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景観けいかん破壊はかい

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景観けいかん破壊はかい（けいかんはかい）とは、木原きはら啓あきら吉よし（朝日新聞あさひしんぶん編集へんしゅう委員いいん）によると、風景ふうけいや外観がいかんなどの景観けいかんの美うつくしさや調和ちょうわが破壊はかいされる等とうにより、環境かんきょうの質しつが損そこなわれること[1][出典しゅってん無効むこう]。

景観けいかんの定義ていぎそのものが様々さまざまな利益りえきや要素ようそを含ふくみ、広汎こうはんで不ふ明確めいかくな概念がいねんである。景観けいかん破壊はかいという概念がいねんにも定さだまった定義ていぎがない。景観けいかんの破壊はかい、すなわち景観けいかん利益りえきの侵害しんがいを巡めぐり、複数ふくすうの訴訟そしょうや問題もんだいが起おこっている[2]。

欧州おうしゅうにおける景観けいかん問題もんだい

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歴史れきし

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ヨーロッパでは19世紀せいきから都市とし労働ろうどう者しゃが野外やがい空間くうかんを利用りようする形かたちで大衆たいしゅう観光かんこうが発達はったつした[3]。大衆たいしゅう観光かんこうは都市としから近ちかい公園こうえんや海岸かいがんさらに山間さんかん地ちが対象たいしょうになり、1960年代ねんだいには国境こっきょうを越こえて地中海ちちゅうかいやアルプスがリゾート地ちとなった[4]。しかし、大衆たいしゅう観光かんこうを受うけ入いれるための開発かいはつは従来じゅうらいの自然しぜん環境かんきょうや歴史れきし的てきな街並まちなみを破壊はかいし人工じんこう的てきな景観けいかんを作つくり出だすことも少すくなくはなかった[5]。

1990年代ねんだいになり農村のうそん地域ちいきや自然しぜん地域ちいきの魅力みりょくが見直みなおされるようになった[5]。観光かんこう行動こうどうの傾向けいこうでは、外国がいこく旅行りょこうの増加ぞうかとともに国内こくない地域ちいきや故郷こきょうが再さい認識にんしきされるようになった[5]。特とくに人間にんげんと自然しぜんの相互そうご作用さようによる文化ぶんか景観けいかん、ワイン生産せいさん地域ちいきなど特徴とくちょう的てきな景観けいかんや地域ちいき文化ぶんかをもつ農産のうさん地域ちいきへの関心かんしんが高たかまっている[5]。旅行りょこう動機どうきに自然しぜん体験たいけんを挙あげる人ひとが増ふえるとともに、観光かんこう地ちのイメージ形成けいせいやマーケティング戦略せんりゃくにおいて自然しぜん環境かんきょう・自然しぜん景観けいかんが重視じゅうしされるようになった[5]。

景観けいかん問題もんだいの例れい

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  • ドイツ・ケルンの西方せいほうに多数たすう存在そんざいする露天ろてん掘ほ鉱山こうざん - 採掘さいくつが景観けいかん破壊はかいとも
  • ドレスデン・エルベ渓谷けいこく - 橋はしが景観けいかん破壊はかい 世界せかい遺産いさんから抹消まっしょう
  • ケルン大だい聖堂せいどう - 周辺しゅうへんの高層こうそう建築けんちく物ぶつ計画けいかくによる景観けいかん破壊はかいの危機ききに
  • バクー・トビリシ・ジェイハンパイプライン - パイプラインの建設けんせつは景観けいかんに目めに見みえる大おおきな傷跡きずあとを残のこしたとも
  • サンスーシ宮殿きゅうでん - 車くるま小屋こやがサンスーシ宮殿きゅうでん完成かんせい後ご、あまりに景観けいかんを害がいするためフリードリヒ2世せいが取とり壊こわしを命めいじている

景観けいかんの例れい

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各国かっこくの景観けいかん保護ほご施策しさく

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ドイツでは景観けいかんの保護ほごについて国立こくりつ公園こうえん、生物せいぶつ圏けん保存ほぞん地域ちいき、自然しぜん公園こうえんの3種類しゅるいの広域こういき自然しぜん保護ほご地区ちくが指定していされており、これらの地域ちいきにはさらに小規模しょうきぼの景観けいかん保護ほご地区ちくや自然しぜん保護ほご地区ちくを含ふくんでいる[6]。1999年ねんにシュヴァルツヴァルトに設置せっちされた黒くろい森もり南部なんぶ自然しぜん公園こうえんの場合ばあい、自然しぜんの特徴とくちょうや動植物どうしょくぶつの多様たよう性せいの保護ほごだけでなく、自然しぜんに近ちかい方法ほうほうでの林業りんぎょうの推進すいしんや広大こうだいな牧草ぼくそう地ちや伝統でんとう的てきな街並まちなみなど文化ぶんか景観けいかんの活用かつようなども目的もくてきとしている[7]。

日本にっぽんにおける景観けいかん問題もんだい

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歴史れきし

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1976年ねん、経済けいざい協力きょうりょく開発かいはつ機構きこう（OECD）による『日本にっぽんにおける環境かんきょう政策せいさく』において、「日本にっぽん政府せいふは数すう多おおくの国外こくがい防除ぼうじょの戦闘せんとうを勝かち取とったが、環境かんきょうの質しつを高たかめるための戦争せんそうではまだ勝利しょうりを収おさめていない。……本当ほんとうの原因げんいんは、環境かんきょうの質しつの悪化あっかにある。環境かんきょうの質しつ、あるいはよくアメニティと呼よばれるものは、静しずけさ、美うつくしさ、プライバシー、社会しゃかい的てき関係かんけい、その他た「生活せいかつの質しつ」の測定そくていすることのできない諸しょ要素ようそに関係かんけいしている」と指摘してきされた。木原きはら啓あきら吉きちは、この指摘してきをきっかけとして、日本にっぽんの環境かんきょう政策せいさくが、「量りょう」から「質しつ」、あるいは「ハード」から「ソフト」へ転換てんかんしたと評ひょうし[1]、景観けいかん破壊はかいは、環境かんきょうの「質しつ」や「ソフト」に属ぞくする問題もんだいであるとしている[8][出典しゅってん無効むこう]。

