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擬宝珠ぎぼうしゅ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
擬宝珠ぎぼうしゅ京都きょうと三条さんじょう大橋おおはし

擬宝珠ぎぼうしゅ(ぎぼし、ぎぼうしゅ)は、伝統でんとうてき建築けんちくぶつ装飾そうしょくはし神社じんじゃ寺院じいん階段かいだんまわりえん高欄こうらんすり、欄干らんかん)のはしらうえもうけられているかざりである。ネギのはなていることから「ねぎだい(そうだい)」ともばれる。

擬宝珠ぎぼうしゅけられるのはおやばしらりょうはしおよび一定いってい間隔かんかくなら主要しゅようはしら)であり、「宝珠ほうしゅばしら」という。おやばしら木製もくせい場合ばあい擬宝珠ぎぼうしゅどう青銅せいどうなどの金属きんぞくせいである場合ばあいおおく、雨水あまみずなどによる木材もくざい腐食ふしょくおさえる役目やくめもある。おやばしらいし場合ばあい擬宝珠ぎぼうしゅふくめて石造いしづくりになっている場合ばあいもある。まれにすべて木製もくせいのものもある。よりふる時代じだいかわらせいのものもつかっている。

まぎらわしいものとしては五重塔ごじゅうのとう五輪ごりんとうなどの仏塔ぶっとう先端せんたんかざられるもので、これは擬宝珠ぎぼうしゅではなく宝珠ほうしゅである。

起源きげん

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起源きげん諸説しょせつあり、ひとつは仏教ぶっきょうにおける宝珠ほうしゅからているとするものである。宝珠ほうしゅ釈迦しゃかほねつぼ舎利しゃりつぼ)のかたちとも、龍神りゅうじんあたまなかからてきたというたまのことともわれ、地蔵じぞう菩薩ぼさつなどの仏像ぶつぞうのひらにせているものである。 この宝珠ほうしゅしたかたちから模擬もぎ宝珠ほうしゅという意味いみ擬宝珠ぎぼうしゅとつけられたというもの。

もうひとつはネギのもつ独特どくとく臭気しゅうき魔除まよけけにもなるとしんじられ、そのちからにあやかって使つかわれるようになったとするせつであり、擬宝珠ぎぼうしゅという用字ようじねぎ帽子ぼうし葱坊主ねぎぼうずからけられたであるとするもの。はし神社じんじゃなど仏教ぶっきょう建築けんちく以外いがいでも使つかわれることの説明せつめいにもなる。

歴史れきし

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ふるれいとしては中国ちゅうごくかんだい画像がぞうせき敦煌とんこう壁画へきがにそれらしいものがられる。日本にっぽんでのれいでは平城京へいじょうきょうあとじょう大橋おおはしのものとされる、かわらのものがつかっている。

神社じんじゃでは伊勢神宮いせじんぐう正殿せいでん高欄こうらん五色ごしき宝珠ほうしゅがたかざりが原型げんけいとされ、当初とうしょ朝廷ちょうていかかわる建造けんぞうぶつにのみ存在そんざいしたらしい。

はし擬宝珠ぎぼうしゅには、その由来ゆらいきざまれている場合ばあいもある。めいがあり現存げんそんするものとしては京都きょうと三条さんじょう大橋おおはし一部いちぶのこっているものがふるく、天正てんしょう年間ねんかん豊臣とよとみ秀吉ひでよしいのち改築かいちくしたさいのものとされる。おなじく京都きょうと五条ごじょう大橋おおはし一部いちぶのこるものもちか時代じだい(正保まさやす2ねん)のめいがあり、はしもちいられた最初さいしょのものとされる。に、それをしたものとして江戸えど時代じだい初期しょき盛岡もりおか うえはししたはしのものがある。

江戸えどちゅう擬宝珠ぎぼうしゅっていたはしは、日本橋にほんばし (東京とうきょう中央ちゅうおう)京橋きょうばし (東京とうきょう中央ちゅうおう)新橋しんばし (東京とうきょうみなと)のみである[1]

形状けいじょう各部かくぶ名称めいしょう

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鎌倉かまくらがた奈良なら矢田寺やたでら

先端せんたん宝珠ほうしゅじょう部分ぶぶんのみをさして、「擬宝珠ぎぼうしゅ」という場合ばあいもある。したにあるおわんせたような部分ぶぶんを「くつがえはち」、あいだをつなぐくびれた部分ぶぶんを「かけくび」という。さらにそのしたくつがえはちした円筒えんとうがた部分ぶぶんを「どう」という。

擬宝珠ぎぼうしゅ時代じだいにより形状けいじょう変化へんかしており、いちれいとしてたかさにくら直径ちょっけいおおきくあたま宝珠ほうしゅじょう部分ぶぶんちいさいものを「鎌倉かまくらがた」という。この宝珠ほうしゅ部分ぶぶんおおきさはおおむ時代じだいとともにおおきくなっている。

擬宝珠ぎぼうしゅ写真しゃしん

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ みなときょう物語ものがたり01 新橋しんばし”. みなとホームページ (2016ねん3がつ30にち). 2018ねん7がつ27にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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  • ギボシムシ - 吻部の形状けいじょう擬宝珠ぎぼうしゅがたのためこのがある。
  • 圧着あっちゃく端子たんし - まるがた接続せつぞく端子たんしのことをギボシ端子たんしぶ。語源ごげんはオスがわ先端せんたん部分ぶぶん擬宝珠ぎぼうしゅているため。