若わか見山みやま幸平こうへい

若わか見山みやま 幸平こうへい（わかみやま こうへい、1943年ねん4月がつ16日にち - ）は、富山とやま県けん富山とやま市し西田地方にしでんじがた町まち出身しゅっしんで立浪たつなみ部屋へやに所属しょぞくした大相撲おおずもう力士りきし。本名ほんみょうは熊野くまの 敏彦としひこ（くまの としひこ）。最高さいこう位いは西にし関脇せきわけ（1965年ねん11月場所ばしょ・1966年ねん1月がつ場所ばしょ）。現役げんえき当時とうじの体格たいかくは177cm、176kg。得意とくい手しゅは右みぎ四よっつ、寄より、極きめ出だし。

来歴らいれき・人物じんぶつ

14歳さいの時ときに立浪たつなみ部屋へやへ入門にゅうもんし、1957年ねん11月場所ばしょにて初はつ土俵どひょう。同どう場所ばしょでは番付ばんづけ外がいで好成績こうせいせきを残のこしたため後半こうはんより新しん序じょに出世しゅっせして相撲すもうを取とり、負まけ越こしたものの、翌よく場所ばしょでは序ノ口じょのくちを飛とび越こしていきなり序じょ二に段だんに付ついた。当初とうしょの四股しこ名めいは、本名ほんみょうと同おなじ「熊野くまの」。

その後ごも順調じゅんちょうに出世しゅっせし、1963年ねん5月場所ばしょで十じゅう両りょうに昇進しょうしんした。4場所ばしょ連続れんぞくの勝かち越こしで十じゅう両りょうを突破とっぱし、1964年ねん1月がつ場所ばしょで新しん入幕にゅうまく。同どう場所ばしょでは10勝しょう5敗はいと大おおきく勝かち越こし、三さん賞しょう受賞じゅしょうは成ならなかったが、同おなじ新しん入幕にゅうまくで13勝しょう2敗はいと大だい勝かちした北きたの冨士ふじや入幕にゅうまく2場所ばしょ目めで14勝しょう1敗はい・優勝ゆうしょう次点じてんの清國きよくにとともに「若手わかて三羽烏さんばがらす」と呼よばれた。東ひがし前頭まえがしら2枚まい目めの地位ちいで迎むかえた翌よく3月がつ場所ばしょでは大関おおぜき・栃とち光ひかりを破やぶり、8勝しょう7敗はいと勝かち越こして敢闘かんとう賞しょうを受賞じゅしょう（これが、自身じしん唯一ゆいいつの三さん賞しょうとなる）、5月場所ばしょでは三さん役やく（小結こむすび）に昇進しょうしんした。

東ひがし前頭まえがしら2枚まい目めで迎むかえた1965年ねん1月がつ場所ばしょの8日にち目め、大鵬たいほう戦せんで左ひだり膝ひざを痛いため、翌日よくじつから休場きゅうじょうした。

身長しんちょうは177cmと小柄こがらであったが、体重たいじゅうが身長しんちょうとほぼ同おなじ数値すうちという巨体きょたいを生いかした相撲すもうぶりで、極きめ出だしを得意とくいとした。

その後ごは糖尿とうにょう病びょうに罹かかったこともあってか、関脇せきわけまで昇進しょうしんするも、あまり活躍かつやくできなかった。新しん入幕にゅうまくの場所ばしょ以降いこう、幕内まくうちでは幾度いくども2桁けた勝利しょうりを記録きろくしたが、いずれも再度さいどの敢闘かんとう賞しょう受賞じゅしょうに結むすび付つかなかったのは不運ふうんであった。上述じょうじゅつの大だい鵬おおとりとの一番いちばんで膝ひざを痛いためたことも、大成たいせいを阻はばんだ要因よういんのひとつと考かんがえられる。

