後こう頭あたま葉は

脳のう: 後こう頭あたま葉は
前頭葉ぜんとうよう 側がわ頭あたま葉は 頭頂とうちょう葉は 後こう頭あたま葉は 外側そとがわ溝みぞ 中心ちゅうしん溝みぞ 頭頂とうちょう後ご頭あたま溝みぞ 後こう頭あたま前ぜん切きり痕こん ヒト左ひだり大脳だいのう半球はんきゅうの外側そとがわ面めん。後こう頭あたま葉はは右みぎ端はしに赤色あかいろで示しめされている。 ヒト左ひだり大脳だいのう半球はんきゅうの外側そとがわ面めん。オレンジ色しょくの所ところが後こう頭あたま葉は。 左ひだり大脳だいのう半球はんきゅうの内側うちがわ面めん。オレンジ色しょくの所ところが後こう頭あたま葉は。
名称めいしょう
日本語にほんご	後こう頭あたま葉は
英語えいご	occipital lobe
ラテン語らてんご	lobus occipitalis
略号りゃくごう	OL
関連かんれん構造こうぞう
上位じょうい構造こうぞう	大脳だいのう
構成こうせい要素ようそ	楔くさび部ぶ、舌した状じょう回かい、後こう頭あたま極きょく、一いち次じ視覚しかく野の
動脈どうみゃく	後こう大脳だいのう動脈どうみゃく
画像がぞう
アナトモグラフィー	三さん次元じげんCG
Digital Anatomist	左側ひだりがわ面めん 右側みぎがわ面めん 下方かほう 上方かみがた 水平すいへい断だん 後方こうほう 脳のう葉は 大脳だいのうパーツ
関連かんれん情報じょうほう
IBVD	体積たいせき（面積めんせき）
Brede Database	階層かいそう関係かんけい、座標ざひょう情報じょうほう
NeuroNames	関連かんれん情報じょうほう一覧いちらん
NIF	総合そうごう検索けんさく
MeSH	Occipital+Lobe
グレイ解剖かいぼう学がく	書籍しょせき中ちゅうの説明せつめい（英語えいご）

後こう頭あたま葉は（こうとうよう、英語えいご: occipital lobe）は大脳だいのう葉はのひとつで大脳だいのう半球はんきゅうの最さい尾お側がわにある。哺乳類ほにゅうるいでは視覚しかく形成けいせいの中心ちゅうしんであり、視覚しかく野のの解剖かいぼう学がく的てき領域りょういきの大だい部分ぶぶんが後こう頭あたま葉はにある。一いち次じ視覚しかく野のはブロードマンの脳のう地図ちずの第だい17野のにあり、一般いっぱんにV1と呼よばれる。ヒトのV1は後こう頭あたま葉は内側うちがわ、鳥とり距溝よりも内側うちがわにあり、V1全体ぜんたいの拡ひろがりはふつう後こう頭あたま葉はの後のち極きょくまで続つづいている。この部分ぶぶんは髄ずい鞘さやの大おおきな縞しまが目立めだつため、V1を線条せんじょう皮質ひしつ（striate cortex、有線ゆうせん皮質ひしつとも）とも呼よぶ。これに対たいしてV1の外側そとがわに拡ひろがる視覚しかく情報じょうほうが伝つたわる領域りょういきは、有線ゆうせん外がい皮質ひしつ（extrastriate cortex、有線ゆうせん領りょう外がい皮質ひしつとも）と呼よばれるV1よりも高次こうじの視覚しかく野の領域りょういきである。有線ゆうせん外がい皮質ひしつには多おおくの領域りょういきがあり、視し空間くうかん形成けいせいや色いろ識別しきべつ、運動うんどう把握はあくといったさまざまな視覚しかく形成けいせいの作業さぎょうに特とく化かしている。

解剖かいぼう

動画どうが。赤色あかいろで示しめす部分ぶぶんが左ひだり半球はんきゅうの後のち頭あたま葉は。右みぎ半球はんきゅうは内側うちがわ面めんを見みせるため透明とうめいにしてある。