国土こくど交通省こうつうしょうが2003年ねんに発表はっぴょうした美うつくしい国くにづくり政策せいさく大綱たいこうによると、第だい一いちに、「国土こくどづくり、まちづくりにおいて、経済けいざい性せいや効率こうりつ性せい、機能きのう性せいを 重視じゅうししたため美うつくしさへの配慮はいりょを欠かいた雑然ざつぜんとした景観けいかん、無む個性こせい・画一かくいつ的てき な景観けいかん等とうが各地かくちで見みられる」こと、第だい二にに「公共こうきょう的てき空間くうかんでのごみ投棄とうきなど国民こくみんのモラルを問とわれる事例じれいも見みられる」ことが、景観けいかんの否定ひてい的てき側面そくめんであるとされた。また、「美うつくしさへの配慮はいりょを欠かいていたという点てんでは、公共こうきょう事業じぎょうをはじめ公共こうきょうの営いとなみも例外れいがいではなかったと認識にんしきすべき」としており、以降いこう、公共こうきょう機関きかんにおいても美うつくしさへ配慮はいりょし、景観けいかん保全ほぜんの政策せいさくが活発かっぱつとなった[9]。

2004年ねん6月がつ18日にちに景観けいかん緑みどり三さん法ほう 景観けいかん法ほう（都市とし、農のう山やま漁村ぎょそん等とうにおける良好りょうこうな景観けいかんの形成けいせいを促進そくしんするための法律ほうりつ）らが制定せいていされ、同年どうねん12月がつ17日にちより試行しこうされる。これにより、美観びかん地区ちくは廃止はいしされ景観けいかん地区ちくが新設しんせつされた。以降いこう、景観けいかんをめぐる訴訟そしょうにおいて、これらの法的ほうてき根拠こんきょをもとに争あらそわれ、景観けいかん利益りえきが権利けんりと認みとめられる判例はんれいが出でることとなった。

景観けいかん破壊はかいが争あらそわれた例れい

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景観けいかん破壊はかいの阻止そしや景観けいかん保護ほごの目的もくてきを達成たっせいするために、土地とちや建物たてものの財産ざいさん権けんに制限せいげんがかかるケースがしばしば発生はっせいする。そのため、住民じゅうみんや財産ざいさん権けん者しゃ間あいだで意見いけんの対立たいりつが起おこり、訴訟そしょう問題もんだいに発展はってんすることもある。一般いっぱんに、景観けいかん破壊はかい、景観けいかん阻害そがい等とうによる訴訟そしょうは、開発かいはつ・建築けんちく行為こういの差止さしとめもしくは景観けいかん破壊はかいに対たいする損害そんがい賠償ばいしょうを求もとめる民事みんじ訴訟そしょう、または、景観けいかん保護ほごの行政ぎょうせい法規ほうきを根拠こんきょに建築けんちく・開発かいはつ許可きょかの差止さしとめもしくは許可きょか内容ないようの是正ぜせいなどを求もとめる行政ぎょうせい訴訟そしょうの、2パターンの争あらそいが見みられる。裁判所さいばんしょ判断はんだんの中核ちゅうかくは、法的ほうてき救済きゅうさいが必要ひつような景観けいかん破壊はかいの存在そんざいの有無うむ、法的ほうてきに保護ほごされている「景観けいかん利益りえき」侵害しんがいの有無うむが焦点しょうてんとされる[2]。

景観けいかん保護ほごと公共こうきょうの利益りえきが争あらそわれ景観けいかん保護ほごへの配慮はいりょが求もとめられた先駆さきがけとなる判例はんれいとして、日光にっこう杉すぎ並木なみきを伐採ばっさいし道路どうろの拡幅かくふくを行おこなう計画けいかくに対たいし、杉すぎ並木なみきの伐採ばっさいは文化ぶんか遺産いさんと景観けいかんの破壊はかいであるとして開発かいはつ許可きょかの取とり消けしを求もとめた日光にっこう太郎たろう杉すぎ事件じけんがある[10]。1969年ねん4月がつの宇都宮うつのみや地裁ちさいの判決はんけつでは、行政ぎょうせい側がわの景観けいかん、歴史れきし、文化ぶんか的てき価値かちへの軽視けいしを指摘してきし、その許可きょかを取とり消けした。事件じけんはその後ご東京とうきょう高裁こうさいに控訴こうそされたが、1973年ねん7月がつに出だされた判決はんけつは、伐採ばっさい後ごの復元ふくげん困難こんなん性せいの観点かんてんも加くわえ原げん判決はんけつを維持いじした[10]。

