霞かすみ会館かいかん

一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん霞かすみ会館かいかん

団体だんたい種類しゅるい	一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん
所在地しょざいち	東京とうきょう都と千代田ちよだ区く霞かすみが関せき3丁目ちょうめ2番ばん5号ごう 霞かすみが関せきビルディング34階かい 北緯ほくい35度ど40分ふん16.22秒びょう 東経とうけい139度ど44分ふん49.55秒びょう
法人ほうじん番号ばんごう	3010005000231
起源きげん	華族かぞく会館かいかん
主要しゅよう人物じんぶつ	鷹司たかつかさ尚武なおたけ（理事りじ長ちょう）

一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん霞かすみ会館かいかん（かすみかいかん、英語えいご: Kasumi Kaikan）は、旧きゅう華族かぞくの親睦しんぼく団体だんたい。前身ぜんしんは華族かぞく会館かいかん（かぞくかいかん）。1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）の華族かぞく制度せいどの廃止はいしにより、霞かすみ会館かいかん（かすみかいかん）と名称めいしょうを改あらためた。所在地しょざいちは霞かすみが関せきビルディングの最上階さいじょうかい（34階かい）。

概要がいよう

霞かすみ会館かいかんは、元来がんらい、旧きゅう華族かぞくの親睦しんぼくの中心ちゅうしんとして存在そんざいしてきた。そのため、正式せいしきな会員かいいん資格しかくも元もと華族かぞくの男性だんせい当主とうしゅと、成人せいじんに達たっした直系ちょっけいの息子むすこに限定げんていされている。現在げんざいは、約やく650家いえの740人にんが加入かにゅうしている。当主とうしゅや後継こうけい者しゃが女性じょせいの場合ばあい、会員かいいん資格しかくがないため、華族かぞく制度せいど廃止はいし直後ちょくご（約やく890家いえ）に比くらべ会員かいいん数すうが減少げんしょうしている。1973年ねん（昭和しょうわ48年ねん）頃ごろになって会員かいいん名簿めいぼに夫人ふじんの名前なまえも記載きさいされるようになり、また元もと華族かぞくの夫人ふじん、令嬢れいじょうであれば、女性じょせいだけでも霞かすみ会館かいかんの施設しせつを利用りようできるようになった。

これら元もと華族かぞくである会員かいいんは、天皇誕生日てんのうたんじょうび祝賀会しゅくがかいを含ふくめ年ねんに4回かい一堂いちどうに会かいする。1月がつ5日にちの新年しんねん会かい、6月1日にちの創立そうりつ記念きねん日び、10月7日にちの明治天皇めいじてんのうの御ご臨幸りんこう記念きねん日びは、それぞれ祝賀しゅくが会かいが開ひらかれ、夫人ふじんの同伴どうはんも許ゆるされるようになった。

また『昭和新しょうわしん修おさむ華族かぞく家系かけい大成たいせい』『平成へいせい新しん修おさむ旧きゅう華族かぞく家系かけい大成たいせい』『令れい和わ新しん修おさむ旧きゅう華族かぞく家系かけい大成たいせい』の発行はっこう元もとでもある。

沿革えんかく

1872年ねん（明治めいじ5年ねん）に洋行ようこうした河鰭かわはた実みのる文ぶんと秋月あきづき種たね樹じゅは、イギリス政界せいかいでの貴族きぞくの役割やくわりに注目ちゅうもくした。帰国きこく後ご、山内やまうち豊ゆたか誠まこと・正親町おおぎまち公こう董ただし・平松ひらまつ時じ厚あつらと、議会ぎかい開設かいせつに備そなえた有志ゆうしの団体だんたい、通つう款社を1873年ねん（明治めいじ6年ねん）末まつに設立せつりつし、同おなじ趣旨しゅしを持もった『麝香じゃこう間あいだ祗候しこう会議かいぎ』（じゃこうのま-しこう-かいぎ）と合同ごうどうして、1874年ねん（明治めいじ7年ねん）6月がつ、『華族かぞく会館かいかん』が発足ほっそくした（画像がぞう等とうは「華族かぞく」を参照さんしょう）。

