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LunaH-Map

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
LunaH-Map
LunaH-Map探査たんさのレンダリング
所属しょぞく アリゾナ州立しゅうりつ大学だいがく
公式こうしきページ 公式こうしきウェブサイト
状態じょうたい 計画けいかく
目的もくてき つきみず探索たんさく
観測かんそく対象たいしょう つき
計画けいかく期間きかん 96日間にちかん(予定よてい)
打上うちあ SLS Block 1
打上うちあ日時にちじ 2022ねん11月(予定よてい)
物理ぶつりてき特長とくちょう
本体ほんたい寸法すんぽう 10×20×30 cm
質量しつりょう 14 kg[1]
おも推進すいしん ヨウもとイオンスラスタ BIT-3
姿勢しせい制御せいぎょ方式ほうしき さんじく安定あんてい制御せいぎょ
軌道きどう要素ようそ
周回しゅうかい対象たいしょう つき
軌道きどう ごく軌道きどう
きんてん高度こうど (hp) 15km以下いか
とおてん高度こうど (ha) 3,150km
軌道きどう傾斜けいしゃかく (i) 90
軌道きどう周期しゅうき (P) 10あいだ
観測かんそく装置そうち
Mini-NS 中性子ちゅうせいし検出けんしゅつ
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LunaH-Map (Lunar Polar Hydrogen Mapper)は2022ねんアルテミス1ごうげられる予定よていキューブサット10のうちの1。LunaH-Mapはつきにおけるみずごおり存在そんざい有無うむについて調査ちょうさおこな[1]アリゾナ州立しゅうりつ大学だいがくは2015ねんはじめにNASAからミッションを選定せんていされ、LunaH-Mapの開発かいはつはじめた。開発かいはつチームは研究けんきゅう代表だいひょうしゃのクレイグ・ハードグローブがひきいるやく20めい専門せんもん学生がくせいから構成こうせいされる[2]

目的もくてき

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LunaH-Mapはつき南極なんきょく地下ちか1mでの水素すいそりょう調しらべることを最大さいだい目的もくてきとしている。探査たんさつき周回しゅうかいごく軌道きどう投入とうにゅうされる。きんつきてんつき南極なんきょくちかくにあり、軌道きどう投入とうにゅう直後ちょくごシャクルトンクレーター上空じょうくうとお[1]。LunaH-Mapはつきのこの領域りょういきにおけるみずなどの水素すいそ化合かごうぶつ存在そんざいりょう分布ぶんぷについて過去かこのミッションよりもたか解像度かいぞうどのマップを作成さくせいする。この情報じょうほう太陽系たいようけいみずがどのように生成せいせいされ分布ぶんぷしているかの科学かがくてき理解りかい向上こうじょうや、将来しょうらい有人ゆうじんミッションでの生命せいめい維持いじ燃料ねんりょう生産せいさん使つかわれることが想定そうていされる。

LunaH-Mapは、マーズ・キューブ・ワンなどふか宇宙うちゅうキューブサットミッションとともに、惑星わくせい探査たんさにキューブサットをれるための重要じゅうよう技術ぎじゅつ実証じっしょうする[3]

歴史れきし

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LunaH-Mapは、クレイグ・ハードグローブとのちにLunaH-Mapのチーフエンジニアとなるイゴル・ラブジンが火星かせい使用しようされている中性子ちゅうせいし検出けんしゅつ空間くうかん分解能ぶんかいのう課題かだいについてわした議論ぎろんをきっかけに考案こうあんされた。探査たんさしゃキュリオシティ搭載とうさいされたDynamic Albedo of Neutrons (DAN) のような機器ききは、探査たんさしゃ後方こうほう車輪しゃりんあいだからおおよそ半径はんけい3mの範囲はんいしか測定そくていができない。一方いっぽうマーズ・オデッセイ搭載とうさいされたこうエネルギー中性子ちゅうせいし検出けんしゅつ (High Energy Neutron Detector, HEND) のような火星かせい周回しゅうかい軌道きどううえ中性子ちゅうせいし検出けんしゅつすうひゃくキロの範囲はんいおおきく不正確ふせいかく観測かんそくしかできない[4]現状げんじょうつき水素すいそ分布ぶんぷのマップでも同様どうよう問題もんだい存在そんざいしている。これらのマップの解像度かいぞうどげるため、ハードグローブはLunaH-Mapの軌道きどう既存きそん周回しゅうかいよりももっとつき南極なんきょくちかくをとおるよう設計せっけいした。

