木津川きつかわ (大阪おおさか府ふ)

木津川きづがわ
	木津川きづがわ橋きょう（大阪おおさか市し西にし区く）
水系すいけい	一級いっきゅう水系すいけい淀川よどがわ
種別しゅべつ	一級いっきゅう河川かせん
延長えんちょう	8.7 km
平均へいきん流量りゅうりょう	-- m³/s
流域りゅういき面積めんせき	1.5 km²
水源すいげん	旧きゅう淀川よどがわ（大阪おおさか市し西にし区く）
水源すいげんの標高ひょうこう	-- m
河口かこう・合流ごうりゅう先さき	大阪おおさか湾わん（大阪おおさか府ふ）
流域りゅういき	日本にっぽん大阪おおさか府ふ
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木津川きづがわ（きづがわ）は、大阪おおさか府ふ大阪おおさか市し南西なんせい部ぶを流ながれる淀川よどがわ水系すいけいの下流かりゅうにおける分流ぶんりゅうで一級いっきゅう河川かせん。流域りゅういき北部ほくぶは住宅じゅうたく地ち、南部なんぶは倉庫そうこ・造船ぞうせん所しょなどの工業こうぎょう地帯ちたいを流ながれる。

干潮かんちょう水深すいしんは昭和しょうわ5年ねん（1930年ねん）に10.5メートル、昭和しょうわ15年ねん（1940年ねん）9.4メートル、昭和しょうわ27年ねん（1952年ねん）3.2メートルと次第しだいに浅あさくなっている。平均へいきん幅員ふくいんは昭和しょうわ27年ねん時じの調査ちょうさで169メートル。

地理ちり

大阪おおさか府ふ大阪おおさか市し西にし区く中ちゅう北部ほくぶで淀川よどがわ分流ぶんりゅうの土佐堀とさぼり川がわから分わかれ、西にし区く中央ちゅうおう部ぶを南みなみへ縦断じゅうだん。大阪おおさかドーム近ちかくの大正橋たいしょうばしで道頓堀どうとんぼり川がわが東ひがしから合流ごうりゅう、西にしへは岩崎いわさき運河うんがから尻無川しりなしがわへの流ながれがある。本流ほんりゅうは大正たいしょう区くと浪速なにわ区く、西成にしなり区くとの境界きょうかいを成なしながらなおも南下なんかし、千本松せんぼんまつ大橋おおはし付近ふきんから徐々じょじょに南西なんせい流りゅう、そして西にし流りゅうへ転てんじる。下流かりゅうでは大正たいしょう区くと住之江すみのえ区くの境界きょうかいとなり、木津川きづがわ運河うんがを分わけて大阪おおさか港こう南部なんぶ（大阪おおさか南港なんこう東部とうぶ）へ注そそぐ。

歴史れきし

古ふるくから掘削くっさくされ、豊臣とよとみ家かの軍船ぐんせん停泊ていはく所しょの建設けんせつや中村なかむら勘助かんすけの木津川きづがわ浚渫しゅんせつ、江戸えど幕府ばくふの船ふね番所ばんしょ、河村かわむら瑞みずほ賢けんの難波なんば島とう中央ちゅうおう部ぶ切開せっかい、泉尾いずお新田しんでんへの用水ようすい導入どうにゅう、舟ふね囲かこえ場じょう、天満てんま屋敷やしきなど多おおくの歴史れきし背景はいけいがある。これらについては年表ねんぴょうで後述こうじゅつする。

明治めいじ20年ねん頃ごろまで木津川きづがわは船ふねの出入でいりが多おおく、賑にぎわっていたが、その後ご、より水運すいうんの良よい安治川あじがわに主導しゅどう権けんを奪うばわれた。具体ぐたい的てきには、大正たいしょう元年がんねん（1912年ねん）の川筋かわすじの停泊ていはく数すうで、安治川あじがわが2,221隻せきで最多さいた、木津川きづがわ1,336隻せき、尻無川しりなしがわ620隻せきとなっている^[1]。第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん時どきの造船ぞうせんブームや付近ふきんの工場こうじょうの進出しんしゅつで木津川きづがわは再ふたたび活気かっきを取とり戻もどした。現在げんざいも運河うんがとしての役割やくわりを担になっている。

