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奥崎 おくざき 謙三 けんぞう (おくざき けんぞう、1920年 ねん 2月 がつ 1日 にち - 2005年 ねん 6月16日 にち )は、日本 にっぽん の元 もと ・陸軍 りくぐん 軍人 ぐんじん (最終 さいしゅう 階級 かいきゅう は上等 じょうとう 兵 へい )、バッテリー 商 しょう 、著述 ちょじゅつ 家 か 、俳優 はいゆう 、アナーキスト 。昭和 しょうわ 天皇 てんのう パチンコ狙撃 そげき 事件 じけん の犯人 はんにん として知 し られる人物 じんぶつ 。他 ほか にも不動産 ふどうさん 業者 ぎょうしゃ 刺殺 しさつ 事件 じけん や皇室 こうしつ ポルノビラ事件 じけん 、元 もと 上官 じょうかん 長男 ちょうなん への殺人 さつじん 未遂 みすい 事件 じけん を起 お こして度々 たびたび 服役 ふくえき した。またドキュメンタリー映画 えいが 『ゆきゆきて、神 かみ 軍 ぐん 』に出演 しゅつえん していた。自 みずか らを「神 かみ 軍 ぐん 平等 びょうどう 兵 へい 」と称 しょう していた。
人物 じんぶつ ・生涯 しょうがい [ 編集 へんしゅう ]
奥崎 おくざき 謙三 けんぞう 邸 てい (神戸 こうべ 市 し 兵庫 ひょうご 区 く 、現存 げんそん せず)
1920年 ねん 、兵庫 ひょうご 県 けん 明石 あかし 市 し 大蔵 おおくら 町 まち 6丁目 ちょうめ で生 う まれる。本籍 ほんせき 地 ち は兵庫 ひょうご 県 けん 三木 みき 市 し 口吉川町槙 くちよかわちょうまき 。小学校 しょうがっこう を卒業 そつぎょう 後 ご は木綿 もめん 問屋 とんや の丁稚 でっち 奉公 ほうこう に出 で た。
1940年 ねん 、徴兵 ちょうへい 検査 けんさ に甲種 こうしゅ 合格 ごうかく 。1941年 ねん 3月 がつ に岡山 おかやま 連隊 れんたい に入営 にゅうえい (陸軍 りくぐん 二等兵 にとうへい )し、後 のち に九 きゅう 江 え の工兵 こうへい 隊 たい へ転属 てんぞく 。1943年 ねん 1月 がつ 、独立 どくりつ 工兵 こうへい 第 だい 36連隊 れんたい に配属 はいぞく され、4月 がつ に当時 とうじ 激戦 げきせん 地 ち だった東部 とうぶ ニューギニア (ニューギニアの戦 たたか い )に派遣 はけん される。部隊 ぶたい は敗走 はいそう を重 かさ ねながら飢 う えとマラリア に苦 くる しみ、千 せん 数 すう 百 ひゃく 名 めい のうち生 い き残 のこ ったのはわずか30数 すう 名 めい だった。奥崎 おくざき は敗走 はいそう の前 まえ からたびたび上官 じょうかん に暴行 ぼうこう を働 はたら いて食料 しょくりょう を奪 うば っていたが、そのことが知 し れると上官 じょうかん の恥 はじ になるため露見 ろけん しなかったという。また、奥崎 おくざき は、この敗走 はいそう の過程 かてい で右手 みぎて と右足 みぎあし に敵 てき の銃弾 じゅうだん を受 う けた結果 けっか 、右手 みぎて の小指 こゆび を失 うしな っている。最終 さいしゅう 階級 かいきゅう は上等 じょうとう 兵 へい 。1944年 ねん 7月 がつ 18日 にち 、西部 にしべ ニューギニアのデンタにて連合 れんごう 軍 ぐん の食料 しょくりょう を盗 ぬす んでいたところを[1] 「米兵 べいへい よ、自分 じぶん を撃 う て」の意 い で"GI , Come gun!"と叫 さけ び、投降 とうこう 。