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工場こうじょう

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上野製薬うえのせいやく四日市よっかいち工場こうじょう
日本触媒にほんしょくばい川崎かわさき製造せいぞうしょせんちょう工場こうじょう
ENEOS和歌山わかやま石油せきゆ精製せいせい海南かいなん工場こうじょう

工場こうじょう(こうじょうもえ)とは工場こうじょう景観けいかん愛好あいこうする行為こういのことである。

概要がいよう[編集へんしゅう]

日本にっぽん国内こくないにおいて、コンビナート工場こうじょうの、夜間やかん照明しょうめい煙突えんとつ配管はいかんタンクぐんの、重厚じゅうこうな「構造こうぞう」をでる、工場こうじょう観賞かんしょう工場こうじょう鑑賞かんしょう)を趣味しゅみとする人々ひとびとえており、従来じゅうらいけっしてきれいとはえない外観がいかんであるとされてきた工場こうじょう見出みいだうごきがインターネットひとしつうじて拡大かくだいした。

工場こうじょう内部ないぶにおいて、製造せいぞう工程こうていなどを見学けんがくもしくは体験たいけんする工場こうじょう見学けんがくや、産業さんぎょう観光かんこうとは主眼しゅがんことなる。

外国がいこくでは「工場こうじょうえ」という言葉ことばはまだ認知にんちされていないが、20世紀せいき初頭しょとうから美術びじゅつかいとく写真しゃしんかい表層ひょうそうてきをもつ被写体ひしゃたいとしておおげられてきたし、ベッヒャー夫妻ふさい(Bernd and Hilla Becher)は1960年代ねんだいから鉱山こうざん工場こうじょうを「無名むめい彫刻ちょうこく」(どく:Anonyme Skulpturen)とび、主観しゅかん排除はいじょした構図こうずおおくの被写体ひしゃたい撮影さつえいした[1]1909ねんには機械きかいによって実現じつげんされた近代きんだい社会しゃかいはやさをたたえる「未来みらい宣言せんげん」がた。これとはべつ1977ねん発表はっぴょうされたピンク・フロイドアルバムアニマルズ』(Animals)はテムズがわ沿いにあるバターシー発電はつでんしょ上空じょうくうぶたんでいるジャケットだったし、2000ねんにオープンした美術館びじゅつかんテート・モダン以前いぜんバンクサイド発電はつでんしょ」だった建物たてものリノベーションしたものだった。フランスでも1977ねん開館かいかんポンピドゥー・センター美術館びじゅつかん工場こうじょうした外観がいかんであるし、1986ねんにオープンしたオルセー美術館びじゅつかんえき改造かいぞうしたものである[注釈ちゅうしゃく 1]

各地かくちにおける工場こうじょうえへの取組とりくみ[編集へんしゅう]

工業こうぎょう地域ちいきやコンビナートをかかえる地域ちいきにおいては、従来じゅうらいではかんがえられなかったものが観光かんこう資源しげんとして着目ちゃくもくされるようになり、各地かくちでツアーを開催かいさいするなどの取組とりくみおこなわれている。

千葉ちばけん商工しょうこう労働ろうどう観光かんこうは、2007ねん11月、千葉ちばうち京葉けいよう工業こうぎょう地域ちいき工場こうじょうなどをめぐる「工場こうじょう鑑賞かんしょうモニターツアー」を開催かいさいした。

また、阪神はんしん工業こうぎょう地帯ちたい一角いっかくめる尼崎あまがさきではまちおこし工場こうじょう鑑賞かんしょう利用りようしており、尼崎あまがさき公害こうがい訴訟そしょう和解わかいきん設立せつりつされた市民しみんグループ「尼崎あまがさき南部なんぶ再生さいせい研究けんきゅうしつ(あまけん)」によって2004ねんよりとし1かい運河うんがクルージングが開催かいさいされている[2]

北九州きたきゅうしゅう工業こうぎょう地帯ちたいかかえる北九州きたきゅうしゅうにおいても、2010ねん11月より夜景やけい観賞かんしょうバスツアーを開始かいし。ツアーガイドがかく工場こうじょう歴史れきし機能きのう説明せつめいする[3]

近畿大学きんきだいがく理工学部りこうがくぶ社会しゃかい環境かんきょう工学科こうがっか岡田おかだあきらあきらじゅん教授きょうじゅは「公害こうがい顕在けんざいした1970年代ねんだいに、工業こうぎょう地帯ちたい緑地りょくちすすみ、工場こうじょう市民しみんから目隠めかくしされてきた。市民しみんにとって疎遠そえんになった工場こうじょうが、ユニークで迫力はくりょくがある景観けいかんとしてブログなどで紹介しょうかいされるようになったことがおおきい」と分析ぶんせきしている[4]

石井いしいあきらによる活動かつどう[編集へんしゅう]

mixiうちのコミュニティ「工場こうじょう・コンビナートにえるかい」の管理人かんりにんならびに個人こじんブログ工場こうじょうえな日々ひび」を運営うんえいするイラストレーター石井いしいあきら(wami)は2007ねん3がつ写真しゃしんしゅう工場こうじょうえ』(共著きょうちょ 大山おおやまあらわ東京書籍とうきょうしょせき ISBN 978-4487801633)をした。石井いしいテレビ朝日てれびあさひの「タモリ倶楽部くらぶ」に出演しゅつえんし、ブログが紹介しょうかいされた。また、京浜けいひん京葉けいよう多摩たま群馬ぐんまなどの工業こうぎょう地帯ちたい撮影さつえいしたDVD『工場こうじょうえな日々ひび』が2006ねん12月に、だいだんとして西日本にしにほん四日市よっかいちさかい水島みずしま坂出さかいで)の工業こうぎょう地帯ちたいにスポットをてた『工場こうじょうえな日々ひび 2』が2007ねん11月に発売はつばいされている。

石井いしいおよび大山おおやま支援しえん公認こうにんした、船上せんじょうから川崎かわさき工場こうじょう地帯ちたい見学けんがくするツアー「工場こうじょうえクルーズ」が開催かいさいされている。また、三重みえけん四日市よっかいちでも大山おおやまおよび石井いしい監修かんしゅうによるツアーが2010ねん7がつ16にちから9がつ25にちまでの毎週まいしゅうきん土曜日どようびおこなわれた[5]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 水門すいもん愛好あいこう佐藤さとう淳一じゅんいちはこれらの建築けんちく愛好あいこう総称そうしょうして「ドボク」とび、写真しゃしん大山おおやまあらわは『ドボク・サミット』(武蔵野美術大学むさしのびじゅつだいがく出版しゅっぱんきょく 2009ねん)を出版しゅっぱんしている。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 五十嵐いがらし太郎たろう『おかしな建築けんちく歴史れきし』(エクスナレッジ 2013ねんp.12f)。
  2. ^ あまけん2010ねん5がつ20日はつか
  3. ^ 北九州きたきゅうしゅう工場こうじょうえ」夜景やけいバスツアー11がつまつスタート毎日新聞まいにちしんぶん2010ねん10がつ17にち
  4. ^ サンスポ2007ねん10がつ4にち
  5. ^ 四日市よっかいちコンビナート夜景やけいクルーズ四日市よっかいち観光かんこう協会きょうかい

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]