華族かぞく会館かいかんは、単たんなるクラブではなく、書籍しょせき局きょく、講義こうぎ局きょく、勉強べんきょう局きょく、翻訳ほんやく局きょくの設置せっちがその規約きやくに謳うたわれており、1877年ねん（明治めいじ10年ねん）、華族かぞく子弟していの教育きょういく機関きかんとして学習がくしゅう院いんが創立そうりつされた。華族かぞく会館かいかんが発足ほっそくしたのは浅草あさくさ本願寺ほんがんじであったが、2か月げつ後ごに永田町ながたちょうの旧きゅう二本松にほんまつ藩はん邸やしきに移うつり、ここで創立そうりつ総会そうかいを開ひらいている。その後ご、神田かんだ錦にしき町まちの学習がくしゅう院内いんない、宝田たからだ町まち、上野公園うえのこうえん内うち文部省もんぶしょう官舎かんしゃと移転いてんし、1890年ねん（明治めいじ23年ねん）、麹町こうじまち区く内山下うちさんげ町まち（現げん千代田ちよだ区く内幸町うちさいわいちょう1丁目ちょうめ）の鹿しか鳴な館かんを借かり受うけて移転いてんした。1894年ねん（明治めいじ27年ねん）には土地とち8000坪つぼとともに買かい受うけている。1916年ねん（大正たいしょう5年ねん）には、大正天皇たいしょうてんのう御ご大典たいてんでの演えんじ能のうのため明治めいじ宮殿きゅうでん中庭なかにわに建設けんせつされた宮中きゅうちゅう能楽のうがく場じょうを下賜かしされ、日本にっぽん館脇たてわきに移設いせつした。

1927年ねん（昭和しょうわ2年ねん）、麹町こうじまち区く三さん年ねん町まち（現げん千代田ちよだ区く霞ヶ関かすみがせき3丁目ちょうめ）に新築しんちくした佐藤さとう功一こういち設計せっけいの建物たてものに移転いてん。1936年ねん（昭和しょうわ11年ねん）の二・二六事件ににろくじけんの際さいには、反乱はんらん軍ぐんにより数日すうじつ間あいだ占拠せんきょされ「尊皇そんのう討奸」旗はたが掲かかげられる。1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）5月がつの空襲くうしゅうで焼失しょうしつ。今いまの霞かすみが関せきビルに入はいったのは、1967年ねん（昭和しょうわ42年ねん）のことである。霞かすみ会館かいかんの名称めいしょうの由来ゆらいは、所在地しょざいちの地名ちめいが霞かすみが関せきであることのほか、初代しょだい館長かんちょうの有栖川宮熾仁親王ありすがわのみやたるひとしんのうの雅号がごうが「霞かすみ堂どう」だったことに依よる。

公家くげを中心ちゅうしんに華族かぞく約やく50家いえが残のこった京都きょうとでは、1874年ねん（明治めいじ7年ねん）、 旧きゅう一いち條じょう邸やしきに「京都きょうと華族かぞく集会しゅうかい所しょ」が設立せつりつされ、翌年よくねん「華族かぞく会館かいかん京都きょうと分ぶん局きょく（後のちに京都きょうと分館ぶんかん）」と名なを改あらためる。分館ぶんかんは1878年ねん（明治めいじ11年ねん）、烏丸からすま今出川いまでがわ交差点こうさてん北東ほくとうの旧きゅう徳大寺とくだいじ邸やしき（現げん同志社大学どうししゃだいがく図書館としょかんの地ち）に移転いてん。翌年よくねんには旧きゅう閑院宮みや邸やしきから車寄くるまよせ、玄関げんかん、表門おもてもんが移築いちくされる。1918年ねん（大正たいしょう7年ねん）には京都きょうと市電しでん今出川いまでがわ線せん延伸えんしんなどを機きに大だい規模きぼな改築かいちくが行おこなわれ、御所ごしょ風ふうの格調かくちょう高たかい会館かいかんが誕生たんじょうする。

戦後せんごはGHQの接収せっしゅうを経へて1952年ねん（昭和しょうわ27年ねん）、同志社大学どうししゃだいがくに土地とちと建物たてものを売却ばいきゃく、1967年ねん（昭和しょうわ42年ねん）まで「啓けい真しん館かん」として活用かつようされた。組織そしきは「霞かすみ会館かいかん京都きょうと支所ししょ」と名なを改あらためて上京かみぎょう区く大黒屋だいこくや町まちに移転いてん、1991年ねん（平成へいせい3年ねん）に現在げんざいの建物たてものに改築かいちくした。同志社大学どうししゃだいがく図書館としょかんの今出川いまでがわ通とおる沿そいには、華族かぞく会館かいかん京都きょうと分館ぶんかんの表門おもてもんと築地つきじ塀へいが残のこる。

