真空しんくう

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真空しんくう(しんくう、えい: vacuum)は、通常つうじょう大気たいきあつよりひく圧力あつりょく気体きたいたされた空間くうかん状態じょうたい[1]

また物理ぶつりがくにおける概念がいねんとして、古典こてんろんにおける絶対ぜったい真空しんくう量子りょうしろんにおける真空しんくう状態じょうたい場合ばあいにももちいられることがある。

真空しんくう物理ぶつりがく古典こてんろんにおける絶対ぜったい真空しんくうでいう物質ぶっしつ存在そんざいしない空間くうかんのようにおもわれることがあるが、微視的びしてきではないおおきさの空間くうかん物質ぶっしつ存在そんざいしない状態じょうたい実現じつげん不可能ふかのうである。(物理ぶつりがく古典こてんろんにおける絶対ぜったい真空しんくう参照さんしょう)

真空しんくう実証じっしょうするポンプ

かく分野ぶんやにおける真空しんくう語義ごぎ[編集へんしゅう]

一般いっぱん利用りようでの真空しんくう[編集へんしゅう]

日本にっぽん産業さんぎょう規格きかく (JIS)では「通常つうじょう大気たいきあつよりひく圧力あつりょく気体きたいたされた空間くうかんない状態じょうたい」とされている。

真空しんくう状態じょうたい真空しんくうポンプもちいて容器ようき内部ないぶ気体きたい排気はいきすることでることができる。 真空しんくう対象たいしょう空間くうかん存在そんざいする気体きたい原子げんし分子ぶんし外壁がいへきおよぼす圧力あつりょくあらわされる。単位たんいTorr(トル)がもちいられてきたが、国際こくさい単位たんいけいへの統一とういつともなPa(パスカル)に移行いこうしつつある。1 atm=1.01325×105 Pa=760 Torrである。 真空しんくう言葉ことばのイメージと表現ひょうげんぎゃくになるので注意ちゅうい必要ひつようである(れい真空しんくうたかい(たかいレベルの真空しんくうである)=圧力あつりょくひくい)。

一般いっぱんてき圧力あつりょくおなじくゲージあつ絶対ぜったい真空しんくうがあり、それぞれ所謂いわゆるゲージあつ絶対ぜったいあつ対応たいおうしている。丁度ちょうど摂氏せっし温度おんど(℃)と絶対温度ぜったいおんど(K)のように、大気たいきあつを0Paとしてそこからの変位へんいりょうしめしたものがゲージあつ絶対ぜったい真空しんくうを0Paとしてそこからの積算せきさんしめしたものが絶対ぜったい真空しんくうである。

ただしゲージあつ真空しんくう場合ばあい所謂いわゆるゲージあつとして真空しんくう状態じょうたいを「ゲージあつ−100kPa」のようにまけあらわ場合ばあいと、べつ単位たんいとしてあつかって「ゲージあつ真空しんくう100kPa」のようにせいあらわ場合ばあいさらに「ゲージあつ真空しんくう−100kPa」のようにあらわ場合ばあいがあるので、仕様しよう確認かくにん絶対ぜったい真空しんくうかどうかとわせて確認かくにんする必要ひつようがある。なお絶対ぜったい真空しんくう場合ばあいは「1.33×10-7kPa(abs)」のように注記ちゅうきはいることがある。

ISOにおける真空しんくう領域りょういき区分くぶん

ISO 3529-1では真空しんくう圧力あつりょく領域りょういきによりつぎのように区分くぶんしている。

領域りょういき 英語えいごめい 圧力あつりょく範囲はんい 地球ちきゅう大気たいきでの同等どうとう気圧きあつ地点ちてん地上ちじょうからの距離きょり
てい真空しんくう Low Vacuum 100 kPa~100 Pa 地上ちじょうやく60 km
ちゅう真空しんくう Medium Vacuum 100 Pa~0.1 Pa やく60 km~やく90 km
こう真空しんくう High Vacuum 0.1 Pa~10−5 Pa やく90 km~やく250 km
ちょうこう真空しんくう Ultra-high Vacuum 10−5 Pa以下いか やく250 km~

なおこのちょうこう真空しんくうより真空しんくうたか領域りょういき(おもに10−8または10−9 Pa以下いか)としてきょくだか真空しんくう (Extreme High Vacuum、XHV) という用語ようご使用しようされることがあるが、ISOではさだめられていない。

物理ぶつりがく概念がいねんとしての真空しんくう[編集へんしゅう]

古典こてんろんにおける絶対ぜったい真空しんくう

古典こてんろんにおいて、真空しんくう物質ぶっしつ存在そんざいせず・圧力あつりょくが 0 の仮想かそうてき状態じょうたい、「なに状態じょうたい」である。 絶対ぜったい真空しんくうともいう。

