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日本国有鉄道の荷物運送 - Wikipedia コンテンツにスキップ

日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう荷物にもつ運送うんそう

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小荷物こにもつから転送てんそう
大阪おおさかえきかい 手荷物てにもつ受付うけつけ (1940ねんごろ)
荷物にもつしゃキニ58
国鉄こくてつ時代じだい小荷物こにもつ切符きっぷ

日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう荷物にもつ運送うんそう(にほんこくゆうてつどうのにもつうんそう)とは、旅客りょかく列車れっしゃに併結しての輸送ゆそう旅客りょかくきょく扱)をし、貨物かもつ列車れっしゃによって輸送ゆそうされる貨物かもつ貨物かもつきょく扱)と対比たいひされる[1][2]荷物にもつあつかいには、さらに以下いか区分くぶんされる[3][4]

これらは旅客りょかく列車れっしゃ荷物にもつしゃ連結れんけつして輸送ゆそうし、旅客りょかくホームにて旅客りょかく一緒いっしょあつかわれた[注釈ちゅうしゃく 1][3][1]荷物にもつ専用せんよう列車れっしゃ時刻じこく一時期いちじき市販しはん旅客りょかくよう時刻じこくひょうにも時刻じこく掲載けいさいされていた[注釈ちゅうしゃく 2]

なお旅客りょかく鉄道てつどう託送たくそう手荷物てにもつあづけるさいには、手荷物てにもつひょう(チッキ, チェッキ[注釈ちゅうしゃく 3])が発行はっこうされる[8][9][4][7]

規定きてい

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旅客りょかく列車れっしゃによる運送うんそう規定きてい以下いかとおり。

だいさんしょう 託送たくそう手荷物てにもつ
だい36じょう 旅客りょかく旅行りょこう必要ひつようなる物品ぶっぴん手荷物てにもつとして託送たくそうするところ
だい37じょう 鉄道てつどう旅客りょかくいちにんづけすくなくともさんじゅうきんまで手荷物てにもつ無賃むちんにて運送うんそうする便びんきょうふべし
だい39じょう 斤量きんりょうにより運賃うんちんさだめる特定とくてい物品ぶっぴん小荷物こにもつとして託送たくそう手織ておりすべし
だい42じょう 手荷物てにもつ託送たくそうするもの乗車じょうしゃけん鉄道てつどう係員かかりいん呈示ていじすべし
だい43じょう 手荷物てにもつ託送たくそうけたるときは引換ひきかえひょう交付こうふこれ引換ひきかえに引渡をすものとす
だい4しょう 小荷物こにもつ運送うんそう
だい50じょう 手荷物てにもつしゃもっ運送うんそうするにてきする貨物かもつ小荷物こにもつとして旅客りょかく列車れっしゃまたおなじをもっ運送うんそう便びんひらくべし
鉄道てつどう運輸うんゆ規程きてい(1909ねん)、抜粋ばっすい

だいはちじょう つぎかかげるもの以下いか運送うんそう業者ぎょうしゃ」という。)は、このふしさだめるところにより、郵政ゆうせい大臣だいじん要求ようきゅうがあるときは、郵便ゆうびんぶつ運送うんそうをし、また郵便ゆうびんぶつ運送うんそうかん必要ひつよう行為こういをしなければならない。

いち 日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう

だいろくじょう 鉄道てつどうにより運送うんそう事業じぎょういとな運送うんそう業者ぎょうしゃ以下いか鉄道てつどう運送うんそう業者ぎょうしゃ」という。)は、総務そうむ大臣だいじん要求ようきゅうがあるときは、定期ていき列車れっしゃに、郵便ゆうびんぶつ運送うんそう必要ひつよう設備せつびゆうする車両しゃりょう以下いか郵便ゆうびんしゃ」という。)を連結れんけつして郵便ゆうびんぶつ運送うんそうしなければならない。

