出典 しゅってん : フリー百科 ひゃっか 事典 じてん 『ウィキペディア(Wikipedia)』
構造 こうぞう 改革 かいかく 特別 とくべつ 区域 くいき (こうぞうかいかくとくべつくいき、略称 りゃくしょう ・構造 こうぞう 改革 かいかく 特区 とっく )は、「構造 こうぞう 改革 かいかく 特別 とくべつ 区域 くいき 法 ほう 」第 だい 二 に 条 じょう に規定 きてい される従来 じゅうらい 法 ほう 規制 きせい 等 とう の関係 かんけい で事業 じぎょう 化 か が不可能 ふかのう な事業 じぎょう を特別 とくべつ に行 おこな うことが可能 かのう になる地域 ちいき をいう。
第 だい 二 に 条 じょう この
法律 ほうりつ において「
構造 こうぞう 改革 かいかく 特別 とくべつ 区域 くいき 」とは、
地方 ちほう 公共 こうきょう 団体 だんたい が
当該 とうがい 地域 ちいき の
活性 かっせい 化 か を
図 はか るために
自発 じはつ 的 てき に
設定 せってい する
区域 くいき であって、
当該 とうがい 地域 ちいき の
特性 とくせい に
応 おう じた
特定 とくてい 事業 じぎょう を
実施 じっし し
又 また はその
実施 じっし を
促進 そくしん するものをいう。
2. この
法律 ほうりつ において「
特定 とくてい 事業 じぎょう 」とは、
地方 ちほう 公共 こうきょう 団体 だんたい が
実施 じっし し
又 また はその
実施 じっし を
促進 そくしん する
事業 じぎょう のうち、
別表 べっぴょう に
掲 かか げる
事業 じぎょう で、
規制 きせい の
特例 とくれい 措置 そち の
適用 てきよう を
受 う けるものをいう。
3. この
法律 ほうりつ において「
規制 きせい の
特例 とくれい 措置 そち 」とは、
法律 ほうりつ により
規定 きてい された
規制 きせい についての
第 だい 四 よん 章 しょう で
規定 きてい する
法律 ほうりつ の
特例 とくれい に
関 かん する
措置 そち 及 およ び
政令 せいれい 又 また は
主務 しゅむ 省令 しょうれい により
規定 きてい された
規制 きせい についての
政令 せいれい 又 また は
主務 しゅむ 省令 しょうれい で
規定 きてい するこれらの
規定 きてい の
特例 とくれい に
関 かん する
措置 そち をいい、これらの
措置 そち の
適用 てきよう を
受 う ける
場合 ばあい において
当該 とうがい 規制 きせい の
趣旨 しゅし に
照 て らし
地方 ちほう 公共 こうきょう 団体 だんたい がこれらの
措置 そち と
併 あわ せて
実施 じっし し
又 また はその
実施 じっし を
促進 そくしん することが
必要 ひつよう となる
措置 そち を
含 ふく むものとする。
— 構造 こうぞう 改革 かいかく 特別 とくべつ 区域 くいき 法 ほう
2002年 ねん 6月21日 にち に開 ひら かれた第 だい 18回 かい 経済 けいざい 財政 ざいせい 諮問 しもん 会議 かいぎ で提案 ていあん された経済 けいざい 財政 ざいせい 運営 うんえい と構造 こうぞう 改革 かいかく に関 かん する基本 きほん 方針 ほうしん 2002 の中心 ちゅうしん 政策 せいさく とされたもので第 だい 1次 じ 小泉 こいずみ 内閣 ないかく 時 どき の規制 きせい 緩和 かんわ 政策 せいさく として採用 さいよう され、2002年 ねん 9月に特区 とっく 担当 たんとう 大臣 だいじん (とっくたんとうだいじん、英語 えいご :Minister of State for Special Zones)を任命 にんめい し、2003年 ねん 4月 がつ 1日 にち に法 ほう 施行 しこう された。特徴 とくちょう として、これまでの経済 けいざい 政策 せいさく と違 ちが って国 くに からの財政 ざいせい 支援 しえん がない一方 いっぽう 、計画 けいかく に具体 ぐたい 性 せい があり法令 ほうれい に適合 てきごう し、特区 とっく の内容 ないよう が目的 もくてき のために必要 ひつよう なものならば認定 にんてい され、全国 ぜんこく 一律 いちりつ だった地方 ちほう 自治 じち に風穴 かざあな を開 あ けるものである。また、特区 とっく で行 おこな われた政策 せいさく が十分 じゅうぶん な効果 こうか をあげた場合 ばあい 、全国 ぜんこく に拡大 かくだい されるので、規制 きせい 緩和 かんわ の呼 よ び水 みず にもなっている。初代 しょだい 特区 とっく 担当 たんとう 大臣 だいじん は、防災 ぼうさい 担当 たんとう 大臣 だいじん を兼 か ねていた鴻池 こうのいけ 祥 さち 肇 はじめ 参議院 さんぎいん 議員 ぎいん 。
