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巨大きょだい結腸けっちょうしょう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

巨大きょだい結腸けっちょうしょう(きょだいけっちょうしょう)は、消化しょうかかん蠕動ぜんどう運動うんどうつかさど神経しんけいくさむら障害しょうがいによって腸管ちょうかん拡張かくちょうていする疾患しっかん総称そうしょうである。別名べつめいメガコロン英語えいご: megacolon)。

腸管ちょうかんかべアウエルバッハ神経しんけいくさむらおよびマイスナー神経しんけいくさむら機能きのうしないために、結腸けっちょう大腸だいちょう)がしぼんだ状態じょうたいになり、麻痺まひせい腸閉塞ちょうへいそくのような状態じょうたいていする。

先天せんてんせいのもの(ヒルシュスプルングびょう)と後天こうてんせいのもの(後天こうてんせい巨大きょだい結腸けっちょうしょう)がある。

原因げんいん

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など

症状しょうじょう

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重度じゅうど便秘べんぴ腹痛はらいた腹部ふくぶ膨満かん嘔吐おうとなどがみられる。また、水分すいぶん吸収きゅうしゅうする大腸だいちょう正常せいじょうにはたらかなくなるため、脱水だっすい症状しょうじょうおちいることもある。重症じゅうしょう場合ばあいには虫垂炎ちゅうすいえん穿孔せんこうなどの合併症がっぺいしょうこすことがある。

診断しんだん検査けんさ

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Xせん撮影さつえいによって結腸けっちょううち異常いじょうガス貯留ちょりゅう結腸けっちょう拡張かくちょう確認かくにんする。Xせん撮影さつえい巨大きょだい結腸けっちょうしょううたがわれた場合ばあいには、CTMRIなどの画像がぞう診断しんだんちゅうちょう造影ぞうえい検査けんさ大腸だいちょうカメラなどがおこなわれ、ちょう拡張かくちょう程度ていど結腸けっちょうない閉塞へいそく有無うむなどがくわしく評価ひょうかされる。ただし、穿孔せんこう壊死えし中毒ちゅうどくせい巨大きょだい結腸けっちょうしょううたがわれる場合ばあい大腸だいちょうカメラおよび造影ぞうえいざいバリウム化合かごうぶつなど)は禁忌きんきである。

また、炎症えんしょうはんおう脱水だっすい状態じょうたい調しらべるために血液けつえき検査けんさおこなわれる(とく中毒ちゅうどくせい巨大きょだい結腸けっちょうしょう場合ばあい)。

治療ちりょう

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症状しょうじょう改善かいぜんのために、肛門こうもんから減圧げんあつチューブ挿入そうにゅうして巨大きょだいした結腸けっちょうない貯留ちょりゅうした大便だいべん空気くうき排出はいしゅつする。並行へいこうして、原因げんいんとなった病気びょうき治療ちりょうおこなう。精神せいしんてきストレス原因げんいんしんいんせい場合ばあいは、こう不安ふあんやくなどのこう精神せいしんやくもちいることもある。ふく交感神経こうかんしんけい刺激しげきやく浣腸かんちょう効果こうかしめ場合ばあいもある。

重症じゅうしょう場合ばあい手術しゅじゅつ必要ひつよう場合ばあいもある。

中毒ちゅうどくせい巨大きょだい結腸けっちょうしょう

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中毒ちゅうどくせい巨大きょだい結腸けっちょうしょう(ちゅうどくせいきょだいけっちょうしょう)は、げきしょうがた大腸だいちょうえんともなって腸管ちょうかん弛緩しかんせい拡張かくちょうした状態じょうたいのこと。急性きゅうせいはらしょうのひとつ。全身ぜんしん中毒ちゅうどく症状しょうじょう自家じか中毒ちゅうどく)をあらわ非常ひじょう危険きけん状態じょうたいで、一般いっぱんてききょだい結腸けっちょうしょうとは区別くべつしてあつかわれる。

おおくの場合ばあい潰瘍かいようせい大腸だいちょうえん(UC)のじゅう症例しょうれい合併症がっぺいしょうとしてこる。

病態びょうたい

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明確めいかく発症はっしょうのメカニズムは不明ふめいちょう粘膜ねんまく炎症えんしょうすじそうにまでたっし、炎症えんしょう反応はんのうさんされた一酸化いっさんか窒素ちっそ結腸けっちょう蠕動ぜんどう運動うんどうおこな筋肉きんにく弛緩しかんすることが原因げんいんわれている。

原因げんいん

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ほとんどの症例しょうれいでは、げきしょうがた潰瘍かいようせい大腸だいちょうえん(UC)の合併症がっぺいしょうとしてこっている。

ただし、原因げんいんとなる疾患しっかんはUCに限定げんていされず、クローンびょう細菌さいきんせい大腸だいちょうえんクロストリジウム・ディフィシルによる偽膜ぎまくせい大腸だいちょうえんMRSAちょうえん赤痢せきりきん腸管ちょうかん出血しゅっけつせい大腸菌だいちょうきんによる出血しゅっけつせい大腸だいちょうえんちょう結核けっかくカンピロバクターサルモネラ)、アメーバ赤痢せきりサイトメガロウイルス大腸だいちょうえん医薬品いやくひん副作用ふくさようなども原因げんいんとなりる。

また、ねば血便けつべんともな重症じゅうしょう大腸だいちょうえんさいあやまって下痢げりめ(とめ瀉薬)を服用ふくようしてしまうと中毒ちゅうどくせい巨大きょだい結腸けっちょうしょうのリスクがたかまるとわれている。

症状しょうじょう

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腹部ふくぶ激痛げきつういちじるしい腹部ふくぶ膨満かん嘔吐おうと発熱はつねつしきみゃく脱水だっすい症状しょうじょう電解でんかいしつ異常いじょうていタンパクしょう意識いしき障害しょうがいなどがみられる。ほん疾患しっかんげきしょうがた大腸だいちょうえん合併症がっぺいしょうであるため、前駆症状ぜんくしょうじょうとしてはげしい下痢げりねば血便けつべんともなう。

しばしば穿孔せんこう壊死えししょうじ、腹膜炎ふくまくえん敗血症はいけつしょうった合併症がっぺいしょうこす。合併症がっぺいしょうこした場合ばあい非常ひじょうわるく、いたることがおおい。

鑑別かんべつ疾患しっかん

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症状しょうじょうているほか急性きゅうせいはらしょううえちょうあいだまく動脈どうみゃく血栓けっせんしょうきょせい大腸だいちょうえん虫垂炎ちゅうすいえんちょうじゅうせきしょうしぼ扼性腸閉塞ちょうへいそく重症じゅうしょう急性きゅうせい膵炎など)との鑑別かんべつ必要ひつよう

治療ちりょう

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腸管ちょうかん安静あんせい維持いじするために絶食ぜっしょく輸液必要ひつようである。原因げんいんとなる疾患しっかん感染かんせんしょう場合ばあいには抗生こうせい物質ぶっしつ投与とうよ潰瘍かいようせい大腸だいちょうえんなどの炎症えんしょうせいちょう疾患しっかんであればステロイド投与とうよなど、原因げんいんとなる病気びょうき治療ちりょうおこなう。

内科ないかてき治療ちりょうおこなっても状態じょうたい改善かいぜんしない場合ばあいは、緊急きんきゅう手術しゅじゅつ巨大きょだいした結腸けっちょう切除せつじょする必要ひつようがある。

穿孔せんこうこした場合ばあい非常ひじょうわるく、外科げか手術しゅじゅつおこなっても半数はんすう以上いじょうものいたる。

脚注きゃくちゅう

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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