天正てんしょう4年ねん（1576年ねん） - 毛利もうり水軍すいぐんが織田おだ信長のぶなが軍ぐんの兵船へいせんを木津川きづがわ口こうで破やぶり、石山いしやま本願寺ほんがんじ内うちに兵糧ひょうろうを運はこぶ（第だい一いち次じ木津川きづがわ口こうの戦たたかい）。
天正てんしょう6年ねん（1578年ねん） - 織田おだ方かたの九鬼くき嘉隆よしたか率ひきいる九鬼くき水軍すいぐんの安宅あたか船せんが大だい坂さかを海上かいじょう封鎖ふうさ、毛利もうり水軍すいぐんを木津川きづがわ沖おきで撃破げきは（第だい二に次じ木津川きづがわ口こうの戦たたかい）。
慶長けいちょう15年ねん（1610年ねん） - 中村なかむら勘助かんすけが木津川きづがわ尻しりの姫島ひめしまに豊臣とよとみ家かの軍船ぐんせん係船けいせん所しょを建設けんせつし、堤防ていぼうを築きずき田畑たはたを開発かいはつ。豊臣とよとみ家かより「勘助かんすけ島とう」（現げん：大正たいしょう区く三さん軒けん家か）の名なが与あたえられる。
1614年ねん（慶長けいちょう19年ねん）：木津きづ川口かわぐちの戦たたかい (1614年ねん)
寛永かんえい7年ねん（1630年ねん） - 中村なかむら勘助かんすけによる木津川きづがわの浚渫しゅんせつ。
元禄げんろく12年ねん（1699年ねん） - 河村かわむら瑞みずほ賢けんが難波なんば島とうを開削かいさく工事こうじ。木津川きづがわの水流すいりゅうを改良かいりょう。
宝永ほうえい5年ねん（1708年ねん） - 川口かわぐちの浚渫しゅんせつ実施じっし。遠見とおみ番所ばんしょを設置せっちする。
享とおる保ほ15年ねん（1730年ねん） - 再度さいど川口かわぐちの浚渫しゅんせつ実施じっし。
天保てんぽう3年ねん（1832年ねん） - 航行こうこう改善かいぜんのため木津川きづがわ口こうに870間あいだの石堤いしづつみを築きずき、松まつを植うえる（千本松せんぼんまつの由来ゆらい）。
安政あんせい3年ねん（1856年ねん） - 江戸えど幕府ばくふ、大坂おおさか城代じょうだいの土屋つちや寅とら直ただしに木津きづ川口かわぐち・安治あわじ川口かわぐちへの台場だいば建設けんせつを指示しじする。
安政あんせい4年ねん（1857年ねん） - 幕府ばくふ、高松たかまつ藩はんに木津きづ川口かわぐち台場だいばの警備けいび命令めいれいを出だす。
文久ぶんきゅう3年ねん（1863年ねん） - 木津川きづがわ口こうを土佐山とさやま内ない藩はんが、木津川きづがわ船ふね手しゅ番所ばんしょを美濃みの苗木なえぎ藩はんが警備けいび。
明治めいじ14年ねん（1881年ねん） - 大阪おおさか府ふが難波なんば島とう西部せいぶを開削かいさくして三軒家さんげんや川がわを拡幅かくふくし、三さん軒けん家かに倉庫そうこ10棟むねを持もつ「舟ふね囲かこえ場じょう」（178,000m²）を開設かいせつ。
明治めいじ18年ねん（1885年ねん） - この頃ころから木津川きづがわを中心ちゅうしんに次々つぎつぎと工場こうじょうが開業かいぎょう（栗木くりき鉄工てっこう所しょ等とう）。
大正たいしょう3年ねん（1914年ねん） - 木津川きづがわ焼却しょうきゃく場じょう開設かいせつ。
大正たいしょう4年ねん（1915年ねん） - 大正橋たいしょうばし架設かせつ。
大正たいしょう5年ねん（1916年ねん） - 木津川きづがわ運河うんが開削かいさく。
大正たいしょう8年ねん（1919年ねん） - 造船ぞうせん所しょが木津川きづがわ筋すじに32社しゃ群ぐん立りつ。
大正たいしょう9年ねん（1920年ねん） - 岩崎いわさき運河うんが開削かいさく。
大正たいしょう12年ねん（1923年ねん） - 大正たいしょう運河うんが開削かいさく。木津川きづがわ尻しり埋立うめたて地ちに大阪おおさか木津川きづがわ尻しり飛行場ひこうじょう（木津川きづがわ飛行場ひこうじょうの元もと）が開設かいせつ。
昭和しょうわ4年ねん（1929年ねん） - 船ふな町まちに木津川きづがわ飛行場ひこうじょうが日本にっぽん初はつの公共こうきょう用よう空港くうこうとして開設かいせつ。
昭和しょうわ12年ねん（1937年ねん） - 大浪おおなみ橋きょう架設かせつ。
昭和しょうわ15年ねん（1940年ねん） - 木津川きづがわの防潮ぼうちょう堤つつみ完工かんこう。
昭和しょうわ45年ねん（1970年ねん） - 大正たいしょう運河うんが閉鎖へいさ。防潮ぼうちょう水門すいもん完成かんせい。（安治川あじがわ水門すいもん#ギャラリーも参照さんしょう）
昭和しょうわ48年ねん（1973年ねん） - 千本松せんぼんまつ大橋おおはし完成かんせい。
平成へいせい6年ねん（1994年ねん） - 新しん木津川きづがわ大橋おおはし開通かいつう。

