雨雲 あまぐも レーダー(Xバンド)が示 しめ す線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい 。2017年 ねん 7月 がつ 18日 にち 新潟 にいがた 県 けん の例 れい 。
平成 へいせい 29年 ねん 7月 がつ 九州 きゅうしゅう 北部 ほくぶ 豪雨 ごうう (2017年 ねん 7月 がつ 5日 にち )の例 れい 。福岡 ふくおか ・大分 おおいた 付近 ふきん に、激 はげ しい雨 あめ の領域 りょういき が掛 か かり続 つづ けた。
線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい (せんじょうこうすいたい)とは気象庁 きしょうちょう が天気 てんき 予報 よほう 等 とう で用 もち いる予報 よほう 用語 ようご で「次々 つぎつぎ と発生 はっせい する発達 はったつ した雨雲 あまぐも (積乱雲 せきらんうん )が列 れつ をなし、組織 そしき 化 か した積乱雲 せきらんうん 群 ぐん によって、数時間 すうじかん にわたってほぼ同 おな じ場所 ばしょ を通過 つうか または停滞 ていたい することで作 つく り出 だ される、線 せん 状 じょう に伸 の びる長 なが さ50〜300 km程度 ていど 、幅 はば 20〜50 km程度 ていど の強 つよ い局地 きょくち 的 てき な降水 こうすい をともなう雨 あめ 域 いき 」である[1] 。積乱雲 せきらんうん が線 せん 状 じょう に次々 つぎつぎ に発生 はっせい してほぼ同 おな じ場所 ばしょ を通過 つうか もしくは停滞 ていたい し続 つづ ける自然 しぜん 現象 げんしょう であり、結果 けっか として極端 きょくたん な集中 しゅうちゅう 豪雨 ごうう をもたらし、災害 さいがい を引 ひ き起 お こす原因 げんいん となる。
日本 にっぽん でこの用語 ようご が頻繁 ひんぱん に用 もち いられるようになったのは平成 へいせい 26年 ねん 8月 がつ 豪雨 ごうう による広島 ひろしま 市 し の土砂 どしゃ 災害 さいがい 以降 いこう とみられる。
線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい の実体 じったい は複数 ふくすう の積乱雲 せきらんうん の集合 しゅうごう 体 たい であり、メソ対流 たいりゅう 系 けい の一種 いっしゅ とされる。「線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい - 積乱雲 せきらんうん 群 ぐん - 積乱雲 せきらんうん 」の階層 かいそう 構造 こうぞう をもつ事例 じれい もある。局地 きょくち 的 てき な集中 しゅうちゅう 豪雨 ごうう などの原因 げんいん になっていると見 み られる。
気象庁 きしょうちょう 気象 きしょう 研究所 けんきゅうじょ によるレーダー 観測 かんそく の分析 ぶんせき では、1995年 ねん から2006年 ねん に発生 はっせい した台風 たいふう 以外 いがい の豪雨 ごうう 261件 けん のうち、約 やく 6割 わり (168件 けん )は線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい に起因 きいん していた。西日本 にしにほん の九州 きゅうしゅう と中 ちゅう 四国 しこく に多 おお く発生 はっせい するが、平成 へいせい 16年 ねん 7月 がつ ・平成 へいせい 23年 ねん 7月 がつ 新潟 にいがた ・福島 ふくしま 豪雨 ごうう や平成 へいせい 16年 ねん 7月 がつ 福井 ふくい 豪雨 ごうう 、平成 へいせい 27年 ねん 9月 がつ 関東 かんとう ・東北 とうほく 豪雨 ごうう のように東 ひがし ・中 ちゅう 日本 にっぽん でも発生 はっせい する。発生 はっせい メカニズムは解明 かいめい しきれていないものの、発生 はっせい しやすい4条件 じょうけん として「雲 くも の元 もと となる暖 あたた かく湿 しめ った空気 くうき の流入 りゅうにゅう (湿舌 しつぜつ )」「その空気 くうき が山 さん や冷 つめ たい前線 ぜんせん とぶつかるなどして上昇 じょうしょう (地形 ちけい 効果 こうか や風 ふう の収束 しゅうそく )」「積乱雲 せきらんうん を生 う みやすい不安定 ふあんてい な大気 たいき 状況 じょうきょう (低 ひく いSSI )」「積乱雲 せきらんうん を流 なが しては生 う む一定 いってい 方向 ほうこう の風 ふう 」が挙 あ げられている[3] 。