郵便ゆうびんぶつ運送うんそう委託いたくほう(1949ねん)、抜粋ばっすい[10]

なお貨物かもつについては、貨物かもつ運送うんそう規則きそくだい4じょうにより「貨物かもつあつか種別しゅべつは、小口おぐちおよくるまあつかとし、おくひと選択せんたくによつてさだめる」と区分くぶんされていた[11][1]

歴史れきし

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荷物にもつあつかいの様子ようす
関東かんとう鉄道てつどう取手とりでえき、1978ねん

明治めいじ時代じだいから長年ながねん郵便ゆうびん小包こづつみとともに小口おぐち荷物にもつ輸送ゆそう一翼いちよくになっていた[9]

明治めいじ

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鉄道てつどうによる少量しょうりょう物品ぶっぴん輸送ゆそう明治めいじ時代じだい鉄道てつどう開業かいぎょうともはじまった。1872ねん明治めいじ5ねん)7がつ18にちには、鉄道てつどうによる品川しながわ - 横浜よこはまあいだ郵便ゆうびんぶつ輸送ゆそう開始かいしされた[12]同年どうねん10がつ14にちには、新橋しんばし - 横浜よこはまあいだ鉄道てつどう開業かいぎょうすると同時どうじ手荷物てにもつ運賃うんちん設定せっていされ、旅客りょかく携行けいこうする物品ぶっぴん輸送ゆそう開始かいしされた[注釈ちゅうしゃく 4]

よく1873ねん明治めいじ6ねん)9がつ15にちには、鉄道てつどう貨物かもつ運送うんそう補則ほそくにおいて小荷物こにもつ運送うんそうかた運賃うんちん制定せいていされ、旅客りょかく以外いがいもの委託いたくけて少量しょうりょう物品ぶっぴん輸送ゆそうする託送たくそう貨物かもつ制度せいど開始かいしされた[12]

だい1じょう 日本にっぽん政府せいふひだりひょうする規則きそくしたが定款ていかん賃銭ちんせん東京とうきょう新橋しんばし横浜よこはま鉄道てつどうステーションのあいだ貨物かもつ運送うんそうする
だい3じょう 託送たくそう貨物かもつこと 託送たくそう貨物かもつ鉄道てつどうかかわりにわたときおくところ貨物かもつ品名ひんめい表記ひょうきかなら託送たくそうひといちめいあるい連名れんめいまたは其代じんにて手記しゅきしたる送状おくりじょうをを

鉄道てつどう貨物かもつ運送うんそう補則ほそく(1873ねん)、抜粋ばっすい[14]

大正たいしょう

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一定いっていりょうまでの手荷物てにもつ無償むしょうあづけることができた。

だい2しょう 手荷物てにもつ運送うんそう
だい149じょう 旅客りょかく旅行りょこう用具ようぐおよ鉄道てつどうしょうにおいてべつさだめる物品ぶっぴんかぎこれ手荷物てにもつとして託送たくそうすることをるものとす。
だい151じょう 手荷物てにもつ乗車じょうしゃけん経路けいろ同一どういつ経路けいろこれ運送うんそうす。
だい152じょう 手荷物てにもつ旅客りょかくいちにんづけひだり斤量きんりょうまで無賃むちんにてこれ運送うんそうす。
  さんとう  じゅうきん
  とう  ななじゅうきん
  一等いっとう  ひゃくきん
だい3しょう 小荷物こにもつ運送うんそう
だい157じょう ひだり該当がいとうせさる物品ぶっぴん小荷物こにもつとしてこれ託送たくそうすることをるものとす。
だい158じょう 小荷物こにもつ運賃うんちん最短さいたん経路けいろまいるほどによりいちしょごとこれ計算けいさんす。
だい160じょう 小荷物こにもつにはおくひと荷受人にうけにん住所じゅうしょ氏名しめいなみおくせんえき記載きさいしたる強靭きょうじんなる荷札にふだすべきものとす。
だい4しょう 旅客りょかく付随ふずい小荷物こにもつ運送うんそう
だい182じょう 旅客りょかくひだり物品ぶっぴんかぎ旅客りょかく付随ふずい小荷物こにもつ運送うんそうとしてこれ託送たくそうすることをるものとす。
  いち 人力車じんりきしゃ自動じどう自転車じてんしゃ自転車じてんしゃ小児しょうにしゃ
   旅客りょかく携帯けいたいするいぬ及小動物どうぶつ
  さん 行商ぎょうしょうじんよびうり商人しょうにん携帯けいたいする商品しょうひん
  よん 行商ぎょうしょうじんよびうり商人しょうにんよう商品しょうひん運搬うんぱんしゃ
   度量衡どりょうこう取締とりしまり官吏かんり携帯けいたいする度量衡どりょうこう検査けんさ用具ようぐ
だい184じょう 旅客りょかく付随ふずい小荷物こにもつ運賃うんちんいち箇所かしょごとこれ計算けいさんす。
国有こくゆう鉄道てつどう旅客りょかく及荷ぶつ運送うんそう規則きそく (1920ねん)、抜粋ばっすい

