LABYRINTH (来生きすぎたかおのアルバム)

『LABYRINTH』
来生きすぎたかお の スタジオ・アルバム
リリース	1984年ねん12月1日にち
録音ろくおん	1984年ねん4月がつ・9月 （Studio des Dames）
ジャンル	ニューミュージック
時間じかん	40分ふん36秒びょう
レーベル	キティレコード
プロデュース	ポール・モーリア
チャート最高さいこう順位じゅんい
LP：17位い（オリコン） CT：17位い（オリコン）
来生きすぎたかお アルバム 年表ねんぴょう
Visitor (1983年ねん) LABYRINTH (1984年ねん) LABYRINTH II (1991年ねん)

『LABYRINTH』（ラビリンス）は、1984年ねんにリリースされた来生きすぎたかおの企画きかくアルバム（LP〈規格きかく品番ひんばん：28MS-0068〉/CT〈規格きかく品番ひんばん：28CS-0058〉/CD〈規格きかく品番ひんばん：3133-20〉）である。

概要がいよう

※原則げんそく的てきに、来生きすぎたかおは“来生きすぎ”に省略しょうりゃく、来生きすぎえつこは“来生きすぎえつこ”と表記ひょうき。

提供ていきょう曲きょくのカヴァーとオリジナル曲きょく「今いまのままでいて」で構成こうせいされており、来生きすぎのアルバムでは初はじめてデジタルレコーディングで制作せいさくされた。ジャケット・バックカバー・歌詞かしカードには横尾よこお忠則ただのりのアートワークが施ほどこされている。

ポール・モーリアは、必然ひつぜん性せいを感かんじないという理由りゆうで日本にっぽんのアーティストからのプロデュース依頼いらいを断たっていたが、来生きすぎの楽曲がっきょくと自身じしんの編曲へんきょくは合あうと感かんじ、東洋とうようと西洋せいようの“幸しあわせな結婚けっこん”を成なし遂とげられるのではないかと感かんじ、引ひき受うけたという。結果けっか、ポール・モーリアのプロデュース及および全ぜん編曲へんきょくによる邦楽ほうがくのヴォーカルアルバムは、この1枚まいだけとなった。

ポール・モーリアは、来生きすぎは“一見いっけんシンプルだが人ひとの耳みみを惹ひき付つける明快めいかいでロマンティックな音楽おんがくを創つくるアーティスト”であり、そのメロディーとヴォーカルが持もつオリジナリティーに尊敬そんけいの念ねんを抱だいたと述のべ、その作品さくひんは多少たしょうヨーロッパ的てきに聞きこえ、もしフランス人じんが歌うたったらフランスの楽曲がっきょくだと思おもわれるかも知しれないが、そのメロディーが持もつセンチメンタルかつロマンティックな雰囲気ふんいきはフランスにはない日本にっぽん的てきな響ひびきに聞きこえる、と語かたっている。なお、研けんナオコのアルバム『スタンダードに悲かなしくて』（1983年ねん9月21日にちリリース）に収録しゅうろくされた提供ていきょう曲きょく「夜よるに蒼あおざめて」もカヴァーの候補こうほに挙あがっており、オケも完成かんせいしていたものの、収録しゅうろくは見送みおくられた。

ポール・モーリアの作業さぎょうは、全ぜん歌詞かしをフランス語ふらんすごに訳やくさせるところから始はじまった。最もっとも神経しんけいを使つかったのがストリングスで、来生きすぎ作品さくひんの魅力みりょくを生いかすにはヴァイオリンによるコントル・シャン（対偶たいぐう主義しゅぎ）が一番いちばんと考かんがえ、対たいするリズム・アレンジは現代げんだい的てきなものとした。この組くみ合あわせは大だい成功せいこうだったと語かたっている。一方いっぽう、来生きすぎは1984年ねん9月14日にちから10月2日にちにかけて渡わたり仏ふつし、ポール・モーリアがよく使用しようしていたパリの“スタジオ・ダム”でヴォーカルのレコーディングを行おこなった。自じ作品さくひんのメロディーを生いかしてくれる美うつくしいストリングスを嬉うれしく感かんじたという。

また、同年どうねんに開催かいさいされたポール・モーリアの来日らいにち公演こうえん『PAUL MAURIAT JAPAN TOUR 1984』の11月23日にち（東京とうきょう都と・NHKホール）・12月2日にち（大阪おおさか府ふ・大阪おおさかフェスティバルホール）にゲスト出演しゅつえんし、後者こうしゃの一部いちぶはTBS系けい音楽おんがく番組ばんぐみ『ザ・ベストテン』で生なま中継ちゅうけいもされた。また、本ほんアルバムの収録しゅうろく曲きょくを基調きちょうとした『LABYRINTH TAKAO KISUGI with PAUL MAURIAT』（LD・VHS・VHD）も制作せいさくされている。

