大友おおとも頼よりゆき泰やすし

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大友おおとも 頼よりゆき泰やすし
時代じだい 鎌倉かまくら時代ときよ
生誕せいたん 貞さだ応おう元年がんねん（1222年ねん）
死没しぼつ 正安まさやす2年ねん9月17日にち（1300年ねん10月30日にち）[1][2]
改名かいめい 薬師丸やくしまる[2]（幼名ようみょう）→泰たい直じき[1][2]→頼よりゆき泰やすし→常楽寺じょうらくじ殿しんがり道どう忍にん（法名ほうみょう）[1][2]
別名べつめい 頼康よりやす、太郎たろう[2]（通称つうしょう）
墓所はかしょ 大分おおいた県けん大分おおいた市し岡川おかかわ501[3]
官位かんい 従したがえ五ご位い[2]、大炊おおい介かい[2]・式部しきぶ大夫たいふ[2]・出羽でわ守もり[2]・丹後たんご守もり[2]・兵庫ひょうご頭あたま[2]
幕府ばくふ 鎌倉かまくら幕府ばくふ
氏族しぞく 大友おおとも氏し
父母ちちはは 父ちち：大友おおとも親ちかし秀しゅう[1][2][4]、母はは：佐原さわら家か連れん娘むすめ
兄弟きょうだい 頼よりゆき泰やすし、戸次とつぎ重秀しげひで、野津原のつはる能のう泰やすし、狭間はざま直ちょく重じゅう、野津のつ頼よりゆき宗むね、木き付づけ親おや重おも、田北たきた親ちかし泰やすし、親しん盛もり
子こ 泰たい能のう（早世そうせい）[5]、親したし時とき[2][5]、親しん吉きち、北条ほうじょう宗そう頼よりゆき室しつ[5][6]、貞さだ親おや[7]（異説いせつあり）
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大友おおとも 頼よりゆき泰やすし（おおとも よりやす[1][8]）は鎌倉かまくら時代ときよ中期ちゅうきの武将ぶしょう・御家人ごけにん。大友おおとも氏し3代だい当主とうしゅ。

生涯しょうがい[編集へんしゅう]

貞さだ応おう元年がんねん（1222年ねん）、大友おおとも親ちかし秀しゅうの嫡男ちゃくなんとして生うまれる。

嘉よしみ禎ただし2年ねん（1236年ねん）、父ちち・親おや秀しゅうより家督かとくを譲ゆずられる[1]。大友おおとも泰やすし直じきが史料しりょう上じょうに現あらわれるのは仁じん治ち三さん年ねん（1242年ねん）からであり、初はつ見みはこの年としの2月がつ13日にちの｢六ろく波は羅ら御教書みぎょうしょ案あん｣[9]・｢六ろく波は羅ら御教書みぎょうしょ写うつし｣[10]にある｢大友おおとも式部しきぶ大夫たいふ殿どの｣である。実名じつめい｢泰やすし直ちょく｣の初はつ見みは、それから5日にち後ご、2月がつ18日にちに第だい3代だい執権しっけん・北条ほうじょう泰やすし時ときから出だされた｢関東かんとう下知げじ状じょう案あん｣[11]であり、この頃ころまでに泰たい時じ（同年どうねん6月がつに死去しきょ）から｢泰たい｣の字じを賜たまわって元服げんぷくを済すませていることが窺うかがえる。

その後ご建けん長ちょう5年ねん（1253年ねん）7月がつ30日にちの｢関東かんとう下知げじ状じょう案あん｣[12]の段階だんかいまで｢大友おおとも式部しきぶ大夫たいふ泰やすし直ちょく｣と名乗なのっていたことが確認かくにんできるが、同どう8年ねん（1256年ねん）8月がつの段階だんかい[13]では｢頼よりゆき泰たい｣と名なが変かわっている。その間あいだ3年ねんの開ひらきはあるが、この期間きかん内ないに改名かいめいを行おこなったことが分わかる。この期間きかんの幕府ばくふの将軍しょうぐんは宗尊親王むねかたしんのう、執権しっけんは第だい5代だい・北条ほうじょう時じ頼よりゆき（泰やすし時じの孫まご）であり、時とき頼よりゆきから｢頼よりゆき｣の字じを賜たまわって改名かいめいしたものとみられる[14]。

それまでは御家人ごけにんとして京都きょうとや鎌倉かまくらで活動かつどうしていたが、第だい8代だい執権しっけん・北条ほうじょう時宗じしゅう（時じ頼よりゆきの子こ）の代だいになって元もと寇の危機ききが強つよまると幕命ばくめいにより鎮西ちんぜい東方とうほうの奉行ぶぎょうに任命にんめいされ、文ぶん永ひさし9年ねん（1272年ねん）の初はじめには豊後ぶんご国こくへ下向げこうして、少しょう弐に氏しと共ともに九州きゅうしゅうの軍政ぐんせいを担当たんとうした[1]。文ぶん永なが11年ねん（1274年ねん）の文ぶん永ながの役やくでは鳥飼とりかい潟かたの戦たたかいで元もと軍ぐんを破やぶり、元もと軍ぐんの侵攻しんこうを阻止そしした。弘安ひろやす4年ねん（1281年ねん）の弘安ひろやすの役やくでは志賀島しかしまの戦たたかいで奮戦ふんせんして金かね方かた慶けいや洪ひろし茶ちゃ丘おからが率ひきいる元もと軍ぐんに大勝たいしょうし、元もと軍ぐんを志賀島しかしまから駆逐くちくした。その後ごは高齢こうれいのため、隠棲いんせいしたと言いわれている。