東ひがし十じゅう両りょう9枚まい目めの地位ちいで1勝しょう14敗はいと大敗たいはいした1969年ねん11月場所ばしょをもって、26歳さいで引退いんたい。

引退いんたい後ごは、年寄としより・大だい鳴戸なるととして日本にっぽん相撲すもう協会きょうかいに残のこったが、1970年ねん3月がつ場所ばしょ限かぎりで廃業はいぎょうした。

角界かくかいを離はなれてからは、東京とうきょう都と内うちでレストランの支配人しはいにんを務つとめた他ほか、ガソリンスタンドで勤つとめていたという。

主おもな戦績せんせき

• 通算つうさん成績せいせき：423勝しょう404敗はい12休きゅう 勝率しょうりつ.511
• 幕内まくうち成績せいせき：173勝しょう220敗はい12休きゅう 勝率しょうりつ.440
• 現役げんえき在位ざいい：72場所ばしょ
• 幕内まくうち在位ざいい：27場所ばしょ
• 三さん役やく在位ざいい：5場所ばしょ（関脇せきわけ2場所ばしょ、小結こむすび3場所ばしょ）
• 三さん賞しょう：1回かい
  • 敢闘かんとう賞しょう：1回かい（1964年ねん3月がつ場所ばしょ）
• 雷電らいでん賞しょう：1回かい（1965年ねん7月がつ場所ばしょ）
• 金星かなぼし：1個いっこ（佐田さだの山やまから）
• 各かく段だん優勝ゆうしょう
  • 十両じゅうりょう優勝ゆうしょう：1回かい（1968年ねん7月がつ場所ばしょ）

