米べい軍ぐんハウス

米べい軍ぐんハウス（べいぐんハウス）とは、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん直後ちょくごに集中しゅうちゅうして建設けんせつされた、配偶はいぐう者しゃのある進駐軍しんちゅうぐん・在ざい日米にちべい軍ぐん軍人ぐんじんのための一戸建いっこだて住宅じゅうたくの俗称ぞくしょうである^[1]。

アメリカ人じんからは《off base house》（基地きち外がい住宅じゅうたく）、《dependent house》（扶養ふよう家族かぞく住宅じゅうたく）などと呼よばれる。

概要がいよう[編集へんしゅう]

「米べい軍ぐん住宅じゅうたく」も参照さんしょう

基本きほん的てきには「米べい軍ぐん基地きちの敷地しきち外がいにある民間みんかん経営けいえいの賃貸ちんたい物件ぶっけんでアメリカ人じん向むけの一軒家いっけんや」を指さし、東京とうきょう都との横田よこた基地きち近ちかくの福生ふっさ市し・瑞穂みずほ町まち・昭島あきしま市し周辺しゅうへんにあるものと、立川たちかわ基地きち（敗戦はいせん後ごに一旦いったん接収せっしゅうされ、1977年ねんに返還へんかん。その一部いちぶは昭和しょうわ記念きねん公園こうえんとなった）に存在そんざいしたアメリカンビレッジ、またジョンソン基地きち周辺しゅうへんにあった集落しゅうらく等とうがつとに有名ゆうめい。また文献ぶんけん等とうによっては、基地きち内ないのハウジングエリアに建たてられた一戸建いっこだて住宅じゅうたくを対象たいしょうに含ふくめる場合ばあいもあり、その場合ばあいは調布ちょうふ飛行場ひこうじょう西側にしがわ（住所じゅうしょとしては府中ふちゅう市し）の通称つうしょう「関東かんとう村むら」と呼よばれたエリア（現在げんざいの警察けいさつ大だい学校がっこう）なども含ふくまれる^[2]。このほかに板付いたづけ基地きちがあった大野城おおのじょう市しにも建設けんせつされた^[1]。

1970年ねん（昭和しょうわ45年ねん）頃ごろから米兵べいへいが基地きち内ないのハウジングエリアに移うつりはじめるとともに、日本人にっぽんじん青年せいねんが好このんで住すむようになり、そこから多おおくの有名ゆうめいミュージシャンや小説しょうせつ家か、画家がか等とうを輩出はいしゅつするという現象げんしょうが起おき、これらのエピソードは俗ぞくに『福生ふっさ幻想げんそう』と呼よばれることがある。ただ現在げんざいは老朽ろうきゅう化かのため取とり壊こわされたり、建物たてものが現存げんそんする場合ばあいでもリフォーム等とうにより内装ないそうが一新いっしんされていることが多おおく、建設けんせつ当時とうじの姿すがたをとどめている建物たてものは数少かずすくない^[2]。また米べい軍ぐんハウスだったことを知しらずに居住きょじゅうしている住人じゅうにんもいる^[1]。

米べい軍ぐんハウスの正確せいかくな定義ていぎは難むずかしいが、一般いっぱん論ろんとしては「基地きちの外部がいぶにある民営みんえいの賃貸ちんたい物件ぶっけんで平屋ひらやか2階かい建けんのもの」で、本国ほんごくアメリカのいわゆるランブラースタイルを継承けいしょうし、かつ間取まどりがアメリカ人じん向むけになっているものを指さすことが多おおい。家いえの作つくりが「玄関げんかんで靴くつを脱ぬぐという習慣しゅうかんがない」ことを前提ぜんていとしているのが特徴とくちょうで、玄関げんかんがなくドアを開あけるといきなり居間いまに入はいるタイプの家いえが多おおい^[2]。他ほかにも集合しゅうごう住宅じゅうたくタイプ（Duplex等とう）が存在そんざいするが、これらは民間みんかん経営けいえいの場合ばあいでも、基本きほん的てきにはビレッジのような一般人いっぱんじんが立たち入いれない場所ばしょに建たっていたケースがほとんどなので、この限かぎりではない。

また、米べい軍ぐん基地きちが存在そんざいする沖縄おきなわにも、これと似にた建物たてものが多数たすう存在そんざいするが、これらは地元民じもとみんによって、単たんに『外人がいじん住宅じゅうたく』と呼よばれ、米べい軍ぐんハウスと呼よばれることはほとんど無ない。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ ^a ^b ^c 日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかい. ““発掘はっくつ”された米べい軍ぐん基地きち”. NHKニュース. 2021年ねん10月がつ1日にち閲覧えつらん。
^ ^a ^b ^c あびる義明よしあき『東京とうきょうタイムマシン』 1巻かん、集英社しゅうえいしゃ〈SCオールマン〉、123 - 133頁ぺーじ。