豪州 ごうしゅう 軍 ぐん の捕虜 ほりょ となる。捕虜 ほりょ 番号 ばんごう 148715[1] 。ヘイの第 だい 8捕虜 ほりょ 収容 しゅうよう 所 しょ にて病院 びょういん のコックをしていた[1] 。1946年 ねん 3月 がつ に復員 ふくいん 。豪州 ごうしゅう 当局 とうきょく は引揚船 せん に生鮮 せいせん 野菜 やさい や肉類 にくるい を大量 たいりょう に積 つ み込 こ んだものの、船内 せんない の給食 きゅうしょく は極 きわ めて悪 わる く、船員 せんいん が復員 ふくいん 者 しゃ の食料 しょくりょう を横領 おうりょう しているのだとのうわさが流 なが れた。奥崎 おくざき は噂 うわさ を確 たし かめるべく単身 たんしん で船長 せんちょう 室 しつ に乗 の り込 こ み、船長 せんちょう に執拗 しつよう な暴行 ぼうこう を加 くわ え、腹部 ふくぶ を携行 けいこう した理髪 りはつ 用 よう のハサミで刺 さ した[1] 。しかし、被害 ひがい 者 しゃ であるはずの船長 せんちょう が横領 おうりょう 事件 じけん の発覚 はっかく を恐 おそ れ、奥崎 おくざき に「事件 じけん を内聞 ないぶん で済 す ませてもらいたい」と申 もう し出 で たため、このときも刑罰 けいばつ を受 う けることはなかった。それ以降 いこう 、引揚船 せん では食 た べきれないほどの食料 しょくりょう が出 で るようになり、それまで目立 めだ たぬ存在 そんざい であった奥崎 おくざき はたちまち船内 せんない の英雄 えいゆう となる[1] 。
1947年 ねん 3月、三木 みき 市 し の共和 きょうわ 製作所 せいさくしょ に就職 しゅうしょく 。同年 どうねん 5月 がつ に製作所 せいさくしょ の寮母 りょうぼ の石地 いしじ シズミと結婚 けっこん 。1951年 ねん 、神戸 こうべ 市 し 兵庫 ひょうご 区 く にサン電池 でんち 工業 こうぎょう 所 しょ を開業 かいぎょう し、バッテリー商 しょう ・中古 ちゅうこ 車 しゃ 販売 はんばい ・自動車 じどうしゃ 修理 しゅうり を営 いとな む。1956年 ねん 、店舗 てんぽ の賃貸借 ちんたいしゃく をめぐる金銭 きんせん トラブルから不動産 ふどうさん 業者 ぎょうしゃ を刺殺 さしころ し、傷害 しょうがい 致死 ちし 罪 ざい で懲役 ちょうえき 10年 ねん の刑 けい に服 ふく する。
1969年 ねん 、皇居 こうきょ の一般 いっぱん 参賀 さんが で昭和 しょうわ 天皇 てんのう にパチンコ玉 だま を発射 はっしゃ し(次節 じせつ 参照 さんしょう )、暴行 ぼうこう 罪 ざい で懲役 ちょうえき 1年 ねん 6か月 げつ の刑 けい に服 ふく する。
1974年 ねん 、残留 ざんりゅう 日本 にっぽん 兵 へい 救出 きゅうしゅつ の目的 もくてき でグアム を訪問 ほうもん 。1976年 ねん 、『宇宙 うちゅう 人 じん の聖書 せいしょ !?』を自費 じひ 出版 しゅっぱん 。その宣伝 せんでん のため、銀座 ぎんざ 、渋谷 しぶや 、新宿 しんじゅく の歩行 ほこう 者 しゃ 天国 てんごく で、ポルノ写真 しゃしん に天皇 てんのう 一家 いっか の顔写真 かおじゃしん をコラージュ したビラ 約 やく 3,000枚 まい をまいた(皇室 こうしつ ポルノビラ事件 じけん )。全国 ぜんこく 指名 しめい 手配 てはい された直後 ちょくご 、独立 どくりつ 工兵 こうへい 36連隊 れんたい の生 い き残 のこ りの元 もと 軍曹 ぐんそう 宅 たく を訪 おとず れたところを埼玉 さいたま 県 けん 警察 けいさつ のパトカー に発見 はっけん され、深谷 ふかや 警察 けいさつ 署 しょ により逮捕 たいほ [2] 、猥褻 わいせつ 図画 ずが 頒布 はんぷ で懲役 ちょうえき 1年 ねん 2か月 げつ の刑 けい に服 ふく する。
