アメリカ航空 こうくう 諮問 しもん 委員 いいん 会 かい National Advisory Committee for Aeronautics NACA ロゴ
組織 そしき の概要 がいよう 設立 せつりつ 年月日 ねんがっぴ 1915年 ねん 3月 がつ 3日 にち 解散 かいさん 年月日 ねんがっぴ 1958年 ねん 10月 がつ 1日 にち 継承 けいしょう 後 ご 組織 そしき 管轄 かんかつ アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 連邦 れんぽう 政府 せいふ
アメリカ航空 こうくう 諮問 しもん 委員 いいん 会 かい (アメリカこうくうしもんいいんかい、National Advisory Committee for Aeronautics、NACA)は、1915年 ねん 3月 がつ 3日 にち に設立 せつりつ されたアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 連邦 れんぽう 政府 せいふ の機関 きかん の1つである。航空 こうくう 工学 こうがく の研究 けんきゅう の請負 うけおい 、推進 すいしん 、制度 せいど 化 か 等 とう を担 にな う。1958年 ねん 10月 がつ 1日 にち にこの組織 そしき は解体 かいたい され、資産 しさん や人員 じんいん は、新設 しんせつ されたアメリカ航空 こうくう 宇宙 うちゅう 局 きょく (National Aeronautics and Space Administration、NASA)に移 うつ った。頭字 かしらじ 語 ご のNACAは、アクロニムの「ナカ」ではなく、アルファベットごとに区切 くぎ って「エヌエーシーエー 」と読 よ む[ 1] 。NACAの成果 せいか は、今日 きょう の航空機 こうくうき にも用 もち いられている。
壁 かべ には、NACAの綱領 こうりょう が掲 かか げられている。
1915年 ねん に行 おこな われたNACAでの最初 さいしょ の会議 かいぎ の様子 ようす
NACAは、第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 中 なか に、戦争 せんそう 関連 かんれん のプロジェクトの産官学 さんかんがく の連携 れんけい を推進 すいしん するための緊急 きんきゅう 措置 そち として誕生 たんじょう した。ヨーロッパで作 つく られていた、フランス の“L’Etablissement Central de l’Aerostation Militaire”、ドイツ の“Aerodynamical Laboratory of the University of Gottingen”、ロシア の“Aerodynamic Institute of Koutchino”、そして最 もっと も影響 えいきょう を与 あた えたイギリス の“Advisory Committee for Aeronautics”等 とう の類似 るいじ の国家 こっか 機関 きかん がモデルにされた。
1912年 ねん 12月、ウィリアム・タフト 大統領 だいとうりょう は、カーネギー研究所 けんきゅうじょ の所長 しょちょう であったロバート・ウッドワード をNational Aerodynamical Laboratory Commissionの委員 いいん 長 ちょう に指名 しめい した。委員 いいん 会 かい の設置 せっち を承認 しょうにん する法律 ほうりつ 案 あん が1913年 ねん 1月 がつ 初 はじ めに両 りょう 議会 ぎかい に提出 ていしゅつ されたが、投票 とうひょう によって成立 せいりつ しなかった。
1907年 ねん から1927年 ねん にスミソニアン協会 きょうかい の会長 かいちょう を務 つと めたチャールズ・ウォルコット と上院 じょういん 議員 ぎいん ベンジャミン・ティルマン 、下院 かいん 議員 ぎいん アーネスト・ロバーツ らの尽力 じんりょく により、1915年 ねん 1月 がつ 、諮問 しもん 委員 いいん 会 かい 設置 せっち の勧告 かんこく が出 だ された。委員 いいん 会 かい の目的 もくてき は、「飛行 ひこう の問題 もんだい 点 てん の現実 げんじつ 的 てき な解決 かいけつ 法 ほう の観点 かんてん での研究 けんきゅう の監督 かんとく と解決 かいけつ すべき課題 かだい の決定 けってい 、その解決 かいけつ 法 ほう の議論 ぎろん と応用 おうよう 」であった。