日本 にっぽん では、集中 しゅうちゅう 豪雨 ごうう 発生 はっせい 時 じ に線 せん 状 じょう の降水 こうすい 域 いき がしばしばみられることが1990年代 ねんだい から指摘 してき されていた。気象 きしょう 研究所 けんきゅうじょ の津口 つくち 裕 ひろし 茂 しげる と加藤 かとう 輝之 てるゆき は、1995年 ねん から2009年 ねん の4月 がつ - 11月の期間 きかん を対象 たいしょう として、日本 にっぽん で起 お きた集中 しゅうちゅう 豪雨 ごうう 事例 じれい を客観 きゃっかん 的 てき に抽出 ちゅうしゅつ し、降水 こうすい 域 いき の形状 けいじょう についての統計 とうけい 解析 かいせき を行 おこな った。その結果 けっか 、台風 たいふう によるものを除 のぞ き、約 やく 3分 ぶん の2の事例 じれい で線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい が発生 はっせい していることが明 あき らかになった[5] 。近年 きんねん では以下 いか の豪雨 ごうう で発生 はっせい している。
線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい という用語 ようご を初 はじ めて使用 しよう し定義 ていぎ したのは、気象庁 きしょうちょう 気象 きしょう 研究所 けんきゅうじょ の加藤 かとう 輝之 てるゆき らの著書 ちょしょ である「豪雨 ごうう ・豪雪 ごうせつ の気象 きしょう 学 がく 」という2007年 ねん に出版 しゅっぱん された研究 けんきゅう 者 しゃ 向 む けの教科書 きょうかしょ である[10] 。それまでは、レインバンドという言葉 ことば の中 なか に含 ふく まれていた。雲 くも の形状 けいじょう としてはテーパリングクラウド (にんじん雲 くも )とも呼 よ ばれる。
下層 かそう と中層 ちゅうそう の風向 ふうこう 風速 ふうそく が同 おな じ状況 じょうきょう が続 つづ き、積乱雲 せきらんうん の下降 かこう 風 ふう に伴 ともな う冷気 れいき 塊 かたまり に乗 の り上 あ げる形 かたち で風上 かざかみ に上昇 じょうしょう 流 りゅう が発生 はっせい し、新 あら たな積乱雲 せきらんうん が連鎖 れんさ 的 てき に発生 はっせい する。長時間 ちょうじかん 同 おな じ発生 はっせい ポイントから雲 くも が湧 わ き続 つづ け、移動 いどう しないことが多 おお くある。上層 じょうそう の強 つよ い風 ふう によって違 ちが う方向 ほうこう に流 なが されない限 かぎ り(または気温 きおん 、水蒸気 すいじょうき 等 とう の条件 じょうけん が解消 かいしょう されない限 かぎ り)長時間 ちょうじかん 同 おな じところに雨 あめ が降 ふ り続 つづ けることになる。
積乱雲 せきらんうん (細胞 さいぼう 〔セル〕)の世代 せだい 交代 こうたい を繰 く り返 かえ しながら全体 ぜんたい としては維持 いじ され続 つづ けるため、熱 ねつ 力学 りきがく からの観点 かんてん で見 み ると散逸 さんいつ 構造 こうぞう の一種 いっしゅ であるとも言 い える。
中 ちゅう 緯度 いど の線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい については内部 ないぶ 構造 こうぞう により、
バックビルディング型 がた
バックアンドサイドビルディング型 がた
スコールライン型 がた
に分類 ぶんるい される。また、同 おな じ場所 ばしょ に停滞 ていたい するものと停滞 ていたい しないものがある。大 おお きさも様々 さまざま である。
発生 はっせい する条件 じょうけん [ 編集 へんしゅう ]
線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい と周辺 しゅうへん の気流 きりゅう
線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい の物理 ぶつり システム、発生 はっせい 、維持 いじ 機構 きこう について完全 かんぜん には把握 はあく されていないが、いくつかの条件 じょうけん が重 かさ なると危険 きけん な線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい が発生 はっせい することが知 し られている[11] 。