これは概念的がいねんてきなものであり、実際じっさい実現じつげん可能かのうなものではない。

絶対ぜったい真空しんくうとは空間くうかんちゅう原子げんし分子ぶんしひとつも存在そんざいしない状態じょうたいあらわすが、具体ぐたいてき方法ほうほう実現じつげん可能かのう真空しんくう状態じょうたい(本稿ほんこう一般いっぱん利用りよう真空しんくう状態じょうたい)には物質ぶっしつ存在そんざい圧力あつりょく観測かんそくされる。 たとえば地球ちきゅう表面ひょうめんじょう圧力あつりょく(1気圧きあつ)= 100 kPa条件じょうけんしたでは1 cm3なか気体きたい分子ぶんしは0 ℃で2.69×1019[注釈ちゅうしゃく 1]存在そんざいする。 真空しんくう実現じつげんとはその膨大ぼうだいりょう原子げんし分子ぶんしらしていく過程かていであるが、人為じんいてきつくせる真空しんくう状態じょうたい限界げんかいは10−11 Pa程度ていどである。この圧力あつりょくでも1 cm3すうせん気体きたい分子ぶんし存在そんざいする。 宇宙うちゅう空間くうかんにおいても空間くうかんちゅう物質ぶっしつなに存在そんざいしないわけではなく気体きたい原子げんし分子ぶんし存在そんざいし、さらにそと宇宙うちゅうばれる銀河ぎんが銀河ぎんがあいだでも気体きたい原子げんし分子ぶんし存在そんざいするとされている。

量子りょうしろんにおける真空しんくう状態じょうたい

量子りょうしろんにおける真空しんくうは、けっして「なにもない」状態じょうたいではない。たとえばつね電子でんし陽電子ようでんし仮想かそう粒子りゅうしとしてのたい生成せいせいたい消滅しょうめつきている。[2]

ポール・ディラックは、真空しんくうエネルギーを電子でんしがぎっしりとまった状態じょうたいディラックのうみ)とかんがえていたが[3]物理ぶつり学者がくしゃにより、この概念がいねんそらあな理論りろん)は拡張かくちょう解釈かいしゃく見直みなおしがおこなわれている。

現在げんざい量子りょうしろんでは、真空しんくうとは、十分じゅうぶん低温ていおん状態じょうたい仮定かていした場合ばあいに、その物理ぶつりけい最低さいていエネルギー状態じょうたいとして定義ていぎされる。粒子りゅうし存在そんざいして運動うんどうしていると、そのエネルギーが余計よけいにあるわけであるから、それは最低さいていエネルギー状態じょうたいでない。よって十分じゅうぶん低温ていおん状態じょうたいでは粒子りゅうしはひとつもない状態じょうたい真空しんくうである。ただし、期待きたいはゼロでないちうる。それを真空しんくう期待きたいという。たとえば、ヒッグスじょうがゼロでないをもっていることが、電子でんし質量しつりょうのあることの原因げんいんとなっている。

真空しんくうかんする歴史れきし[編集へんしゅう]

真空しんくう存在そんざいについては古代こだいギリシア時代じだいから、論争ろんそうひろげられてきた。紀元前きげんぜん5~4世紀せいきレウキッポスデモクリトス原子げんしろんは、自然しぜん構成こうせいする分割ぶんかつ不可能ふかのう最小さいしょう単位たんい原子げんし(アトム)」が「空虚くうきょ(ケノン)」 のなか運動うんどうしているとした。一方いっぽうアリストテレスは、空間くうかんにはかならなんらかの物質ぶっしつ充満じゅうまんしているとして、空虚くうきょ存在そんざいみとめなかった(自然しぜん真空しんくうきら英語えいごばん[注釈ちゅうしゃく 2]。これにたいして、アリストテレスの学派がくはストラトンは、空気くうき圧縮あっしゅくする実験じっけんによって、原子げんし距離きょりちぢ余地よち(すなわち原子げんし存在そんざいしない空間くうかん真空しんくう)の存在そんざい主張しゅちょうした。

この議論ぎろん決着けっちゃくがついたのは17世紀せいきはいってからであった。1643ねんエヴァンジェリスタ・トリチェリは、一方いっぽうはしじたガラスかん水銀すいぎんたし、このガラスかんてると、水銀柱すいぎんちゅうやく76cmとなり、それよりうえ部分ぶぶん真空しんくうになっていることを発見はっけんした。[注釈ちゅうしゃく 3]また、オットー・フォン・ゲーリケ1657ねん、ブロンズせい半球はんきゅうを2つわせて中空ちゅうくうたまにして、内部ないぶ空気くうきいて真空しんくうにするという実験じっけんおこなった。この2つの半球はんきゅうはぴったりとくっき、16とううまることでようやくはずすことができた。この実験じっけんマクデブルクの半球はんきゅうとしてられている。これらは真空しんくう発見はっけんであると同時どうじに、気圧きあつ発見はっけんでもあった。なに存在そんざいしない以上いじょう、その空間くうかんなんらかの吸引きゅういんりょく発揮はっきするわけがなく、周囲しゅうい空間くうかんからの圧力あつりょく想定そうていしないわけにはいかないからである。