皇室こうしつとの関かかわり

華族かぞく制度せいどの廃止はいし時じ、昭和しょうわ天皇てんのうから「先祖せんぞの名なを辱はずかしめぬよう日本にっぽん再建さいけんのため努力どりょくすることを望のぞむ」と伝つたえられたことから、霞かすみ会館かいかんに改称かいしょうして存続そんぞくを決きめた。天皇てんのう・皇后こうごうが毎年まいとし1月がつに訪おとずれ、懇談こんだんするのが慣例かんれいである。日本にっぽんの伝統でんとうに詳くわしい会員かいいんが多おおいことから、明仁あきひと天皇てんのうの即位そくい時ときには、出席しゅっせき者しゃの装束しょうぞく着付きつけを霞かすみ会館かいかん会員かいいんがボランティアで手伝てつだった。

会員かいいんのうち、旧きゅう公家くげだけで構成こうせいする「堂上どうじょう会かい」（約やく100人にん）もある。堂上どうじょう会かい会員かいいんは皇室こうしつ行事ぎょうじに招まねかれるほか、京都きょうと在住ざいじゅうの会員かいいんは天皇てんのう・皇后こうごうの京都きょうと訪問ほうもん時じには大宮おおみや御所ごしょで懇談こんだんする。

運営うんえい

霞かすみが関せきビル

霞かすみ会館かいかんの運営うんえいは、霞かすみが関せきビルの敷地しきちとなっている霞かすみ会館かいかんの所有しょゆう地ち3,000坪つぼについて三井不動産みついふどうさんから支払しはらわれる地代じだい、霞かすみ会館かいかんが所有しょゆうする霞かすみが関せきビルの10階かい・11階かいのテナント料りょう、さらに会員かいいんの結婚式けっこんしきやパーティなどに貸かし出だす収入しゅうにゅうなどで賄まかなわれている。その一部いちぶは、障害しょうがい者しゃ施設しせつ、老人ろうじん施設しせつ、癌がん研究所けんきゅうじょなど各かく社会しゃかい福祉ふくし施設しせつにも寄付きふされている。

法人ほうじんの目的もくてき

1. この法人ほうじんは、次つぎの4箇条かじょうを基本きほん理念りねんとする。

• 国家こっか・社会しゃかいへの貢献こうけん
• 伝統でんとう文化ぶんかの伝承でんしょう
• 皇室こうしつの藩屏はんぺい
• 会員かいいんの品位ひんい保持ほじと連帯れんたい

2. この法人ほうじんは、政治せいじ、経済けいざい、社会しゃかい、文化ぶんか等とう各かく方面ほうめんにわたって国際こくさい的てきな視野しやから調査ちょうさ研究けんきゅうし、日本にっぽん固有こゆうの伝統でんとう的てきな精神せいしん文化ぶんかを後世こうせいに伝つたえ、もって健全けんぜんな国民こくみんの育成いくせい及および社会しゃかい福祉ふくしの増進ぞうしんに寄与きよすることを目的もくてきとしている。

主おもな事業じぎょう

1. 政治せいじ、経済けいざい、社会しゃかい、文化ぶんか等ひとしの調査ちょうさ研究けんきゅう及および参考さんこう資料しりょうの収集しゅうしゅう。
2. 調査ちょうさ、研究けんきゅう成果せいかの報告ほうこく及および参考さんこう資料しりょう等とうの出版しゅっぱん事業じぎょう。
   • ※関係かんけい者しゃが関連かんれん資料しりょうを、「尚なお友とも倶楽部くらぶ」編へんで公刊こうかんしている。
3. 伝統でんとう文化ぶんかの伝承でんしょう。
4. 講演こうえん会かい、講習こうしゅう会かい、研究けんきゅう会かい等とうの開催かいさい。
5. 社会しゃかい、文化ぶんか、福祉ふくし等ひとし公益こうえきに関かんする事業じぎょう及および助成じょせい。
6. その他た、この法人ほうじんの目的もくてきを達成たっせいするために必要ひつような事業じぎょう。

会員かいいんは現げん皇族こうぞく（名誉めいよ会員かいいん）、旧きゅう皇族こうぞく（臣籍しんせき降下こうかした元もと宮家みやけ）、元もと王公おうこう族ぞく、元もと華族かぞく（公おおやけ、侯ほう、伯はく、子こ、男おとこ）の当主とうしゅとその成年せいねんに達たっした長男ちょうなん（嫡男ちゃくなん）により構成こうせいされている。2012年ねん（平成へいせい24年ねん）8月がつ現在げんざい、会員かいいん数すう793名めい（正会員せいかいいん784名めい、名誉めいよ会員かいいん9名めい）。