1992年ねんに、京都きょうとホテルの改築かいちくは景観けいかん破壊はかいだとし、歴史れきし的てき文化ぶんか環境かんきょう権けん(景観けいかん権けん)を求もとめる原告げんこくらが民事みんじ訴訟そしょうと行政ぎょうせい訴訟そしょうを起おこすが、歴史れきし的てき文化ぶんか環境かんきょう権けん(景観けいかん権けん)が否認ひにんされ違法いほう性せいを否定ひていされた。2001年ねんには、鎌倉かまくらのまちなみをめぐる景観けいかん破壊はかいが争あらそわれ、原告げんこくの主張しゅちょうが退しりぞけられるも、景観けいかんを享受きょうじゅする利益りえきが個人こじん的てき利益りえきではなく、公共こうきょうの利益りえきであることが認みとめられる。2004年ねんに景観けいかん法ほうが施行しこうされると、環境かんきょう権けんや景観けいかん権けんを根拠こんきょとした訴訟そしょうが増加ぞうかしていく。2001年ねんに勃発ぼっぱつした国立こくりつマンション訴訟そしょうにおいては、地裁ちさいで住民じゅうみん側がわが勝訴しょうそした影響えいきょうにより、2003年ねんの白壁しらかべマンション訴訟そしょうにおいて住民じゅうみん側がわの景観けいかん利益りえき侵害しんがいが認みとめられる判決はんけつが出でる。しかし、国立こくりつマンション訴訟そしょうは最高裁さいこうさいまで争あらそわた結果けっか、景観けいかん利益りえき侵害しんがいの違法いほう性せいは認みとめられなかった。その後ご、2008年ねんには、船ふね岡山おかやまマンション訴訟そしょう事件じけんにおいて、景観けいかん利益りえきの有無うむはともかく、建築けんちく関係かんけい規定きていは住民じゅうみん個々ここの景観けいかん権けんを保護ほごしていないと判断はんだんされる事例じれいも出でる。2009年ねんには、環境かんきょう権けんが近隣きんりん住宅じゅうたくにまで及およぶと解釈かいしゃくし、漫画まんが家か楳図うめずかずおの自宅じたくが景観けいかん破壊はかいであるとして近隣きんりんの原告げんこく2名めいが訴訟そしょうするなどの争あらそいがあったが、景観けいかん利益りえきは否認ひにんされかつ受忍じゅにん限度げんど内ないと判断はんだんされる。また、同年どうねんに争あらそわれた、鞆の浦うら世界せかい遺産いさん訴訟そしょうにおいては、長年ながねんの事業じぎょう実施じっしに向むけた合意ごういの成立せいりつがあったにもかかわらず、景観けいかんの歴史れきし的てき・文化ぶんか的てき価値かちが認みとめられ、住民じゅうみんの景観けいかん利益りえきが認定にんていされた[2][8]。

以下いか、景観けいかん破壊はかいであるかどうかが争あらそわれた訴訟そしょうを記しるす[2]。

  • 国立こくりつマンション訴訟そしょう（行くだり訴H13.12.4 東京とうきょう地ち判ばん、民事みんじH14.12.18 東京とうきょう地ち判ばん、民事みんじH16.10.27 東京とうきょう高だか判ばん、民事みんじH18.3.31 最さい判はん一いち小しょう法廷ほうてい）
  • 京都きょうとホテル（民事みんじH4.8.6 京都きょうと地ち決けつ、行くだり訴H6.1.31 京都きょうと地ち判ばん）
  • 和歌浦わかうら景観けいかん訴訟そしょう事件じけん（H6.11.30 和歌わか山地さんち判ばん）
    歴史れきし的てき景観けいかん権けんの法律ほうりつ上じょうの権利けんり性せいを否認ひにん
  • 鎌倉かまくらまちなみ訴訟そしょう（H13.6.7 東京とうきょう高だか判ばん）
  • 白壁しらかべマンション訴訟そしょう（H15.3.31 名古屋なごや地ち決けつ）
  • 大田おおた区く山王さんのうマンション事件じけん（H16.2.20 東京とうきょう地ち判ばん）
  • 四観音道高架道路工事差止仮処分訴訟（H16.10.18 名古屋なごや地ち決けつ）
  • 地下ちか室しつマンション開発かいはつ許可きょか取消とりけし請求せいきゅう訴訟そしょう（H17.10.19 横よこ浜地はまじ判ばん）
  • 地下ちか室しつマンション建築けんちく確認かくにん取消とりけし請求せいきゅう訴訟そしょう（H17.11.30 横よこ浜地はまじ判ばん）
  • 府中ふちゅう東芝とうしばマンション事件じけん（H17.11.21 東京とうきょう地ち判ばん）
  • 都立とりつ大だい跡地あとちマンション事件じけん（H17.11.28 東京とうきょう地ち判ばん）
  • 町田まちだマンション事件じけん（H18.9.29 東京とうきょう地ち判ばん）
  • 町田まちだ玉川学園たまがわがくえんマンション事件じけん（H19.10.23 東京とうきょう地ち判ばん）
  • 船ふね岡山おかやまマンション訴訟そしょう事件じけん（H19.11.7 京都きょうと地ち判ばん）[11]
  • 鞆の浦うら仮処分かりしょぶん訴訟そしょう（H20.2.29 広島ひろしま地ち決けつ）
  • 二に子し玉川たまがわ再さい開発かいはつ事業じぎょう差止さしどめ請求せいきゅう訴訟そしょう（H20.5.12 東京とうきょう地ち判ばん）
  • 豊中とよなかとねやまマンション事件じけん（H20.8.7 大阪おおさか地ち判ばん）
  • 赤あか白しろストライプハウス事件じけん（H21.1.28 東京とうきょう地ち判ばん）- 原告げんこく2名めいの主張しゅちょうに対たいし、目立めだつ色彩しきさいではあるが色彩しきさいの法的ほうてき規制きせいや取とり決きめがなく現げんに色彩しきさいが統一とういつされてないとし、景観けいかん利益りえきを否認ひにんかつ受忍じゅにん限度げんど内ないと判断はんだん。
  • 名古屋なごや四観音道高架道路工事差止請求訴訟（民事みんじH21.1.30 名古屋なごや地ち判ばん、行くだり訴H21.2.26 名古屋なごや地ち判ばん）- 地域ちいきの歴史れきし的てき・文化ぶんか的てき環境かんきょう・景観けいかんの構成こうせい、地域ちいき住民じゅうみんによる自主じしゅ規制きせいを否定ひていかつ景観けいかん利益りえきを否認ひにん。
  • 鞆港埋立うめたて・架橋かきょう差さし止とめ訴訟そしょう（H21.10.1 広島ひろしま地ち判ばん）

