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Particle-in-Cell法 - Wikipedia コンテンツにスキップ

Particle-in-Cellほう

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PICほうから転送てんそう

Particle-in-Cell (PICセルない粒子りゅうし) ほうとは、特定とくてい問題もんだいにおけるへん微分びぶん方程式ほうていしき方法ほうほうの1つである。この方法ほうほうでは、個々ここ粒子りゅうし (または流体りゅうたい要素ようそ) が連続れんぞくあい空間くうかん追跡ついせきされる。一方いっぽうで、密度みつど電流でんりゅうといった分布ぶんぷせきりつ電磁場でんじば計算けいさん格子こうしうえ計算けいさんされる。粒子りゅうし追跡ついせきラグランジュ描像で、せきりつ電磁場でんじば計算けいさんオイラー描像記述きじゅつされる。

PICほうは1955ねんにはすで使用しようされていた[1]。これは最初さいしょのFortranコンパイラが利用りよう可能かのうになるよりもむかしことである。当時とうじ方法ほうほうは、Buneman英語えいごばんDawson英語えいごばん、Hockney、Birdsall、Morseらにより、1950年代ねんだい後半こうはんから1960年代ねんだい初頭しょとうにかけてプラズマシミュレーションで人気にんきはくした。プラズマシミュレーションにおけるPICほうでは、固定こてい格子こうしじょう計算けいさんされたセルフコンシステント電磁場でんじば (またはせい電場でんじょう) ない荷電かでん粒子りゅうし軌道きどう追跡ついせきする[2]

技術ぎじゅつてき側面そくめん

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Buneman、Dawson、Hockney、Birdsall、Morseらにより発明はつめいされた古典こてんてきなPICほうは、多種たしゅ問題もんだいについて直感ちょっかんてきであり、かつ簡単かんたん実装じっそうできるという長所ちょうしょつ。これらの長所ちょうしょがあったために、とくにプラズマシミュレーションにおける分野ぶんやでPICほう成功せいこうしたとかんがえられている。古典こてんてきなPICほうには、通常つうじょうつぎ手順てじゅんふくまれる。

  • 運動うんどう方程式ほうていしき積分せきぶん
  • 電荷でんか電流でんりゅうの、格子こうしへの分配ぶんぱい
  • 格子こうしじょうでの計算けいさん
  • 格子こうしから粒子りゅうし位置いちへのうち

平均へいきんじょうかいした粒子りゅうしあいだ相互そうご作用さようのみをふくむモデルは PM (Particle-Mesh) とばれ、直接的ちょくせつてきたい相互そうご作用さようふくむモデルは PP (Particle-Particle) とばれる。 また、それらの両方りょうほうふくむモデルは PP-PM もしくは P3M とばれる。

PICほう初期しょきころから、いわゆる 離散りさん粒子りゅうしノイズ による誤差ごさ影響えいきょうけやすい、と認識にんしきされてきた[3]。 この誤差ごさ本質ほんしつてきには離散りさん粒子りゅうし統計とうけいてき性質せいしつ起因きいんするものである。オイラーほうやセミラグランジュほうなどの従来じゅうらい固定こてい格子こうしによる手法しゅほうくらべると、いまでも理解りかいすすんでいるとはがたい。

現代げんだい幾何きかがくてきPICほうのアルゴリズムは、非常ひじょうおおくの理論りろんてき枠組わくぐみにもとづいている。これらのアルゴリズムでは、離散りさん多様たようたい微分びぶん形式けいしき補間ほかんせいじゅんまたはせいじゅんシンプレクティック数値すうち積分せきぶんほう手法しゅほう使用しようして、ゲージ不変ふへんせい電荷でんか保存ほぞんそく、エネルギー-運動うんどうりょう保存ほぞんそく保証ほしょうされると同時どうじに、さらに重要じゅうよう粒子りゅうし-けい無限むげん次元じげんシンプレクティック構造こうぞう保証ほしょうされる[4][5]。これらのすぐれているてんは、幾何きかがくてきPICほうのアルゴリズムが理論りろん基本きほんてき枠組わくぐみにもとづいて構築こうちくされており、完全かんぜん形式けいしき、つまり物理ぶつりがくへんぶん原理げんり直接ちょくせつむすびついていることである。

PICプラズマシミュレーション技術ぎじゅつ基礎きそ

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プラズマの研究けんきゅうでは、様々さまざま粒子りゅうししゅ電子でんし、イオン、中性ちゅうせい原子げんし分子ぶんし、ダスト粒子りゅうしなど)のけいについて調査ちょうさされる。PICコードに関連かんれんする方程式ほうていしきくみには、ローレンツつとむふく運動うんどう方程式ほうていしきと、電場でんじょう(電界でんかい)および磁場じば(磁界じかい)をくためのマクスウェル方程式ほうていしきがある。運動うんどう方程式ほうていしきくコードとマクスウェル方程式ほうていしきくコードはかれており、それぞれ particle mover (または pusher) 、field solverばれる場合ばあいもある。