真空しんくう一般いっぱんしていくのは18世紀せいきはいってからである。この時期じき様々さまざま真空しんくうポンプ開発かいはつされ、蒸気じょうき機関きかんや、排水はいすいポンプ、紡績ぼうせき機械きかいなどの動力どうりょく利用りようされるようになった。19世紀せいきはいると白熱はくねつ電球でんきゅうや、真空しんくうかんなどが開発かいはつされることで一般いっぱんに「真空しんくう」という名称めいしょうひろがっていくことになる。またそれらの開発かいはつ製造せいぞうのためのより高性能こうせいのう真空しんくうポンプの開発かいはつすすむようになった。

20世紀せいきはいると電球でんきゅう真空しんくうかん進歩しんぽや、真空しんくうちゅうにおける技術ぎじゅつ発展はってんにより、粒子りゅうし加速器かそくき電子でんし顕微鏡けんびきょうなど真空しんくう利用りようした機器きき発達はったつ、また電子でんしイオン関係かんけいするあらたな知識ちしき技術ぎじゅつまれていった。一方いっぽう食品しょくひん鉄鋼てっこうなどの産業さんぎょう真空しんくう利用りようされるようになると真空しんくうポンプや真空しんくうけい真空しんくう部品ぶひんなどが産業さんぎょうされ発展はってんしていった。日常にちじょう生活せいかつでは、空気くうき完全かんぜんいた真空しんくうパック真空しんくうによるこおり昇華しょうか利用りようしたフリーズドライという手法しゅほうひろ実用じつようされた。

とくに1953ねんB-Aゲージ開発かいはつされるといままで測定そくていできなかったちょうこう真空しんくう測定そくてい可能かのうとなり、ちょうこう真空しんくう対応たいおうした真空しんくうポンプや真空しんくう部品ぶひん発展はってんしていくことになる。

現代げんだいにおける代表だいひょうてき真空しんくう利用りよう電子でんし工業こうぎょう用途ようとである。この分野ぶんや発展はってんにより真空しんくう関連かんれん産業さんぎょう急速きゅうそく発展はってんし、いまではおおくの産業さんぎょうささえる基盤きばん産業さんぎょうとして貢献こうけんしている。

真空しんくう実現じつげん方法ほうほう[編集へんしゅう]

大気たいきちゅうにある容器ようきない真空しんくうにするために各種かくしゅ真空しんくうポンプ使用しようする。

10−1 Pa程度ていど真空しんくうは、ロータリーポンプ手軽てがるることができる。真空しんくうデシケーターひとしではこの程度ていど真空しんくう十分じゅうぶんである。

スパッタひとし真空しんくうなりまく装置そうちではプラズマ発生はっせい気体きたい残留ざんりゅうするのをふせぐため、10−5 Pa程度ていど真空しんくうもとめられる。このような場合ばあい真空しんくうよう材料ざいりょう製作せいさくされた真空しんくうチャンバーどうガスケットをもちい、ターボ分子ぶんしポンプ(TMP)で排気はいきすることにより達成たっせいできる。

分子ぶんしせんエピタキシー(MBE)電子でんし顕微鏡けんびきょう粒子りゅうし加速器かそくきひとし、10−9 Paだい真空しんくうもとめられる場合ばあいは、達成たっせいさらおおくの工程こうてい必要ひつようとなる。真空しんくうチャンバーをターボ分子ぶんしポンプ (TMP) でこう真空しんくう状態じょうたいにしたのち真空しんくうチャンバー全体ぜんたい加熱かねつベーキング)して、チャンバ内壁ないへき付着ふちゃくした気体きたい分子ぶんし排除はいじょする必要ひつようがある。排気はいきだい排気はいきりょうのターボ分子ぶんしポンプ (TMP) のみでも可能かのうであるが、おおくの場合ばあいイオンポンプゲッターポンプもちいられる。MBEよう真空しんくうチャンバーでは、チャンバーない蒸着じょうちゃくおこなうため、チャンバーの壁面へきめん液体えきたい窒素ちっそシュラウドをもうけ、壁面へきめん冷却れいきゃくすることで内部ないぶ残留ざんりゅうした気体きたい分子ぶんし固着こちゃくさせ、真空しんくうげる手法しゅほうもちいられている。容積ようせき V排気はいき速度そくど S のポンプで排気はいきしたときの圧力あつりょく p = p0exp(−St/V) となる。ただし t = 0 で p = p0 とする。また、コンダクタンス C1 のパイプのながさを m ばいにすると、コンダクタンスは C1/m になる。