景観けいかん問題もんだいの例れい

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  • 帝国ていこく京都きょうと博物館はくぶつかん（現げん京都きょうと国立こくりつ博物館はくぶつかん） - 明治めいじ時代じだいに、西洋せいよう建築けんちくは京都きょうとの街まちに相応ふさわしくないとして建設けんせつ反対はんたい運動うんどうがあった
  • 南禅寺なんぜんじ水路すいろ閣かく - 琵琶湖びわこ疎水そすい建設けんせつ時じに南禅寺なんぜんじ境内けいだいに洋風ようふうのレンガ造づくりの水道すいどう橋きょうを建設けんせつしたが、神社じんじゃ仏閣ぶっかくの保護ほごが優先ゆうせんだとして反対はんたいがあった
  • 眉山びざん (徳島とくしま市し) #景観けいかん問題もんだい
  • 南紀なんき熊野くまの体験たいけん博はく - 周辺しゅうへん部ぶの道路どうろ網もうの整備せいびが急きゅうピッチで行おこなわれ、これにより景観けいかん破壊はかいが起おこったという意見いけんもある
  • とやのレイクランド - 潟かたはハクチョウの飛来ひらい地ちでもある事ことから、景観けいかんを損そこねる恐おそれがあるとの指摘してき
  • 蔵前くらまえ専用せんよう橋きょう - 白しろい箱はこ形がた躯むくろ体たいは橋はしからの景観けいかんを損そこねるという意見いけんも
  • 新宿しんじゅくソフト - 独特どくとくの宣伝せんでん・運営うんえいには繁華はんか街がいの風紀ふうきの乱みだれ、景観けいかんを損そこねるという声こえも
  • 小淵沢こぶちさわ町まち - 看板かんばんの設置せっちに関かんしての規制きせいが遅おくれ、景観けいかんを損そこねる原色げんしょく調ちょうの看板かんばんや、メンテナンスされずに朽くち果はてた看板かんばんも
  • イタリア文化ぶんか会館かいかん - 赤色あかいろ塗装とそうが皇居こうきょ周辺しゅうへんの景観けいかんを破壊はかいするものであるとして議論ぎろんを呼よんだ
  • 目白めじろ駅えき - 駅えき周辺しゅうへんにある複ふく合あいビルの一ひとつが2012年ねんに完成かんせいする予定よていが景観けいかんを破壊はかいするなどの理由りゆうで地域ちいき住民じゅうみんからの反対はんたい運動うんどうが起おきる
  • 瀬戸内海せとないかい - 乱らん開発かいはつは、瀬戸内海せとないかいの歴史れきし的てきな景観けいかんを破壊はかいするものでもあった
  • 京都きょうと市し - 明治維新めいじいしん後ごの洋風ようふう建築けんちくが歴史れきし的てき景観けいかんを破壊はかいするとして論争ろんそうが発生はっせいした、戦後せんご、経済けいざい優先ゆうせんの政策せいさくにより徐々じょじょに景観けいかんが破壊はかいされ、街並まちなみが壊こわされることに対たいする景観けいかん論ろん争そうも起おこる
  • 東京大学とうきょうだいがく駒場こまんば地区ちくキャンパス - 教養きょうよう学部がくぶ18号館ごうかんが本郷ほんごうキャンパスの安田やすだ講堂こうどうと同様どうように景観けいかんが破壊はかいされたという声こえもある
  • 沈堕の滝たき - 堰せきがかさ上あげされたため水量すいりょうが減少げんしょうして往時おうじの景観けいかんが損そこなわれたとも
  • 丸まるの内うち (松本まつもと市し) - 松本まつもと城じょう交差点こうさてん付近ふきんの風景ふうけいが様変さまがわりが城下町じょうかまちの景観けいかんが損そこなわれることが懸念けねんされている
  • 矢部やべ四十八滝しじゅうはったき - 水力すいりょく発電はつでん用ように水みずを取水しゅすいしていることから、パイプなどで景観けいかんが損そこなわれていたり涸かれ滝たきに
  • 大平台おおひらだい - 静岡しずおかの大平台おおひらだいは新興しんこう住宅じゅうたく街がいと化かし、すぐ近ちかくの佐鳴湖さなるこは自然しぜん公園こうえんでもあり、開発かいはつで自然しぜんの景観けいかんが損そこなわれることが懸念けねんされている
  • 萬代橋ばんだいばし - 欄干らんかんかさ上あげによって市民しみんが慣なれ親したしんだ萬代橋ばんだいばしの景観けいかんが損そこなわれると危惧きぐする意見いけんが市民しみんから数多かずおおく寄よせられる
  • 紀伊きい山地さんちの霊場れいじょうと参詣さんけい道どう#関西電力かんさいでんりょくの風力ふうりょく発電はつでん計画けいかく
  • 阪急はんきゅう甲陽線こうようせん - 夙川しゅくがわ公園こうえんの樹木じゅもくを伐採ばっさいするなど景観けいかんに悪影響あくえいきょうを与あたえるとして地域ちいき住民じゅうみんからの反対はんたい運動うんどうが
  • 京都大学きょうとだいがく- 京都きょうと大学だいがく吉田よしだキャンパスで敷地しきち外周がいしゅうに設置せっちされていた立だて看板かんばんが、京都きょうと市しの屋外おくがい広告こうこく物ぶつ条例じょうれいに違反いはんするとして、市しが京都大きょうとだい学がくに行政ぎょうせい指導しどうを行おこない、大学だいがくが看板かんばんを撤去てっきょしようとしたが、一部いちぶ学生がくせいや教員きょういんが反発はんぱつした。

