜんほうしたでは建築けんちくできない、たとえば地上ちじょう4かい地下ちか3かいした7かいてにもなるようなボリュームの建物たてもの相次あいついで誕生たんじょうすることになった。

また、地上ちじょう地下ちかかの区分くぶん敷地しきち平均へいきん地盤じばんめん[2]によって決定けっていされるため、盛土もりつちをして「地下ちか部分ぶぶん範囲はんいひろげる(平均へいきん地盤じばんめんたかくする)など、より有利ゆうり建築けんちくとなる操作そうさくわわることもある。

問題もんだいてん[編集へんしゅう]

これまでは傾斜地けいしゃちのため建築けんちくしにくく、山林さんりんとして放置ほうちされていた土地とち宅地たくちとして有効ゆうこう利用りようされる格好かっこうになるが、従前じゅうぜんからの近隣きんりん住民じゅうみんにとっては緑地りょくちとして認識にんしきされていた場所ばしょ開発かいはつされるため、住環境じゅうかんきょう悪化あっかとして問題もんだいとなることがある。また、災害さいがい防止ぼうしとう観点かんてんから問題もんだいされることもあり、地域ちいき住民じゅうみん開発かいはつ業者ぎょうしゃとのトラブルに発展はってんしているケースもある。近年きんねんでは、かく地方ちほう公共こうきょう団体だんたい条例じょうれい斜面しゃめん建築けんちく開発かいはつ制限せいげんするうごきもてきている。

法規ほうきめんからの注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 建築けんちく基準きじゅんほうでは、室内しつないゆかから天井てんじょうまでのたかさの1/3が地盤じばんめんであるかい地下ちかかいとして定義ていぎしている。(建物たてもの周囲しゅうい地盤じばんめんせっする位置いち平均へいきん算定さんていする)このため、ベランダがわ地盤じばんまっていなくともかい全体ぜんたいのうち1/3が地下ちかまっていれば地下ちかであるとしてあつかわれている。
  2. ^ 正確せいかくえば、3m以内いないごとにべつ地盤じばんめんさだめる必要ひつようがあるため、各階かくかいごとにそれぞれが地下ちかかいとなるたかさに設計せっけいじょう法規ほうきじょう地盤じばんめん設定せっていできる。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

関連かんれんサイト[編集へんしゅう]

東京とうきょう

神奈川かながわけん

埼玉さいたまけん

兵庫ひょうごけん

京都きょうと