支流しりゅう

渡船とせん

中なか・下しも流域りゅういきで、両りょう岸きしを結むすぶ公営こうえい渡船とせんが市営しえいで運航うんこうされている。歩行ほこう者しゃおよび自転車じてんしゃ専用せんようで、無償むしょう。建設けんせつ局きょくによる運航うんこう（木津川きづがわ渡わたりのみ港湾こうわん局きょく）。渡船とせんと対応たいおうする形かたちで道路どうろ橋きょうが併設へいせつされている箇所かしょもあるが、木津川きづがわの貨物かもつ船せん運航うんこうに支障ししょうのないよう、ループ橋きょうで建設けんせつされている。

落合おちあい上渡かみわたり 大正たいしょう区く千島ちしま1丁目ちょうめ - 西成にしなり区く北津守きたつもり3丁目ちょうめ　日にち中ちゅう15分ふん毎ごと。
落合おちあい下渡げど 大正たいしょう区く平尾ひらお1丁目ちょうめ - 西成にしなり区く津守つもり2丁目ちょうめ　日にち中ちゅう15分ふん毎ごと。
千本松せんぼんまつ渡わたり 大正たいしょう区く南恩加島みなみおかじま1丁目ちょうめ - 西成にしなり区く南津守みなみつもり2丁目ちょうめ　日にち中ちゅう15分ふん毎ごと。道路どうろ橋きょうは千本松せんぼんまつ大橋おおはしが対応たいおう。
木津川きつかわ渡わたる 大正たいしょう区く船ふな町まち2丁目ちょうめ - 住之江すみのえ区く平林北ひらばやしきた1丁目ちょうめ　日にち中ちゅう45分ふん毎ごと。道路どうろ橋きょうは新しん木津川きづがわ大橋おおはしが対応たいおう。

大阪おおさか市しの渡船とせんについては「大阪おおさか市しの公営こうえい渡船とせん」を参照さんしょう

主おもな橋梁きょうりょう

上流じょうりゅうから

昭和しょうわ橋きょう - 土佐堀とさぼり通とおる
木津川きづがわ橋きょう - 本町通ほんちょうどおり
木津川きづがわ大橋おおはし - 中央ちゅうおう大通だいつう・阪神はんしん高速こうそく16号ごう大阪おおさか港こう線せん
大だい渉わたる橋きょう
松島まつしま橋きょう
伯楽ばくろう橋きょう - 長堀ながほり通どおり
千代崎ちよざき橋きょう
大正橋たいしょうばし - 千日前せんにちまえ通どおり
大阪環状線おおさかかんじょうせん木津川きづがわ橋梁きょうりょう
大浪おおなみ橋きょう - 大浪おおなみ通とおる
木津川きづがわ橋きょう - 国道こくどう43号ごう・阪神はんしん高速こうそく17号ごう西大阪線にしおおさかせん
千本松せんぼんまつ大橋おおはし
新しん木津川きづがわ大橋おおはし

昭和しょうわ橋きょう
大正橋たいしょうばし
木津川きづがわ橋梁きょうりょう（大阪環状線おおさかかんじょうせん）
大浪おおなみ橋きょう
千本松せんぼんまつ大橋おおはし
新しん木津川きづがわ大橋おおはし

流域りゅういきの行政ぎょうせい区く

（*は左岸さがんに位置いちする）

大阪おおさか府ふ: 大阪おおさか市し西にし区く、大正たいしょう区く、浪速なにわ区く*、西成にしなり区く*、住之江すみのえ区く*

文化ぶんか事業じぎょう

2009年ねんから護岸ごがん堤防ていぼうを活用かつようしたウォールペインティングが行おこなわれている。（2010年ねんからはおおさかカンヴァス推進すいしん事業じぎょうの一環いっかん。）

参考さんこう資料しりょう

大正たいしょう区く制せい施行しこう70周年しゅうねん記念きねん事業じぎょう実行じっこう委員いいん会かい編へん『大正たいしょう区く制せい施行しこう70周年しゅうねん記念きねん誌しわがまち大正たいしょう』大正たいしょう区く制せい施行しこう70周年しゅうねん記念きねん事業じぎょう実行じっこう委員いいん会かい、 2003年ねん発行はっこう
大正たいしょう区役所くやくしょ編へん『わたしたちのまち大正たいしょう区く』 2007年ねん発行はっこう

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく・出典しゅってん

^ ^a ^b ^c 『大正たいしょう区く制せい施行しこう70周年しゅうねん記念きねん誌しわがまち大正たいしょう』p.28