1915年 ねん 3月 がつ 3日 にち 、第 だい 63回 かい アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 議会 ぎかい の最終 さいしゅう 日 び 、ウッドロウ・ウィルソン 大統領 だいとうりょう は法案 ほうあん に署名 しょめい し、NACAの設置 せっち は承認 しょうにん された[ 2] 。
ドライデン飛行 ひこう 研究 けんきゅう センターでの飛行 ひこう 試験 しけん 。前 まえ の白色 はくしょく の航空機 こうくうき は、D-558-2
NACAのXS-1(X-1)
1920年 ねん 1月 がつ 29日 にち 、ウィルソン大統領 だいとうりょう は、航空機 こうくうき のパイオニアであるオーヴィル・ライト をNACAの委員 いいん に指名 しめい した。1920年代 ねんだい 初 はじ め、委員 いいん 会 かい は新 あたら しくより野心 やしん 的 てき なミッションを採択 さいたく した。研究 けんきゅう の応用 おうよう を通 つう じて、現在 げんざい のニーズに見合 みあ った軍事 ぐんじ 及 およ び民間 みんかん の航空 こうくう を推進 すいしん するというものであった。NACAの研究 けんきゅう 者 しゃ はこのミッションを追求 ついきゅう し、NACAは室内 しつない 風洞 ふうどう やエンジン試験場 しけんじょう 、飛行 ひこう 試験 しけん 施設 しせつ 等 とう をそろえた。民間 みんかん や軍事 ぐんじ の関係 かんけい 者 しゃ も契約 けいやく に基 もと づいてNACAの施設 しせつ を利用 りよう することができた。
1922年 ねん 時点 じてん で、NACAには100人 にん の職員 しょくいん がいたが、1938年 ねん には426人 にん になった。公的 こうてき な役割 やくわり の他 ほか 、研究 けんきゅう 員 いん は非公式 ひこうしき の「無 む 許可 きょか の」研究 けんきゅう も行 おこな い、1930年代 ねんだい のエンジンカバー、1940年代 ねんだい の翼 つばさ 、1950年代 ねんだい の超 ちょう 音速 おんそく 機 き のエリアルール 等 ひとし 、その成果 せいか は基礎 きそ 研究 けんきゅう のブレークスルーにつながったものもある。一方 いっぽう 、1941年 ねん には、P-38 の圧縮 あっしゅく 率 りつ の問題 もんだい 解決 かいけつ のため、風洞 ふうどう の速度 そくど を上 あ げることを拒絶 きょぜつ した。
超 ちょう 音速 おんそく 風洞 ふうどう
ラングレー研究所 けんきゅうじょ の9.1×18mの風洞 ふうどう は、160km/hの速度 そくど しか出 で なかった。また、モフェット連邦 れんぽう 飛行場 ひこうじょう の2.1×3.0mの風洞 ふうどう でも400km/hの速度 そくど しか出 で なかった。ロッキードの技術 ぎじゅつ 者 しゃ は、これらの速度 そくど では、目的 もくてき に耐 た えないと判断 はんだん した。ヘンリー・アーノルド 将軍 しょうぐん は、この問題 もんだい を取 と り上 あ げ、NACAの反対 はんたい を却下 きゃっか した。その結果 けっか 、NACAはいくつかの高速 こうそく 風洞 ふうどう を設置 せっち し、1942年 ねん にはモフェット連邦 れんぽう 飛行場 ひこうじょう に、マッハ0.75(920km/h)の4.9mの風洞 ふうどう が完成 かんせい した[ 3] [ 4] 。
NACAは、初 はじ めて音速 おんそく の壁 かべ を破 やぶ った航空機 こうくうき は、自分 じぶん 達 たち が開発 かいはつ したものだと主張 しゅちょう している(ただし、X-1 は、アメリカ空軍 くうぐん の所有 しょゆう であり、操縦 そうじゅう もアメリカ空軍 くうぐん のパイロットが行 おこな った)。またNACAは、初 はじ めて宇宙 うちゅう の端 はし に到達 とうたつ した航空機 こうくうき (X-15 )も自分 じぶん 達 たち のものだと主張 しゅちょう している。NACAの開発 かいはつ した翼 つばさ は、現在 げんざい でもF-22 等 ひとし の航空機 こうくうき に用 もち いられている。
1946年 ねん 9月 がつ 30日 にち 、ウォルター・ウィリアムズら5人 にん のNACAの技術 ぎじゅつ 者 しゃ は[ 5] 、NACAとアメリカ空軍 くうぐん と共同 きょうどう でのX-1の研究 けんきゅう 開発 かいはつ のため、ラングレー研究所 けんきゅうじょ からエドワーズ空軍 くうぐん 基地 きち に移 うつ った[ 6] 。
