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射影しゃえい平面へいめん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
平行へいこう線路せんろ無限むげんとおにある消失しょうしつてんまじわる。

数学すうがくにおける射影しゃえい平面へいめん(しゃえいへいめん、えい: projective plane)とは、初等しょとうてき平面へいめん概念がいねん拡張かくちょうする幾何きかがくてき構成こうせいのことである。通常つうじょう平面へいめんにおいては、直線ちょくせん典型てんけいてきにはひとつの交点こうてんつが、特定とくてい直線ちょくせんくみ平行へいこうせん)は交点こうてんたない。一方いっぽう射影しゃえい平面へいめんにおいては、通常つうじょう平面へいめんに「無限むげんとおてん」が追加ついかされ、平行へいこうせん無限むげんとおてん交点こうてんつ。したがって、射影しゃえい平面へいめんでは任意にんいそうことなる直線ちょくせんがただいちてんにおいてまじわる。

射影しゃえい平面へいめん定義ていぎとしてよくもちいられるものが種類しゅるいある。ひとつは線型せんけい代数だいすうがくからるもので、この場合ばあい射影しゃえい平面へいめんは、適当てきとう古典こてんぐん英語えいごばんたいする等質とうしつ空間くうかんとしてあたえられる。この場合ばあい重要じゅうようれいとして、じつ射影しゃえい平面へいめん英語えいごばん[1][2] RP2 および複素ふくそ射影しゃえい平面へいめん英語えいごばん CP2げられる。もうひとつは、もっと一般いっぱん公理こうりてき幾何きかがく英語えいごばんおよび有限ゆうげん幾何きかがく立場たちばによりあたえられる定義ていぎである。これは平面へいめん幾何きかがく接続せつぞくてき性質せいしつ研究けんきゅうてきしている。

射影しゃえい平面へいめん概念がいねんは、もっとこう次元じげん射影しゃえい空間くうかん概念がいねん一般いっぱんされる。射影しゃえい平面へいめん次元じげん射影しゃえい空間くうかんである。

線型せんけい代数だいすうがくてき定義ていぎ

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線型せんけい代数だいすう学的がくてきには、射影しゃえい平面へいめんは「さん次元じげん空間くうかんない原点げんてんとお直線ちょくせん全体ぜんたい集合しゅうごう」としてあたえられる。射影しゃえい平面へいめんじょう直線ちょくせんさん次元じげん空間くうかんない原点げんてんとお平面へいめんからしょうじる。きちんとべれば、以下いかのようになる[3]

K任意にんいじょたまき斜体しゃたい)とし、 K 3Kもとぐみ x = (x 0, x 1, x 2) 全体ぜんたい集合しゅうごう直積ちょくせき集合しゅうごう)とする。K 3れいベクトルでない任意にんいてん xたいし、原点げんてんxとおK 3 うちの「直線ちょくせん」とは、 K 3部分ぶぶん集合しゅうごう

のことである。同様どうようK 3線型せんけい独立どくりつてん x, y (つまり kx + ly = 0 ならばかならk = l = 0)にたいし、原点げんてんx, yとおる「平面へいめん」とは、 K 3部分ぶぶん集合しゅうごう

のことであり、この平面へいめん無数むすう直線ちょくせんふくむ。

じょたまき K うえ射影しゃえい平面へいめん KP2 とは、K 3原点げんてんとお直線ちょくせん全体ぜんたい集合しゅうごうをいう。KP2部分ぶぶん集合しゅうごう L が、射影しゃえい平面へいめん KP2 うちの(射影しゃえい直線ちょくせんであるとは、K 3 における平面へいめんで、それがふく直線ちょくせん全体ぜんたい集合しゅうごうKP2 においてちょうど L一致いっちするものが存在そんざいするときにいう。