真空しんくう計測けいそく方法ほうほう[編集へんしゅう]

真空しんくう度合どあいの計測けいそくは、空間くうかんなか存在そんざいする原子げんし分子ぶんしによって気体きたい分子ぶんし運動うんどうろんてきしょうじる圧力あつりょく測定そくていする方法ほうほうによる。 真空しんくうはじめて測定そくていしたのは1643ねんトリチェリ発明はつめいした水銀すいぎん気圧きあつけいによる。現在げんざいまでにおおくの真空しんくうけい発明はつめいされてきたが、現在げんざいでは大気たいきあつからおよそ16けたおよひろ範囲はんい測定そくていすることができるようになっている。これらの真空しんくうけい測定そくてい原理げんりからおおきく2つにけることができる。ひとつは測定そくてい領域りょういきせっしている固体こたい表面ひょうめんたいして気体きたい分子ぶんしおよぼすちから直接ちょくせつはか絶対ぜったいあつ計測けいそくがた、もうひとつは気体きたい分子ぶんし密度みつど依存いぞんして変化へんかする物理ぶつりりょうねつ電流でんりゅう)を測定そくてい圧力あつりょく換算かんさんする分子ぶんし密度みつどがたである。

真空しんくうないでの気体きたい性質せいしつ[編集へんしゅう]

気体きたい分子ぶんし密度みつど[編集へんしゅう]

気体きたい非常ひじょうすうおおくの分子ぶんしからなっており、0 ℃、1気圧きあつ空気くうきであれば1 cm3なかふくまれる気体きたい分子ぶんしかずは2.69×1019である。温度おんど一定いっていなら単位たんい体積たいせきたりの気体きたい分子ぶんしかず圧力あつりょく比例ひれいする。一般いっぱんてき静止せいし衛星えいせい軌道きどう程度ていど高度こうど(100,000 km)であれば空気くうきはまったくいとおもわれがちであるが、この高度こうどでも圧力あつりょく存在そんざい(10−13 Pa程度ていど)し1 cm3空間くうかんすうじゅう気体きたい分子ぶんし存在そんざいしている。

マクスウェルの速度そくど分布ぶんぷ[編集へんしゅう]

気体きたいちゅうおおくの分子ぶんしがばらばらの速度そくど無秩序むちつじょまわっている。これを統計とうけいてきると定常ていじょう状態じょうたいではある一定いってい分布ぶんぷしめす。これはマクスウェルの速度そくど分布ぶんぷそくばれる。

平均へいきん自由じゆう行程こうてい[編集へんしゅう]

真空しんくうちゅうでは1気圧きあつ気体きたいちが圧力あつりょく領域りょういきにより気体きたいいがわってくる。気体きたいとは1気圧きあつちゅうでは連続れんぞく流体りゅうたいとしてあつかわれるが、厳密げんみつには勝手かってまわ分子ぶんしあつまりである。分子ぶんしちいさいながらもおおきさをっているので、移動いどうちゅう分子ぶんし衝突しょうとつする。衝突しょうとつすることで方向ほうこう速度そくどえ、ふたたべつ分子ぶんし衝突しょうとつする。この衝突しょうとつから衝突しょうとつまでの距離きょり平均へいきん平均へいきん自由じゆう行程こうてい(mean free path)という。

平均へいきん自由じゆう行程こうてい気体きたい分子ぶんし直径ちょっけいD分子ぶんし密度みつどn とすると Dn比例ひれいする。

目安めやすとして空気くうき平均へいきん自由じゆう行程こうてい室温しつおん、10−1 Pa、でやく5 cmである。

衝突しょうとつ頻度ひんど[編集へんしゅう]

容器ようき表面ひょうめん衝突しょうとつする気体きたい分子ぶんしかずはそこに存在そんざいする気体きたい分子ぶんし密度みつど分子ぶんしねつ運動うんどう平均へいきん速度そくど比例ひれいする。これらは分子ぶんしりゅう領域りょういきでの真空しんくう排気はいき薄膜うすまく形成けいせいには非常ひじょう重要じゅうよう数値すうちとなる。

圧力あつりょく[編集へんしゅう]

気体きたい存在そんざいすると気体きたい分子ぶんし同士どうし運動うんどうによりうごまわり、それらの衝突しょうとつによりたった対象たいしょう気体きたい分子ぶんしおもさにおうじた衝撃しょうげきくわわる。気体きたいちゅうかべがあっても同様どうようであり、気体きたい分子ぶんしつねかべ衝突しょうとつし、その衝撃しょうげきによりかべちからくわわる。そのちから単位たんい面積めんせきったちから圧力あつりょくである。