1977年 ねん 、獄中 ごくちゅう から参院 さんいん 選 せん 全国 ぜんこく 区 く に出馬 しゅつば し、神 かみ 軍 ぐん 新聞 しんぶん を発行 はっこう した。1980年 ねん 、ふたたび参院 さんいん 選 せん 全国 ぜんこく 区 く に立候補 りっこうほ 。2度 ど にわたり選挙 せんきょ 広告 こうこく の掲載 けいさい を拒否 きょひ した朝日新聞社 あさひしんぶんしゃ 社長 しゃちょう ・渡辺 わたなべ 誠 まこと 毅 あつし の襲撃 しゅうげき を計画 けいかく するが、年末 ねんまつ 、偶然 ぐうぜん テレビで当時 とうじ の自民党 じみんとう 最大 さいだい 派閥 はばつ 「木曜 もくよう 会 かい 」の忘年会 ぼうねんかい のニュースを観 み たことから、「天皇 てんのう に通 つう ずる社会 しゃかい の悪因 あくいん 」として、目標 もくひょう を田中 たなか 角栄 かくえい に変更 へんこう 。1981年 ねん 、『田中 たなか 角栄 かくえい を殺 ころ すために記 しる す』を自費 じひ 出版 しゅっぱん 。田中 たなか に対 たい する殺人 さつじん 予備 よび 罪 ざい で書類 しょるい 送検 そうけん されるが不 ふ 起訴 きそ となった。その後 ご は、自家用車 じかようしゃ 2台 だい (トヨタ・マークII ・ダイハツ・ハイゼット )を使用 しよう し、街宣 がいせん 活動 かつどう ・自著 じちょ の宣伝 せんでん を行 おこな っていた。
1982年 ねん から記録 きろく 映画 えいが 『ゆきゆきて、神 かみ 軍 ぐん 』の撮影 さつえい が始 はじ まる。1983年 ねん 3月、原 はら 一男 かずお 監督 かんとく らと西 にし ニューギニア でロケを敢行 かんこう 。同年 どうねん 9月 がつ にはパプアニューギニア へ単独 たんどく で慰霊 いれい におもむく。同年 どうねん 12月 がつ に行 おこな われた衆院 しゅういん 選 せん で当時 とうじ の兵庫 ひょうご 1区 く から立候補 りっこうほ 。終戦 しゅうせん 直後 ちょくご に独立 どくりつ 工兵 こうへい 隊 たい 第 だい 36連隊 れんたい 内 ない で「戦病死 せんびょうし 」した兵士 へいし の死 し の真相 しんそう を追 お ううち、元 もと 中隊 ちゅうたい 長 ちょう ほか3名 めい の殺害 さつがい を決意 けつい する。元 もと 中隊 ちゅうたい 長 ちょう 宅 たく を訪 おとず れた際 さい 、応対 おうたい に出 で た長男 ちょうなん に改造 かいぞう 拳銃 けんじゅう を発砲 はっぽう し、殺人 さつじん 未遂 みすい 罪 ざい 等 とう で懲役 ちょうえき 12年 ねん の刑 けい に服 ふく する。広島 ひろしま 拘置 こうち 所 しょ に収監 しゅうかん 中 なか だった1986年 ねん 9月、妻 つま を亡 な くす。刑 けい の確定 かくてい 後 ご 、熊本 くまもと 刑務所 けいむしょ を経 へ て1993年 ねん 6月 がつ 、城野 しろの 医療 いりょう 刑務所 けいむしょ に移 うつり 監 かん 。1997年 ねん 8月 がつ 、府中 ふちゅう 刑務所 けいむしょ より満期 まんき 出所 しゅっしょ 。1998年 ねん 、映画 えいが 『神様 かみさま の愛 あい い奴 やつ 』に主演 しゅえん 。2005年 ねん 、死去 しきょ 。入院 にゅういん していた神戸 こうべ 市 し 内 うち の病院 びょういん で、死去 しきょ 寸前 すんぜん まで「馬鹿 ばか 野郎 やろう 」と周 まわ りに喚 わめ き散 ち らしていたと報道 ほうどう されていた。しかし、奥崎 おくざき の支援 しえん 者 しゃ によると、入院 にゅういん 中 ちゅう に「みんな、良 い うしてくれます。」と漏 も らしていたという。