すこことなる定義ていぎ仕方しかたもあって、射影しゃえい平面へいめんというのは集合しゅうごう K 3 ∖ {(0, 0, 0)} を

あたえられる同値どうち関係かんけいったものである、ということもできる。この場合ばあい射影しゃえい平面へいめんない直線ちょくせんさきほどとまったくおなじように定義ていぎできる。K位相いそう空間くうかんならば KP2 にも(直積ちょくせき位相いそう部分ぶぶん空間くうかん位相いそうしょう位相いそうつうじて)内在ないざいてき位相いそうはいる。

KP2 における座標ざひょうけい (x 0, x 1, x 2) はひとし座標ざひょうけい (homogeneous coordinates)ばれる。かくみっぐみ (x 0, x 1, x 2) は KP2てん矛盾むじゅんあらわが、みっぐみ (0, 0, 0) だけは例外れいがいKP2 のどのてんにも対応たいおうしない。K有限ゆうげんたいでないかぎKP2かくてん対応たいおうするぐみ無数むすう存在そんざいしうる。

  • K としてくらいすう p n有限ゆうげんたいれば、p 2n + p n + 1 てん射影しゃえい平面へいめんられる。後述こうじゅつするファノ平面へいめんp n = 2 とした場合ばあいにあたる。

通常つうじょう平面へいめんとの関係かんけい

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平面へいめん F22 うえ平行へいこう直線ちょくせんたいして無限むげんとおてんくわえると、すべてのそうことなる直線ちょくせんいちてんかならまじわるファノ平面へいめん英語えいごばん PG(2, 2) = F2P2られる。

からだ K うえ通常つうじょう平面へいめん K 2射影しゃえい平面へいめん KP2写像しゃぞう

によってまれる。この写像しゃぞうぞう集合しゅうごうは (0, x 1, x 2) なるかたちてん全体ぜんたい集合しゅうごうであり、このようなみがあたえられているという観点かんてんによって、集合しゅうごうてん無限むげんとおてんあらわしている。無限むげんとおてん全体ぜんたいKP2 における直線ちょくせんす(つまり、この直線ちょくせんK 3 における平面へいめん

からしょうじる)。直観ちょっかんてきには、無限むげんとおてんというのは平行へいこうせんまじわるところとしての「余分よぶんな」てんであり、てん (0, x 1, x 2) というのはかたむきが x 2/x 1 であるような直線ちょくせんすべての交点こうてん対応たいおうする。たとえば、通常つうじょう平面へいめん K 2 における直線ちょくせん

かんがえれば、これらのかたむきはともに 0 であってこれらはまじわらない。これらをさきほどのみによって KP2部分ぶぶん集合しゅうごうなせば、これらは KP2 における直線ちょくせんとはならないが、それぞれにてん (0, 1, 0) をくわえた

KP2 における直線ちょくせんとなる。aK3 における平面へいめん

からしょうじ、b平面へいめん

からしょうじる。これらの射影しゃえい直線ちょくせん a, bてん (0, 1, 0) においてまじわる。じつは、K 2 におけるかたむき 0 の直線ちょくせんはすべて、この方法ほうほう射影しゃえいしたとき、KP2てん (0, 1, 0) においてまじわる。

さきほどあたえた平面へいめん K 2射影しゃえい平面へいめん KP2 へのみは一意いちいではなく、それぞれのみごとにその無限むげんとおてんとなるてんわってくる。たとえば、

かんがえれば、ぞう集合しゅうごうぞくする (x 0, 0, x 2) なるかたちてん無限むげんとおてんなされる。

射影しゃえい変換へんかん

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射影しゃえい平面へいめん KP2 における(射影しゃえい変換へんかんとは、KP2 からそれ自身じしんへの可逆かぎゃく写像しゃぞうであって、直線ちょくせん直線ちょくせんうつすものをいう。ひとし座標ざひょうけいもちいれば、これは 3-つぎ正則せいそく行列ぎょうれつ Mもちいて