1919ねん大正たいしょう8ねん)には、あらたにみなみ満州まんしゅう鉄道てつどうとのあいだ連絡れんらく運輸うんゆ開始かいしされた。

戦時せんじ体制たいせい

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だい世界せかい大戦たいせんなか1942ねんには荷物にもつ運送うんそう一元化いちげんかおこなわれ、小口おぐち貨物かもつは「小荷物こにもつ扱貨ぶつ」と「小口おぐち扱貨ぶつ」に区分くぶんされた[15]。また小荷物こにもつ扱貨ぶつは、原則げんそくとして10kg以下いかさだめられた[1]

さらに 1944ねん昭和しょうわ19ねん)3がつ14にちには、決戦けっせん非常ひじょう措置そち要綱ようこうもとづく旅客りょかく輸送ゆそう制限せいげんかんするけん閣議かくぎ決定けっていされ、長距離ちょうきょり旅客りょかく制限せいげんとうあわせて託送たくそう手荷物てにもつ制度せいど全廃ぜんぱい小荷物こにもつあつか貨物かもつ一元化いちげんかされた[16]

戦後せんご

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戦後せんご制度せいど復活ふっかつしたものの全面ぜんめん有料ゆうりょうされ[7]終戦しゅうせん直後ちょくごには急速きゅうそくなインフレーション進行しんこうともな物価ぶっか高騰こうとう対応たいおうするため、度々たびたび値上ねあげが繰返くりかえされた。1970年代ねんだいはいると国鉄こくてつ運営うんえい国鉄こくてつ労働ろうどう組合くみあい国鉄こくてつ動力どうりょくしゃ労働ろうどう組合くみあい関係かんけい悪化あっかはげしい労働ろうどう争議そうぎ頻発ひんぱつした。これが荷主にぬしからの信頼しんらいうしな結果けっかとなる。くわえて、国鉄こくてつによる少量しょうりょうひん輸送ゆそうそのものが、貨物かもつきょく取扱とりあつか小口こぐち貨物かもつ旅客りょかくきょく取扱とりあつか小荷物こにもつとで重複じゅうふくして運営うんえいされており効率こうりつてきであると批判ひはん内部ないぶからも取沙汰とりざたされていた。

このことから国鉄こくてつでは「小口おぐち貨物かもつ輸送ゆそう改善かいぜん」がおこなわれ、1974ねん昭和しょうわ49ねん10がつダイヤ改正かいせいわせて小口おぐち扱貨ぶつを「普通ふつう扱第しゅ荷物にもつ」として小荷物こにもつ統合とうごうし、国鉄こくてつによる少量しょうりょうひん輸送ゆそう旅客りょかくきょく運営うんえいする小荷物こにもつ営業えいぎょう一本いっぽんする、いわゆる「一元化いちげんか」がおこなわれた[1][17]