2つ以上 いじょう の方向 ほうこう からの風 かぜ が、下層 かそう で合流 ごうりゅう (収束 しゅうそく )し維持 いじ されること
850 hPa の相当 そうとう 温 ぬる 位 くらい が 342 K 以上 いじょう であること。および、 500 m 高度 こうど の風 ふう による水蒸気 すいじょうき の流 なが れる量 りょう である水蒸気 すいじょうき フラックス量 りょう (FLWV) が 150 gm-2 s-1 であること(前線 ぜんせん の南 みなみ に入 はい る湿舌 しつぜつ )
自由 じゆう 対流 たいりゅう 高度 こうど (LFC) が 1000 m以下 いか であること
ストームに相対 そうたい 的 てき なヘリシティ (SREH) が 200 m2 /s2 以上 いじょう であること
500 hPa上空 じょうくう に寒気 さむけ が入 はい っており、下層 かそう の気温 きおん が高 たか くSSIが低 ひく いこと。地上 ちじょう に気温 きおん 傾 かたぶけ 度 ど があること
前線 ぜんせん に向 む かって、北 きた から乾燥 かんそう 大気 たいき が流入 りゅうにゅう すること
同 おな じ気圧 きあつ 配置 はいち が長時間 ちょうじかん 継続 けいぞく し、環境 かんきょう 場 じょう が変 か わりにくいこと
CAPE が大 おお きいこと
以上 いじょう が発生 はっせい しやすい条件 じょうけん であるが、5と6は必須 ひっす ではない。あくまで停滞 ていたい する線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい が発生 はっせい しやすいとされる条件 じょうけん である。地形 ちけい の有無 うむ も線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい の発生 はっせい を助 たす ける(強制 きょうせい 上昇 じょうしょう )要因 よういん となる。
発生 はっせい する気圧 きあつ 配置 はいち の条件 じょうけん として、前線 ぜんせん の南側 みなみがわ に発生 はっせい しやすいということが分 わ かっている。しかし前線 ぜんせん が無 な くても、風 ふう が合流 ごうりゅう する場所 ばしょ で小 ちい さい線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい が発生 はっせい する例 れい もある。加 くわ えて2つの低 てい 気圧 きあつ が特定 とくてい の配置 はいち をした場合 ばあい も、中央 ちゅうおう で手 て をつなぐように発生 はっせい する。台風 たいふう が接近 せっきん した際 さい に周辺 しゅうへん のアウターバンドが線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい になってしまう例 れい もある。
2022年 ねん 12月27日 にち に開 ひら かれた「線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい 予測 よそく 精度 せいど 向上 こうじょう ワーキンググループ」での報告 ほうこく [12] では、海面 かいめん 水温 すいおん の前線 ぜんせん によって下層 かそう 大気 たいき の温度 おんど にも大 おお きな変化 へんか が生 しょう じ、それにより大気 たいき 下層 かそう の風 ふう の収束 しゅうそく が強 つよ まり、積乱雲 せきらんうん の発生 はっせい に大 おお きく影響 えいきょう している可能 かのう 性 せい が指摘 してき された。
発生 はっせい しやすい場所 ばしょ と時期 じき [ 編集 へんしゅう ]