JISにおいては 「空間くうかんないのあるてんふく仮想かそう微小びしょう平面へいめん両側りょうがわ方向ほうこうから通過つうかする分子ぶんしによって、単位たんい面積めんせきたり、単位たんい時間じかん輸送ゆそうされる運動うんどうりょうめん垂直すいちょく成分せいぶん総和そうわ空間くうかんない定常ていじょうてき気体きたいながれがあるときは、ながれの方向ほうこうたいしてめんかたむきを規定きていする。」 となっている。

真空しんくうでは圧力あつりょく単位たんい国際こくさい単位たんいけいPa(パスカル)であらわされるが、トリチェリによる真空しんくう発見はっけん功績こうせきにちなむ Torr(トル)はむかしから使用しようされており、ふる書籍しょせきむかしながらの真空しんくう技術ぎじゅつしゃいまでも使用しようしている。

真空しんくう排気はいきされた真空しんくうチャンバー内側うちがわ分子ぶんしりょうって外側そとがわからのちからおおきくなるためつね外側そとがわから差分さぶん圧力あつりょくけることになる。ほとんどの真空しんくう装置そうちでは100 Pa以下いか排気はいきされるため、事実じじつじょう1気圧きあつちからけることになる。

コンダクタンス[編集へんしゅう]

真空しんくう装置そうちでは真空しんくうチャンバーと真空しんくうポンプをつな配管はいかん必要ひつようになる。この配管はいかん真空しんくう排気はいきする場合ばあいには抵抗ていこうとして排気はいき速度そくどおくらせる要因よういんとなる。この配管はいかんによる抵抗ていこう逆数ぎゃくすうコンダクタンスという。したがって、コンダクタンスは気体きたいながれやすさをあらわす。

コンダクタンスは圧力あつりょくちが容器ようき(それぞれの圧力あつりょくとする。)をつな配管はいかんがあった場合ばあいそのつながれた配管はいかんちゅうにはながしょうじる。この場合ばあい配管はいかんのコンダクタンスは

あらわされる。

気体きたいなが[編集へんしゅう]

気体きたいながれにはらんりゅう粘性ねんせいりゅう分子ぶんしりゅうがある。大気たいき状態じょうたい突然とつぜんながれがしょうじた場合ばあいなどはらんりゅうしょうじ、部分ぶぶんてきうず振動しんどう発生はっせいするなどしてほこり粉塵ふんじんがる要因よういんとなる。そのため、真空しんくうチャンバーを排気はいきする場合ばあい真空しんくうバルブをゆっくりひら排気はいき速度そくど調整ちょうせいすることでらんりゅうおさえることができる。気体きたい圧力あつりょくたか領域りょういきでは気体きたいながれにおいて気体きたい分子ぶんし同士どうし衝突しょうとつ大半たいはんめるため粘性ねんせいによりながれる。これにたい圧力あつりょくがり、気体きたい分子ぶんしが、気体きたい分子ぶんし同士どうしより真空しんくうチャンバーの壁面へきめんとの衝突しょうとつおおくなっていく領域りょういき分子ぶんしりゅうという。

粘性ねんせいりゅう分子ぶんしりゅう[編集へんしゅう]

平均へいきん自由じゆう行程こうてい分子ぶんし密度みつど反比例はんぴれいする。分子ぶんし密度みつどはそのまま圧力あつりょく比例ひれい関係かんけいなので圧力あつりょく反比例はんぴれいし、圧力あつりょく低下ていかすると平均へいきん自由じゆう行程こうていながくなる。この平均へいきん自由じゆう行程こうていλらむだ真空しんくう装置そうち代表だいひょうてきながLったKnクヌーセンすうという。

Kn が0.3以上いじょう平均へいきん自由じゆう行程こうてい真空しんくう空間くうかんかべたとえば真空しんくうチャンバのかべ)のあいだ距離きょりの30ばいよりおおきくなると分子ぶんし同士どうし衝突しょうとつではなくほとんどが分子ぶんしかべ衝突しょうとつになる。このような領域りょういき分子ぶんしりゅう領域りょういき(molecular flow region)という。

これにたいして分子ぶんし同士どうし十分じゅうぶん衝突しょうとつしている領域りょういき(クヌーセンすう<0.01)を粘性ねんせいりゅう領域りょういき(viscous flow region)という。粘性ねんせいりゅう領域りょういき気体きたい連続れんぞく流体りゅうたいとしてかんがえることが出来できる。

クヌーセンすうが0.01~0.3のあいだ場合ばあいちゅうあいだりゅう領域りょういき(intermediate flow region)といい、分子ぶんしりゅう性質せいしつ粘性ねんせいりゅう性質せいしつ複雑ふくざつからったいをしめす。

沸点ふってん[編集へんしゅう]