くことができる。ふたつの行列ぎょうれつおな射影しゃえい変換へんかんさだめるのは、一方いっぽう他方たほう定数ていすうばいであるときにかぎる。したがって、射影しゃえい変換へんかん全体ぜんたいぐん一般いっぱん線型せんけいぐん剰余じょうよぐんである。

こう次元じげん

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いくつか線型せんけい代数だいすうがくてき定義ていぎげたが、いずれもよりこう次元じげん場合ばあい拡張かくちょうするのは容易よういである。d-次元じげん射影しゃえい空間くうかん KPd は、K n+1 うち原点げんてんとお直線ちょくせん全体ぜんたい集合しゅうごうであり、KPd うち直線ちょくせんK n+1原点げんてんとお平面へいめん対応たいおうする。射影しゃえい空間くうかん概念がいねんはさらにグラスマン空間くうかん概念がいねん一般いっぱんすることができる。

組合くみあわろんてき定義ていぎ

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より一般いっぱん組合くみあわろんてき定義ていぎによれば、射影しゃえい平面へいめん直線ちょくせん集合しゅうごうてん集合しゅうごうからり、てん直線ちょくせんとのあいだ結合けつごうあるいは接続せつぞく (incidence)ばれる以下いかのような性質せいしつ関係かんけいそなえるものである。

  1. 任意にんいことなるてんたいし、それらを接続せつぞくする直線ちょくせんがただひと存在そんざいする。
  2. 任意にんいことなる直線ちょくせんたいし、それらのいずれとも接続せつぞくするてんがただひと存在そんざいする。
  3. 平面へいめんじょうよんてんで、そのうちのてんよりもおおくに接続せつぞくするような直線ちょくせんひとつも存在そんざいしない、というものが存在そんざいする。

条件じょうけん2は平行へいこうせん存在そんざいしないことを意味いみする。また条件じょうけん3は退化たいかする場合ばあい後述こうじゅつ)をのぞくためだけにある。

性質せいしつ

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射影しゃえい平面へいめんにおいては、それがふく直線ちょくせんかずてんかずとがおなじであることをしめすことができる(有限ゆうげんでも無限むげんでも)。有限ゆうげん射影しゃえい平面へいめん

  • N2 + N + 1 てんと、
  • N2 + N + 1 ほん直線ちょくせんち、
  • かく直線ちょくせんじょうN + 1 てんっていて、
  • かくてんN + 1 ほん直線ちょくせんとおる。

ここで、N ≥ 2 は射影しゃえい平面へいめんすう (order)ばれる整数せいすうである(有限ゆうげん幾何きかがく参照さんしょう)。

前節ぜんせつべたような線型せんけい代数だいすうがくてき定義ていぎからしょうじる射影しゃえい平面へいめんはどれも、本節ほんぶし組合くみあわろんてき定義ていぎもとづく射影しゃえい平面へいめんとして記述きじゅつすることができる。したがって、すう pn有限ゆうげんたいから、すう N = pn射影しゃえい平面へいめんあたえることができる。

ファノ平面へいめん: 平面へいめんじょうの「てん」は黒丸くろまる平面へいめんじょうの「直線ちょくせん」は線分せんぶんまたはえんとしてしめされる。

ファノ平面へいめん二元にげんたいからしょうじる射影しゃえい平面へいめんである。これは最小さいしょう射影しゃえい平面へいめんで、わずかななつのてんななつの直線ちょくせんからる。みぎでは、ななつの「てん」をちいさな黒丸くろまるあらわし、ななつの「直線ちょくせん」はろくほん線分せんぶんひとつのえんあらわしたものだが、射影しゃえい平面へいめん双対そうついせいにより(てん直線ちょくせんとをたがいにえたものもやはり射影しゃえい平面へいめんとなるから)、黒丸くろまるを「直線ちょくせん」、線分せんぶんえんを「てん」とおもうこともできる。このななつのてんたいして置換ちかんほどこすと、ともせんてんどう一直線いっちょくせんじょうにあるてん)をともせんてんうつ変換へんかんこす。このことを以って、ファノ平面へいめんは「対称たいしょう」であるという。

