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実験じっけんしつ

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実験じっけんしつ(じっけんしつ、英語えいご: laboratory)は、化学かがく工学こうがく生物せいぶつがくなどの実験じっけん試験しけん作業さぎょうきょうされる、条件じょうけん環境かんきょうととのえた、あるいは任意にんい設定せってい出来でき部屋へや施設しせつ)である。ラボラトリー(laboratory)、ラボともばれる。英語えいごのlaboratoryは研究所けんきゅうじょ意味いみ使用しようされることもある。類義語るいぎごとして「研究けんきゅうしつ」という用語ようごもあるが、こちらは研究けんきゅう組織そしき単位たんいすこともある。

実験じっけんしつは、学校がっこう理科りかしつ)、大学だいがく民間みんかん研究けんきゅう機関きかん製薬せいやく企業きぎょう石油せきゆ化学かがく企業きぎょうられるような企業きぎょう研究けんきゅう試験しけん施設しせつ政府せいふけい規制きせい法医学ほういがく調査ちょうさ機関きかん診療しんりょうしょ、クリニック、病院びょういん地域ちいき国立こくりつ紹介しょうかいセンターなどといった様々さまざま場所ばしょにある[1]

概要がいよう

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実験じっけんしつ構成こうせいおよび内容ないようはそこで作業さぎょうする専門せんもんなに必要ひつようとするかでまる。物理ぶつりがく実験じっけんしつには加速器かそくき真空しんくうチャンバーがあるかもしれないし、金属きんぞく工学こうがく実験じっけんしつ金属きんぞく鋳造ちゅうぞう精錬せいれん、あるいはそれらの強度きょうど試験しけんするための器具きぐがあるかもしれない。化学かがくしゃ生物せいぶつ学者がくしゃは「ウェット」な実験じっけんしつ使用しようするのにたいして、心理しんり学者がくしゃ研究けんきゅうしつ被験者ひけんしゃいを観察かんさつするためのマジックミラーとかくしカメラきの部屋へやかもしれない。計算けいさん科学かがくしゃによって一般いっぱんてき使用しようされるような「ドライ」な実験じっけんしつでは、コンピュータシミュレーション英語えいごばんデータ解析かいせきおこなうために計算けいさんスーパーコンピュータ使用しようされる。その分野ぶんや科学かがくしゃもまたことなる種類しゅるい実験じっけんしつ使用しようする。工学こうがくしゃ(エンジニア)は技術ぎじゅつ機器きき設計せっけい製造せいぞう試験しけんするために実験じっけんしつ使用しようする。

科学かがく実験じっけんしつは、学校がっこう大学だいがく企業きぎょう政府せいふぐん施設しせつふねうわ宇宙船うちゅうせんにおいて研究けんきゅうしつあるいは学習がくしゅうスペース英語えいごばんとして使用しようされることがある。

ブレコン・カウンティー女子じょしこう実験じっけんしつ

歴史れきし

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だい世界せかい大戦たいせんなか巨大きょだい科学かがく出現しゅつげんによって、実験じっけんしつ科学かがく装置そうちおおきさ増大ぞうだいした。

初期しょき実験じっけんしつ

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現存げんそんする証拠しょうこによるもっと初期しょき実験じっけんしつは、古代こだいギリシアの哲学てつがくしゃ科学かがくしゃであるピタゴラス自宅じたく実験じっけんしつである。この実験じっけんしつはピタゴラスがつる振動しんどう音色ねいろおとかんする実験じっけんおこなったときつくられた[2]

1885ねんアルベルト・エデルフェルトによるルイ・パスツールえがいたでは、パスツールは左手ひだりてったノートと右手みぎてった固体こたいたされたびん見比みくらべており、個人こじんよう保護ほご着用ちゃくようしていない[3]

チームでの研究けんきゅうは19世紀せいきはじまり、おおくのあたらしい種類しゅるい器具きぐが20世紀せいき開発かいはつされた[4]

2002ねんに、16世紀せいき錬金術れんきんじゅつ地下ちか実験じっけんしつがプラハで偶然ぐうぜん発見はっけんされた。神聖しんせいローマ皇帝こうていルドルフ2せい所有しょゆうしゃであるとしんじられた。この実験じっけんしつSpeculum Alchemiaeラテン語らてんごで「錬金術れんきんじゅつかがみ」の意味いみ)とばれ、博物館はくぶつかんとして保存ほぞんされている[5]