景観けいかん保護ほごの例れい

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白いポスト（犬吠埼灯台）
白しろいポスト（犬吠埼いぬぼうざき灯台とうだい）
モスバーガー（魚町南店）
モスバーガー（魚町うおまち南みなみ店てん）
ファミリーマート（伊勢神宮内宮前店）
ファミリーマート（伊勢神宮いせじんぐう内宮ないくう前まえ店てん）
ファミリーマート城崎温泉店
ファミリーマート城崎きのさき温泉おんせん店てん
日本コカ・コーラの自販機（知覧武家屋敷通り）
日本にっぽんコカ・コーラの自販機じはんき（知ち覧らん武家ぶけ屋敷やしき通どおり）
KIRINの自販機（小田原）
KIRINの自販機じはんき（小田原おだわら）

景観けいかん保護ほご施策しさく

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誘導ゆうどう型がた制度せいど

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景観けいかん形成けいせいや街まち地ち内ないの老朽ろうきゅう化か、建物たてものの更新こうしんや不燃ふねん化か促進そくしん等とうを図はかるための諸しょ制度せいどを誘導ゆうどう型がた制度せいどという。

景観けいかん分野ぶんやなどにおいては、都市とし計画けいかく法ほうの美観びかん地区ちくや街並まちなみ誘導ゆうどう型がた地区ちく計画けいかく、景観けいかん法ほうにおける景観けいかん計画けいかくや景観けいかん条例じょうれいがその代表だいひょう的てきなものとしてしられる。

景観けいかんガイドライン (guideline) 

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良好りょうこうな景観けいかんの形成けいせいを目的もくてきとして景観けいかん基本きほん計画けいかくが定さだめられた場合ばあい、それを具体ぐたい的てきに実施じっしするために定さだめたもの。通常つうじょうは対象たいしょう地区ちく内ないの建築けんちく物ぶつ、道路どうろや橋はし、鉄道てつどうや工作こうさく物ぶつ、看板かんばんや標識ひょうしき、サインなどの形態けいたいや色彩しきさいを規制きせい、誘導ゆうどうするための指針ししんになる[12]

都市とし景観けいかん形成けいせいモデル事業じぎょう

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旧きゅう建設省けんせつしょうによって1983年ねんに制定せいていされた補助ほじょ事業じぎょう。モデル地区ちくでは基本きほん計画けいかくを策定さくていし、これに基もとづき都市とし計画けいかく事業じぎょう（公園こうえん．街路がいろ）、道路どうろ事業じぎょう、河川かせん事業じぎょう等とう、景観けいかん形成けいせいにかかわる各かく事業じぎょうの事業じぎょう計画けいかくの策定さくていと事業じぎょうの調整ちょうせいおよび重点的じゅうてんてきな実施じっしを行おこなう

景観けいかん影響えいきょう評価ひょうか

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「景観けいかんアセスメント」ともいう。環境かんきょうアセスメント（環境かんきょう影響えいきょう評価ひょうか）と同様どうように、景観けいかんを変化へんかさせる事業じぎょう等とうを行おこなう場合ばあい、事前じぜんに調査ちょうさ、予測よそく、評価ひょうかをして、その影響えいきょうの大おおきさと可否かひを判断はんだんする。

景観けいかんアドバイザー

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自治体じちたいが各種かくしゅの公共こうきょう事業じぎょうとして建築けんちく物ぶつ、土木どぼく施設しせつを計画けいかくし建設けんせつ実施じっしする場合ばあい、景観けいかん面めんでの提案ていあんやアドバイスを受うけるために委嘱いしょくする専門せんもん家か。専門せんもん家かとしては、建築けんちく家か、都市としデザイナー、ランドスケープアーキテクト、グラフィックデザイナー．カラープランナーなどがあたることが多おおい。主おもな事例じれいに角すみ舘たて政英まさひで(千代田ちよだ区く景観けいかんアドバイザー、品川しながわ区くまちづくり専門せんもん家か、世田谷せたがや区くまちづくり専門せんもん家かなど)、只野ただの康夫やすお(堺さかい市し都市とし景観けいかんアドバイザー)、内原うちはら智史さとし(福島ふくしま県けんの景観けいかんアドバイザー, 十じゅう綱つな橋きょうライトアップ指導しどうなど)、林はやし美香子みかこ（北海道ほっかいどう開発かいはつ局きょく景観けいかんアドバイザー）、田邉たなべ学まなぶ(千代田ちよだ区く景観けいかんアドバイザー、港みなと区く景観けいかんアドバイザー、杉並すぎなみ区く景観けいかん審議しんぎ会かい専門せんもん部会ぶかい委員いいんなど)のケースがある。