一般いっぱんされた座標ざひょう

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組合くみあわろんてき定義ていぎされる任意にんい射影しゃえい平面へいめんたいして、平面へいめんさんこうたまきばれる座標ざひょうたまき」(ただし、本当ほんとうたまきとなっているとはかぎらない)を対応たいおうさせることができる。平面へいめんさんこうたまきからだまたは斜体しゃたいになっている必要ひつようはなく、また斜体しゃたいから構成こうせいすることができない射影しゃえい平面へいめんというものもおお存在そんざいする。そのような射影しゃえい平面へいめんデザルグてき射影しゃえい平面へいめんばれ、いま活発かっぱつ研究けんきゅうされている研究けんきゅう対象たいしょうである。

この平面へいめんさんこうたまき代数だいすうてき性質せいしつは、それに対応たいおうして平面へいめん幾何きかがくてき接続せつぞく関係かんけい性質せいしつえることができる。たとえば、デザルグの定理ていり対応たいおうするのは座標ざひょうたまき斜体しゃたいからられるということであり、またパップスの定理ていり対応たいおうするのは座標ざひょうたまきかわからだからられるということである。あるいは(たとえばはちげんすうからだのように)かならずしも結合けつごうてきでない交代こうたいてきじょ代数だいすうからられるようなものにはムーファン平面へいめん対応たいおうする。

有限ゆうげん射影しゃえい平面へいめんにおいてデザルグの定理ていりがパップスの定理ていりふくむという純粋じゅんすい幾何きかがくてき主張しゅちょうの、しかし唯一ゆいいつられている証明しょうめいは、斜体しゃたい成分せいぶん座標ざひょうをとってウェダーバーンの定理ていり有限ゆうげんじょたまきかならかわからだである)をもちいるという代数だいすうてき方法ほうほうによってなされる(ぎゃくにパップスの定理ていりがデザルグの定理ていりふくむことは、(有限ゆうげんとはかぎらない)任意にんい射影しゃえい平面へいめんにおいてしんであり、しかもこれは幾何きかがくてき証明しょうめいすることができる)。

もとすうすう平面へいめん構成こうせい

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もとすうすう N射影しゃえい平面へいめんは、すう N有限ゆうげんたいじょう線型せんけい代数だいすうがくてき構成こうせいもちいて構成こうせいすることができる。あるいは以下いかのようにしても構成こうせいできる。

いちてん P用意よういする。
N てん用意よういして、c = 0, ..., N − 1 におうじて、P(c) とく。
同様どうようN2 てんP(r, c) (r, c = 0, ..., N − 1) とする。

これらのてんたいして、以下いかのように直線ちょくせん構成こうせいする

一本いっぽん直線ちょくせんL = {P, P(0), ..., P(N − 1)} であたえられる。
N ほん直線ちょくせんを、c = 0, ..., N − 1 におうじて、L(c) = {P, P(0, c), ..., P(N − 1, c)} とする。
N2 ほん直線ちょくせんL(r, c) = {P(c) および P((r + ci) mod N, i)} (i, r, c = 0, ..., N − 1) とする。

ただし、ここでいたしき

(r + ci) mod N

i が 0 から N − 1 までのすべてのわたるのは、N素数そすう場合ばあいかぎる。

この構成こうせいから、ふたつの退化たいか平面へいめんしょうじる。すなわち、N = 0 にたいしてただひとつのてんがただひとつの直線ちょくせん接続せつぞくしたものがられ、N = 1 にたいしてさんてんさん直線ちょくせんからなる三角形さんかっけいられる。素数そすう Nたいしては、この方法ほうほう構成こうせいされる任意にんい平面へいめん上記じょうき定義ていぎ条件じょうけん3満足まんぞくする。