主しゅたる事務所じむしょを東京とうきょう都と千代田ちよだ区く霞かすみが関せき三さん丁目ちょうめ2番ばん5号ごう（霞かすみが関せきビル内うち）に、従したがえたる事務所じむしょを京都きょうと府ふ京都きょうと市し上京かみぎょう区く油小路あぶらのこうじ通どおり出水しゅっすい上のぼる大黒屋だいこくや町まち42（霞かすみ会館かいかん京都きょうと支所ししょ）に置おく。

主しゅたる役員やくいんは次つぎの通とおりである（日付ひづけは就任しゅうにん日び）。

• 理事りじ長ちょう：鷹司たかつかさ尚武なおたけ（2021年ねん（令れい和わ3年ねん） - ）
• 前ぜん理事りじ長ちょう（現げん・顧問こもん）：松平まつだいら宗そう紀おさむ（2018年ねん（平成へいせい30年ねん）10月がつ22日にち - 2021年ねん（令れい和わ3年ねん）、越前えちぜん松平まつへい旧きゅう侯爵こうしゃく家か第だい20代だい当主とうしゅ）
• 元もと理事りじ長ちょう北きた白川しらかわ道久みちひさ(2011年ねん以前いぜん - 2018年ねん)
• 元もと理事りじ長ちょう久邇くに邦昭くにあき(1991年ねん - 2007年ねん)

• 常務じょうむ理事りじ：水野みずの勝之かつゆき（平成へいせい27年ねん6月がつ18日にち - 、水野みずの旧きゅう子爵ししゃく家か第だい20代だい当主とうしゅ）
• 常務じょうむ理事りじ：小池こいけ正毅まさき（平成へいせい30年ねん10月がつ22日にち - 、小池こいけ旧きゅう男爵だんしゃく家か第だい4代だい当主とうしゅ）
• 理事りじ：五條ごじょう為ため義よし（平成へいせい27年ねん6月がつ18日にち - 、五條ごじょう旧きゅう子爵ししゃく家か）
• 理事りじ：一條いちじょう實みのる昭あきら（平成へいせい27年ねん6月がつ18日にち - 、一條いちじょう旧きゅう公爵こうしゃく家か第だい28代だい当主とうしゅ）
• 理事りじ：萬里まり小路しょうじ智秀ともひで（平成へいせい29年ねん6月がつ20日はつか - 、萬里小路まりこうじ旧きゅう男爵だんしゃく家か）
• 理事りじ：橋本はしもと春彦はるひこ（平成へいせい27年ねん6月がつ18日にち - 、橋本はしもと旧きゅう伯爵はくしゃく家か第だい21代だい当主とうしゅ）

紹介しょうかい記事きじ

• 『選択せんたく』2009年ねん3月がつ号ごう
• 『歴史れきし読本とくほん』2013年ねん10月がつ号ごう

参考さんこう文献ぶんけん

• 社団しゃだん法人ほうじん 霞かすみ会館かいかん 華族かぞく資料しりょう調査ちょうさ委員いいん会かい編集へんしゅう 『霞かすみ会館かいかん百ひゃく三さん十じゅう年ねんの歩あゆみ』 社団しゃだん法人ほうじん 霞かすみ会館かいかん、2004年ねん6月がつ1日にち 非売品ひばいひん
• 小田部おたべ雄次ゆうじ 『華族かぞく 近代きんだい日本にっぽん貴族きぞくの虚像きょぞうと実像じつぞう』 中公新書ちゅうこうしんしょ、2006年ねん3月、ISBN 978-4-121-01836-6
• 一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん 霞かすみ会館かいかん 華族かぞく資料しりょう調査ちょうさ委員いいん会かい 『会館かいかん百ひゃく四よん十じゅう年ねんの歩あゆみ』 一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん 霞かすみ会館かいかん、2014年ねん6月がつ1日にち 非売品ひばいひん

関連かんれん項目こうもく

• 平成へいせい新しん修おさむ旧きゅう華族かぞく家系かけい大成たいせい
• 久邇くに邦昭くにあき上記じょうき発行はっこう時じの理事りじ長ちょう

外部がいぶリンク

• 霞かすみ会館かいかん定款ていかんほか
• 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん 憲政けんせい資料しりょう室しつ 華族かぞく会館かいかん関係かんけい文書ぶんしょ