場所ばしょ別べつ成績せいせき

若わか見山みやま 幸平こうへい

	一いち月がつ場所ばしょ 初場所はつばしょ（東京とうきょう）	三さん月がつ場所ばしょ 春場所はるばしょ（大阪おおさか）	五月ごがつ場所ばしょ 夏場所なつばしょ（東京とうきょう）	七なな月がつ場所ばしょ 名古屋なごや場所ばしょ（愛知あいち）	九月場所くがつばしょ 秋場所あきばしょ（東京とうきょう）	十一月じゅういちがつ場所ばしょ 九州きゅうしゅう場所ばしょ（福岡ふくおか）
1957年ねん （昭和しょうわ32年ねん）	x	x	x	x	x	西新にしじん序じょ 1–2
1958年ねん （昭和しょうわ33年ねん）	西にし序じょ二に段だん126枚まい目め 6–2	東ひがし序じょ二に段だん93枚まい目め 1–7	西にし序じょ二に段だん104枚まい目め 5–3	西にし序じょ二に段だん74枚まい目め 6–2	西にし序じょ二に段だん41枚まい目め 5–3	西にし序じょ二に段だん21枚まい目め 4–4
1959年ねん （昭和しょうわ34年ねん）	西にし序じょ二に段だん19枚まい目め 7–1	西にし三さん段だん目め77枚まい目め 6–2	西にし三さん段だん目め55枚まい目め 2–6	西にし三さん段だん目め65枚まい目め 3–5	西にし三さん段だん目め72枚まい目め 4–4	東ひがし三さん段だん目め66枚まい目め 5–3
1960年ねん （昭和しょうわ35年ねん）	東ひがし三さん段だん目め49枚まい目め 5–3	東ひがし三さん段だん目め34枚まい目め 5–3	東ひがし三さん段だん目め12枚まい目め 5–3	東ひがし幕下まくした82枚まい目め 1–6	西にし三さん段だん目め16枚まい目め 5–2	東ひがし幕下まくした82枚まい目め 6–1
1961年ねん （昭和しょうわ36年ねん）	東ひがし幕下まくした62枚まい目め 3–4	東ひがし幕下まくした71枚まい目め 5–2	東ひがし幕下まくした52枚まい目め 1–6	東ひがし幕下まくした69枚まい目め 4–3	西にし幕下まくした62枚まい目め 5–2	東ひがし幕下まくした44枚まい目め 5–2
1962年ねん （昭和しょうわ37年ねん）	東ひがし幕下まくした28枚まい目め 3–4	西にし幕下まくした30枚まい目め 3–4	西にし幕下まくした31枚まい目め 4–3	東ひがし幕下まくした26枚まい目め 3–4	東ひがし幕下まくした28枚まい目め 6–1	西にし幕下まくした16枚まい目め 6–1
1963年ねん （昭和しょうわ38年ねん）	東ひがし幕下まくした5枚まい目め 5–2	西にし幕下まくした2枚まい目め 6–1	西にし十じゅう両りょう14枚まい目め 10–5	西にし十じゅう両りょう11枚まい目め 9–6	東ひがし十じゅう両りょう6枚まい目め 10–5	西にし十じゅう両りょう2枚まい目め 11–4
1964年ねん （昭和しょうわ39年ねん）	東ひがし前頭まえがしら14枚まい目め 10–5	東ひがし前頭まえがしら2枚まい目め 8–7 敢	西にし小結こむすび 4–11	西前にしまえ頭あたま5枚まい目め 11–4	西にし小結こむすび 5–10	西前にしまえ頭あたま3枚まい目め 8–7
1965年ねん （昭和しょうわ40年ねん）	東ひがし前頭まえがしら2枚まい目め 2–7–6	西前にしまえ頭あたま10枚まい目め 6–9	西前にしまえ頭あたま12枚まい目め 10–5	西前にしまえ頭あたま6枚まい目め 11–4	西にし小結こむすび 8–7	西にし関脇せきわけ 9–6
1966年ねん （昭和しょうわ41年ねん）	西にし関脇せきわけ 6–9	西前にしまえ頭あたま筆頭ひっとう 4–11 ★	西前にしまえ頭あたま4枚まい目め 7–8	東ひがし前頭まえがしら5枚まい目め 9–6	東ひがし前頭まえがしら筆頭ひっとう 2–7–6	西前にしまえ頭あたま7枚まい目め 8–7
1967年ねん （昭和しょうわ42年ねん）	西前にしまえ頭あたま3枚まい目め 3–12	西前にしまえ頭あたま12枚まい目め 10–5	東ひがし前頭まえがしら5枚まい目め 5–10	東ひがし前頭まえがしら9枚まい目め 8–7	西前にしまえ頭あたま8枚まい目め 8–7	東ひがし前頭まえがしら5枚まい目め 4–11
1968年ねん （昭和しょうわ43年ねん）	東ひがし前頭まえがしら12枚まい目め 2–13	西にし十じゅう両りょう5枚まい目め 9–6	西にし十じゅう両りょう筆頭ひっとう 8–7	西にし十じゅう両りょう筆頭ひっとう 優勝ゆうしょう 14–1	西前にしまえ頭あたま6枚まい目め 3–12	東ひがし十じゅう両りょう筆頭ひっとう 9–6
1969年ねん （昭和しょうわ44年ねん）	東ひがし前頭まえがしら12枚まい目め 2–13	西にし十じゅう両りょう9枚まい目め 8–7	西にし十じゅう両りょう6枚まい目め 7–8	西にし十じゅう両りょう7枚まい目め 5–10	東ひがし十じゅう両りょう12枚まい目め 9–6	東ひがし十じゅう両りょう9枚まい目め 引退いんたい 1–14–0
各かく欄らんの数字すうじは、「勝かち-負まけ-休場きゅうじょう」を示しめす。    優勝ゆうしょう 引退いんたい 休場きゅうじょう 十じゅう両りょう 幕下まくした 三さん賞しょう：敢=敢闘かんとう賞しょう、殊こと=殊勲賞しゅくんしょう、技わざ=技能ぎのう賞しょう     その他た：★=金星かなぼし 番付ばんづけ階級かいきゅう：幕内まくうち - 十じゅう両りょう - 幕下まくした - 三さん段だん目め - 序じょ二に段だん - 序ノ口じょのくち 幕内まくうち序列じょれつ：横綱よこづな - 大関おおぜき - 関脇せきわけ - 小結こむすび - 前頭まえがしら（「#数字すうじ」は各位かくい内ないの序列じょれつ）

