中華ちゅうかまん

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中華ちゅうかまん（ちゅうかまん）とは、小麦粉こむぎこ・水みず・砂糖さとう・酵母こうぼ・ベーキングパウダーなどをこねて発酵はっこうさせて作つくった柔やわらかい皮かわで様々さまざまな具ぐを包つつみ、蒸むした饅頭まんじゅうである。

皮かわの中なかの具ぐの種類しゅるいなどによりそれぞれ個別こべつ名称めいしょうもあり、肉にくまん・あんまんなど多岐たきにわたる。

名称めいしょうとルーツ

直接ちょくせつの原型げんけいとなったのは中国ちゅうごくの「包子かねこ（パオズ）」であるとされ、名前なまえの元もとは包子かねこでは無なく、「饅頭まんじゅう (マントウ)」という中国ちゅうごくの蒸むしパン。現代げんだいの中国ちゅうごくにはおいては、具ぐのないものは饅頭まんじゅう、具ぐのあるものは包子かねこと呼よばれている。日本にっぽんにおいては、中身なかみの具ぐ材ざいも独自どくじの発展はってんを遂とげている。

中華ちゅうかまんは、中国ちゅうごくの三さん国こく時代じだい（220年ねん頃ころ）、蜀しょく漢かんの宰相さいしょうである諸しょ葛かずら亮あきらが作つくらせたことが始はじまりといわれている（「伝説でんせつ」節ふしで後述こうじゅつ）。

中華ちゅうかまんは料理りょうりであると同時どうじに、餡あん子こなどを用もちいた和菓子わがしの饅頭まんじゅうのルーツにもなっている。

日本にっぽんの中華ちゅうかまん

販売はんばい場所ばしょ

日本にっぽんでは中華ちゅうか街がいに伝つたわった大正たいしょう・昭和しょうわの頃ころから各地かくちで食たべられており、中華ちゅうか料理りょうり店てんやスーパー・コンビニ・小ちいさな売店ばいてんにおける人気にんきのテイクアウト商品しょうひんとなっている。家庭かていで作つくられる事ことは少すくないがチルドや冷凍れいとう食品しょくひんは多おおく販売はんばいされており、適てきした蒸むし器きに入いれて解凍かいとうする他ほか、蒸むし器きがない場合ばあいは加熱かねつ時じに真空しんくうができないようにゆるめにラッピングし、少量しょうりょうの水みずを加くわえて上うえで電子でんしレンジで解凍かいとうする。コンビニエンスストアでは例年れいねん8月がつ～9月がつ頃ごろより冬季とうきにかけて、あるいは通年つうねん、スチームで蒸むし上あげた商品しょうひんをカウンター商しょう材ざいの1つとして販売はんばいしている。

底そこの部分ぶぶんにはシート（元々もともとは竹たけの皮かわ）が付ふされていることが多おおく、これは蒸むし器きとまんじゅうが付着ふちゃくするのを防ふせぐ役割やくわりがある。また種類しゅるいが判別はんべつできるよう、シートに「肉にくまん」や「あんまん」といった文字もじを入いれる場合ばあいもある。

中華ちゅうかまんの具ぐ

日本にっぽんでは、一般いっぱん的てきには豚肉ぶたにくなどを使用しようした肉にくまんや小豆しょうず餡あんのあんまんがあり、ピザまん・カレーまんなど中国ちゅうごくには無ない多様たような変かわり種だねも販売はんばいされている。中国ちゅうごくの包子かねこは朝食ちょうしょくや間食かんしょくなどの点心てんしんとして食しょくされることが多おおく、豚肉ぶたにくや中華ちゅうか葱ねぎ・醤油じょうゆ・老酒ろうしゅなどで作つくる肉にくまん、小しょう白菜はくさい・干ほし豆腐とうふ・椎茸しいたけが入はいっている野菜やさいまん、あんまんなど各種かくしゅある。皮かわは中華ちゅうかまんより薄うすくしっとりしている。詳くわしくは「包子かねこ」の項目こうもくに参考さんこう。

中華ちゅうかまんの歴史れきし

日本にっぽんで最初さいしょに登場とうじょうしたのがいつなのかは諸説しょせつある。「中村屋なかむらや」での発売はつばいは、1927年ねんの「天下一品てんかいっぴん 支ささえ那な饅頭まんじゅう」が最初さいしょである。これは大正たいしょう14年ねんに同社どうしゃ創業そうぎょう者しゃの相馬そうま夫妻ふさいが中国ちゅうごくへ視察しさつ旅行りょこうした際さい、目めに止とまった「包子かねこ（パオズ）」と呼よばれていた具ぐの入はいった饅頭まんじゅうを元もとに、帰国きこく後ごに商品しょうひん化かしたものである。

それ以前いぜんにも、中華ちゅうか街がいなどの専門せんもん店てんや一部いちぶの中華ちゅうか料理りょうり店てんでは、本場ほんば中国ちゅうごくの中華ちゅうかまんが売うられていたが、日本人にっぽんじんの好このみには合あわなかったとされる。