リリース当時とうじ、野田のだ圭一けいいちのナレーションによる“素顔すがおのままで観みて下ください。来生きすぎたかおがポール・モーリアと共演きょうえんする話題わだいのニュービデオ『ラビリンス』好評こうひょう発売はつばい中ちゅう”の謳うたい文句もんくで、テレビCFも放送ほうそうされた。

復刻ふっこく盤ばん

• 1991年ねん4月がつ25日にち：CD（規格きかく品番ひんばん：KTCR-1055）
• 2007年ねん3月21日にち：オリジナルアルバム・企画きかくアルバムを集あつめた21枚まい組ぐみCD-BOX『来生きすぎたかお大だい全集ぜんしゅう』（ユニバーサルミュージック/規格きかく品番ひんばん：UPCY-6355/75）に1991年版ねんばんを収録しゅうろく（規格きかく品番ひんばん：UPCY-6374）。

パッケージの体裁ていさい

アルバムタイトル

※初出しょしゅつのジャケット表記ひょうき“LABYRINTH”以外いがいのもの

ケースの側面そくめん部ぶ

• LP：？
• CT：？
• オリジナル版ばんCD・1991年版ねんばんCD：“LABYRINTH”“ラビリンス”の併用へいよう

帯おび

• LP・オリジナル版ばんCD・1991年版ねんばんCD：“ラビリンス”

なお、各種かくしゅディスコグラフィーによっても表記ひょうきは片仮名かたかなやアルファベットになっている。

ディスクジャケット

• オリジナル版ばんCD：ジュエルケースに2つ折おりのカード（及および、歌詞かしカード）を挿入そうにゅう
• 1991年版ねんばんCD：ジュエルケースに2つ折おりのカード（及および、オリジナル版ばんCDのものを基調きちょうとした歌詞かしカード）を挿入そうにゅう
• 2007年版ねんばんCD：ジュエルケースに2つ折おりのカード（及および、オリジナル版ばんCDのものを基調きちょうとした歌詞かしカード）（及および厚紙あつがみ製せいケース付つき）

帯おびのコピー

• LP：ポール・モーリアプロデュース・アレンジ 来生きすぎたかお待望たいぼうのフランス・レコーディング Including The New Single 白しろいラビリンス（迷まよい）
• オリジナル版ばんCD：ポール・モーリアプロデュース・アレンジ 来生きすぎたかお待望たいぼうのフランス・レコーディング（帯おびはシール仕様しよう・ジャケットとの一体いったい型がた仕様しようがある）
• 1991年版ねんばんCD：記載きさいなし

収録しゅうろく曲きょく

LP版ばん・CT版ばん（CD版ばんは省略しょうりゃく）

※各かく曲きょくの収録しゅうろく時間じかんはLPに記載きさいがないためCDに準拠じゅんきょ

SIDE 1

1. 逢瀬おうせ（3：44）
   • 作詞さくし：来生きすぎえつこ / 作曲さっきょく：来生きすぎたかお / 編曲へんきょく：ポール・モーリア
   • 元々もともと、桃井ももいかおりのアルバム『SHOW?』（1982年ねん11月1日にちリリース）に収録しゅうろくされ、来生きすぎがデュエットで参加さんかしている。
   • 樋口ひぐち可南子かなこが、アルバム『からたちの花はなが、咲さいたそうだよ。〜ka・na・ko』（1983年ねん11月30日にちリリース）でカヴァーしている。
   • 本ほんアルバムの中なかで好すきな楽曲がっきょくを問とわれたポール・モーリアが、その1つとして挙あげている。
   • 来生きすぎえつこによれば、登場とうじょうする男性だんせいは実みの夫おっとがモデルになっているという。また、来生きすぎえつこによる同名どうめい小説しょうせつが短たん編集へんしゅう『エピソード』（角川書店かどかわしょてん/1988年ねん）に収おさめられている。
2. 今いまのままでいて（4：24）
   • 作詞さくし：来生きすぎえつこ / 作曲さっきょく：来生きすぎたかお / 編曲へんきょく：ポール・モーリア
   • 本ほんアルバムで唯一ゆいいつ、当初とうしょから自身じしんが歌うたうことを想定そうていして書かかれた楽曲がっきょくで、第だい17弾だんオリジナル・シングルの候補こうほに挙あがっていた。
   • ポール・モーリアは、リズムの中なかに日本にっぽん風ふうのノスタルジーを見出みいだし、好すきな1曲きょくとして挙あげている。
3. めぐり逢あい（3：53）
   • 作詞さくし：来生きすぎえつこ / 作曲さっきょく：来生きすぎたかお / 編曲へんきょく：ポール・モーリア
   • 高田たかだ真樹子まきこのアルバム『不機嫌ふきげんな天使てんし』（1977年ねん5月1日にちリリース）に収録しゅうろくされており、また、活動かつどう再開さいかい10周年しゅうねんメモリアル企画きかく“高田たかだ真樹子まきこ 来生きすぎたかおを歌うたう”としてリリースされたシングル「ハイウェイ」（2007年ねん10月5日にちリリース）には、セルフカヴァー・ヴァージョン（めぐり逢あい［ニュー・メイク］）が収録しゅうろくされている。
4. あしたの風ふう（4：24）
   • 作詞さくし：来生きすぎえつこ / 作曲さっきょく：来生きすぎたかお / 編曲へんきょく：ポール・モーリア
   • 石川いしかわセリのライヴ・アルバム『石川いしかわセリ・ファースト・ライブ』（1977年ねん11月5日にちリリース）に収録しゅうろくされているが、スタジオ・レコーディング版ばんは存在そんざいしない。
   • 来生きすぎが裏声うらごえを使つかっている数少かずすくない1曲きょく。
5. デイ・ブレイク （4：19）
   • 作詞さくし：来生きすぎえつこ / 作曲さっきょく：来生きすぎたかお / 編曲へんきょく：ポール・モーリア
   • 髙橋真梨子まりこのアルバム『Monologue』（1980年ねん8月がつ21日にちリリース）に収録しゅうろくされた楽曲がっきょく。
   • 来生きすぎのセルフカヴァー・アルバム第だい1弾だん『Visitor』で見送みおくられた収録しゅうろくが本ほんアルバムで実現じつげんし、第だい17弾だんオリジナルシングルの候補こうほにもなっていた。
   • ポール・モーリアが好すきな楽曲がっきょくとして挙あげている。
   • 来生きすぎえつこによる同名どうめい小説しょうせつが短たん編集へんしゅう『エピソード』に収おさめられている。

