(Translated by https://www.hiragana.jp/)
MAME - Wikipedia コンテンツにスキップ

MAME

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
MAME
作者さくしゃ Nicola Salmoria and the MAME Team
初版しょはん 1997ねん2がつ5にち (27ねんまえ) (1997-02-05)
最新さいしんばん
0.263 / 2024ねん2がつ28にち (7かげつまえ) (2024-02-28)
リポジトリ ウィキデータを編集
プログラミング
言語げんご
C++
サポートじょうきょう 開発かいはつちゅう
種別しゅべつ エミュレーター
ライセンス GPL バージョン2 またはそれ以降いこう
公式こうしきサイト mamedev.org
テンプレートを表示ひょうじ

MAME(メイム)は、オープンソースの汎用はんようエミュレーターである。かつてはアーケードゲームエミュレーターであったが、現在げんざい汎用はんようエミュレーターとなっている。元々もともと正式せいしき名称めいしょうMultiple Arcade Machine Emulator

概要がいよう

[編集へんしゅう]

1997ねん2がつ5にちにイタリアじんのニコラ・サルモリアによって最初さいしょのバージョン (0.1) がリリースされた。世界中せかいじゅうすうじゅうめいからなる開発かいはつチームにより、現在げんざい開発かいはつ改良かいりょうつづけられている。サポートするタイトルすうは、完全かんぜん動作どうさしないものもふくめて3,500ほん以上いじょう、クローンばんどういちゲームのバージョンちがいや、海外かいがいけにローカライズしたものなど)をふくめると6,500ほん以上いじょうのぼる。現在げんざいのプロジェクト管理かんりしゃはアメリカのアーロン・ジャイルズ。

MAMEはオープンソースであり、GitHubをもちいて共同きょうどう開発かいはつされている。かつては、独自どくじにエミュレート対象たいしょうゲーム挙動きょどう修正しゅうせいしたり、あたらしいゲームへと対応たいおうさせた派生はせいばんおお存在そんざいしたが、現在げんざい本家ほんけMAMEへのマージがすすんでいる。非公式ひこうしきばんとして、おおくのHomebrew英語えいごばん対応たいおうするHBMAMEや、CRTモニターけのGroovyMAME、ピンボールけのPinMAME英語えいごばん、VGM生成せいせいようMAME/MESS VGM modがある。MAMEフロントエンドとしては、公式こうしきのコマンドラインUIのほかに、WindowsようGUIのMAMEUI独自どくじインターフェースのIV/Play、MAMEのWebフロントエンドであるEmularity[1]などが存在そんざいする。かつては、MacようMAME OS XGTK採用さいようGMAMEUI (GXMame派生はせい)、KDE採用さいようKxmame (GXMame派生はせい)、Qt採用さいようMAME Plus!なども存在そんざいした。

サポートするハードウェア

[編集へんしゅう]

MAMEがサポートするのは、おもに1970年代ねんだいから1990年代ねんだい一部いちぶ2010ねんのゲームまで対応たいおう)のアーケードゲームやカジノゲームである。Atari PONGBreakoutなどROMたず、ディスクリート回路かいろのみで構成こうせいされているゲームも、Netlist英語えいごばんとおしてサポートしている。セグメントディスプレイを使つかったゲームなどでは、外部がいぶアートワークを必要ひつようとするものがある。3Dアートワークにはまだ対応たいおうしていない[2]ため、ワニワニパニックは2Dとなる。またメカニカルのあるゲームはサポートされないか、サポートしててもメカニカル部分ぶぶんいものがおおい (UFOキャッチャー、プリクラ、メダルゲーム、ピンボールなど)。一部いちぶのゲームは音源おんげんエミュレーションに対応たいおうであり、おとらすために外部がいぶのMAME Samplesが必要ひつようとなる。近年きんねんPCベースのアーケードゲームには対応たいおうしておらず、ArcadePC LoaderやTeknoParrotなどのほかのプログラムを使つか必要ひつようがある。

0.162以降いこうのMAMEは以下いかのようにアーケード限定げんていしないエミュレートを実装じっそうしている。

なお、ふるいPCへの対応たいおうは、SPC/ATやPCem、Common Source Code Projectなどのエミュレータのほうすすんでいる。

開発かいはつ方針ほうしん

[編集へんしゅう]

MAMEの開発かいはつ方針ほうしんはオリジナルのハードウェア動作どうさ忠実ちゅうじつ再現さいげんすることに重点じゅうてんいており、MAMEは基本きほんてきにAPUやMPUなどのチップレベルのていレベルエミュレーション (LLE) をおこなっている。ただし例外れいがいとして、キーボードまわりやI/OまわりやDSPなどにはこうレベルエミュレーション (HLE)も使つかわれている。

ROMイメージ

[編集へんしゅう]

MAMEで使用しようするROMイメージを入手にゅうしゅするためは、ていレベルエミュレータと同様どうように、基板きばんから実物じつぶつのROMの内容ないよう必要ひつようがある。ただし例外れいがいとして、Exidyしゃバリー/ミッドウェイしゃなどの作品さくひんのうち、一部いちぶのゲームのROMイメージは、メーカーからの正式せいしき許可きょかたうえで、MAMEの公式こうしきサイトで配布はいふされている[1]。また、ドイツのコンピュータ雑誌ざっしc't」で、「UDP使つかいMAMEを自動じどう制御せいぎょし、アタリしゃのゲーム『アステロイド』のハイスコアをきそう」内容ないようのコンテストがおこなわれるさいに、この雑誌ざっし読者どくしゃけに、アタリしゃより『アステロイド』のROMイメージを配布はいふする許可きょかている(特定とくてい多数たすう対象たいしょうではない)[2]

歴史れきし

[編集へんしゅう]