景観けいかん賞しょう

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造園ぞうえん用語ようご辞典じてん（東京農業大学とうきょうのうぎょうだいがく造園ぞうえん科学かがく科か (編集へんしゅう)彰あきら国こく社しゃ 2011年ねん）で進士しんし五十八いそやは、 景観けいかんまちづくり推進すいしん策さくの特徴とくちょうが、規制きせいより参加さんか・誘導ゆうどう型がたでなければうまくいかない点てんにあるとし、人命じんめいを左右さゆうするといった絶対ぜったい的てきな機能きのうを有ゆうしない景観けいかん政策せいさくを進すすめる場合ばあいには法令ほうれいで定さだめた緑化りょくか基準きじゅんや建築けんちく基準きじゅんを超こえて都市とし美びのための工夫くふうをしたような行為こういに対たいして、審査しんさの上うえで景観けいかん賞しょうを出だすことが有効ゆうこうとなるとし、全国ぜんこく各地かくちで都市とし景観けいかん賞しょう、都市とし美び賞しょう、美うつくしい景観けいかん賞しょうなどがあることを示しめしている。 一いち例れいとして、大阪おおさか都市とし景観けいかん建築けんちく賞しょう、盛岡もりおか市し都市とし景観けいかん賞しょう[1]などがある。

景観けいかん条例じょうれい

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景観けいかん法ほうの制定せいてい前まえから、景観けいかんの保全ほぜんと創造そうぞうにかかわる景観けいかん条例じょうれいを地方ちほう公共こうきょう団体だんたいで定さだめている。上記じょうきの書しょで進士しんしは、これには自治体じちたいが自治体じちたい行政ぎょうせいの役割やくわりと責務せきむ、市民しみんや企業きぎょうが建設けんせつ行為こういを行おこなうときに地域ちいきの風致ふうちや美観びかん、すなわち美うつくしい景観けいかんを守まもり育そだてるためのルール、計画けいかく行政ぎょうせい上じょうの仕組しくみ、市民しみん参加さんかの仕組しくみ、仕掛しかけ、表彰ひょうしょうなどに関かんする条項じょうこうを盛もり込こんでおり、その対象たいしょう景観けいかんとして観光かんこう資源しげんとして重要じゅうような歴史れきし的てきかつ自然しぜん的てき景観けいかん資源しげんにかかわるものから市民しみんの日常にちじょう例れい活かつの環境かんきょうを維持いじ･発展はってんさせるための都市とし景観けいかんにかかわるもの、個性こせい的てきな農村のうそん景観けいかんにかかわるものなどがあるとしている。 条例じょうれいに基もとづいて、兵庫ひょうご県けんは 県けんの景観けいかん条例じょうれいに基もとづく指定してい制度せいどで 景観けいかん形成けいせい地区ちく (兵庫ひょうご県けん指定してい)と 景観けいかん形成けいせい重要じゅうよう建造けんぞう物ぶつ等とう (兵庫ひょうご県けん指定してい) 、そのほか 大阪おおさか市し都市とし景観けいかん資源しげん（大阪おおさか市し都市とし景観けいかん条例じょうれいによる）、 東京とうきょう都と選定せんてい歴史れきし的てき建造けんぞう物ぶつ（東京とうきょう都と景観けいかん条例じょうれいによる）、 小樽おたる市し指定してい歴史れきし的てき建造けんぞう物ぶつ（「小樽おたるの歴史れきしと自然しぜんを生いかしたまちづくり景観けいかん条例じょうれい」による） などを制定せいていし景観けいかん政策せいさくを進すすめている。

景観けいかん重要じゅうよう建造けんぞう物ぶつの指定してい制度せいど

景観けいかん法ほうでは景観けいかん重要じゅうよう建造けんぞう物ぶつの指定してい制度せいどが設もうけられた。2009年ねんまでに実際じっさいにしている自治体じちたいは18あった[13]。景観けいかん計画けいかくの指定してい方針ほうしんでも指定していする物件ぶっけんがある場合ばあいには指定してい方針ほうしんを定さだめることとなっている。一いち例れいとして名古屋なごや市しは名古屋なごや市し都市とし景観けいかん重要じゅうよう建築けんちく物ぶつ等とうや登録とうろく地域ちいき建造けんぞう物ぶつ資産しさん、認定にんてい地域ちいき建造けんぞう物ぶつ資産しさんなどを制定せいていし、鎌倉かまくら市しは鎌倉かまくら市し指定してい景観けいかん重要じゅうよう建築けんちく物ぶつ（鎌倉かまくら市し都市とし景観けいかん条例じょうれい）を定さだめている。