気象庁 きしょうちょう 気象 きしょう 研究所 けんきゅうじょ は過去 かこ の線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい の発生 はっせい 事例 じれい をデータベース化 か し統計 とうけい 解析 かいせき を行 おこな っている。その結果 けっか 、日本 にっぽん においては海 うみ に面 めん する都道府県 とどうふけん が海岸 かいがん から水蒸気 すいじょうき が供給 きょうきゅう され、発生 はっせい しやすいことがわかっている。特 とく に九州 きゅうしゅう は東シナ海 ひがししなかい やフィリピン からの暖 だん 湿 しめ 流 りゅう がダイレクトに流入 りゅうにゅう するため発生 はっせい しやすい。また下層 かそう の風向 ふうこう と上層 じょうそう の風向 ふうこう が一致 いっち すればさらに発生 はっせい しやすい。線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい は海洋 かいよう 国家 こっか であればどの場所 ばしょ でも発生 はっせい する可能 かのう 性 せい はあるが、高気圧 こうきあつ の縁 えん に位置 いち しやすい日本 にっぽん 列島 れっとう は地理 ちり 的 てき にも線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい が発生 はっせい しやすいと言 い える。
前線 ぜんせん の南側 みなみがわ に流入 りゅうにゅう する湿舌 しつぜつ
時期 じき としては暖 だん 湿 しめ 流 りゅう が高気圧 こうきあつ の縁 えん を周 しゅう って入 はい り込 こ みやすい雨季 うき 、7月 がつ 上旬 じょうじゅん が統計 とうけい 上 じょう 最 もっと も発生 はっせい しやすい。また夏 なつ は寒気 さむけ の流入 りゅうにゅう や地上 ちじょう の高温 こうおん によって不安定 ふあんてい になりやすい。
観測 かんそく ・予測 よそく ・研究 けんきゅう [ 編集 へんしゅう ]
日本 にっぽん においては気象庁 きしょうちょう が2021年 ねん 6月17日 にち より大雨 おおあめ による災害 さいがい 発生 はっせい の危険 きけん 度 ど が急激 きゅうげき に高 たか まり(警戒 けいかい レベル 4相当 そうとう 以上 いじょう )、さらに線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい による非常 ひじょう に激 はげ しい雨 あめ が同 おな じ場所 ばしょ で降 ふ り続 つづ いている状況 じょうきょう で顕著 けんちょ な大雨 おおあめ に関 かん する情報 じょうほう を発表 はっぴょう している[13] 。防災 ぼうさい 科学 かがく 技術 ぎじゅつ 研究所 けんきゅうじょ が開発 かいはつ した線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい 自動 じどう 検知 けんち システム を利用 りよう する。さらに2022年 ねん 6月1日 にち より「九州 きゅうしゅう 北部 ほくぶ 」など広域 こういき な地域 ちいき を対象 たいしょう に半日 はんにち 程度 ていど 前 まえ からの予測 よそく 情報 じょうほう (気象 きしょう 情報 じょうほう )の提供 ていきょう を開始 かいし した[14] [15] 。
気象庁 きしょうちょう は今後 こんご の情報 じょうほう 改善 かいぜん について線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい による大雨 おおあめ の可能 かのう 性 せい を伝 つた える事前 じぜん 情報 じょうほう として2024年 ねん には都道府県 とどうふけん 単位 たんい で、2029年 ねん には危険 きけん 度 ど 分布 ぶんぷ の形式 けいしき で市町村 しちょうそん 単位 たんい での危険 きけん 度 ど を把握 はあく できるよういずれも半日 はんにち 前 まえ からの予測 よそく 情報 じょうほう 提供 ていきょう を目指 めざ すとしている。また、線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい による具体 ぐたい 的 てき な雨 あめ 域 いき を伝 つた える予測 よそく 情報 じょうほう として2023年 ねん 5月25日 にち には30分 ふん 前 まえ を目標 もくひょう とした直前 ちょくぜん の予測 よそく 情報 じょうほう の提供 ていきょう を開始 かいし し、2026年 ねん には2 - 3時 じ 間 あいだ 前 まえ を目標 もくひょう としたより早 はや い段階 だんかい での予測 よそく 情報 じょうほう の提供 ていきょう を開始 かいし するとしている[16] 。