液体えきたいはある温度おんどになると液体えきたい表面ひょうめんから気化きか蒸発じょうはつ)がはじまる。同時どうじ液体えきたい内部ないぶにも上記じょうき気泡きほうができるようになり、沸騰ふっとうこる。この沸騰ふっとうこる温度おんど沸点ふってんという。沸点ふってん外圧がいあつおおきくすると上昇じょうしょうし、外圧がいあつがると下降かこうする。通常つうじょうすいは1気圧きあつ、100 ℃で沸騰ふっとうする。しかし富士山ふじさん山頂さんちょうでは気圧きあつひくいためひく温度おんどやく88 ℃)で沸騰ふっとうすることがよくられている。

みず沸点ふってんはおよそ300 mのぼるごとに1 ℃がる。このような現象げんしょうみずだけにかぎらずアルコールや石油せきゆなどすべてのものにてはまる。これは、沸騰ふっとうが「液体えきたい分子ぶんし運動うんどうエネルギーが周囲しゅうい圧力あつりょく分子ぶんし衝突しょうとつのエネルギー)を上回うわまわって液体えきたい分子ぶんし空間くうかんちゅう放出ほうしゅつされる現象げんしょう」であるためである。このときの分子ぶんし運動うんどうエネルギーは圧力あつりょくとして観測かんそくされるが、ある温度おんどにおいて沸騰ふっとうはじまる(「液体えきたい分子ぶんし運動うんどうエネルギー=周囲しゅうい圧力あつりょく」となる)圧力あつりょく蒸気じょうきあつといい、物質ぶっしつにより固有こゆうる。

一方いっぽう固体こたいから液体えきたいわる融点ゆうてん気化きかほど周囲しゅうい圧力あつりょく影響えいきょうけない。

ひかり透過とうか吸収きゅうしゅう[編集へんしゅう]

大気たいき紫外線しがいせん可視かし光線こうせん赤外線せきがいせんたいして透明とうめいだが、およそ185 nm以下いか波長はちょうたいしては不透明ふとうめいになる。これは空気くうきちゅう酸素さんそ分子ぶんし波長はちょう240 nm以下いか紫外線しがいせん吸収きゅうしゅうすることや、窒素ちっそ分子ぶんしが185 nm以下いか紫外線しがいせん吸収きゅうしゅうすることによる。よって紫外線しがいせん実験じっけんなどをおこな場合ばあいには空気くうき排気はいきした真空しんくうチャンバー(10−3 Pa以下いか)でおこなわなければならない。同様どうようにガラスも紫外線しがいせんたいして透明とうめいではないため、紫外線しがいせん利用りようする実験じっけんおこな場合ばあい石英せきえいガラスのように紫外線しがいせんたいして透明とうめいたか材料ざいりょう使用しようするなど、器材きざいについても十分じゅうぶん検討けんとうしなければならない。

おと伝播でんぱ[編集へんしゅう]

太鼓たいこたたくと太鼓たいこかわがへこみ、その表面ひょうめん近傍きんぼう圧力あつりょくひくくなる(気体きたい分子ぶんし分布ぶんぷうとになる)。しかしつぎ瞬間しゅんかんにはかわかえってくるため、かわ表面ひょうめん近傍きんぼう空気くうきされて圧力あつりょくたかくなる(気体きたい分子ぶんし分布ぶんぷみつになる)。これをかえ圧力あつりょく変動へんどう伝播でんぱするとおととなる。真空しんくうちゅうでは気体きたい分子ぶんし密度みつどひくいため音源おんげん振動しんどう十分じゅうぶんつたえられなくなる。分子ぶんしりゅう領域りょういきにいたっては振動しんどうによる気体きたい分子ぶんし分布ぶんぷ粗密そみつがほぼしょうじないためおと発生はっせいしない。粘性ねんせいりゅう領域りょういきであればおと伝播でんぱするが、気体きたい分子ぶんし平均へいきん自由じゆう行程こうてい音波おんぱ波長はちょうとのいでまる。

ねつ伝導でんどう[編集へんしゅう]

物質ぶっしつない温度おんどがあると高温こうおんから低温ていおんがわねつ移動いどうする。このときねつだけが移動いどうする場合ばあいねつ伝導でんどうという。ねつ移動いどう温度おんど勾配こうばいぎゃく方向ほうこうながれる。気体きたい液体えきたい固体こたいくらべて分子ぶんし密度みつどちいさいため熱容量ねつようりょうひくねつ伝導でんどうりつひくくなっている。ねつ分子ぶんし運動うんどうエネルギーであるため分子ぶんし同士どうしがおたがいにエネルギーを交換こうかんうことでねつ伝導でんどうするが、真空しんくう場合ばあい気体きたい分子ぶんし同士どうし衝突しょうとつ頻度ひんどすくなくなるためねつ伝導でんどう効率こうりつきわめてわるくなる。