文化財ぶんかざい保護ほご法ほうによる文化ぶんか的てき景観けいかんと歴史れきしまちづくり法ほうによる歴史れきし的てき風致ふうちの活用かつよう

景観けいかん法ほうの制定せいていと合あわせて文化財ぶんかざい保護ほご法ほうが改正かいせいされ、文化ぶんか的てき景観けいかんが文化財ぶんかざいに加くわわった。文化ぶんか的てき景観けいかんは上記じょうき保護ほご法ほうで「地域ちいきにおける人々ひとびとの生活せいかつまたは生業せいぎょうおよび当該とうがい地域ちいきの風土ふうどにより形成けいせいされた景観けいかん地ち」と定義ていぎされる。また景観けいかん法ほうの景観けいかん計画けいかくで対象たいしょう(区域くいき)と特性とくせいを位置付いちづけることになっている。市町村しちょうそんは、この文化ぶんか的てき景観けいかんの中なかから「文化ぶんか的てき景観けいかん保存ほぞん計画けいかく」を策定さくていし、「重要じゅうよう文化ぶんか的てき景観けいかん」の選定せんていの申さる出でを行おこない、選定せんてい基準きじゅんに基もとづき、文化庁ぶんかちょうが選定せんていする。選定せんていされた重要じゅうよう文化ぶんか的てき景観けいかんの保護ほごにおいて、建築けんちく物ぶつや開発かいはつなどの規制きせいは景観けいかん計画けいかくや自治体じちたいの条例じょうれいに委ゆだねられている。また、歴史れきしまちづくり法ほう(地域ちいきにおける歴史れきし的てき風致ふうちの維持いじおよび向上こうじょうに関かんする法律ほうりつ、2008年ねん制定せいてい)において歴史れきし的てき風致ふうちという新あたらしい地域ちいきの景観けいかん価値かちが生うまれた。これらはいずれも、文化財ぶんかざい行政ぎょうせいとまちづくり行政ぎょうせいが協きょう働はたらけするしくみであり、地域ちいきの歴史れきしや風土ふうどと、人ひとの営いとなみによって生うみ出だされる景観けいかんに着目ちゃくもくし、景観けいかんと地域ちいきづくりをつなぐものである。

文化ぶんか的てき景観けいかんの保全ほぜんによる地域ちいきづくり

美うつくしい棚田たなだや水郷すいごう風景ふうけいのような農のう山やま漁村ぎょそんの風景ふうけいには、地域ちいきに固有こゆうの地形ちけいや風土ふうどと、そこで営いとなまれる生産せいさん活動かつどうとの関係かんけいがわかりやすく現あらわれている。しかし、この風景ふうけいを保全ほぜんするためには生業せいぎょうが維持いじされる必要ひつようがあり、棚田たなだオーナー制度せいどや地域ちいき商品しょうひんのブランド化かなど、生業せいぎょう継続けいぞくへの支援しえんが進すすめられている。また、子こどもたちや地域ちいきの人々ひとびとに風景ふうけいの成なり立たちを知しってもらう学習がくしゅう、観光かんこうや都市とし農村のうそん交流こうりゅうなど、多様たような地域ちいきの取とり組くみと連携れんけいしている。一方いっぽう、金沢かなざわや宇治うじのような都市とし型がたの文化ぶんか的てき景観けいかんでは風土ふうどと生業せいぎょうの関係かんけいが見みえにくく加賀かがの伝統でんとう産業さんぎょうや宇治うじの茶ちゃ産業さんぎょうは時代じだいとともにその技術ぎじゅつや都市としにおける役割やくわりが変化へんかする。城下町じょうかまちの町まち割わりを維持いじしていても、都市としが生いき続つづける中なかで建物たてものは変化へんかする。文化ぶんか的てき景観けいかんは、都市とし空間くうかんや生産せいさん現場げんばの変化へんかを許容きょようしつつ、その景観けいかんを成なりたせている文化ぶんかの保護ほごを求もとめる。それが何なになのか、地域ちいきつくりの中なかで考かんがえることになっている。

歴史れきし的てき風致ふうちとは、「地域ちいき固有こゆうの歴史れきし・伝統でんとうを反映はんえいした人々ひとびとの活動かつどうとその活動かつどうが行おこなわれる歴史れきし上じょう価値かちの高たかい建築けんちく物ぶつおよび周辺しゅうへん市街地しがいちとが一体いったいとなって形成けいせいしてきた良好りょうこうな市街地しがいちの環境かんきょう」と歴史れきしまちづくり法ほうで定義ていぎされる。祭まつりや年中ねんじゅう行事ぎょうじ、芸能げいのう、生業せいぎょう、伝統でんとう産業さんぎょう、さまざまな職しょくなどの人ひとの営いとなみと、歴史れきし的てき価値かちの高たかい建築けんちく物ぶつが構成こうせいする物的ぶってき空間くうかんが一体いったいとなった市街地しがいち環境かんきょうが歴史れきし的てき風致ふうちであり、そこに現あらわれる独特どくとくのたたずまいや風情ふぜいに価値かちを見出みいだすものである。

歴史れきしまちづくり法ほうは、市町村しちょうそんが「歴史れきし的てき風致ふうち維持いじ向上こうじょう計画けいかく」を作成さくせいし、認定にんていを受うけることで、歴史れきし的てき資源しげんを活用かつようして広ひろがりのある地域ちいきづくりを進すすめるしくみである。歴史れきし的てき風致ふうち維持いじ向上こうじょう計画けいかくでは、自然しぜん環境かんきょう・土地とち利用りよう・社会しゃかい的てき環境かんきょう、都市としの成なり立たちや建造けんぞう物ぶつの歴史れきしなどを整理せいりして地域ちいきの歴史れきし的てき風致ふうちを設定せっていし、その維持いじ向上こうじょうのための方針ほうしんをつくる。計画けいかくには、重点じゅうてん区域くいきの位置いち・区域くいきを指定していするとともに、文化財ぶんかざいの保存ほぞん・活用かつよう、歴史れきし的てき風致ふうち維持いじ向上こうじょう施設しせつ、歴史れきし的てき風致ふうち形成けいせい建造けんぞう物ぶつおよび計画けいかく期間きかんについて示しめす。