荷物にもつ輸送ゆそう個数こすう単位たんいせん[18][19]
年度ねんど 昭和しょうわ50 55 56 57 58 59
手荷物てにもつ 4,631 2,026 1,564 1,037 537 255
普通ふつう扱小荷物にもつ 74,714 39,492 33,351 27,397 20,360 15,463
特別とくべつ新聞紙しんぶんし·雑誌ざっし 43,099 37.108 35,283 33,681 29,696 21,880
託送たくそう郵便ゆうびんぶつ 836 497 422 369 254 43
けい 123,280 79,123 70,620 62,483 50,847 37,642

1976ねん昭和しょうわ51ねん)にヤマト運輸やまとうんゆが「宅急便たっきゅうびん」の名称めいしょう宅配たくはい便びんサービスを開始かいししたことや、新聞しんぶん輸送ゆそうトラック輸送ゆそうへの転換てんかん全国ぜんこく現地げんち印刷いんさつ開始かいしにより、取扱とりあつかい個数こすう減少げんしょうてんじた。これに対抗たいこうするため1982ねん昭和しょうわ57ねん)には集配しゅうはいサービスを付加ふかした「宅配たくはい鉄道てつどう便びんQ」(人気にんき漫画まんがオバケのQ太郎たろう」をキャラクターに起用きよう)を開始かいしし、1985ねん昭和しょうわ60ねん)にはさらに取次とりつぎてんでの荷物にもつ引受ひきうけサービスをくわえた「ひかり宅配たくはい便びん」のあつかいを開始かいししたものの凋落ちょうらく歯止はどめはかからず、1986ねん昭和しょうわ61ねん)に鉄道てつどう小荷物こにもつサービスが廃止はいしされた。

こののちえき構内こうない旅客りょかく手荷物てにもつくるままわりまではこ独特どくとく服装ふくそう赤帽あかぼう姿すがたした。

手順てじゅん

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手荷物てにもつ

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だい一種いっしゅ手荷物てにもつ切符きっぷだいしゅ手荷物てにもつ切符きっぷ

初期しょきは、係員かかりいん乗客じょうきゃく手荷物てにもつあずかったさいには、乗車じょうしゃけんに(手荷物てにもつ)というスタンプをし、チェッキを発行はっこうした[9]手荷物てにもつさいには、チェッキとえとなった[9]

手荷物てにもつ全面ぜんめん有料ゆうりょうされると、チェッキは手荷物てにもつ切符きっぷとなった[7]

  • だい一種いっしゅ手荷物てにもつ切符きっぷ[7] - 運賃うんちんのほかに料金りょうきん収受しゅうじゅせず、かつ連絡れんらく運輸うんゆとならないもの
  • だいしゅ手荷物てにもつ切符きっぷ[7] - だいいちしゅ以外いがいのすべて