1951年 ねん 、リチャード・ウィットコム は、航空機 こうくうき 上 じょう での遷音速 そく の流 なが れを物理 ぶつり 理論 りろん 的 てき に説明 せつめい する、遷音速 そく でのエリアルールを決定 けってい した。
NACAでの経験 けいけん は、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 時 じ における研究 けんきゅう 、戦後 せんご の国立 こくりつ 研究所 けんきゅうじょ 等 とう についての強力 きょうりょく なモデルになり、戦後 せんご はアメリカ航空 こうくう 宇宙 うちゅう 局 きょく (NASA)に引 ひ き継 つ がれた。
宇宙 うちゅう 技術 ぎじゅつ に関 かん する特別 とくべつ 委員 いいん 会 かい [ 編集 へんしゅう ]
最 さい 前列 ぜんれつ がフォン・ブラウン、左 ひだり に4人 にん 目 め がウェイド・ボーデ
1957年 ねん 11月21日 にち 、NACAの事務 じむ 局長 きょくちょう ヒュー・ドライデン は、宇宙 うちゅう 技術 ぎじゅつ に関 かん する特別 とくべつ 委員 いいん 会 かい を設立 せつりつ した[ 7] 。この委員 いいん 会 かい は、委員 いいん 長 ちょう のガイフォード・スティーバー の名前 なまえ を取 と ってスティーバー委員 いいん 会 かい とも呼 よ ばれ、連邦 れんぽう 政府 せいふ の各局 かくきょく 間 あいだ やアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 内 ない の民間 みんかん 企業 きぎょう 、大学 だいがく との間 あいだ の協力 きょうりょく を担 にな い、それぞれの知見 ちけん を宇宙 うちゅう 計画 けいかく の策定 さくてい に活 い かすための特別 とくべつ な運営 うんえい 委員 いいん 会 かい であった[ 8] 。
特 とく に、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん でロンドン上空 じょうくう のドイツ軍 ぐん のV1飛行 ひこう 爆 ばく 弾 だん を打 う ち落 お とした自動 じどう 追跡 ついせき 迫撃 はくげき 砲 ほう を開発 かいはつ したヘンドリック・ウェイド・ボーデ が、ロンドンを空襲 くうしゅう したドイツ軍 ぐん のV2ロケット を開発 かいはつ したヴェルナー・フォン・ブラウン と同 おな じ会議 かいぎ で同 おな じテーブルに着 つ いたのは、珍 めずら しい出来事 できごと であった[ 9] [ 10] 。
1958年 ねん 1月 がつ 14日 にち 、ドライデンは、スプートニク・ショック を受 う けて"A National Research Program for Space Technology,"という文書 ぶんしょ を出 だ し、宇宙 うちゅう 開発 かいはつ 技術 ぎじゅつ の拡大 かくだい を訴 うった えた[ 7] 。
1958年 ねん 3月 がつ 、大統領 だいとうりょう 直属 ちょくぞく 科学 かがく 諮問 しもん 委員 いいん 会 かい 委員 いいん 長 ちょう のジェームズ・キリアン
は、ドワイト・D・アイゼンハワー 大統領 だいとうりょう に対 たい し、"Organization for Civil Space Programs,"と題 だい する覚書 おぼえがき を渡 わた し、NASA設立 せつりつ の認可 にんか を要請 ようせい した。彼 かれ は、非 ひ 軍事 ぐんじ の宇宙 うちゅう 計画 けいかく は、NACAの強化 きょうか と再 さい 組織 そしき 化 か に基 もと づくべきだとし、NACAは7,500人 にん の職員 しょくいん と3億 おく ドルの施設 しせつ を有 ゆう する「進行 しんこう 中 ちゅう の連邦 れんぽう 研究 けんきゅう 組織 そしき 」であることを指摘 してき して、「最小限 さいしょうげん の遅 おく れで」研究 けんきゅう 計画 けいかく を拡大 かくだい することができるとした[ 7] 。