計画けいかくの実施じっし推進すいしんに重点じゅうてんを置おき、複数ふくすうの部局ぶきょくにかかわる計画けいかくを進すすめるために、行政ぎょうせい内ないの計画けいかく推進すいしん体制たいせいを明確めいかくにすることが求もとめられる。歴史れきし的てき風致ふうち維持いじ向上こうじょう協議きょうぎ会かいの設置せっちや、計画けいかくに取とり組くむ主体しゅたいとしてNPO法人ほうじん・公益こうえき法人ほうじんを歴史れきし的てき風致ふうち維持いじ向上こうじょう支援しえん法人ほうじんに指定していすることができる。重点じゅうてん区域くいきの整備せいび促進そくしんには、歴史れきし的てき環境かんきょう形成けいせい総合そうごう支援しえん事業じぎょうが創設そうせつされ、金沢かなざわでは用水ようすいの再生さいせい整備せいびが行おこなわれた。ほかに、まちづくり交付こうふ金きんや街まちなみ環境かんきょう整備せいび事業じぎょうなどが活用かつようできるようになっていたが、2011年度ねんどにこうした事業じぎょうが社会しゃかい資本しほん整備せいび総合そうごう交付こうふ金きんに統合とうごうされた。それぞれの市町村しちょうそんが、地域ちいきの歴史れきしを人々ひとびとの営いとなみと地域ちいき環境かんきょうに見出みいだし、資源しげんを守まもるだけではなく、その環境かんきょうを整備せいび・活用かつようすることから地域ちいきづくりを進すすめていくところに特徴とくちょうがある。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b 木原きはら啓あきら吉よし (1989). 環境かんきょうの思想しそう・アメニティについての一いち考察こうさつ. 未み来社らいしゃ. pp. 8-4 
  2. ^ a b c d “近年きんねんの景観けいかん訴訟そしょう事例じれいにみる景観けいかん保護ほごの論理ろんり” (PDF). 白川しらかわ慧とし (2010年ねん). 2014年ねん3月がつ26日にち閲覧えつらん。
  3. ^ 淺野あさの敏久としひさ・中島なかじま弘二こうじ『自然しぜんの社会しゃかい地理ちり』2013年ねん、97頁ぺーじ。 
  4. ^ 淺野あさの敏久としひさ・中島なかじま弘二こうじ『自然しぜんの社会しゃかい地理ちり』2013年ねん、97-98頁ぺーじ。 
  5. ^ a b c d e 淺野あさの敏久としひさ・中島なかじま弘二こうじ『自然しぜんの社会しゃかい地理ちり』2013年ねん、98頁ぺーじ。 
  6. ^ 淺野あさの敏久としひさ・中島なかじま弘二こうじ『自然しぜんの社会しゃかい地理ちり』2013年ねん、102頁ぺーじ。 
  7. ^ 淺野あさの敏久としひさ・中島なかじま弘二こうじ『自然しぜんの社会しゃかい地理ちり』2013年ねん、105頁ぺーじ。 
  8. ^ a b 三星みつぼし宗雄むねお「騒色公害こうがいと景観けいかん問題もんだい ―実態じったいと解決かいけつ策さく―」（PDF）『人文じんぶん学がく研究所けんきゅうじょ報ほう』第だい50号ごう、神奈川大学かながわだいがく、2013年ねん8月がつ、2014年ねん3月がつ26日にち閲覧えつらん。 
  9. ^ “美うつくしい国くにづくり政策せいさく大綱たいこう” (PDF). 国土こくど交通こうつう省しょう (2003年ねん7月がつ). 2014年ねん3月がつ26日にち閲覧えつらん。
  10. ^ a b 土岐とき寛ひろし『『日本人にっぽんじんの景観けいかん認識にんしきと景観けいかん政策せいさく』 日本にっぽん評論ひょうろん社しゃ 2015年ねん ISBN 978-4-535-52117-9 p.186.
  11. ^ 特集とくしゅう 最近さいきんの重要じゅうよう環境かんきょう判例はんれい
  12. ^ ランドスケープコンサルタンツ協会きょうかい美うつくしい景観けいかん事例じれい集しゅう編集へんしゅう委員いいん会かい 美うつくしい景観けいかん・まちづくりに役立やくだつ景観けいかん55事例じれい - 隠岐おきの景観けいかんづくりガイドラインなどについて事例じれい紹介しょうかいが掲載けいさい
  13. ^ 齋藤さいとう晋すすむ佑たすく, 今村いまむら洋一よういち, 岡崎おかざき篤行とっこう、「景観けいかん法ほうに基もとづく景観けいかん重要じゅうよう建造けんぞう物ぶつの全国ぜんこく的てき運用うんよう実態じったいと課題かだい」 日本にっぽん建築けんちく学会がっかい技術ぎじゅつ報告ほうこく集しゅう 2011年ねん 17巻かん 35号ごう p.345-348, doi:10.3130/aijt.17.345

文献ぶんけん情報じょうほう

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  • 「風景ふうけいの近代きんだい化かとニヒリズム」藤井ふじい聡さとし（風景ふうけい･デザイン研究けんきゅう論ろん文集ぶんしゅう2006）[2]
  • 「大衆たいしゅうによる風景ふうけい破壊はかい・オルテガ「大衆たいしゅうの反逆はんぎゃく」の景観けいかん問題もんだいへの示唆しさ」小松こまつ佳弘よしひろ･羽鳥はとり剛史たけし･藤井ふじい聡さとし（風景ふうけい･デザイン研究けんきゅう論ろん文集ぶんしゅう2009）[3]
  • 「景観けいかん保全ほぜんに及およぼす大衆たいしゅう性せいの破壊はかい的てき影響えいきょうに関かんする全国ぜんこく調査ちょうさ」小松こまつ佳弘よしひろ･羽鳥はとり剛史たけし･藤井ふじい聡さとし（土木どぼく計画けいかく学がく研究けんきゅう･論ろん文集ぶんしゅう2009）[4]

関連かんれん項目こうもく

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