菟うさぎ狭せま津つ彦命

凡例はんれい 菟うさぎ狭せま津つ彦命
時代じだい	上古じょうこ、弥生やよい時代じだい
生誕せいたん	不明ふめい
死没しぼつ	不明ふめい
別名べつめい	菟うさぎ狭せま津つ彦、宇佐うさ都と彦命
官位かんい	初代しょだい宇佐うさ国造くにのみやつこ
主君しゅくん	神武じんむ天皇てんのう
氏族しぞく	宇佐うさ氏し
兄弟きょうだい	宇佐うさ津つ媛ひめ命いのち

菟うさぎ狭せま津つ彦命（うさつひこのみこと、生なま没年ぼつねん不ふ詳しょう）は、古代こだい日本にっぽんの豪族ごうぞくで初代しょだい宇佐うさ国造くにのみやつこ。

概要がいよう

『古事記こじき』では宇沙都と比ひ古いにしえ、『日本書紀にほんしょき』、「皇孫こうそん本紀ほんぎ」では菟うさぎ狭せま津つ彦、「国造くにのみやつこ本紀ほんぎ」では宇佐うさ都と彦命と表記ひょうきされる。

『古事記こじき』では豊国ほうこくの宇沙に、『日本書紀にほんしょき』では筑紫つくし国こくの菟うさぎ狭せまにいた人物じんぶつとされ、菟うさぎ狭せま津つ媛ひめ命いのちと共ともに兄妹きょうだいで登場とうじょうする。

『日本書紀にほんしょき』では、神武じんむ天皇てんのうが東征とうせいし、中洲なかす（大和やまと国こく）をめざして国神くにかみの珍ちん彦を海うみ導しるべ者しゃとして筑紫つくし国こくの菟うさぎ狭せまに上陸じょうりくしたとき、菟うさぎ狭せま国造くにのみやつこの祖そである菟うさぎ狭せま津つ彦と菟うさぎ狭せま津つ媛ひめがおり、菟うさぎ狭せま川かわの川上かわかみに一いち柱はしら騰あが宮みや（あしひとつ あがりのみや）を造営ぞうえいして饗応きょうおうの奉仕ほうしをした。そこで神武じんむ天皇てんのうは勅みことのりをして、妹いもうとの菟うさぎ狭せま津つ媛ひめを待まて臣しんの天てん種子しゅし命いのち（中ちゅう臣しん連れん遠祖えんそ）に娶めとらせたとされる。『先代せんだい旧きゅう事こと本紀ほんぎ』、『古事記こじき』においても同様どうようの伝承でんしょうを記しるすが、『古事記こじき』では天てん種子しゅし命いのちに関かんする記述きじゅつがない。

宇佐うさ郡ぐん

宇沙都と彦命（忠君ちゅうくん）（敬神けいしん）（大義名分たいぎめいぶん）

高こう皇すめらぎ産さん令れい命いのちの孫まご天てん御お降くだ命いのちの子こで宇佐うさ島とうに座ざした。比ひ売うり大神だいじんに奉仕ほうししたが 神武じんむ天皇てんのう東征とうせいの途次とじ 宇佐うさに到いたり座ざせし一時いちじ 一いち柱はしら騰あが宮みやを建たてて御お養やしなえを奉たてまつった。此これ即すなわち宇佐うさ氏しの祖そで子孫しそんは宮成みやなり、到いた津つ両りょう男爵だんしゃく家いえを始はじめ数すう百ひゃく家いえに反映はんえいしてゐる。

—『修身しゅうしん科か郷土きょうど資料しりょう集成しゅうせい』

系譜けいふ

「宇佐うさ氏し」を参照さんしょう

高こう皇すめらぎ産さん霊れい尊みこと（たかみむすび）の孫まご・天てん三さん降くだ命いのち（天てん活かつ玉だま命いのちの子こ）の子ことされる。

妹いもうとの菟うさぎ狭せま津つ媛ひめ命いのちは天てん種子しゅし命いのちの妻つまとなり、中ちゅう臣しん連れんの祖そである宇佐うさ津つ臣しん命いのちを生うんだ。

参考さんこう文献ぶんけん

• 大分おおいた県けん教育きょういく会かい『修身しゅうしん科か郷土きょうど資料しりょう集成しゅうせい』大分おおいた県けん教育きょういく会かい、大分おおいた県けん、1936年ねん、73頁ぺーじ。 

関連かんれん項目こうもく

• 飛鳥あすか時代じだい以前いぜんの人物じんぶつ一覧いちらん
• 国造くにのみやつこ