正安まさやす2年ねん（1300年ねん）9月17日にち、相模さがみ国こくにおいて[15]死去しきょ（享年きょうねん79）[1][2]。大友おおとも氏しはこの頼よりゆき泰たいの時代じだいに本ほん貫ぬき地ちの相模さがみ国こく大友おおとも郷きょうから豊後ぶんご国こくに移住いじゅう[16]・土着どちゃくし、豊後ぶんごの豪族ごうぞく的てき領主りょうしゅひいてはその後ごの守護しゅご大名だいみょう・戦国せんごく大名だいみょうとして北九州きたきゅうしゅうに次第しだいに勢力せいりょくを拡大かくだいしていくことになったのである[1]。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ a b c d e f g h i 安田やすだ、1990年ねん、P.104 ｢大友おおとも頼よりゆき泰たい｣の項こう（執筆しっぴつ：外山とやま幹夫みきお）より。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n 『系図けいず纂要』・『寛政かんせい重じゅう修おさむ諸家しょか譜ふ』・『群ぐん書しょ系図けいず部ぶ集しゅう 四よん』・『入江いりえ文書ぶんしょ』等とうの｢大友おおとも系図けいず｣に掲載けいさいあり。
  3. ^ 大友おおとも頼よりゆき泰たいの墓はか（外部がいぶリンク）、戦国せんごく戸次とつぎ氏し年表ねんぴょう - 大友おおとも頼よりゆき泰やすし（外部がいぶリンク）より。
  4. ^ 『尊卑そんぴ分脈ぶんみゃく』（黒板こくばん勝美かつみ、国史こくし大系たいけい編修へんしゅう会かい（編へん）『新しん訂てい増補ぞうほ国史こくし大系たいけい・尊卑そんぴ分ぶん脉 第だい二に篇へん』（吉川弘文館よしかわこうぶんかん）P.389）より。
  5. ^ a b c ｢大友おおとも系図けいず｣（『群ぐん書しょ系図けいず部ぶ集しゅう 四よん』P.350・358・365・372）より。
  6. ^ 安田やすだ、1990年ねん、P.554 ｢北条ほうじょう宗方むなかた｣の項こう、P.555 ｢北条ほうじょう宗そう頼よりゆき｣の項こう（いずれも執筆しっぴつは奥富おくとみ敬之たかゆき）より。
  7. ^ 安田やすだ、1990年ねん、P.103。
  8. ^ 『寛政かんせい重じゅう修おさむ諸家しょか譜ふ』より。
  9. ^ 『筑後ちくご鷹尾たかお家か文書ぶんしょ』。『鎌倉かまくら遺文いぶん』5981号ごう。
  10. ^ 『筑後ちくご鷹尾たかお家か文書ぶんしょ』。『鎌倉かまくら遺文いぶん』5983号ごう。
  11. ^ 『筑後ちくご大友おおとも文書ぶんしょ』。『鎌倉かまくら遺文いぶん』5984号ごう。
  12. ^ 『豊後ぶんご詫わび磨すり文書ぶんしょ』。『鎌倉かまくら遺文いぶん』7604号ごう。
  13. ^ 建けん長ちょう8年ねん8月がつ11日にち ｢関東かんとう下知げじ状じょう案あん｣（『筑後ちくご大友おおとも文書ぶんしょ』、『鎌倉かまくら遺文いぶん』8020号ごう）。
  14. ^ ｢大友おおとも系図けいず｣（『群ぐん書しょ系図けいず部ぶ集しゅう 四よん』P.361）の頼よりゆき泰たいの付記ふきに｢姓せい改あらため平たいら氏し 出羽守でわのかみ 北條ほうじょう時じ賴よりゆき賜たまもの一いち字じ｣とある。これは頼よりゆき泰たいが時とき頼よりゆきの猶子ゆうしとなって平ひら姓せいと｢頼よりゆき｣の一いち字じを与あたえられたことによるものとされている（渡辺わたなべ、1982年ねん、P.8・11 脚注きゃくちゅう(12)）。大友おおとも氏しが平ひら姓せいを称しょうしたのはこの頼よりゆき泰たいの時ときであり、頼よりゆき泰たいが平ひら姓せいを称しょうしていたことは、建けん長ちょう8年ねん（1256年ねん）9月12日にちの安堵あんど状じょうを初はつ見みとし、正せい嘉よしみ2年ねん（1258年ねん）4月がつ5日にちの下知げじ状じょう案あんでも確認かくにんすることができる（渡辺わたなべ、1982年ねん、P.7-8）。尚なお、大友おおとも氏しはのちに氏し泰やすし・氏し宗むね・氏し時じが揃そろって足利尊氏あしかがたかうじの猶子ゆうしとなって源みなもと姓せいと｢氏し｣の一いち字じを与あたえられる形かたちで改姓かいせいしている（渡辺わたなべ、1982年ねん、P.8-9）。
  15. ^ ｢大友おおとも系図けいず｣（『群ぐん書しょ系図けいず部ぶ集しゅう 四よん』P.372）より。
  16. ^ 外山とやま幹夫みきおによれば、頼よりゆき泰たいの移住いじゅうは自主じしゅ的てきなものであったとしており（外山とやま幹夫みきお ｢鎌倉かまくら御家人ごけにんの移住いじゅうについて -大友おおとも氏しを中心ちゅうしんとして-｣（所収しょしゅう：｢日本にっぽん歴史れきし｣256号ごう））、芥川あくたがわ龍男たつおも著書ちょしょにおいてこれを支持しじしている（芥川あくたがわ、1972年ねん、P.26-33）。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

抱き杏葉紋豊後ぶんご大友おおとも氏し第だい3代だい当主とうしゅ（1236年ねん - ????年とし）
※後のちに高家こうかとして再興さいこう
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