なお、特区 とっく で行 おこな われた規制 きせい の全国 ぜんこく 展開 てんかい にあたっては、総理 そうり 大臣 だいじん を本部 ほんぶ 長 ちょう とする構造 こうぞう 改革 かいかく 特別 とくべつ 区域 くいき 推進 すいしん 本部 ほんぶ に設 もう けられた評価 ひょうか 委員 いいん 会 かい (後 のち に評価 ひょうか ・調査 ちょうさ 委員 いいん 会 かい )が、各 かく 規制 きせい 所管 しょかん 省庁 しょうちょう との議論 ぎろん を経 へ て、内閣 ないかく 総理 そうり 大臣 だいじん に意見 いけん を提出 ていしゅつ する。初代 しょだい 評価 ひょうか 委員 いいん 長 ちょう は、八代 やしろ 尚宏 なおひろ 国際 こくさい キリスト教 きりすときょう 大学 だいがく 客員 きゃくいん 教授 きょうじゅ 。その他 た の委員 いいん には、白石 しらいし 真澄 ますみ 東洋大学 とうようだいがく 助教授 じょきょうじゅ 、市川 いちかわ 眞一 しんいち クレディ・スイス証券 しょうけん チーフ・ストラテジストなどがいた。なお、当初 とうしょ は、三木 みき 谷 たに 浩史 こうじ 楽天 らくてん 会長 かいちょう や、野中 のなか ともよ三洋電機 さんようでんき 会長 かいちょう 、北川 きたがわ 正恭 まさやす 早稲田大学 わせだだいがく 大学院 だいがくいん 教授 きょうじゅ も委員 いいん を務 つと めていた。例 れい としては、認可 にんか 第 だい 1号 ごう となった群馬 ぐんま 県 けん 太田 おおた 市 し (清水 しみず 聖 きよし 義 よし 市長 しちょう )の外国 がいこく 語 ご 教育 きょういく 特区 とっく などがある。これは小学校 しょうがっこう から高校 こうこう まで国語 こくご などを除 のぞ き、すべて英語 えいご で授業 じゅぎょう を行 おこな うという構想 こうそう である。
2004年 ねん 合計 ごうけい 5回 かい の認定 にんてい があり、新規 しんき 認定 にんてい 数 すう はそれぞれ第 だい 1回 かい 認定 にんてい 117件 けん 、第 だい 2回 かい 認定 にんてい 47件 けん 、第 だい 3回 かい 認定 にんてい 72件 けん 、第 だい 4回 かい 認定 にんてい 88件 けん 、第 だい 5回 かい 認定 にんてい 80件 けん であった。これらには更新 こうしん 認定 にんてい は含 ふく まれない。
なお、法 ほう 改正 かいせい により特区 とっく とする必要 ひつよう がなくなった場合 ばあい や、当該 とうがい 自治体 じちたい の議会 ぎかい による採決 さいけつ 、あるいは特区 とっく 進行 しんこう 中 ちゅう の首長 しゅちょう 交代 こうたい による方針 ほうしん 転換 てんかん の影響 えいきょう で、特区 とっく 認定 にんてい が実現 じつげん できない、あるいは特区 とっく が消滅 しょうめつ する場合 ばあい がある。
2004年 ねん 認定 にんてい の大阪 おおさか 府 ふ 箕面 みのお 市 し の市費 しひ 負担 ふたん 教職員 きょうしょくいん 任用 にんよう 特区 とっく のように実施 じっし に要 よう する予算 よさん が議会 ぎかい で否決 ひけつ されたため、実現 じつげん できなかった事例 じれい がある。
2003年 ねん にITベンチャー育成 いくせい 特区 とっく の認定 にんてい を受 う けた兵庫 ひょうご 県 けん 洲本 すもと 市 し では、法 ほう 改正 かいせい の影響 えいきょう で特区 とっく 認定 にんてい を取 と り消 け された。
ギャンブル 合法 ごうほう 化 か の構造 こうぞう 改革 かいかく 特別 とくべつ 区域 くいき を目指 めざ している都市 とし もある。