小荷物こにもつ

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鉄道てつどう荷札にふだ

小荷物こにもつについて、当時とうじ国鉄こくてつ営業えいぎょう規則きそくではつぎのようになっていた。いずれも1980ねん当時とうじのものである。

  • 1個いっこ30キログラムまで、おおきさ2立方りっぽうメートルまで。ちょう過分かぶん超過ちょうか料金りょうきん必要ひつよう
  • 受付うけつけ小荷物こにもつあつかえき午前ごぜん9から午後ごご5まで。ただし、貴重きちょうひん特殊とくしゅ物品ぶっぴん取扱とりあつかいえき限定げんていして取扱とりあつかう。
  • 所要しょよう日数にっすう受付うけつけ1にち+輸送ゆそう距離きょり400キロメートルごとに1にち急行きゅうこう荷物にもつ列車れっしゃブルートレイン利用りよう場合ばあい受付うけつけ翌日よくじつ
  • 運賃うんちんは5つの地帯ちたいけ、地帯ちたい区分くぶん重量じゅうりょう品物しなものによって決定けっていする。さらに北海道ほっかいどうは、函館本線はこだてほんせん上目名かみめなえき室蘭本線むろらんほんせん大岸おおきしえき以東いとう北海道ほっかいどう(1)、函館本線はこだてほんせん熱郛ねっぷえき室蘭本線むろらんほんせん礼文れぶんえき以西いせい北海道ほっかいどう(2)と2つのブロックにける。
  • 急行きゅうこう荷物にもつ列車れっしゃ利用りよう場合ばあいは100えん急行きゅうこう荷物にもつ料金りょうきんを、ブルートレイン利用りよう場合ばあい小荷物こにもつ運賃うんちん相当そうとうがく特急とっきゅう荷物にもつ料金りょうきんをそれぞれ徴収ちょうしゅうする。
  • 急行きゅうこう荷物にもつ列車れっしゃとブルートレイン利用りよう場合ばあい区間くかん限定げんていして取扱とりあつかう。
  • 配達はいたつはするが、配達はいたつ可能かのうえき配達はいたつ可能かのうエリアをべつ指定していし、配達はいたつ料金りょうきん徴収ちょうしゅうする。それ以外いがいえきとめえきまでりに出向でむく。受付うけつけ時間じかん午前ごぜん9から午後ごご5まで)。
  • えきとめ場合ばあい荷物にもつ到着とうちゃくしてから3日間にちかん保管ほかんりょう無料むりょうであるが、4にち以降いこう8にちまでは1個いっこ1にち110えん、9にち以降いこう1個いっこ1にち130えん保管ほかんりょう徴収ちょうしゅうする。
  • 荷物にもつ厳重げんじゅう荷造にづくりしたうえ荷受人にうけにんおくひといたかみとう荷物にもつ本体ほんたいるとともに、おな内容ないよういた荷札にふだをくくりけなければならない[20]

運賃うんちん

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重量じゅうりょう輸送ゆそう距離きょりにより変動へんどうする。また、発送はっそうえきから到着とうちゃくえきまでの運賃うんちん旅客りょかく同様どうよう最短さいたん距離きょりによるが、私鉄してつえきからの発送はっそう場合ばあい私鉄してつせん運賃うんちん加算かさんされた。

手荷物てにもつ

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手荷物てにもつ運賃うんちんは、1946ねん3がつまでは一定いってい重量じゅうりょうまでは無料むりょうであり、それをえる場合ばあいには重量じゅうりょうまたは個数こすうおうじて運賃うんちん収受しゅうじゅしていた[7]。。手荷物てにもつ運搬うんぱん業者ぎょうしゃ赤帽あかぼう)による運搬うんぱん場合ばあいは、旅客りょかくいちにんたり5せんであった(1924ねん[5]

1946ねん4がつからは無料むりょう運送うんそう廃止はいしされ、すべて有料ゆうりょうされた[7]

1958ねんにおける手荷物てにもつ運賃うんちん[7]

  1. 手荷物てにもつ1くちそう重量じゅうりょうが、旅客りょかく1にんにつき30kgの割合わりあい計算けいさんした重量じゅうりょう超過ちょうかしないとき
    • 旅客りょかく1にんごとに、以下いか運賃うんちんとなる
      • どういち自動車じどうしゃせんえき発着はっちゃくするもの - 運送うんそう距離きょりにかかわらず、一律いちりつ50えん
      • その - 運送うんそう距離きょりにかかわらず、一律いちりつ115えん
  2. 手荷物てにもつ1くちそう重量じゅうりょうが、旅客りょかく1にんにつき30kgの割合わりあい計算けいさんした重量じゅうりょう超過ちょうかするとき
    • 超過ちょうかする重量じゅうりょうたいする通常つうじょう小荷物こにもつ運賃うんちん相当そうとうするがくと、定額ていがく運賃うんちん(旅客りょかく1にんにつき50えんまたは115えん)とを合算がっさん