幕内まくうち対戦たいせん成績せいせき

力士りきし名めい	勝かち数すう	負数ふすう	力士りきし名めい	勝かち数すう	負数ふすう	力士りきし名めい	勝かち数すう	負数ふすう	力士りきし名めい	勝かち数すう	負数ふすう
青あおノ里さと	4	6	浅瀬あさせ川がわ	1	2	荒波あらなみ	3	1	岩いわ風ふう	2	1
宇多川うたがわ	2	2	扇山おうぎやま	3	0	小城おぎノ花はな	6	2	海うみ乃山	6	4
開ひらけ隆たかし山さん	8	3	柏戸かしわど	0	9(1)	金きむ乃花	5	1	北きたの花はな	0	1
北きたの冨士ふじ	7	9	北葉きたば山さん	1	4	清國きよくに	5	5	麒麟児きりんじ	2	1
高こう鉄山てつざん	3	4	琴きん櫻さくら	3	4	佐田さだの山やま	3	8	大だい豪ごう	7	4
大だい心しん	2	0	大鵬たいほう	0	11	大文字おおもじ	2	0	大雄たいゆう	2	3
大竜おおたつ川がわ	0	2	花田はなた	0	1	高見山たかみやま	0	2	玉乃たまの島とう	3	5
常つね錦にしき	0	1	鶴つるヶ嶺みね	11	2	出羽でわ錦にしき	1	1	天水山あまみずやま	1	2
時どき葉山はやま	0	1	栃とち東ひがし	2	1	栃とち王おう山やま	2	3	栃とちノ海うみ	0	7(1)
栃とち光ひかり	4	4	栃とち富士ふじ	0	2	豊國ほうこく	6	2	長谷川はせがわ	5	3
花はな光こう	3	5	廣川ひろかわ	3	6	福ぶくの花はな	1	5	房ぼう錦にしき	2	0
富士ふじ錦にしき	2	15	藤ノ川ふじのかわ	1	5	二子ふたご岳だけ	1	3	前田川まえだがわ	3	3
前まえの山やま	4	1	松前まさき山さん	1	0	禊みそぎ鳳おおとり	0	6	明あきら武谷たけや	5	12
陸奥むつ嵐あらし	0	4	豊山とよやま	3	5	義よしノ花はな	2	5	龍虎りゅうこ	1	1
若杉山わかすぎやま	1	0	若わか秩父ちちぶ	4	3	若わか天龍てんりゅう	6	6	若わか鳴門なると	6	1
若わかノ國こく	1	0	若わか乃洲	5	0	若わか二に瀬せ	2	2	若わか吉よし葉よう	2	2

※カッコ内ないは勝かち数すう、負数ふすうの中なかに占しめる不戦勝ふせんしょう、不戦敗ふせんぱいの数かず。

改名かいめい歴れき

• 熊野くまの（くまの、1958年ねん1月がつ場所ばしょ-1959年ねん7月がつ場所ばしょ）
• 若見わかみ山さん（わかみやま、1959年ねん9月がつ場所ばしょ-1969年ねん11月場所ばしょ）

年寄としより遍歴へんれき

• 大だい鳴戸なると（おおなると、1969年ねん11月-1970年ねん3月がつ）

関連かんれん項目こうもく

• 関脇せきわけ一覧いちらん

参考さんこう文献ぶんけん

• 『戦後せんご新しん入幕にゅうまく力士りきし物語ものがたり 第だい2巻かん』（著者ちょしゃ：佐竹さたけ義よし惇あつし、発行はっこう元もと：ベべースボすぼール・マガジン社るまがじんしゃ、1990年ねん）p634-p641