神戸こうべ中華ちゅうか街がい（南京なんきん町まち）の「老ろう祥さち記き」の先代せんだいは、1915年ねんに「豚ぶた饅頭まんじゅう」として売うり出だした同店どうてんの中国ちゅうごく包子かねこが日本にっぽんの中華ちゅうかまんの起おこりであるとしているが、現在げんざいの日本にっぽんの中華ちゅうかまんと同一どういつかどうかは定さだかではない。

主おもな具ぐの種類しゅるい

肉にくまん

「肉にく饅頭まんじゅう」の略りゃくで、豚肉ぶたにくと、タマネギ、タケノコ、干ほしシイタケなどの野菜やさいをみじん切ぎりにして煮にたものを入いれる。干ほし貝柱かいばしら・オイスターソース・フカヒレなどを入いれることもある。日本にっぽんではピロシキの具ぐもこれに近ちかい場合ばあいがある。皮かわの上部じょうぶにはひねったような模様もようがつけられ、外見がいけんであんまんと区別くべつされる。作つくるときも具ぐをそこから入いれて閉とじるためという側面そくめんもある。

豚ぶたまん

西日本にしにほんでは肉にくまんの事ことを主おもに「豚ぶたまん」と呼よぶ。西日本にしにほんにおいて「肉にく」といえば一般いっぱん的てきに牛肉ぎゅうにくを指さすためである。関西かんさい地方ちほうで展開てんかいしている551蓬莱ほうらいでは、初期しょきに牛肉ぎゅうにく入いりの「肉にくまん」が存在そんざいしていた。ただし、全国ぜんこく展開てんかいしている井村いむら屋やなどの商品しょうひんは、西日本にしにほんでも他たの地域ちいきと同おなじく「肉にくまん」として売うられており、西日本にしにほんでも「肉にくまん」の呼よび名なが通用つうようしないわけではない。また、セブンイレブンのように、味付あじつけや量りょうの違ちがいにより「肉にくまん」と「豚ぶたまん」の両方りょうほうを販売はんばいするケースも見みられる。11月11日にちを「豚ぶたまんの日ひ」として申請しんせいしておりこれは豚ぶたの鼻はなの形かたちにちなんだものとされている。また、その日ひに「KOBE豚ぶた饅まんサミット」を開催かいさいし、神戸こうべをPRしている。

あんまん

あんまん(こしあん・新宿しんじゅく中村屋なかむらや)

小豆あずきの餡あんを入いれた、あんまんじゅう。肉にくまんや他たの具ぐ材ざいと区別くべつするために食紅しょくべにで中央ちゅうおうに印しるしをつけたものもある。コンビニエンスストアの場合ばあい、東日本ひがしにっぽんではこしあん、西日本にしにほんではつぶあんが販売はんばいされることが多おおい。一いち例れいを挙あげると、セブンイレブンの場合ばあいでは、北陸ほくりくの一部いちぶと関東甲信越かんとうこうしんえつより東側ひがしがわが「ごまあんまん」、北陸ほくりくの一部いちぶと中京ちゅうきょうより西側にしがわが「つぶあんまん」の販売はんばい地域ちいきとなっている。

チャーシューまん

中国ちゅうごくでいう叉また焼しょう包つつみに相当そうとうする。さいころ状じょうに刻きざみ甘辛あまからく煮にた焼豚やきぶたを具ぐとする。種類しゅるいによっては皮かわの上部じょうぶが割われて、この具ぐの一部いちぶが外そとからも見みえるようになっている。

カレーまん

カレーまん

1977年ねん（昭和しょうわ52年ねん）に井村いむら屋やから発売はつばいされた。肉にくまんとあんまんしかなかった中なかに新あらたに現あらわれたカレーまんは大だいヒットし、その後ごのピザまん、イカスミまんなどの多様たような中華ちゅうかまんが開発かいはつされるきっかけとなった。皮かわにターメリックや着色ちゃくしょく料りょうなどを加くわえ、見みた目めがカレー色いろ（黄色おうしょく）をしている。具ぐは肉にくまんまたは豚ぶたまんの具ぐをカレー風味ふうみに調味ちょうみしたものや、カレーパンやドライカレーに近ちかいものがある。

ピザまん

1979年ねんに井村いむら屋やが発売はつばいした際さいは「ピザ肉にくまん」という名称めいしょうだった。

具ぐをトマトケチャップで味付あじつけしたもので本来ほんらいのピザとは異ことなる風味ふうみであった。近年きんねんでは中なかにチーズを入いれ、イタリア風ふうのトマトソースを使用しようするなど、本来ほんらいのピザの味あじに近ちかづけたものも多おおい。