小荷物こにもつ

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1960ねん 日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう 通常つうじょう小荷物こにもつ料金りょうきんえん[15]
重量じゅうりょう/距離きょり 100km 200km 300km 400km 500km 750km 1000km 1500km 2000km 以降いこう
500kmごと
10kg 80 100 120 135 145 175 205 265 325 60
15kg 115 140 165 185 200 240 280 360 440 80
20kg 145 175 205 230 250 300 350 450 550 100
25kg 180 215 250 280 305 365 425 545 665 120
30kg 210 250 290 325 355 425 495 635 775 140
35kg 245 290 335 375 410 490 570 730 890 160
40kg 275 325 375 420 460 550 640 820 1000 180
50kg 340 400 460 515 565 675 785 1005 1225 220
以降いこう10kgごと 130 15 170 190 210 250 290 370 450 80
1980ねん 日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう 通常つうじょう小荷物こにもつ料金りょうきんえん
重量じゅうりょう/地帯ちたい だい1地帯ちたい だい2地帯ちたい だい3地帯ちたい だい4地帯ちたい だい5地帯ちたい
10kgまで 530 650 780 950 1,200
20kgまで 650 850 1,050 1,300 1,600
30kgまで 780 1,050 1,350 1,650 2,000
50kgまで 1,000 1,400 1,750 2,150 2,550
以上いじょう20kgをごと 300 450 600 750 900
昭和しょうわ初期しょきから戦前せんぜんまで使用しようされた、職員しょくいんよう小荷物こにもつ運賃うんちんひょう

特別とくべつ扱荷ぶつ

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新聞しんぶんおよ雑誌ざっしについては日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう荷物にもつ営業えいぎょう規則きそくにおいて、国鉄こくてつ当局とうきょく認可にんかて「特別とくべつ運送うんそう契約けいやく」を締結ていけつすることで特別とくべつあつかいをおこなったうえ小荷物こにもつあつかいで輸送ゆそうされた[15]。この承認しょうにんけた新聞しんぶん題字だいじ付近ふきん雑誌ざっし表紙ひょうしさい上部じょうぶに「国鉄こくてつ首都しゅと特別とくべつ承認しょうにん」「国鉄こくてつひがしきょく特別とくべつ承認しょうにんとう文言もんごん承認しょうにん番号ばんごうれられていた[15]

これらの特別とくべつ扱をけた場合ばあいにはゾーンべつ運賃うんちんでは全国ぜんこくいちりつ特別とくべつ運賃うんちん適用てきようされ、一般いっぱん荷物にもつより安価あんか輸送ゆそう出来でき[注釈ちゅうしゃく 5]。この特別とくべつ扱による恩恵おんけいおおきかったのが雑誌ざっしであり、雑誌ざっし鉄道てつどうにより全国ぜんこくとどけられ普及ふきゅうすることになった。しかしながら国鉄こくてつ労使ろうし紛争ふんそう極度きょくど悪化あっか輸送ゆそう混乱こんらんしょうじると地方ちほうへの雑誌ざっし到着とうちゃく極端きょくたんおそくなるひとしたため、トラックによる輸送ゆそう切替きりかえられて姿すがたしてった。

なお、付録ふろくつき雑誌ざっし場合ばあい、このあつかいをける場合ばあいにはかみ素材そざい付録ふろくかぎられていたため、1970年代ねんだいまでの『りぼん』や『なかよし』などの付録ふろくきマンガ雑誌ざっしでは、その制限せいげんした付録ふろく工夫くふうされてった。