2015ねん4がつまでにハードグローブはさまざまな政府せいふ学術がくじゅつ民間みんかん機関きかんのメンバーから構成こうせいされるチームを結成けっせいし、NASAへの提案ていあん起草きそうした。2015ねん初頭しょとう、NASAの科学かがくミッション本部ほんぶ (SMD) はSIMPEx (Small Innovative Missions for Planetary Exploration) プログラムをとおして2のキューブサット、LunaH-MapとQ-PACE選定せんていした[4][5]

LunaH-Mapは2017ねんにNASAの詳細しょうさい設計せっけい審査しんさ通過つうかした[6]。ロケットへのインテグレーションはタイヴァック・ナノサテライト・システムズ英語えいごばんおこなった。

機体きたい

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LunaH-Mapの独特どくとくなミッションのため、機体きたいはいくつかの固有こゆう課題かだい対処たいしょする必要ひつようがある。一般いっぱんてき地球ちきゅうてい軌道きどうのキューブサットは既成きせいのハードウェア、目的もくてきのために製造せいぞうされた部品ぶひん購入こうにゅうして利用りようすることができる。しかしLunaH-Mapはほとんどの地球ちきゅうてい軌道きどうのキューブサットよりも長期間ちょうきかん、そしてよりとおくへ飛行ひこうするため、改造かいぞうほどこしていない民生みんせいひんのパーツがミッション期間きかんちゅうただしく機能きのうすることは期待きたいできないとかんがえられる。また、通常つうじょうのキューブサットとちがいLunaH-Mapはロケットから分離ぶんり目的もくてき軌道きどう自力じりき航行こうこうする必要ひつようがあるため、推進すいしんけい内蔵ないぞうしていなければならない[7]

主要しゅよう科学かがく観測かんそくよう装置そうちはエルパソライト (Cs2YLiCl6:Ce, CYLC) からつくられた中性子ちゅうせいしシンチレーション検出けんしゅつである。この材料ざいりょうシンチレータで、ねつ中性子ちゅうせいしねつがい中性子ちゅうせいし反応はんのうすると、測定そくていできるほどに発光はっこうする。LunaH-Mapの中性子ちゅうせいし検出けんしゅつは16ならんだ2.5x2.5x2 cmのCYLCシンチレータから構成こうせいされる[8]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c LunaH-Map: University-Built CubeSat to Map Water-Ice on the Moon”. NASA (2016ねん2がつ3にち). 2022ねん5がつ29にち閲覧えつらん
  2. ^ ASU chosen to lead lunar CubeSat mission” (英語えいご). アリゾナ州立しゅうりつ大学だいがく (2015ねん8がつ25にち). 2022ねん5がつ7にち閲覧えつらん
  3. ^ CubeSats are Paving Mankind's Way Back to the Moon and Beyond” (英語えいご). ポピュラーサイエンス (2015ねん10がつ8にち). 2022ねん6がつ7にち閲覧えつらん
  4. ^ a b CubeSats to the Moon”. 惑星わくせい協会きょうかい (2015ねん9がつ2にち). 2022ねん5がつ7にち閲覧えつらん
  5. ^ NASA Space Launch System’s First Flight to Send Small Sci-Tech Satellites Into Space” (英語えいご). NASA (2016ねん2がつ3にち). 2022ねん6がつ7にち閲覧えつらん
  6. ^ As ASU’s first NASA mission begins Year 3, there are no blueprints for building the first spacecraft of its kind” (英語えいご). アリゾナ州立しゅうりつ大学だいがく (2017ねん9がつ26にち). 2022ねん9がつ19にち閲覧えつらん
  7. ^ How to build a spacecraft: The beginning” (英語えいご). アリゾナ州立しゅうりつ大学だいがく (2015ねん11月23にち). 2022ねん6がつ7にち閲覧えつらん
  8. ^ LunaH-Map CubeSat” (英語えいご). アリゾナ州立しゅうりつ大学だいがく. 2022ねん6がつ7にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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