技術ぎじゅつ

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実験じっけん技術ぎじゅつは、化学かがく生物せいぶつがく物理ぶつりがくといった自然しぜん科学かがくにおいて実験じっけん実行じっこうするために使つかわれる一式いっしき手順てじゅんであり、それらのすべてが科学かがくてき方法ほうほうしたがう。実験じっけん技術ぎじゅつ一部いちぶではガラス器具きぐから電子でんし機器ききまで複雑ふくざつ実験じっけん機器きき使用しようするが、より専門せんもんてきあるい高価こうか消耗しょうもうひん必要ひつようとすることもある。

設備せつび消耗しょうもうひん

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3つのビーカー、1つの三角さんかくフラスコ、1つのメスシリンダー、1つのメスフラスコ

実験じっけん器具きぐとは、実験じっけんしつでの科学かがくてき作業さぎょう使用しようされる様々さまざま道具どうぐ設備せつびす。実験じっけん器具きぐ一般いっぱんてき実験じっけんおこなうためか、測定そくていおこなってデータあつめるために使つかわれる。より大型おおがたあるいはより高度こうど設備せつび一般いっぱんてき科学かがく機器きき英語えいごばんばれる。

古典こてんてき設備せつびとしては、ブンゼンバーナー顕微鏡けんびきょうといった道具どうぐや、スキナーばこ分光ぶんこうはかいろけい熱量ねつりょうけいといった専門せんもんてき設備せつびもある。

化学かがく実験じっけんしつ

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分子生物学ぶんしせいぶつがく実験じっけんしつ/生命せいめい科学かがく実験じっけんしつ

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特殊とくしゅ実験じっけんしつ

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安全あんぜんせい

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実験じっけんしつちゅう洗眼せんがんステーション英語えいごばん
実験じっけんよう白衣はくい着用ちゃくようしている遺伝いでん学者がくしゃリーン・タム英語えいごばんまえのボタンをめていないためあやまった着用ちゃくようほうである。袖口そでぐちがゴムやひもしぼれるものが推奨すいしょうされる。また、実験じっけんしつでは保護ほごメガネやグローブを着用ちゃくようしなければならない。

おおくの実験じっけんしつには危険きけん存在そんざいする。実験じっけんしつでの危険きけんには毒物どくぶつ感染かんせんせい因子いんし可燃かねんせい爆発ばくはつせい放射ほうしゃせい物質ぶっしつ作動さどうちゅう機械きかい極端きょくたん温度おんどレーザーつよ磁場じばこう電圧でんあつなどがある。したがって、安全あんぜんじょう予防よぼう措置そちきわめて大切たいせつである[6][7]個人こじんのリスクを最小さいしょうするためにルールが存在そんざいし、実験じっけんしつ使用しようしゃ怪我けがから防護ぼうごし、緊急きんきゅう事態じたいへの対応たいおう支援しえんするために安全あんぜん装備そうび使つかわれる。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいちょう英語えいごばん(OSHA)が、実験じっけんしつにおける危険きけん化学かがく物質ぶっしつへの職務しょくむじょう暴露ばくろかんする基準きじゅん調整ちょうせいしている。この基準きじゅんはしばしば「Laboratory Standard」とばれる。この基準きじゅんもとで、実験じっけんしつは「化学かがく物質ぶっしつ管理かんり計画けいかく」(CHP)を作成さくせいする必要ひつようがある。

出典しゅってん

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  1. ^ Laboratory Structure and Function
  2. ^ “World's Oldest Laboratory”. Analytical Chemistry 62 (13): 701A. (30 May 2012). doi:10.1021/ac00212a716. 
  3. ^ Schummer, Joachim; Spector, Tami I (July 2007). “The Visual Image of Chemistry: Perspectives from the History of Art and Science”. Hyle: International Journal for Philosophy of Chemistry (1): 3–41. http://www.hyle.org/journal/issues/13-1/schummer-spector.htm. 
  4. ^ Lowe, Derek (27 May 2015). “Laboratory history: The chemistry chronicles”. Nature 521 (7553): 422. Bibcode2015Natur.521..422L. doi:10.1038/521422a. 
  5. ^ Museum of Alchemy” (英語えいご). Speculum Alchemiae. 2023ねん5がつ3にち閲覧えつらん
  6. ^ Otto, Thomas (2021). “Safety for Particle Accelerators” (英語えいご). Particle Acceleration and Detection. doi:10.1007/978-3-030-57031-6. ISBN 978-3-030-57030-9. ISSN 1611-1052. 
  7. ^ Cossairt, J. Donald; Quinn, Matthew (2019) (英語えいご). Accelerator Radiation Physics for Personnel and Environmental Protection (1 ed.). Boca Raton, FL : CRC Press, Taylor & Francis Group, [2019]: CRC Press. doi:10.1201/9780429491634. ISBN 978-0-429-49163-4. https://www.taylorfrancis.com/books/9780429958496 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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