ヒトの大脳だいのうにおいて、後こう頭あたま葉はは4つの大脳だいのう葉はの中なかで最もっとも小ちいさく、頭蓋とうがい内うちで最もっとも後方こうほうに位置いちする。後こう頭あたま葉はは大脳だいのうと小脳しょうのうの間あいだを仕切しきる硬かた膜まくである小脳しょうのうテントに接せっしている。また正中せいちゅうで大脳だいのう縦たて裂きれによって左右さゆうそれぞれの大脳だいのう半球はんきゅうに分わかれている。前方ぜんぽうには頭頂とうちょう後ご頭あたま溝みぞがあり、これを境さかいに頭頂とうちょう葉はと接せっしている。側面そくめんでは後こう頭あたま葉はと側がわ頭あたま葉はの境界きょうかいはあいまいであり、外側そとがわ後ご頭あたま溝みぞによって区切くぎられた外側そとがわ後ご頭あたま回かいがいくつかに分わかれていて、そのあたりを境界きょうかいとする（脳のう回かいと脳のう溝みぞについてはそれぞれの項目こうもくを参照さんしょう）。

後こう頭あたま葉はの内側うちがわ面めん（大脳だいのう半球はんきゅうどうしが接せっする面めん）では、後こう頭あたま葉はの下しも縁えんには鳥とり距溝というはっきりした深ふかい溝みぞがある 。この鳥とり距溝の上方かみがたを楔くさび部ぶ（鳥とり距溝と頭頂とうちょう後ご頭あたま溝みぞに囲かこまれ、楔状けつじょうに見みえることから命名めいめい）、下方かほうを舌した状じょう回かいという（舌した状じょう回かいは前方ぜんぽうに伸のびて海馬かいば傍はた回かいに移行いこうする）。

機能きのう

後こう頭あたま葉はは視覚しかくや色彩しきさいの認識にんしきをつかさどる機能きのうを持もっている。網膜もうまくからの感覚かんかく刺激しげきは視神経ししんけいを通とおって視床ししょうの外側そとがわ膝ひざ状じょう体からだに入はいり、そこから大脳だいのう半球はんきゅう内部ないぶの視み放線ほうせんを通とおって後こう頭あたま葉はの一いち次じ視覚しかく野のに送おくられる。視神経ししんけいには途中とちゅうに視み交叉こうさと呼よばれる神経しんけいの交叉こうさ部ぶがあり、そこで左右さゆうからくる視神経ししんけいの半数はんすうは反対はんたい側がわに交叉こうさし、残のこりは同どう側がわに向むかう。そのため、視覚しかく野のにもたらされる視覚しかく情報じょうほうは、同どう側がわの網膜もうまくの外側そとがわからのものと、反対はんたい側がわの網膜もうまくの内側うちがわからのものがある。ただし情報じょうほうの内容ないようは、どちらも全ぜん視野しやのうち反対はんたい側がわの半分はんぶん（右みぎ視覚しかく野のへは視野しやの左ひだり半分はんぶん、左ひだりへはその逆ぎゃく）となる。

後こう頭あたま葉は後部こうぶの皮質ひしつの神経しんけい細胞さいぼうは、網膜もうまく上じょうに映うつる視し空間くうかんが再現さいげんされるように配列はいれつしている。網膜もうまくが強つよいパターン刺激しげきにさらされると、それと同おなじパターンが皮質ひしつ上じょうに応答おうとうすることが、脳のう機能きのうイメージングで明あきらかにされている。もし一方いっぽうの後のち頭あたま葉はが傷害しょうがいされると、どちらの目めで見みても視界しかいが左右さゆうの半分はんぶんだけ（傷害しょうがいされた側がわと反対はんたいの側そくが）欠損けっそんしてしまう同名どうめい半はん盲めくらという症状しょうじょうが起おきる。頭頂とうちょう葉は・側がわ頭あたま葉は・後こう頭あたま葉はの連合れんごう野の（より高次こうじの機能きのうを有ゆうする領域りょういきのこと）に病変びょうへんがあると、色彩しきさい失しつ認みとめ、運動うんどう失しつ認みとめ、失しつ書しょといった症状しょうじょうが現あらわれることがある。また後こう頭あたま葉はは、聴覚ちょうかくにも関与かんよしていることが示しめされている。

機能きのう解剖かいぼう

後こう頭あたま葉ははさらにいくつかの機能きのう的てき視覚しかく野のに分類ぶんるいすることができる。それぞれの視覚しかく野のごとに、全ぜん視野しや（すべての 視界しかいの情報じょうほう）が保持ほじされている。一いち次じ視覚しかく野の（線条せんじょう皮質ひしつ）には目立めだった縞しま模様もようがあるが、それ以外いがいの領野りょうやには解かい 剖学的てきにはっきりした指標しひょうとなるものはない。しかし生理学せいりがく者しゃたちの電極でんきょく記録きろくによって、後こう頭あたま葉はの皮質ひしつは異ことなる 機能きのうを持もった領野りょうやに分類ぶんるいされている。

