東宮御所とうぐうごしょ前ぜん爆ばく弾だん所持しょじ事件じけん

東宮御所とうぐうごしょ前ぜん爆ばく弾だん所持しょじ事件じけん（とうぐうごしょまえばくだんしょじじけん）とは、1975年ねん（昭和しょうわ50年ねん）9月4日にちに東京とうきょう都と千代田ちよだ区くで発生はっせいした事件じけん。

日本にっぽんの新しん左翼さよくの中核ちゅうかく派はが起おこした事件じけんである。

事件じけんの概要がいよう

1975年ねん9月がつ4日にち午後ごご10時じ50分ふん頃ごろ、東宮御所とうぐうごしょ前まえの青山あおやま通どおり（国道こくどう246号ごう）に不審ふしん車しゃが停とままっていた。パトロール中ちゅうの警察官けいさつかんが職務しょくむ質問しつもんしようとしたところ、車内しゃないにいた2人ふたりの男おとこが逃走とうそうしたため、追おいかけて拘束こうそくした。

車くるまのトランクの中なかから手製てせい爆ばく弾だんが発見はっけんされたため、2人ふたりを爆発ばくはつ物ぶつ取締とりしまり罰則ばっそく違反いはんで現行げんこう犯はん逮捕たいほ。この手製てせい爆ばく弾だんは三菱重工みつびしじゅうこう爆破ばくは事件じけんの爆ばく弾だんの2倍ばいの威力いりょくがあったという。

2人ふたりは黙秘もくひしたが、ナンバープレートから中核ちゅうかく派はの活動かつどう家かと断定だんていされ、同日どうじつ未明みめいに起おきた横須賀よこすか緑みどり荘そう誤爆ごばく事件じけんとの関連かんれんが取とり沙汰ざたされた。当初とうしょは反はん皇室こうしつ闘争とうそうの一環いっかんとして、東宮御所とうぐうごしょを標的ひょうてきとした爆ばく弾だんテロ未遂みすい事件じけんと見みられていた。

事件じけんの真相しんそう

その後ごの取調とりしらべで、本件ほんけんの被疑ひぎ者しゃは緑みどり荘そうで爆死ばくしした中核ちゅうかく派は活動かつどう家かと同おなじグループであることがわかった。

（本ほん項こうでは、東宮御所とうぐうごしょ前まえで逮捕たいほされた方ほうを「赤坂あかさかグループ」、緑みどり荘そうで爆死ばくしした方ほうを「横須賀よこすかグループ」、両者りょうしゃ合あわせて「両りょうグループ」と仮かりに呼称こしょうする）

両りょうグループは8月がつ頃ごろから爆ばく弾だんテロ計画けいかくを進すすめ、秩父ちちぶ山中さんちゅうで爆破ばくは実験じっけんを繰くり返かえした。そして9月がつ5日にち午前ごぜん3時じに「赤坂あかさかグループ」が千葉ちば県けん市川いちかわ市しの宮内庁くないちょう新浜にいはま鴨かも場じょうを、「横須賀よこすかグループ」が埼玉さいたま県けん越谷こしがや市しの宮内庁くないちょう埼玉さいたま鴨かも場じょうを同時どうじ爆破ばくはする計画けいかくを立たてた。

ところが「横須賀よこすかグループ」はアジトとしていた緑みどり荘そうで誤爆ごばくにより全員ぜんいん爆死ばくしした。「赤坂あかさかグループ」は予定よてい通どおり決行けっこうしようと新浜にいはま鴨かも場じょうへ向むかったが、東宮御所とうぐうごしょ前まえで車くるまが故障こしょうし、立たち往生おうじょうしている間あいだに警察官けいさつかんに発見はっけんされた。

反はん皇室こうしつ闘争とうそうの一環いっかんとしてのテロ計画けいかくではあったが、標的ひょうてきは東宮御所とうぐうごしょではなく、人じんがいない鴨かも場じょうであると犯人はんにんは供述きょうじゅつし、無関係むかんけいの人ひとを大勢おおぜい死傷ししょうさせた東ひがしアジア反日はんにち武装ぶそう戦線せんせんのテロを強つよく批判ひはんしたという。

参考さんこう文献ぶんけん

• 『朝日新聞あさひしんぶん』1975年ねん9月がつ5日にち朝刊ちょうかん、9月5日にち夕刊ゆうかん、9月20日にち夕刊ゆうかん
• 『読売新聞よみうりしんぶん』1975年ねん9月がつ5日にち朝刊ちょうかん、9月5日にち夕刊ゆうかん、9月20日にち夕刊ゆうかん
• 『毎日新聞まいにちしんぶん』1975年ねん9月がつ5日にち朝刊ちょうかん、9月5日にち夕刊ゆうかん、9月20日にち夕刊ゆうかん

関連かんれん項目こうもく

• 新しん左翼さよく