平均へいきん自由じゆう行程こうてい高温こうおん部分ぶぶんと、低温ていおん部分ぶぶんとのあいだ距離きょりよりも十分じゅうぶんながくなると高温こうおん分子ぶんし直接ちょくせつ低温ていおん部分ぶぶん到達とうたつする。分子ぶんし密度みつど圧力あつりょく比例ひれいするためねつ伝導でんどうりつ気体きたい圧力あつりょく比例ひれいする。この比例ひれい関係かんけい利用りようしたのがピラニ真空しんくうけいである。

電気でんき伝導でんどう[編集へんしゅう]

空気くうき通常つうじょう不導体ふどうたいであるが、空気くうきちゅう電極でんきょくあいだ直流ちょくりゅう電圧でんあつ印加いんかすると、自然しぜん発生はっせいした電子でんし加速かそくされて気体きたい分子ぶんし電離でんりし、導電性どうでんせいびるようになる。このときに電極でんきょくあいだにわずかに電流でんりゅうながれる。さらに電極でんきょくあいだ電圧でんあつたかめると、ある電圧でんあつ絶縁ぜつえん破壊はかいがおき、火花ひばな放電ほうでんこる。これは自然しぜんかいかみなりきる原理げんりおなじである。この火花ひばな放電ほうでんこる電圧でんあつ火花ひばな電圧でんあつといい、パッシェンの法則ほうそくしたがう。電極でんきょくあいだ距離きょりおよび気圧きあつせき火花ひばな電圧でんあつとの関係かんけい図示ずししたものをパッシェン曲線きょくせんといい、気体きたい種類しゅるいにもよるが電極でんきょくあいだ距離きょりおよび気圧きあつせきおおむね10−2-10−1 [Torr・m]の範囲はんい火花ひばな電圧でんあつ最低さいていり、さらにそれ以下いか範囲はんいでは火花ひばな電圧でんあつ急激きゅうげきたかくなる。このことから、ある電極でんきょくあいだ距離きょりたいして気圧きあつとのせきがこの範囲はんい以下いかとなるようなこう真空しんくうにすることによってたか絶縁ぜつえんせいられることがわかる。これを応用おうようした機器きき真空しんくう遮断しゃだんである。

放電ほうでん現象げんしょう[編集へんしゅう]

ある程度ていど真空しんくうちゅう(1.3 kPa程度ていど)に電極でんきょくき、その電極でんきょくあいだ直流ちょくりゅうこう電圧でんあつくわえると発光はっこうする。これをグロー放電ほうでんという。

この放電ほうでんをガラスかんちゅうこすと管長かんちょう内部ないぶ発光はっこう状態じょうたいことなる。陰極いんきょくから陽極ようきょくかって陰極いんきょく暗部あんぶグロー、ファラデー暗部あんぶ陽光ようこうばしら観察かんさつされる。グロー、陽光ようこうばしら気体きたい種類しゅるいことなり、窒素ちっそではグローが青色あおいろ陽光ようこうばしら赤色あかいろになる。

また、陰極いんきょく近傍きんぼうでは電位でんい分布ぶんぷグローにかってほぼ直線ちょくせんじょう上昇じょうしょうする。したがってこの陰極いんきょく付近ふきんでは電界でんかいたかく、すうおおくのエネルギーを電子でんし気体きたい分子ぶんしとの衝突しょうとつによってさかんにせいイオンがつくられる。せいイオンは加速かそくされて陰極いんきょく金属きんぞく衝突しょうとつし、せいイオンとの運動うんどうりょう交換こうかんにより陰極いんきょく電子でんし金属きんぞく空間くうかん放出ほうしゅつされる。これをスパッタ作用さようといいその結果けっか放出ほうしゅつされた陰極いんきょく電子でんし金属きんぞく物質ぶっしつ陰極いんきょく近辺きんぺんのガラスかん内壁ないへき付着ふちゃくするようになる。 このスパッタ作用さよう現在げんざいでは陰極いんきょく物質ぶっしつ対象たいしょうぶつ蒸着じょうちゃく薄膜うすまく形成けいせいするための主要しゅよう手段しゅだんになっている。

また陽光ようこうばしら部分ぶぶん電子でんし密度みつどせいイオン密度みつどがほぼひとしい、いわゆるプラズマ状態じょうたいになる。この陽光ようこうばしらプラズマは蛍光けいこうとうガスレーザーかんネオンかんなどに利用りようされている。

摩擦まさつ[編集へんしゅう]

