幻想げんそう振動しんどう症候群しょうこうぐん

幻想げんそう振動しんどう症候群しょうこうぐん（げんそうしんどうしょうこうぐん）またはファントム振動しんどう症候群しょうこうぐん（ファントムしんどうしょうこうぐん）は、携帯けいたい電話でんわなどのバイブレーション機能きのうによる着信ちゃくしん通知つうちを日頃ひごろから気きにかけている人ひとが、着信ちゃくしんがないにもかかわらず、携帯けいたい電話でんわが振動しんどうしたかのように錯覚さっかくする現象げんしょう。振動しんどうに対たいして脳のうが過敏かびんに反応はんのうすることで起おこるとされる。原因げんいんとして、心しん的てきストレスとの関連かんれん性せいが指摘してきされている。ファントム・バイブレーション・シンドローム（ファントム・ヴァイブレイション・シンドローム、phantom vibration syndrome : PVS）、ファントムバイブレーション症候群しょうこうぐんともいう。

概要がいよう

初出しょしゅつに関かんしてはいくつかの説せつがあるものの、1996年ねんのスコット・アダムスの著書ちょしょでの言及げんきゅうを最初さいしょとする説せつが有力ゆうりょくである。2007年ねんには、” ringxiety ”という造語ぞうご(電話でんわが鳴なる様子ようすを表あらわしたring+不安ふあんを意味いみするanxietyのかばん語ご)も作つくられ、2012年ねんには、マッコリ辞典じてんの「今年ことしの言葉ことば」にも選えらばれている。携帯けいたい電話でんわ使用しよう者しゃの内うち、29.6%から89%程度ていどの人ひとがこの現象げんしょうを経験けいけんしたことが報告ほうこくされており、発生はっせい頻度ひんどは通常つうじょう2週間しゅうかんに一いち回かい程度ていどであるが、一部いちぶでは日常にちじょう的てきにこの現象げんしょうに苦くるしむ患者かんじゃもいる。現在げんざいに至いたるまで、この現象げんしょうに関かんする研究けんきゅうは非常ひじょうに少すくないため、治療ちりょう法ほうも確立かくりつされていないが、バイブレーションをオフにしたり、着信ちゃくしん音おんだけにするなどの方法ほうほうが提唱ていしょうされている。