たとえば N = 2 とすると、

一直線いっちょくせん L = { P, P(0), P(1)}
直線ちょくせん L(c) = {P, P(0,c), P(1,c)} (c = 0, 1)
よん直線ちょくせん L(r, c) = {P(c), P((r + ci) mod 2, i) | i = 0, 1} (r, c = 0, 1)

となる。

有限ゆうげんすう存在そんざい

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すで説明せつめいしたように、かく素数そすうべき pnたいして同位どういすう射影しゃえい平面へいめん存在そんざいする。事実じじつとして、「られている」すべての有限ゆうげん射影しゃえい平面へいめんはそのすう素数そすうべきである。

それ以外いがいすうについても有限ゆうげん射影しゃえい平面へいめん存在そんざいするかどうかというのは、解決かいけつ問題もんだいである(有限ゆうげん射影しゃえい平面へいめん基本きほん予想よそう Prime Power Conjecture)。すうかんする一般いっぱんてき制限せいげんとしてられているのは、すう Nほう 4 にかんして 1 または 2 と合同ごうどうならば、それはふたつの平方へいほうすうにならなければいけないというブルック=ライザー=チョウラの定理ていりである。これにより N = 6 が除外じょがいできる。つぎ場合ばあいN = 10 が、だい規模きぼ計算けいさん計算けいさんにより除外じょがいされた。それ以上いじょう場合ばあいについてはられていない(とくN = 12 も未解決みかいけつである)。

すう N射影しゃえい平面へいめん存在そんざいするための必要ひつようじゅうふん条件じょうけんは、すう Nアフィン平面へいめん存在そんざいすることである。すう N のアフィン平面へいめんがただひと存在そんざいするならば、すう N射影しゃえい平面へいめんもただひと存在そんざいするが、ぎゃくかならずしもしんでない。

すう N射影しゃえい平面へいめんはスタイナーの S(2, N + 1, N2 + N + 1)-けいである(スタイナーけい参照さんしょう)。ぎゃくN ≥ 2 にたいするこのかたちのスタイナーけい射影しゃえい平面へいめんとなることが証明しょうめいできる。

すう Nたがいに直交ちょっこうするラテンかたかく総数そうすう高々たかだか N − 1 である。これが N − 1 となりうる必要ひつようじゅうふん条件じょうけんは、そのすう射影しゃえい平面へいめん存在そんざいすることである。

一方いっぽう射影しゃえい平面へいめん分類ぶんるい全然ぜんぜんわっていない。いくつかの結果けっかすうじゅん以下いかしめす。

  • 2 : すべて PG(2,2) に同型どうけい
  • 3 : すべて PG(2,3) に同型どうけい
  • 4 : すべて PG(2,4) に同型どうけい
  • 5 : すべて PG(2,5) に同型どうけい
  • 6 : このすう射影しゃえい平面へいめん存在そんざいしない(オイラー士官しかん36にん問題もんだい英語えいごばんとして、タリーによりしめされた)。
  • 7 : すべて PG(2,7) に同型どうけい
  • 8 : すべて PG(2,8) に同型どうけい
  • 9 : PG(2,9) およびさん種類しゅるいことなる(同型どうけいでない)デザルグ平面へいめん
  • 10 : このすう射影しゃえい平面へいめん存在そんざいしない(計算けいさんによる膨大ぼうだい計算けいさん結果けっかとして証明しょうめいされた)。
  • 11 : すくなくとも PG(2,11) がげられる。られていないが可能かのうせいはある。
  • 12 : このすう射影しゃえい平面へいめん存在そんざいしないと予想よそうされているが証明しょうめいはされていない。

退化たいか平面へいめん

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退化たいか平面へいめんとは、上述じょうじゅつ定義ていぎにおける条件じょうけん3満足まんぞくしない場合ばあいである。退化たいか平面へいめんにはふたつの系列けいれつがある。