今日きょうてき評価ひょうか

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明治めいじから戦後せんごあいだもない時期じき日本にっぽんにおいては、近代きんだいてき道路どうろもう整備せいびおくれていたことも関係かんけいして、荷物にもつ輸送ゆそうにおける鉄道てつどう重要じゅうようせい非常ひじょうたかかった。しかし、一方いっぽうでは社会しゃかい環境かんきょう変化へんかともない、旅客りょかく鉄道てつどう速度そくど向上こうじょうもとめられ、えきごとに荷物にもつせきおろしおこな荷物にもつ輸送ゆそうがその障害しょうがいなされたこと、もう一方いっぽうでは、道路どうろもう整備せいびすすんだことで路線ろせんトラック事業じぎょうしゃ小口こぐち荷物にもつ配送はいそう事業じぎょう進出しんしゅつしたことにより、荷物にもつ輸送ゆそうにおける鉄道てつどう重要じゅうようせい1970年代ねんだい - 80年代ねんだいにかけて急速きゅうそく低下ていかしていった。以上いじょうのような状況じょうきょうなかで、鉄道てつどう小荷物こにもつ宅配たくはい便びんたいしておくれをったおおきな理由りゆうとして、集配しゅうはいサービスにおける柔軟じゅうなんせい欠如けつじょげられる。

個人こじんによる物品ぶっぴん輸送ゆそうは、基本きほんてき差出人さしだしにんいえから受取うけとりじんいえまでの輸送ゆそう基本きほんとする。しかし、鉄道てつどう小荷物こにもつ基本きほんてきはつえき着駅ちゃくえきあいだにおける輸送ゆそうおもであり、差出人さしだしにんいえからはつえきまでと着駅ちゃくえきから受取うけとりじんいえまでの配送はいそうは、べつての配送はいそう料金りょうきん支払しはらわないかぎりはおこなわれない附加ふか役務えきむ性質せいしつつよかった。また、当時とうじ国鉄こくてつ集配しゅうはい事業じぎょう直接ちょくせつになうことが出来できないため、集配しゅうはい事業じぎょう日本通運にほんつううん地方ちほう運送うんそう事業じぎょうしゃとのあいだ契約けいやくむすんだじょう配送はいそう委託いたくしていた。このため、集荷しゅうか輸送ゆそう配送はいそうサービスが一貫いっかんしたネットワークのしたにおいて構築こうちくされていた郵便ゆうびん小包こづつみ宅配たくはい便びんくらべて効率こうりつせいひくくコストがたかくなりやすい特徴とくちょうがあった。

くわえて、物資ぶっし輸送ゆそうはユニバーサルサービスとしての性質せいしつをもびることから、採算さいさんりにくい地方ちほう線区せんくにおける荷物にもつ取扱とりあつかい簡単かんたんには廃止はいしすることが出来できず、結果けっかてきこうコスト構造こうぞう温存おんぞんされる原因げんいんとなった。70年代ねんだい宅配たくはい便びん普及ふきゅうするまでは、ごく少量しょうりょう物品ぶっぴん(5キログラム以下いか)をはこ郵便ゆうびん小包こづつみとそれ以上いじょう重量じゅうりょう物品ぶっぴん輸送ゆそうする鉄道てつどう小荷物こにもつけがなされており、とく郵便ゆうびん小包こづつみではあつかえない5kg以上いじょう小口こぐち荷物にもつ輸送ゆそうかんしては鉄道てつどう独占どくせん事業じぎょう状態じょうたいつづいていたため、上記じょうきのような問題もんだいおおきく取沙汰とりざたされることはかった。しかし、宅配たくはい便びんきゅう成長せいちょうすすんだことや、これに対抗たいこうするために郵政省ゆうせいしょう郵便ゆうびん小包こづつみ重量じゅうりょう制限せいげん緩和かんわしたことにともない、郵便ゆうびん小包こづつみ鉄道てつどう小荷物こにもつとのけが崩壊ほうかいしたことで収益しゅうえきバランスがくずれたことで鉄道てつどう小荷物こにもつ輸送ゆそうこうコスト構造こうぞう顕在けんざいしたのである。