主 おも な構造 こうぞう 改革 かいかく 特別 とくべつ 区域 くいき 分類 ぶんるい [ 編集 へんしゅう ]
教育 きょういく 関連 かんれん
学校 がっこう の設置 せっち や運営 うんえい を学校 がっこう 法人 ほうじん に限定 げんてい せず弾力 だんりょく 的 てき に運用 うんよう [注釈 ちゅうしゃく 1] したり、従来 じゅうらい は区分 くわ けされていた保育園 ほいくえん と幼稚園 ようちえん の仕切 しき りを緩和 かんわ するなど、育児 いくじ に関係 かんけい する多様 たよう 性 せい を提供 ていきょう する事 こと で、子 こ どもを育 そだ てやすい環境 かんきょう を実現 じつげん させる。
物流 ぶつりゅう 関連 かんれん
従来 じゅうらい は受 う け入 い れ時間 じかん の限 かぎ られていた関税 かんぜい 業務 ぎょうむ を24時 じ 間 あいだ 営業 えいぎょう とする事 こと で、国際 こくさい 的 てき な物流 ぶつりゅう をノンストップで受 う け入 い れられるようにする。また施設 しせつ 面 めん での杓子定規 しゃくしじょうぎ な法 ほう 規制 きせい を緩和 かんわ し、効率 こうりつ 良 よ く経済 けいざい 活動 かつどう が行 おこな えるように便宜 べんぎ を図 はか って、企業 きぎょう や物流 ぶつりゅう 拠点 きょてん としての地位 ちい を築 きず く。
国際 こくさい 交流 こうりゅう 関連 かんれん
査証 さしょう の発給 はっきゅう に便宜 べんぎ を図 はか り、海外 かいがい の研究 けんきゅう 者 しゃ や留学生 りゅうがくせい や人夫 にんぷ を広 ひろ く受 う け入 い れ、国際 こくさい 文化 ぶんか 交流 こうりゅう の拠点 きょてん として振興 しんこう ・発展 はってん させる。
農業 のうぎょう 関連 かんれん
後継 こうけい 者 しゃ の居 い ない農地 のうち や休耕田 きゅうこうでん を有効 ゆうこう 活用 かつよう し、農業 のうぎょう 経営 けいえい 企業 きぎょう の設立 せつりつ や運営 うんえい 面 めん の保障 ほしょう 等 とう で便宜 べんぎ を図 はか って、農業 のうぎょう を活性 かっせい 化 か させ、農業 のうぎょう 人口 じんこう 拡大 かくだい を図 はか る。
都市 とし 農村 のうそん 交流 こうりゅう 関連 かんれん
従来 じゅうらい は酒税 しゅぜい 法 ほう で厳格 げんかく に規制 きせい されていたどぶろく 等 ひとし の酒 さけ 作 づく りと販売 はんばい の規制 きせい や農家 のうか 民宿 みんしゅく に関 かか わる法律 ほうりつ (旅館 りょかん 業法 ぎょうほう など)の規制 きせい を緩和 かんわ し、観光 かんこう 事業 じぎょう の活性 かっせい 化 か と共 とも に、地域 ちいき 産品 さんぴん の目玉 めだま とする事 こと で、観光 かんこう 事業 じぎょう の活性 かっせい 化 か と同 どう 産業 さんぎょう 従事 じゅうじ 者 しゃ の生活 せいかつ 安定 あんてい や後継 こうけい 者 しゃ の呼 よ び込 こ みを目指 めざ す。また、市民 しみん 農園 のうえん の開設 かいせつ も促進 そくしん する。
街 まち 作 づく り関連 かんれん
建設 けんせつ 許可 きょか の緩和 かんわ や、逆 ぎゃく に違法 いほう 広告 こうこく の取 と り締 し まり強化 きょうか など、都市 とし 化 か における不快 ふかい 要素 ようそ を減 へ らしながら快適 かいてき な街 まち を作 つく る。更 さら には建設 けんせつ 規制 きせい を独自 どくじ に設 もう け、調和 ちょうわ した美 うつく しい町並 まちな みを作 つく り出 だ して、観光 かんこう 資源 しげん としても活用 かつよう する。また都市 とし 部 ぶ で従来 じゅうらい は利用 りよう が禁止 きんし されていた河川 かせん 流域 りゅういき の遊休 ゆうきゅう 地 ち をイベント 等 とう で積極 せっきょく 的 てき に利用 りよう して、住 す みやすい・美 うつく しい街 まち として、人口 じんこう の拡大 かくだい を目指 めざ す。
エコロジー関連 かんれん