  1. 任意にんい個数こすうてん P1, ..., Pn および直線ちょくせん L1, ..., Lm以下いかたすもの。
    L1 = { P1, P2, ..., Pn}
    L2 = { P1 }
    L3 = { P1 }
    Lm = { P1 }
  2. 任意にんい個数こすうてん P1, ..., Pn および直線ちょくせん L1, ..., Ln以下いかたすもの(てんかず直線ちょくせんかず同数どうすうである)。
    L1 = { P2, P3, ..., Pn }
    L2 = { P1, P2 }
    L3 = { P1, P3 }
    Ln = { P1, Pn }

こう次元じげん

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接続せつぞく関係かんけいもちいた定義ていぎも、次元じげんよりこう次元じげん射影しゃえい幾何きかにおける対応たいおうぶつかんがえることができる。こう次元じげんしたものは、平面へいめん場合ばあいほどには興味深きょうみぶか性質せいしつしめさず(平面へいめん場合ばあいよりもよく振舞ふるまうといってもよいが)、つまり斜体しゃたいじょう古典こてんてき射影しゃえい空間くうかんとなる。そうなる理由りゆうべつ場所ばしょべるほうが適切てきせつであろうけれども、高次こうじもと射影しゃえい空間くうかんにおける接続せつぞく性質せいしつもちいて幾何きかがくてきデザルグの定理ていりしめせる(つまり、座標ざひょうたまき斜体しゃたいとなる)ことによる。

関連かんれん項目こうもく

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ じつ射影しゃえい平面へいめん RP2R3 へのはめ一種いっしゅボーイ曲面きょくめんである。
  2. ^ Make your Boy surface ボーイ曲面きょくめんをはさみとかみとセロテープで工作こうさくする動画どうが設計せっけい(英語えいご)設計せっけい日本語にほんご その紙工しこうさく設計せっけい
  3. ^ a b Baez (2002).
  4. ^ たとえば (Bredon 1993) の索引さくいんにはじつ射影しゃえい平面へいめんが37かいてくる。
  5. ^ たとえば、(Shafarevich 1994) では、からだじょう射影しゃえい平面へいめんとおしてあつかわれている。

参考さんこう文献ぶんけん

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  • Albert, A. Adrian; Sandler, Reuben (1968), An Introduction to Finite Projective Planes, New York: Holt, Rinehart and Winston 
  • John C. Baez, "The Octonions", Bull. Amer. Math. Soc. 39 (2002), 145-205. Available electronically.[1]
  • Glen E. Bredon (1993). Topology and Geometry. Springer-Verlag. ISBN 0-387-97926-3 
  • Dembowski, Peter (1968), Finite Geometries, Berlin: Springer Verlag 
  • D. Hughes and F. Piper (1973). Projective Planes. Springer-Verlag. ISBN 0-387-90044-6 
  • Kárteszi, F. (1976), Introduction to Finite Geometries, Amsterdam: North-Holland, ISBN 0-7204-2832-7 
  • Clement W.H. Lam, "The Search for a Finite Projective Plane of Order 10", American Mathematical Monthly 98, (no. 4) 1991, pp. 305 – 318.
  • Lindner, Charles C. and Christopher A. Rodger (eds.) Design Theory, CRC-Press; 1 edition (October 31, 1997). ISBN 0-8493-3986-3.
  • Lüneburg, Heinz (1980), Translation Planes, Berlin: Springer Verlag, ISBN 0-387-09614-0 
  • Weisstein, Eric W. "Projective plane". mathworld.wolfram.com (英語えいご).
  • G. Eric Moorhouse, Projective Planes of Small Order, (2003)
  • Room, T. G.; Kirkpatrick, P. B. (1971), Miniquaternion Geometry, Cambridge: Cambridge University Press, ISBN 0-521-07926-8 
  • I. R. Shafarevich (1994). Basic Algebraic Geometry. Springer-Verlag. ISBN 0-387-54812-2 
  • Stevenson, Frederick W. (1972), Projective Planes, San Francisco: W.H. Freeman and Company, ISBN 0-7167-0443-9 

外部がいぶリンク

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