日本にっぽん鉄道てつどうにおいては、その旅客りょかく輸送ゆそう密度みつどたかゆえ荷物にもつ輸送ゆそうのためのスペース・人員じんいんダイヤ確保かくほ出来できなくなったのが実情じつじょうである。客室きゃくしつにも相対そうたいてきにゆとりがあり、乗車じょうしゃちゅう手荷物てにもつ託送たくそう必要ひつようせい航空機こうくうき高速こうそくバスほどにはたかくないが、り、ターミナル移動いどうとうふくめると必要ひつようせいみとめられることもすくなくない。

その

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国鉄こくてつ小荷物こにもつ営業えいぎょう関連かんれんして、えき構内こうないでの荷物にもつせきろし業務ぎょうむや、トラックによるえきからの荷物にもつ集配しゅうはい業務ぎょうむとう受託じゅたくする国鉄こくてつ関連かんれん企業きぎょうがあり、「鉄道てつどう荷物にもつ会社かいしゃ」とばれていた。日本にっぽん全国ぜんこくで21しゃ存在そんざいしたが、鉄道てつどう小荷物こにもつ営業えいぎょう廃止はいし影響えいきょうけ、転廃業てんはいぎょうするしゃしょうじた。存続そんぞくしている企業きぎょうには「ジェイアじぇいあル東日本るひがしにほん物流ぶつりゅうきゅう東京とうきょう鉄道てつどう荷物にもつ)」・「ジェイアじぇいあル西日本るにしにほんマルニックスきゅう大阪おおさか鉄道てつどう荷物にもつ)」とうがある。

鉄道てつどう小荷物こにもつ輸送ゆそうは、きゅう国鉄こくてつのみならず地方ちほうや、大都市だいとしけん一部いちぶ私鉄してつでもおこなわれていた。きゅう東京とうきょう地下鉄ちかてつどうげん東京とうきょう地下鉄ちかてつ銀座ぎんざせん)でも昭和しょうわ初期しょききゅう国鉄こくてつとの連絡れんらく運輸うんゆ開始かいししたのをにチッキあつかいを開始かいししたが、やく10年間ねんかん発送はっそうが3到着とうちゃくが5状態じょうたいだったため、1950ねん昭和しょうわ25ねん)にチッキあつかいは廃止はいしされた[21]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 鉄道てつどう運輸うんゆ規程きていれいさんねんだいよんじゅういちじょう 鉄道てつどう託送たくそう手荷物てにもつ旅客りょかく同一どういつ列車れっしゃヲ以テ運送うんそうスベシただし運送うんそうじょう支障ししょうアル場合ばあいハ此ノかぎりざいラズ
  2. ^ えきでの荷物にもつ発送はっそう引取ひきと目安めやすとするためと、列車れっしゃ番号ばんごう荷物にもつ列車れっしゃのものでも、なかには回送かいそうでは営業えいぎょうようとして旅客りょかくしゃ連結れんけつされている場合ばあいがあり、旅客りょかく列車れっしゃとしての利用りよう考慮こうりょされていたため。
  3. ^ あずかしょうしめ英語えいごの check(チェック・チェッキ)からチッキとぶ。同様どうよう意味いみつ ticket がなまってチッキばれた、とせつもある
  4. ^ みぎ荷物にもつとみぶんうち手回てまわ荷物にもつなんいち人前にんまえろくじゅうきんまてにかぎこうごと [13]
  5. ^ 1974ねん日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう荷物にもつ営業えいぎょう規則きそくにおいて新聞しんぶんは1kgたり6えん雑誌ざっしは11えんさだめられており、一般いっぱん荷物にもつもっと安価あんかだいいち地帯ちたいの10kgまでの300えんより非常ひじょうやす設定せっていされていた。

出典しゅってん

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参考さんこう文献ぶんけん

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