日本 にっぽん の複数 ふくすう の研究 けんきゅう 機関 きかん は2019年 ねん から線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい に関 かん する発生 はっせい 機構 きこう 解明 かいめい 研究 けんきゅう や包括 ほうかつ 的 てき 観測 かんそく プロジェクトを共同 きょうどう でスタートさせている[17] 。主 おも に九州 きゅうしゅう や関東 かんとう 、西日本 にしにほん 全域 ぜんいき を研究 けんきゅう フィールドとして選定 せんてい し2023年 ねん まで行 おこな う。
具体 ぐたい 的 てき には下層 かそう や中層 ちゅうそう の水蒸気 すいじょうき を観測 かんそく する「水蒸気 すいじょうき ライダー」「マイクロ波 は 放射 ほうしゃ 計 けい 」「地 ち デジ波 は 水蒸気 すいじょうき 観測 かんそく 」や雲 くも の構造 こうぞう を3次元 じげん でスキャンする「MP-PAWR 」、水滴 すいてき の形状 けいじょう や湿度 しつど を計測 けいそく する「ビデオゾンデ」、洋上 ようじょう GNSSを搭載 とうさい した海上 かいじょう 観測 かんそく 船 せん といった最新 さいしん の観測 かんそく 設備 せつび を西日本 にしにほん に配備 はいび し線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい の雲 くも システムと物理 ぶつり 過程 かてい を捉 とら える。またGPM やひまわり9号 ごう といった気象 きしょう 観測 かんそく 衛星 えいせい から得 え られる水蒸気 すいじょうき データも利用 りよう する。Metop-CやAquaに搭載 とうさい されている「ハイパースペクトル赤 あか 外 がい サウンダ」のデータを大気 たいき 鉛直 えんちょく の水蒸気 すいじょうき 分布 ぶんぷ の把握 はあく に利用 りよう できないか検討 けんとう する。航空機 こうくうき からのゾンデ投下 とうか も実施 じっし する。マイクロ波 は 散乱 さんらん 計 けい から得 え られる海上 かいじょう 風 ふう データは数値 すうち モデルに取 と り込 こ む。
GFSで演算 えんざん された太平洋 たいへいよう 上 じょう で発生 はっせい する”大気 たいき の川 かわ ”
また、得 え られた観測 かんそく データと富岳 ふがく による大 だい 規模 きぼ シミュレーション実験 じっけん を通 とお して局地 きょくち モデル (LFM)の計算 けいさん 式 しき を改善 かいぜん させる[18] 。具体 ぐたい 的 てき には雲 くも 物理 ぶつり 過程 かてい の改良 かいりょう と積雲 せきうん 対流 たいりゅう スキームの改良 かいりょう および高 こう 解像度 かいぞうど 化 か を実施 じっし する。現状 げんじょう でもMSMやLFMである程度 ていど 線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい が発生 はっせい するかどうか診断 しんだん することができるが実際 じっさい にどの場所 ばしょ で発生 はっせい しどのぐらい停滞 ていたい するか予測 よそく することは困難 こんなん である。
加 くわ えて人工 じんこう 知能 ちのう や機械 きかい 学習 がくしゅう を利用 りよう した「発生 はっせい 確 かく 率 りつ 、統合 とうごう ガイダンス」の開発 かいはつ も行 おこな い、数値 すうち 予報 よほう の高度 こうど 化 か に繋 つな げる。またデータの偏 かたよ りがなく高 こう 精度 せいど な初期 しょき 値 ち の作成 さくせい とモデル同化 どうか も予測 よそく の改善 かいぜん に繋 つな がるため、手法 しゅほう を開発 かいはつ している[19] 。
2023年 ねん 8月 がつ には2029年 ねん の運用 うんよう 開始 かいし が目指 めざ されているひまわり10号 ごう について既存 きそん の観測 かんそく 機能 きのう に加 くわ え大気 たいき の立体 りったい 的 てき な構造 こうぞう の観測 かんそく が可能 かのう な赤 あか 外 がい サウンダ を導入 どうにゅう し線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい を含 ふく む気象 きしょう 現象 げんしょう の予測 よそく 精度 せいど の向上 こうじょう を図 はか ることが提言 ていげん された[20] 。