SIDE 2

1. さよならのエチュード（5：10）
   • 作詞さくし：来生きすぎえつこ / 作曲さっきょく：来生きすぎたかお / 編曲へんきょく：ポール・モーリア
   • 髙橋真梨子まりこのアルバム『ひとりあるき』（1979年ねん3月25日にちリリース）に収録しゅうろくされた楽曲がっきょく。
   • 最初さいしょにヴァース（序奏じょそう部分ぶぶん）が配置はいちされた凝こった作つくりになっている。
2. 白しろいラビリンス（迷まよい）（5：03）
   • 作詞さくし：来生きすぎえつこ / 作曲さっきょく：来生きすぎたかお / 編曲へんきょく：ポール・モーリア
   • 第だい17弾だんオリジナル・シングルとして1984年ねん11月1日にちにリリースされた。
   • 元々もともと“「セカンド・ラブ」の路線ろせんで”との依頼いらいで作つくられた中森なかもり明菜あきなへの提供ていきょう曲きょくで、中森なかもりのアルバム『POSSIBILITY』（1984年ねん10月がつ10日とおかリリース）に収録しゅうろくされているが、タイトルは「白しろい迷まよい（ラビリンス）」となっている。
   • メロディー自体じたいは、監督かんとく・小栗おぐり康平やすひら、主演しゅえん・田村たむら高廣たかひろのモノクロ映画えいが『泥どろの河かわ』（1981年ねん）をイメージしている。
   • ポール・モーリアが好すきな1曲きょくとして挙あげている。
   • 来生きすぎえつこによる同名どうめい小説しょうせつが短たん編集へんしゅう『エピソード』に収おさめられている。
3. 疑問符ぎもんふ（4：34）
   • 作詞さくし：来生きすぎえつこ / 作曲さっきょく：来生きすぎたかお / 編曲へんきょく：ポール・モーリア
   • 1983年ねん12月1日にちに河合かわい奈保子なほこがシングルとしてリリースした楽曲がっきょくである。
   • ポール・モーリアは、力強ちからづよいリズムの中なかにノスタルジックな短調たんちょうの調しらべを感かんじ、日本にっぽん的てきであると述のべている。
   • 来生きすぎえつこによる同名どうめい小説しょうせつが短たん編集へんしゅう『エピソード』に収おさめられている。
4. 星ほしのくちびる（4：59）
   • 作詞さくし：来生きすぎえつこ / 作曲さっきょく：来生きすぎたかお / 編曲へんきょく：ポール・モーリア
   • 森もり進一しんいちのアルバム『人ひとを恋こいうる唄うた』（1984年ねん8月がつ5日にちリリース）に収録しゅうろくされている「男おとこと女おんなのメモリー」を改題かいだいした楽曲がっきょくで、歌詞かしは同一どういつである。

参加さんかミュージシャン

記載きさいなし

参加さんかスタッフ

• Exective Producer：多賀たが英典ひでのり
• Producer：Paul Mauriat
• Director：本ほん間あいだ一いち泰やすし、石谷いしがや仁ひとし
• Engineers：Dominique Poncet
• Assistant Engineer：Mark Perignon
• Production Superviser：Velentin Coupeau & 宗像むねかた和男かずお
• Special Thanks To Mike Nakamura、キョードー東京とうきょう、日本にっぽんフォノグラム
• Cover Art：横尾よこお忠則ただのり
• Design：田島たじま照久てるひさ