最初さいしょの機能きのう的てき領域りょういきは一いち次じ視覚しかく野のである。この領域りょういきでは、局所きょくしょ性せい（対象たいしょうの視野しや中ちゅうにおける大おおきさ）、方向ほうこう選択せんたく性せい（ 対象たいしょうの向むき）、空間くうかん周波数しゅうはすう（対象たいしょうとなる模様もようの明あかるさが変化へんかする空間くうかん的てき頻度ひんど、縞しま模様もようの間隔かんかくの混こみ具合ぐあい）および色彩しきさいに関かんして小ちいさな受容じゅよう野の（対象たいしょうに反応はんのうできる角度かくど）を持もった低てい次つぎの情報じょうほうを感知かんちする。この一いち次じ視覚しかく野のから、側がわ頭あたま葉はに向むけて腹はら側がわ皮質ひしつ視覚しかく路ろが伸のび、後こう頭あたま葉は内ないではV2野の、V4野のの領野りょうやが続つづく。また頭頂とうちょう葉はに向むけては背せ側がわ皮質ひしつ視覚しかく路ろが伸のび、後こう頭あたま葉は内ないではMT野のおよびDP野のがある。

参考さんこう画像がぞう

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  脳のうを下したから見みた図ず。後こう頭あたま葉はは小脳しょうのうで隠かくれてほとんど見みえない。
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  大脳だいのうと頭蓋骨ずがいこつの関係かんけいを描えがいた図ず。赤あかい所ところが後こう頭あたま葉は。
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  三さん次元じげん像ぞう。後こう頭あたま葉はは青あおで描えがかれている

参考さんこう文献ぶんけん

• Michael S. Gazzaniga, et al. Cognitive Neuroscience, 2nd ed. New York: W.W.Norton & Company, 2002, pp426-429. ISBN 0393977773

関連かんれん項目こうもく

• 視覚しかく皮質ひしつ
• 背せ側がわ皮質ひしつ視覚しかく路ろ
• 腹はら側がわ皮質ひしつ視覚しかく路ろ

外部がいぶリンク

• 後こう頭あたま葉は - 慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく病理びょうり学がく教室きょうしつ 船戸ふなと和弥かずや

大脳だいのうの脳のう葉は
外側そとがわ面めん	外側そとがわ溝みぞ内部ないぶ と 極ごく	内側うちがわ面めん
前頭葉ぜんとうよう 頭頂とうちょう葉は 後こう頭あたま葉は 側がわ頭あたま葉は	島しま葉よう 前頭まえがしら極きょく 後こう頭あたま極きょく 側がわ頭あたま極きょく	側がわ頭あたま葉は 後こう頭あたま葉は 頭頂とうちょう葉は 辺あたり縁えん葉は 前頭葉ぜんとうよう

大脳だいのうの脳のう回かい
外側そとがわ面めん	外側そとがわ溝みぞ内部ないぶ	内側うちがわ面めん - 上部じょうぶ
上前うわまえ頭あたま回かい 中ちゅう前頭まえがしら回かい 弁べん蓋ぶた部ぶ + 三角さんかく部ぶ + 眼窩がんか部ぶ ll 下しも前頭まえがしら回かい 中心ちゅうしん前回ぜんかい 中心ちゅうしん後ご回かい 上うえ頭頂とうちょう小しょう葉は 下しも頭頂とうちょう小しょう葉は ll 縁えん上じょう回かい + 角かく回かい 後こう頭あたま回かい 上側うわがわ頭あたま回かい 中ちゅう側がわ頭あたま回かい 下した側がわ頭あたま回かい	島しま回かい 横よこ側がわ頭あたま回かい	舌した状じょう回かい 楔くさび部ぶ 楔くさび前部ぜんぶ 中心ちゅうしん傍はた小しょう葉は 帯状おびじょう回かい (前部ぜんぶ+後部こうぶ) 上前うわまえ頭あたま回かい 脳のう梁はり 梁りょう下野げや 梁はり下か回かい
脳のう底部ていぶ - 眼窩がんか面めん	脳のう底部ていぶ - 側がわ頭あたま葉は下面かめん	内側うちがわ面めん - 下部かぶ
眼窩がんか回かい 直ちょく回かい 嗅球	鉤かぎ 下した側がわ頭あたま回かい 紡錘ぼうすい状じょう回かい 海馬かいば傍はた回かい	歯は状じょう回かい 紡錘ぼうすい状じょう回かい 鉤かぎ 海馬かいば傍はた回かい