民間 みんかん 気象 きしょう 会社 かいしゃ のウェザーニューズ は、線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい が発生 はっせい しやすい条件 じょうけん が揃 そろ ったかどうかを、面 めん 的 てき に診断 しんだん して可視 かし 化 か するソフトウェアを導入 どうにゅう している。[21] またゲリラ雷雨 らいう 解析 かいせき の時代 じだい から培 つちか った「KN-Expert by LAPLACE」や超 ちょう 局地 きょくち 数値 すうち モデルなどを線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい の発生 はっせい 予測 よそく に応用 おうよう している。週間 しゅうかん 予報 よほう には海外 かいがい や気象庁 きしょうちょう のモデルがそれぞれ得意 とくい とする現象 げんしょう をAIによって補正 ほせい 強化 きょうか し、時刻 じこく 的 てき なブレを軽減 けいげん するアンサンブル予報 よほう を取 と り入 い れている。
発生 はっせい 報告 ほうこく が増 ふ えている原因 げんいん [ 編集 へんしゅう ]
低 てい 気圧 きあつ と低 てい 気圧 きあつ の間 あいだ に発生 はっせい することもある
線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい 自体 じたい は昔 むかし から発生 はっせい しているが線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい 、特 とく にバックビルディング型 がた の降水 こうすい 形態 けいたい の発生 はっせい 報告 ほうこく が増 ふ えている要因 よういん としてはいくつか挙 あ げられるが一 ひと つはアメダス や気象 きしょう レーダーといった観測 かんそく 体制 たいせい の充実 じゅうじつ によるものである。また統計 とうけい 解析 かいせき ができるほどデータの分析 ぶんせき 手法 しゅほう が高度 こうど 化 か したことも要因 よういん の一 ひと つである。
実際 じっさい に線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい そのものの発生 はっせい 頻度 ひんど が増 ふ えているという統計 とうけい 解析 かいせき は無 な いが、仮 かり に増 ふ えている場合 ばあい は地球 ちきゅう 温暖 おんだん 化 か による海面 かいめん 水温 すいおん の上昇 じょうしょう に伴 ともな う水蒸気 すいじょうき の蒸発 じょうはつ 量 りょう の増加 ぞうか と気温 きおん 上昇 じょうしょう による飽和 ほうわ 水蒸気 すいじょうき 量 りょう の増加 ぞうか (水蒸気 すいじょうき フィードバッグ) が線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい の発生 はっせい を助 たす けている要因 よういん の一 ひと つと考 かんが えられる。また降水 こうすい 系 けい の動 うご きが遅 おそ く、停滞 ていたい して災害 さいがい をもたらすような現象 げんしょう が増加 ぞうか している場合 ばあい も何 なん らかの気候 きこう 変化 へんか が影響 えいきょう していると考 かんが えられる。また1990年代 ねんだい から知 し られる地球 ちきゅう の水蒸気 すいじょうき 輸送 ゆそう システムである「大気 たいき の川 かわ 」と呼 よ ばれる現象 げんしょう が温暖 おんだん 化 か によって強化 きょうか され、線 せん 状 じょう 降水 こうすい 帯 たい に関係 かんけい している可能 かのう 性 せい についても研究 けんきゅう が始 はじ まっている。エアロゾル と呼 よ ばれる大気 たいき 汚染 おせん 物質 ぶっしつ の微粒子 びりゅうし の一 ひと つも関与 かんよ が疑 うたが われている。
2023年度 ねんど 中 ちゅう にJAXAとESAは、エアロゾル分布 ぶんぷ と雲 くも の内部 ないぶ 構造 こうぞう までを透視 とうし して把握 はあく できる気象 きしょう 科学 かがく 衛星 えいせい を打 う ち上 あ げる予定 よてい のほか、上述 じょうじゅつ のように2029年 ねん までにはひまわり10号 ごう が打 う ち上 あ げられる予定 よてい であり、太陽 たいよう からの荷電 かでん 粒子 りゅうし や宇宙 うちゅう 放射線 ほうしゃせん を観測 かんそく できるセンサーも搭載 とうさい される予定 よてい であるため雲 くも の発生 はっせい メカニズム解明 かいめい により貢献 こうけん できると期待 きたい される。