接触せっしょくしているふたつの物体ぶったい相互そうご運動うんどうしているとき、あるいは運動うんどうしようとするときに、その接触せっしょくめんにおいて運動うんどう反対はんたい方向ほうこうちからくわわる。このちから摩擦まさつりょくという。摩擦まさつりょく摩擦まさつめんはたら垂直すいちょく荷重におも比例ひれいするが、この摩擦まさつりょく垂直すいちょく荷重かじゅうじょした摩擦まさつ係数けいすうとして定義ていぎされる。大気たいきちゅうでの摩擦まさつ係数けいすうはおよそ1以下いかになるが、こう真空しんくうちゅうでは金属きんぞく同士どうし摩擦まさつ係数けいすうとして100ちか数値すうちになることがられている。この原因げんいんとして金属きんぞく表面ひょうめんには大気たいきちゅうであれば酸化さんかぶつ様々さまざま吸着きゅうちゃくぶつによっておおわれておりそれらが潤滑じゅんかつざいになるが、こう真空しんくうちゅうではそれらがのぞかれるためであるとかんがえられている。

また金属きんぞく同士どうし摩擦まさつにおいては少量しょうりょう酸素さんそによって摩擦まさつ係数けいすう低下ていかする。

真空しんくうちゅうもの駆動くどうさせる要求ようきゅうは、半導体はんどうたい製造せいぞう装置そうちおもとする真空しんくう装置そうちや、宇宙うちゅうよう機器ききにおいておおくあるが、大気たいきちゅう駆動くどうする場合ばあいくらべて摩擦まさつ係数けいすうおおきくなる。

機械きかい部品ぶひん駆動くどうさせる場合ばあいには大気たいきちゅうでは潤滑油じゅんかつゆなどで駆動くどうさせるが、真空しんくうちゅうではあぶら蒸発じょうはつしてしまうため潤滑油じゅんかつゆ使用しようすることができない。そこで宇宙うちゅうよう機器ききでは固体こたい潤滑じゅんかつできる固体こたい潤滑じゅんかつざいひろ使用しようされる。

真空しんくう利用りよう[編集へんしゅう]

真空しんくうはそれ自体じたいでは価値かちいが、真空しんくうにおける特性とくせい利用りようすることでおおくの価値かちすことが出来できる。真空しんくう利用りようさかんになったのは18世紀せいき以降いこうで20世紀せいきとくに1960年代ねんだい以降いこう産業さんぎょう基盤きばん技術ぎじゅつとしてひろ利用りようされるようになった。

おも真空しんくう清浄せいじょうせい物理ぶつり特性とくせい利用りようしたもの[編集へんしゅう]

圧力あつりょく低下ていか圧力あつりょく)を利用りようしたもの[編集へんしゅう]

気体きたい分子ぶんし密度みつど利用りようしたもの[編集へんしゅう]

気体きたい分子ぶんし平均へいきん自由じゆう行程こうていながくなることを利用りようしたもの[編集へんしゅう]

分子ぶんし入射にゅうしゃ頻度ひんど減少げんしょうさせ、清浄せいじょうめん長時間ちょうじかん持続じぞくさせるもの[編集へんしゅう]

液体えきたい利用りようしたもの[編集へんしゅう]

おも真空しんくう化学かがく特性とくせい利用りようしたもの[編集へんしゅう]

おも半導体はんどうたいプロセスで利用りようされていて、電子でんしやイオン、プラズマやひかりによる化学かがく反応はんのう利用りようしている。

プラズマ反応はんのう利用りようによるなりまくあらためしつ[編集へんしゅう]

  • 材料ざいりょう合成ごうせい
  • 表面ひょうめんあらためしつ

高速こうそくイオン注入ちゅうにゅうによる組成そせい変更へんこう[編集へんしゅう]

ガス分子ぶんし分解ぶんかい析出せきしゅつによるなりまく[編集へんしゅう]

ガスと表面ひょうめんとの反応はんのうによるなりまく形成けいせい[編集へんしゅう]

ガスの反応はんのうによる表面ひょうめん除去じょきょ[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 26,900,000,000,000,000,000。2,690きょう
  2. ^ このかんがかたもとづいて、天体てんたい運動うんどう真空しんくうしょうじない天球てんきゅう回転かいてん運動うんどうでなくてはならず、楕円だえん運動うんどう直線ちょくせん運動うんどうではありえないとろんじられた。
  3. ^ 実際じっさいには低圧ていあつによって蒸発じょうはつした水銀すいぎん気体きたいたされている

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ JIS Z 8126-1:1999「真空しんくう技術ぎじゅつ用語ようごだい 1 一般いっぱん用語ようご日本にっぽん産業さんぎょう標準ひょうじゅん調査ちょうさかい経済けいざい産業さんぎょうしょう
  2. ^ 広瀬ひろせたてなり細田ほそだ昌孝まさたか真空しんくうとはなにか』講談社こうだんしゃ、1984ねん、115ぺーじISBN 4-06-118155-6 
  3. ^ 広瀬ひろせたてなり細田ほそだ昌孝まさたか真空しんくうとはなにか』講談社こうだんしゃ、1984ねん、105ぺーじISBN 4-06-118155-6 

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]