政治せいじ社会しゃかい学がく

政治せいじ社会しゃかい学がく（せいじしゃかいがく、英語えいご: political sociology、フランス語ふらんすご: la Sociologie politique）は、権力けんりょく、社会しゃかい、国家こっか、政治せいじ的てき対立たいりつの関係かんけいを研究けんきゅうする学問がくもんである。

概要がいよう

政治せいじ社会しゃかい学がくは、社会しゃかい学がくと政治せいじ学がくとの学際がくさい的てきなアプローチによって政治せいじ現象げんしょうを解明かいめいしようとする社会しゃかい学がくの一いち領域りょういきであり、「マクロ」と「ミクロ」の要素ようそを持もつ。

マクロ的てきな焦点しょうてんは、国民こくみん国家こっか、政治せいじ制度せいどとその発展はってん、社会しゃかい的てき・政治せいじ的てき変化へんかの源泉げんせん（特とくに大だい規模きぼな社会しゃかい運動うんどうやその他たの形態けいたいの集団しゅうだん行動こうどうを伴ともなうもの）に関かんする問題もんだいを中心ちゅうしんに据すえてきた。ここで研究けんきゅう者しゃたちは、政治せいじ制度せいどがどのようにして、またなぜそのような形態けいたいをとるのか、そしていつ、どのようにして大おおきな変化へんかを遂とげるのかについて、「大おおきな」問といを投なげかけてきた。

対照たいしょう的てきにミクロな方向ほうこう性せいは、社会しゃかい的てきアイデンティティや集団しゅうだんが、投票とうひょうや態度たいど、政治せいじ参加さんかといった個人こじんの政治せいじ行動こうどうにどのような影響えいきょうを与あたえるかを検証けんしょうするものである。政治せいじ社会しゃかい学がくのマクロな領域りょういきとミクロな領域りょういきはともに政治せいじ学がくと重かさなるが、政治せいじ社会しゃかい学者がくしゃの際立きわだった焦点しょうてんは、政治せいじシステムの内部ないぶ的てきな働はたらきや仕組しくみよりも、政治せいじシステムを形成けいせいする根底こんていにある社会しゃかい的てきな力ちからにある。

政治せいじ社会しゃかい学がくの起源きげんは、アレクシス・ド・トクヴィル、カール・マルクス、エミール・デュルケーム、マックス・ウェーバーなどの著作ちょさくに遡さかのぼることができるが、社会しゃかい学がくの中なかで独立どくりつしたサブフィールドとして登場とうじょうしたのは第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん後ごのことである。1950年代ねんだいから1960年代ねんだいにかけての画期的かっきてきな著作ちょさくの多おおくは、階級かいきゅう、宗教しゅうきょう、人種じんしゅ／民族みんぞく、教育きょういくが個人こじんや集団しゅうだんの政治せいじ行動こうどうに与あたえる影響えいきょうに関かんするミクロな問題もんだいを中心ちゅうしんとしていた。1970年代ねんだいに入はいると、政治せいじ社会しゃかい学者がくしゃたちは、革命かくめいの源泉げんせんと結果けっかの理解りかい、政治せいじ的てき結果けっかの形成けいせいにおける政治せいじ制度せいどの役割やくわり、国家こっかの発展はってんに関かんする大だい規模きぼな比較ひかく歴史れきし研究けんきゅうなど、マクロな主題しゅだいにますます目めを向むけるようになった。

政治せいじ学がくと社会しゃかい学がくの関かかわり

政治せいじ学がくでは、経済けいざい学がく的てき手法しゅほうを取とり入いれた合理ごうり的てき選択せんたく理論りろんが広ひろく受容じゅようされるまで、実証じっしょう研究けんきゅうにおいて社会しゃかい学がく的てきなアプローチが多おおく利用りようされてきた。例たとえば官僚かんりょう制せい・官僚かんりょう機構きこうについては行政ぎょうせい学がくおよび社会しゃかい学がくの双方そうほうからアプローチされてきており、政治せいじ社会しゃかい学がくは社会しゃかい学がく的てき分析ぶんせき方法ほうほうを用もちいて政治せいじ現象げんしょうを分析ぶんせきするという意味いみでは、政治せいじ学がくでもあり社会しゃかい学がくでもある。

具体ぐたい的てきテーマ

世論せろん形成けいせい論ろん、投票とうひょう行為こうい論ろん、官僚かんりょう制せい研究けんきゅうなどがあり、社会しゃかい学がく研究けんきゅうの根底こんていである人間にんげんと人間にんげん、機構きこうと人間にんげん、機構きこうと機構きこうとが生うみ出だす「関係かんけい」に焦点しょうてんを当あてることが多おおい。また、エスニシティ・移民いみん・貧困ひんこん研究けんきゅう（開発かいはつ論ろん）など、人種じんしゅ同士どうし、国くにや地域ちいき同士どうしが生うみ出だす関係かんけい性せいから来きたす政治せいじ的てき諸しょ問題もんだいを取とり扱あつかうことから、国際こくさい政治せいじ学がく（国際こくさい関係かんけい学がく）との親和しんわ性せいも高たかい。

関連かんれん項目こうもく

• 政治せいじ過程かてい論ろん
• 政治せいじ的てき社会しゃかい化か
• 社会しゃかい構造こうぞう

参考さんこう文献ぶんけん

・加藤かとう秀治しゅうじ郎ろう・岩渕いわぶち美克よしかつ『政治せいじ社会しゃかい学がく　第だい5版はん』（一藝いちげい社しゃ、2013年ねん）

外部がいぶリンク

• 政治せいじ社会しゃかい学会がっかい