NASAが1958年 ねん に設立 せつりつ されると、NACAは解体 かいたい され、ラングレー研究所 けんきゅうじょ 、エイムズ研究 けんきゅう センター、グレン研究 けんきゅう センター等 とう の研究 けんきゅう 施設 しせつ は、アメリカ陸軍 りくぐん やアメリカ海軍 かいぐん のいくつかの施設 しせつ とともに新 あたら しい組織 そしき に引 ひ き継 つ がれた。1967年 ねん 、アメリカ議会 ぎかい はNASAに、NASA長官 ちょうかん に対 たい して、NASAの宇宙 うちゅう 計画 けいかく の安全 あんぜん 性 せい の問題 もんだい や危険 きけん 性 せい について助言 じょげん を与 あた えるAerospace Safety Advisory Panel (ASAP)を設置 せっち することを指示 しじ した。さらに、NASAには、Space Program Advisory CouncilやResearch and Technology Advisory Council等 とう の諮問 しもん 機関 きかん も設置 せっち された。
1977年 ねん 、これらが合併 がっぺい し、NASA Advisory Council (NAC)が設置 せっち された[ 11] 。
ジョージ・スクリブン (アメリカ陸軍 りくぐん )1915年 ねん -1916年 ねん
ウィリアム・ドゥランド (スタンフォード大学 だいがく )1916年 ねん -1918年 ねん
ジョン・フリーマン (コンサルタント )1918年 ねん -1919年 ねん
チャールズ・ウォルコット (スミソニアン協会 きょうかい )1920年 ねん -1927年 ねん
ジョセフ・エイムズ (ジョンズ・ホプキンス大学 だいがく )1927年 ねん -1939年 ねん
ヴァネヴァー・ブッシュ (カーネギー研究所 けんきゅうじょ )1940年 ねん -1941年 ねん
ジェローム・ハンセイカー (アメリカ海軍 かいぐん 、マサチュ まさちゅ ーセッツ工科大学 せっつこうかだいがく )1941年 ねん -1956年 ねん
ジミー・ドーリットル (シェル石油 せきゆ )1957年 ねん -1958年 ねん
^ Murray, Charles, and Catherine Bly Cox. Apollo . South Mountain Books, 2004, p. xiii.
^ Dawson, Virginia P.. “Engines and Innovation ”. 2012年 ねん 7月 がつ 31日 にち 閲覧 えつらん 。
^ Bodie, Warren M. The Lockheed P-38 Lightning . pp. 75-76.
^ The First Big High Speed Tunnel
^ “Directors E49-0170: Walter C. Williams ”. Dfrc.nasa.gov. 2010年 ねん 8月 がつ 13日 にち 閲覧 えつらん 。
^ “Dryden Flight Research Center historical data ”. NASA . 2006年 ねん 12月 がつ 10日 とおか 閲覧 えつらん 。
^ a b c Erickson, Mark. Into the Unknown Together - The DOD, NASA, and Early Spaceflight . ISBN 1-58566-140-6 . http://aupress.au.af.mil/Books/Erickson/erickson.pdf
^ NASA Historical Website
^ ...missile research centre run by Wernher von Braun, who later worked on the American space programme (10 June 2001 Germans at last learn truth about von Braun's 'space research' base. By Tony Paterson in Peenemunde, The Telegraph. Retrieved 9-3-07.
^ ...Von Braun soon went to work at a secret laboratory called Peenemunde near the Baltic Sea, working on the V-1 missile, which would terrorize Londoners (IEEE Global History Network Retrieved 9-3-07)
^ NASA Advisory Council
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