奥崎 おくざき の死後 しご 、程 ほど なくして自宅 じたく は解体 かいたい され、現在 げんざい は駐車 ちゅうしゃ 場 じょう となっている。
原 はら 一男 かずお によると、奥崎 おくざき とシズミ、奥崎 おくざき の母親 ははおや の眠 ねむ る墓 はか (神戸 こうべ 市 し 追 つい 谷 たに 墓 ぼ 園内 えんない )も撤去 てっきょ され、跡地 あとち は更地 さらち となっている。
昭和 しょうわ 天皇 てんのう パチンコ狙撃 そげき 事件 じけん [ 編集 へんしゅう ]
1969年 ねん 1月 がつ 2日 にち 、皇居 こうきょ で6年 ねん ぶりにおこなわれた一般 いっぱん 参賀 さんが で、奥崎 おくざき は昭和 しょうわ 天皇 てんのう に向 む かってパチンコ玉 だま を発射 はっしゃ した。昭和 しょうわ 天皇 てんのう がバルコニーにいたところ、奥崎 おくざき が15メートル先 さき から手製 てせい のゴムパチンコ でパチンコ玉 だま 3個 こ を発射 はっしゃ 。さらに、「ヤマザキ、天皇 てんのう をピストルで撃 げき て!」と声 こえ を挙 あ げ、パチンコ玉 だま をもう1個 いっこ 放 はな った。玉 たま はいずれも昭和 しょうわ 天皇 てんのう の足元 あしもと 付近 ふきん 、バルコニーのすそかくしに当 あた っただけだった。奥崎 おくざき は私服 しふく 警官 けいかん にその場 ば で逮捕 たいほ された。公判 こうはん では、性器 せいき を露出 ろしゅつ して検事 けんじ に小便 しょうべん をかけ、判事 はんじ に唾 つば を吐 は きかけた[3] 。結局 けっきょく 、暴行 ぼうこう 罪 ざい で懲役 ちょうえき 1年 ねん 6か月 げつ の判決 はんけつ を受 う けた。当時 とうじ はバルコニーに防弾 ぼうだん ガラスが入 はい っていなかったが、この事件 じけん を機 き に入 い れるようになった。
出演 しゅつえん 作品 さくひん [ 編集 へんしゅう ]
^ a b c d e 秦 はた 郁 いく 彦 『日本人 にっぽんじん 捕虜 ほりょ 白村 はくそん 江 こう からシベリア抑留 よくりゅう まで 上 うえ 』原 はら 書房 しょぼう 、1998年 ねん 、279-280頁 ぺーじ 。ISBN 4-562-03071-2 。
^ こんどは皇族 こうぞく ポルノ パチンコ事件 じけん の奥崎 おくざき つかまる『朝日新聞 あさひしんぶん 』1976年 ねん (昭和 しょうわ 51年 ねん )4月 がつ 29日 にち 朝刊 ちょうかん 、13版 はん 、23面 めん
^ 河原 かわはら 敏明 としあき 『天皇 てんのう 家 か の50年 ねん 』p.228
概念 がいねん 組織 そしき 人物 じんぶつ 関連 かんれん 事件 じけん
1910年代 ねんだい 1920年代 ねんだい 1930年代 ねんだい 1940年代 ねんだい 1950年代 ねんだい 1960年代 ねんだい 1970年代 ねんだい 1980年代 ねんだい 1990年代 ねんだい 2010年代 ねんだい
関連 かんれん 作品 さくひん 関連 かんれん 項目 こうもく
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