1997ねんにリリースされた当初とうしょMS-DOSはんとして開発かいはつされていたが、年内ねんないにはMacintosh (MacMAME)、UnixけいOS (X/MAME)、Windows (MAME32)に移植いしょくされた[3]。また、1998ねんには、MAME 0.33のベータばんもとにして、汎用はんようエミュレーターであるMESS(Multi Emulator Super System)の開発かいはつはじまった。2003ねんよりCPUエミュレーションの動的どうてきリコンパイラ英語えいごばん追加ついかされはじめた[3]。2005ねん、MAME 0.99u2で、ギャンブルゲームを実装じっそうするAGEMAME (きゅうMAGE)がMAMEに統合とうごうされはじめた[3]。2007ねん、MAME 0.120でWindows 64bitばん公式こうしき用意よういされた[3]

2010ねん、MAME 0.136u1で、SDL採用さいようのクロスプラットフォームなコマンドラインばんであるSDLMAMEがMAMEに統合とうごうされた[3]。2011ねん、MAME 0.141u1で、ピンボールを実装じっそうするPINMAMEがMAMEに統合とうごうされはじめた[3]。2012ねん、MAME 0.146u4でNetlist英語えいごばんによる電子でんし回路かいろシミュレーション対応たいおうした[3]同年どうねん、MAME 0.147でMESSのコードベースが統合とうごうされ、MESSとMAMEの統合とうごうばんとしてUME(Universal Machine Emulator)がビルドできるようになった。

2015ねんのMAME 0.162で、MAMEはMESSを吸収きゅうしゅうしてUME相当そうとうとなった。同年どうねん、MAME 0.168でMAMEをJavaScriptへとコンパイルしてWebじょううごかすJSMESSがMAMEのコードベースに統合とうごうされた[4][5]さら同年どうねん、MAME 0.171で独自どくじインターフェースのMEWUIがMAMEのコードベースに統合とうごうされた[6]ほか、派生はせいばんのみに実装じっそうされていたAuto-fireに対応たいおう[7][6]、また、GPUバックエンドのBGFXが追加ついかされた[6]

2016ねん、MAME 0.172でライセンスが一般いっぱんてきオープンソースライセンスのGPLとなった[8]。また、ハイスコアがさい実装じっそうされたほか、CRTモニタけのGroovyMAME拡大かくだい縮小しゅくしょうまわりが統合とうごうされた[9]同年どうねん、MAME 0.177でVGM形式けいしき音源おんげん再生さいせいするための、VGM Playerが搭載とうさいされた。2019ねん、MAME 0.216でレイテンシ削減さくげんする「-lowlatency」オプションが追加ついかされた[10]

2024ねん、MAME 0.265でタッチスクリーン入力にゅうりょく対応たいおうした[11]

動作どうさ

[編集へんしゅう]

MAMEの動作どうさには、実際じっさい基板きばんじょうのデータイメージ(ROMイメージ)を用意よういする必要ひつようがある。MAMEは基板きばんのハードウェア構成こうせいをソフトウェアでエミュレートすることにより、オリジナルのROMイメージをことなるハードウェアじょう動作どうささせることを可能かのうにしている。エミュレートするCPU/MPU代表だいひょうてきZ8068000をはじめとして100種類しゅるい以上いじょう、サウンドチップ/DSPは70種類しゅるい以上いじょう、そのほかおおくのカスタムチップもサポートする。また一部いちぶのアナログICやアナログ素子そしもNetlistでサポートしている。

最近さいきんのバージョンでは、3Dグラフィックシステムなど、処理しょりりょうおおいゲームにも対応たいおうしている。しかし、前述ぜんじゅつとおり、エミュレーションの動作どうさ速度そくどよりもオリジナルハードウェアの忠実ちゅうじつ再現さいげん目的もくてきとするため、3Dグラフィックやテクスチャ処理しょりなども、Direct3DなどのOS固有こゆう拡張かくちょう機能きのう使つかわず、オリジナルハードの動作どうさもとすべてソフトウェアで処理しょりおこなう。このため最新さいしん高速こうそくプロセッサでも完全かんぜん速度そくど動作どうさしないタイトルが一部いちぶ存在そんざいする(Windowsばんでは描画びょうが設定せっていにDirect3Dの項目こうもくがあるが、これは最終さいしゅうてき描画びょうがさきとしてDirect3Dをもちいるだけであり、エミュレーション処理しょり自体じたいには関係かんけいしない)。

盗用とうよう問題もんだい

[編集へんしゅう]

以前いぜんのMAMEは商用しょうよう利用りよう禁止きんししていたが、度々たびたびそれに違反いはんした利用りよう発覚はっかくしている[12]

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]
  1. ^ Emscripten Javascript and HTML MAMEdev Team
  2. ^ 3D artwork system #388
  3. ^ a b c d e f g MAME Project History MAME project
  4. ^ 0.168 MAME project 2015ねん
  5. ^ JSMESS JSMESS project
  6. ^ a b c 0.171 MAME project 2015ねん
  7. ^ MAMEUIFX v0.171 EmuCR.Com 2016ねん2がつ25にち
  8. ^ MAME 0.172 MAME project 2016ねん3がつ30にち
  9. ^ MAME 0.172 MAME project 2016ねん3がつ30にち
  10. ^ 0.216 MAME project 2019ねん11月27にち
  11. ^ MAME 0.265 MAME project 2024ねん4がつ25にち
  12. ^ 多根たね清史きよし (2015ねん9がつ8にち). “MAME、悲運ひうんのBleem!......エミュレータと著作ちょさくけん (連載れんさい:ゲームエミュレータをあらためてかんがえる だいかい)”. engadget日本にっぽんばん. 2021ねん2がつ18にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2020ねん11月7にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]