(Translated by https://www.hiragana.jp/)
AMPS - Wikipedia コンテンツにスキップ

AMPS

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

AMPS(Advanced Mobile Phone System)は、FDD-FDMA-FMアナログ方式ほうしきだいいち世代せだい携帯けいたい電話でんわ方式ほうしきひとつである。

概要がいよう[編集へんしゅう]

1983ねんAT&Tモトローラ提案ていあんして北米ほくべい標準ひょうじゅんとなった、アナログ携帯けいたい電話でんわ規格きかくである。

特徴とくちょうとしては、つぎてんがある。

  • 搬送波はんそうは周波数しゅうはすう間隔かんかくを30kHz(15kHzきろへるつインタリーブ)とひろ干渉かんしょうたいりょくおおきくしている。
  • 60°指向しこうせいアンテナ使用しようしセルを6セクタに分割ぶんかつし、周波数しゅうはすう帯域たいいきかえ利用りよう効率こうりつ向上こうじょうと、空中線くうちゅうせん電力でんりょく有効ゆうこう利用りようはかっている。

このアナログ方式ほうしき共通きょうつう特徴とくちょうとして、

  • 電波でんぱがデジタル方式ほうしきくらべてとおくまでとどく。このため、田舎いなかではデジタルは使つかえないがAMPSの電波でんぱはある、ということがよくあった。
  • 電池でんちちはデジタル方式ほうしきくらべておとる。
  • SAR(頭部とうぶへの電磁波でんじは放出ほうしゅつ強度きょうど)のは、AMPSはおおきい。

などの特徴とくちょうがある。

周波数しゅうはすうとしては800MHzバンドが使用しようされていた。米国べいこくでは、連邦れんぽう通信つうしん委員いいんかい(FCC)が、セルラーバンド(800MHz)事業じぎょうしゃにAMPSのサービスを維持いじすることをバンドライセンスの条件じょうけんひとつとしていたが、この条項じょうこうは、2008ねん2がつまでに撤廃てっぱいされ、もはやおおくの地域ちいきでAMPSは利用りようできない。2006ねん以降いこう製造せいぞうされた端末たんまつでは、ほとんどAMPSはサポートされておらず、事業じぎょうしゃもAMPSのサポートを端末たんまつ認定にんてい条件じょうけんからはずしている。

TACS[編集へんしゅう]

TACS(Total Access Communication System)は、AMPSを英国えいこくけに、搬送波はんそうは周波数しゅうはすう間隔かんかくを25kHzきろへるつ(12.5kHzきろへるつインタリーブ)にし、1984ねん1985ねん開発かいはつしたものである。フランススイススペインシンガポール中国ちゅうごく香港ほんこんアフリカ一部いちぶ採用さいようされていた。2005ねん現在げんざい、デジタル方式ほうしきえが進行しんこうしている。

日本にっぽん[編集へんしゅう]

J-TACS(JTACS)は、TACSの日本にっぽん仕様しようで、使用しようする周波数しゅうはすう日本にっぽんてにわせて変更へんこうしたものである[1]1989ねんからDDIセルラーグループげんKDDI/沖縄おきなわセルラー電話でんわ連合れんごう かくauブランド)が導入どうにゅうした。またN-TACSは、搬送波はんそうは周波数しゅうはすう間隔かんかくを12.5kHzきろへるつ(6.25kHzきろへるつインタリーブ)にしてだい容量ようりょうしたものである。日米にちべい貿易ぼうえき摩擦まさつともなう1985ねん日米にちべい構造こうぞう協議きょうぎでの合意ごういにより[2]1991ねん10月から日本移動通信にほんいどうつうしん首都しゅとけん東海とうかい地方ちほうでTACSベースのシステムとしてサービスを開始かいしした。のちに、ともauとなった。

一時期いちじき地域ちいきによってはたかいシェアを獲得かくとくしていたが(とく東北とうほく、および北海道ほっかいどう関西かんさい地方ちほう)、デジタル方式ほうしきPDC/cdmaOne)への移行いこう2000ねん9月30にち現在げんざいのKDDIが発足ほっそくする前日ぜんじつかぎりでとまなみし(新規しんき受付うけつけ1999ねん8がつ終了しゅうりょう)、日本にっぽんにおけるだいいち世代せだい(アナログ)携帯けいたい電話でんわはすべて消滅しょうめつした。なおIDOはサービス開始かいし当初とうしょはTokyo Phone(トウキョウ フォン)、のちにTacs minimo(タックス ミニモ.のちに参入さんにゅうする東京とうきょうデジタルホン配慮はいりょした改称かいしょう)、セルラー各社かくしゃはセルラーホンとばれた。最後さいご発売はつばいされた端末たんまつは、1997ねん9がつ発売はつばいされた「HP-50T(東芝とうしば)」であった(その、1998ねんにはcdmaOneとのデュアルモードはしまつ関西かんさい九州きゅうしゅう沖縄おきなわ地方ちほうにて発売はつばいされた)。

また、それまでNTTドコモ日本移動通信にほんいどうつうしん採用さいようされていたアナログのNTTだい容量ようりょう方式ほうしき (Hicap) にたいし、モトローラ方式ほうしきばれることもある。

各種かくしゅ方式ほうしき比較ひかく[1]
AMPS NTT方式ほうしき NTTだい容量ようりょう方式ほうしき TACS J-TACS N-TACS
送信そうしん周波数しゅうはすう 基地きちきょく 870-890MHz 870-885MHz 860-885MHz 890-915MHz 860-870MHz 860-870MHz
843-846MHz
移動いどうきょく 825-845MHz 925-940MHz 915-940MHz 968-960MHz 915-925MHz 915-925MHz
989-901MHz
無線むせんチャネル チャネル間隔かんかく 60kHzきろへるつインターリブ 55kHzきろへるつ 12.5kHzきろへるつ 25kHzきろへるつインターリブ 12.5kHzきろへるつインターリブ
チャネルすう 666 600 2000 666 600
通信つうしん変調へんちょう方式ほうしき 変調へんちょう方式ほうしき 位相いそう変調へんちょう
周波数しゅうはすうへんうつり 12kHzきろへるつ 5kHzきろへるつ - 9.5kHzきろへるつ
制御せいぎょ信号しんごう 変調へんちょう方式ほうしき 周波数しゅうはすうへんうつり変調へんちょう
最大さいだい周波数しゅうはすう遷移せんい 8kHzきろへるつ 4.5kHzきろへるつ 2.4kHzきろへるつ 6.4kHzきろへるつ

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b 佐藤さとう拓朗たくろう1G/2Gから3G携帯けいたい電話でんわへのみちのり」『RFワールド No.2』 CQ出版しゅっぱんしゃ、2008ねん6がつ 、16ページ
  2. ^ Japan - Measures Affecting the Purchase of Telecommunications Equipment (EC) (DS15)」WTO、1995ねん8がつ24にち

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]