風力 ふうりょく 発電 はつでん や太陽光 たいようこう 発電 はつでん などの新 しん エネルギー利用 りよう や、リサイクル の効率 こうりつ 化 か を行 おこな い、快適 かいてき な街 まち 作 づく りとともにエコロジー 生活 せいかつ を送 おく りやすい地域 ちいき 性 せい で、住人 じゅうにん を集 あつ める。また原付 げんつき バイク の二人 ふたり 乗 の り規制 きせい 緩和 かんわ による自家用車 じかようしゃ の利用 りよう 削減 さくげん や電動 でんどう スクーター (立 た ち乗 の りスクーター やセグウェイ )などの導入 どうにゅう による排気 はいき ガス排出 はいしゅつ 量 りょう 削減 さくげん (加 くわ えて渋滞 じゅうたい の解消 かいしょう )を目論 もくろ む地域 ちいき も出 で ている。
行政 ぎょうせい サービス関連 かんれん
官民 かんみん の垣根 かきね を無 な くし、一般 いっぱん 企業 きぎょう が利用 りよう できる公共 こうきょう サービス を提供 ていきょう する。地方 ちほう 公務員 こうむいん の運用 うんよう を弾力 だんりょく 化 か して、常務 じょうむ 勤 つとむ の公務員 こうむいん を流動的 りゅうどうてき に運用 うんよう したり、営利 えいり 企業 きぎょう に参政 さんせい 権 けん や地方 ちほう 行政 ぎょうせい 権 けん を与 あた えるなどの方法 ほうほう で、企業 きぎょう 誘致 ゆうち に有利 ゆうり な条件 じょうけん を目指 めざ す。
福祉 ふくし 関連 かんれん
福祉 ふくし 等 とう で公設 こうせつ の施設 しせつ を民間 みんかん 企業 きぎょう が運営 うんえい したり、社会 しゃかい 福祉 ふくし 施設 しせつ に民間 みんかん からの派遣 はけん 労働 ろうどう 者 しゃ を受 う け入 い れ、現在 げんざい の慢性 まんせい 的 てき 人手 ひとで 不足 ふそく を解消 かいしょう し、更 さら にはそれらの産業 さんぎょう に関 かか わる人 ひと や福祉 ふくし を受 う ける側 がわ の人 ひと ・その家族 かぞく による人口 じんこう の増加 ぞうか を期待 きたい する。
医療 いりょう 関連 かんれん
従来 じゅうらい の医療 いりょう 法人 ほうじん 一辺倒 いっぺんとう から、株式会社 かぶしきがいしゃ 等 とう の一般 いっぱん 企業 きぎょう への病院 びょういん 経営 けいえい 参加 さんか を認 みと めるなどして、企業 きぎょう 努力 どりょく による医療 いりょう 向上 こうじょう を目指 めざ したり、外国 がいこく 人 じん 医師 いし の受 う け入 い れを行 おこな って、医療 いりょう 技術 ぎじゅつ の向上 こうじょう を目指 めざ し、医療 いりょう 先進 せんしん 地域 ちいき としての地位 ちい を築 きず く。一般 いっぱん 企業 きぎょう の医療 いりょう 経営 けいえい 参加 さんか は、高度 こうど 美容 びよう 外科 げか 医療 いりょう 分野 ぶんや で第 だい 1号 ごう が誕生 たんじょう し、脂肪 しぼう 幹 みき 細胞 さいぼう 移植 いしょく を実用 じつよう 化 か している。
産学 さんがく 連携 れんけい 関連 かんれん
本来 ほんらい なら公道 こうどう を通行 つうこう できないロボット を公道 こうどう で運用 うんよう したり、ロケット 打 う ち上 あ げに必要 ひつよう な無線 むせん などの設備 せつび 設置 せっち に伴 ともな う手続 てつづ き簡略 かんりゃく 化 か 等 とう 、産業 さんぎょう 分野 ぶんや と大学 だいがく 等 とう の研究 けんきゅう 者 しゃ が合同 ごうどう で、実験 じっけん を行 おこな いやすい環境 かんきょう を作 つく る事 こと で学校 がっこう と企業 きぎょう の誘致 ゆうち を図 はか る。
IT関連 かんれん
一部 いちぶ の専門 せんもん 学校 がっこう (専修 せんしゅう 学校 がっこう )などにおいて、情報処理 じょうほうしょり 推進 すいしん 機構 きこう (IPA)が指定 してい した講座 こうざ を受講 じゅこう し、修了 しゅうりょう 試験 しけん に合格 ごうかく することで、国家 こっか 資格 しかく の基本 きほん 情報 じょうほう 技術 ぎじゅつ 者 しゃ 試験 しけん (FE)の午前 ごぜん 科目 かもく の受験 じゅけん を免除 めんじょ する 。