バリエーション

その他た、コンビニエンスストアでは多種たしゅ多様たような中華ちゅうかまんが、大抵たいていは期間きかん限定げんていで販売はんばいされている。

例れい: 豚ぶた角かく煮にまん・てりやきチキンまん・チーズまん・塩しお豚ぶたまん・海鮮かいせんまん・グラタンまん・餃子ぎょうざまん・もんじゃまん・イカスミまん・チョコレートまん・カスタードクリームまん・キャラメルまん・プリンまん・さくらあんまん・焼やき芋いも（安納あんのう芋いも）まん等々とうとう。

中華ちゅうかまん製造せいぞうメーカー

• 井村いむら屋や
• 中村屋なかむらや
• 山崎製やまさきせいパン
• 目黒めぐろ五ご十じゅう番ばん
• 五ご十じゅう番ばん 神楽坂かぐらざか本店ほんてん
  • 神楽坂かぐらざか五ご十じゅう番ばん（神楽坂かぐらざか五ご十じゅう番ばん 総そう本店ほんてん)
• 桃もも太ふとし呂りょ
• 崎陽軒きようけん
• 聘珍樓ろう
• 江戸えど清きよし
• 551蓬よもぎ萊
• 蓬よもぎ萊本館かん
• 二見ふたみの豚ぶたまん
• 老ろう祥さち記き
• 三さん桃もも食品しょくひん九州きゅうしゅう工場こうじょう
• 揚子江ようすこう
• 平和へいわ会館かいかん
• 山やま珍めずらし
• 松阪まつさか鈴屋すずやの牛うしまん
• 三宮さんのみや一貫いっかん楼ろう
• 大だい同行どうこう
• 大だい珍ちん食品しょくひん
• フタバ食品しょくひん
• 台湾たいわん中華ちゅうかまん専門せんもん店てん福ぶく珠たまfukuju

たれ・からし

• 中国ちゅうごく地方ちほうから九州きゅうしゅう北部ほくぶにかけて、コンビニで中華ちゅうかまんを購入こうにゅうすると、もれなく小袋こぶくろ入いりの酢す醤油じょうゆと練ねり辛子からしがついてくる。酢す醤油じょうゆをつけるのは他たの地方ちほうでは見みられない風習ふうしゅうで、中国ちゅうごくで黒くろ酢すを付つける習慣しゅうかんが、中華ちゅうかまんが伝つたわった当時とうじの日本にっぽんに黒くろ酢すが無なかったために酢す醤油じょうゆで代用だいようされたことによる。
• 関西かんさいのコンビニでも、小袋こぶくろに入はいった練ねり辛子からしをサービスする習慣しゅうかんがある。酢す醤油じょうゆで食しょくす習慣しゅうかんはあるものの、練ねり辛子からしやウスターソースで食しょくすことも多おおい。
• 逆ぎゃくに中部ちゅうぶ地方ちほう以東いとうの東日本ひがしにっぽんでは肉にくまんには特とくに何なにも付つけないという回答かいとうが多おおい。

異物いぶつ同名どうめい

東京とうきょうの南千住みなみせんじゅでは「にくまん」というフライにした魚肉ぎょにく練ねり製品せいひんが類似るいじのモチモチとした食しょく感かんの物ものがおでんの具ぐとして販売はんばいされている。

伝説でんせつ

『三国志さんごくし』で知しられる諸しょ葛かずら亮あきらは、南蛮なんばん征伐せいばつの帰かえりに風雨ふううで川かわが氾濫はんらんし渡わたれなかったが、氾濫はんらんした川かわを鎮しずめようと願ねがうとき水神すいじんに人間にんげんの首くびを切きり落おとして捧ささげて祭まつるという南蛮なんばんの信仰しんこうを、戦たたかいで失うしなわれた人命じんめいを人柱ひとばしらにこれ以上いじょう犠牲ぎせいには出来できないとして、小麦粉こむぎこを水みずで練ねった皮かわに羊ひつじや牛うしの肉にくを包つつんで饅頭まんじゅう（まんじゅう）を作つくり、人頭じんとうに代かわって供そなえて川かわに投とうじると見事みごとに氾濫はんらんは収おさまったという。これが饅頭まんじゅう（中華ちゅうかまん）の始はじまりとされている。

参考さんこう文献ぶんけん

• 加来かく翔太しょうた郎ろう監修かんしゅう・オカタオカ著ちょ『カレー語ご辞典じてん』株式会社かぶしきがいしゃ誠まこと文ぶん堂どう新光しんこう社しゃ、2016年ねん8月がつ。ISBN 978-4-416-61675-8

関連かんれん項目こうもく

• おやき
• 労ろう研けん饅頭まんじゅう - こちらは饅頭まんじゅう (中国ちゅうごく)を原型げんけいとしている。
• 小籠こごめ包つつみ
• バインバオ
• ピャンセ
• 段だんボール肉にくまん - 中国ちゅうごくで報道ほうどうされた、具ぐ材ざいに段だんボールを使用しようしたとされる肉にくまん（ただし、その真偽しんぎは議論ぎろんの余地よちあり）。

外部がいぶサイト

• KOBE 豚ぶた饅まんサミット