ちょう粒子りゅうし

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おおくの場合ばあいあつかけいには膨大ぼうだいかず粒子りゅうしふくまれており、実行じっこう不可能ふかのう計算けいさんりょうとなってしまう。シミュレーションを効率こうりつてきおこなうために、いわゆる「ちょう粒子りゅうし (super particle、または macro-particle)」が使用しようされる。ちょう粒子りゅうしとは、多数たすう現実げんじつ粒子りゅうし集約しゅうやくされた、計算けいさんじょうあつか粒子りゅうしことである。たとえばプラズマシミュレーションの場合ばあい、1つのちょう粒子りゅうしすうひゃくまん電子でんしまたはイオンに対応たいおうする。また、流体りゅうたいシミュレーションの場合ばあいちょう粒子りゅうしうず要素ようそなどに対応たいおうする。ローレンツりょくからける加速かそく電荷でんか質量しつりょうのみに依存いぞんするため、たとえちょう粒子りゅうしかずをリスケーリングしたとしても、ちょう粒子りゅうし現実げんじつ粒子りゅうしおな軌跡きせき辿たどるようにすること可能かのうである。

ちょう粒子りゅうし対応たいおうさせる現実げんじつ粒子りゅうしかず (これを ちょう粒子りゅうしおも という) は、ちょう粒子りゅうし運動うんどうについて十分じゅうぶん統計とうけい収集しゅうしゅうできるようにめる必要ひつようがある。けいない異種いしゅ粒子りゅうしあいだ (たとえばイオンと中性ちゅうせい粒子りゅうしあいだ) におおきな密度みつどがある場合ばあい粒子りゅうししゅごとに別々べつべつおもみを適用てきようする場合ばあいもある。

粒子りゅうし追跡ついせき

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ちょう粒子りゅうしもちいる場合ばあいでも、通常つうじょうシミュレートするちょう粒子りゅうしかずは105以上いじょう非常ひじょうおおい。運動うんどうについてはかく粒子りゅうしについて個別こべつ計算けいさんする必要ひつようがあるため、おおくの場合ばあいにおいてPICシミュレーションでもっと時間じかんがかかる部分ぶぶんは particle mover コードである。したがって、この部分ぶぶんたか精度せいど速度そくどをもつ必要ひつようがあり、様々さまざまなスキームの最適さいてき多大ただい労力ろうりょくついやされている。

運動うんどう方程式ほうていしきさい使用しようされるスキームは、かげ解法かいほう陽解ようかいほうの2つに分類ぶんるいされる。かげ解法かいほう (たとえば修正しゅうせいオイラーほう) では、おな時間じかんステップない更新こうしんされるじょう情報じょうほうから粒子りゅうし速度そくど計算けいさんするが、陽解ようかいほうでは、前回ぜんかい時刻じこくにおけるちから情報じょうほうのみを使用しようするため、ソルバーは比較的ひかくてき単純たんじゅん高速こうそく動作どうさする。ただしそのわりに、陽解ようかいほうではちいさい時間じかんステップはば必要ひつようとなる。PICシミュレーションでは、リープ・フロッグほう がよく使用しようされる。これは、2陽解ようかいほう分類ぶんるいされる[6]。また、ローレンツつとむのうちの電場でんじょうによる加速かそく磁場じばによる加速かそくはんステップごとに分離ぶんりして計算けいさんするボリスほうもよく使用しようされる[7][8]

プラズマへ適用てきようさせた場合ばあい典型てんけいてきなリープ・フロッグほうは、つぎ形式けいしきをとる:

ここで、 前回ぜんかい時刻じこくにおけるりょうであることしめし、 はそのつぎ時刻じこくにおけるりょうであることしめす(つまり、 である)。速度そくどは、通常つうじょう時刻じこく ではなく、それらの中間ちゅうかん時刻じこく 計算けいさんされる。

速度そくど ( ひとし) はボリスほうからもとめることができる。典型てんけいてきなボリスほうつぎ形式けいしきをとる:

ここで、

である。

ボリスほう長期ちょうきてきすぐれた精度せいどつため、荷電かでん粒子りゅうし追跡ついせきするさい事実じじつじょう標準ひょうじゅんとなっている。相対そうたいろんてきなボリスほう長期ちょうきてきすぐれた精度せいど理由りゆうとしては、シンプレクティックせいたないにもかかわらず、あい空間くうかん体積たいせき保存ほぞんされるためであることかっている。一般いっぱんシンプレクティック多様たようたいうえハミルトンフロー性質せいしつはボリススキームにもてはまり、プラズマのマルチスケール英語えいごばんダイナミクスの解析かいせきには効果こうかてきである。また相対そうたいろんてきなボリスほうについても、あい空間くうかん体積たいせき保存ほぞんするように修正しゅうせいすることで、交差こうさした電磁場でんじばなか一定いってい速度そくどかいられることかっている[9]

電場でんじょう磁場じば計算けいさん

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マクスウェル方程式ほうていしき (または、より一般いっぱんてきへん微分びぶん方程式ほうていしき) をくためによく使用しようされる方法ほうほうは、つぎの3つのいずれかに分類ぶんるいされる。

有限ゆうげん差分さぶんほうでは、連続れんぞく領域りょういきてん離散りさん格子こうしえられ、電場でんじょうおよび磁場じば計算けいさんされる。微分びぶん隣接りんせつ格子こうしてんにおける近似きんじされるため、へん微分びぶん方程式ほうていしき代数だいすう方程式ほうていしき変換へんかんされることになる。

有限ゆうげん要素ようそほうでは、連続れんぞく領域りょういき要素ようそ離散りさん格子こうし分割ぶんかつされる。へん微分びぶん方程式ほうていしき固有値こゆうち固有こゆうベクトルおよび固有こゆう空間くうかんとしてあつかわれ、最初さいしょに、かく要素ようそ局所きょくしょてき基底きてい関数かんすう使用しようして試行しこうかい計算けいさんされる。つぎに、必要ひつよう精度せいどたっするまで最適さいてきすること最終さいしゅうかいられる。

スペクトルほうも、へん微分びぶん方程式ほうていしき固有値こゆうち問題もんだい変換へんかんする。ただし、ここでは基底きてい関数かんすう高次こうじであり、かつ領域りょういき全体ぜんたい定義ていぎされる。この場合ばあい領域りょういき自体じたい離散りさんされず、連続れんぞく領域りょういきのままあつかわれる。あとは有限ゆうげん要素ようそほう同様どうように、固有値こゆうち方程式ほうていしき基底きてい関数かんすう代入だいにゅうすること試行しこうかいつかり、最適さいてきすること最終さいしゅうかいられる。

粒子りゅうし電磁場でんじばおも

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「particle-in-cell」という名前なまえは、プラズマのもつ巨視的きょしてき物理ぶつりりょう (かず密度みつど電流でんりゅう密度みつど ひとし) が粒子りゅうしてられていること由来ゆらいする。粒子りゅうし連続れんぞく領域りょういきじょう任意にんい位置いちるが、一方いっぽう巨視的きょしてき物理ぶつりりょう電磁場でんじばおなじように格子こうしてんでのみ計算けいさんされる。そのため巨視的きょしてき物理ぶつりりょうるためには、格子こうしてんへの「粒子りゅうしおも」をおこな必要ひつようがある。そこで、1つの粒子りゅうしはある「かたち」をっているとかんがえて、その「かたち」がつぎ形状けいじょう関数かんすうさだめられているという仮定かていく:

ここで、粒子りゅうし位置いちであり、格子こうしてん位置いちである。形状けいじょう関数かんすうには通常つうじょうもっと単純たんじゅん簡単かんたんな、いち (線形せんけい) のおもけスキームが選択せんたくされる。この手法しゅほうは、いわゆるセルないクラウド (cloud-in-cell、CIC) ほうばれる。どのようなスキームであれ、形状けいじょう関数かんすう空間くうかんひとしかたせい電荷でんか保存ほぞん、およびこう次項じこう精度せいど向上こうじょう (収束しゅうそくせい) の条件じょうけんたす必要ひつようがある[10]

電場でんじょう磁場じば格子こうしてんでのみ計算けいさんされるため、粒子りゅうし作用さようするちから計算けいさんには直接ちょくせつ使用しようできない。そのため、「電場でんじょう磁場じばおも」によってうちする必要ひつようがある:

ここで、 格子こうしてんのラベルである。粒子りゅうし作用さようするちからがセルフコンシステントにられるためには、粒子りゅうしから格子こうしてんへのすう密度みつどおよび電流でんりゅう密度みつどてる方法ほうほうと、格子こうしてんから粒子りゅうしへの電磁場でんじば補間ほかん方法ほうほうとのあいだ矛盾むじゅんがあってはならない。なぜなら、いずれの物理ぶつりりょうもマクスウェル方程式ほうていしきなかあらわれているからである。とくに、電磁場でんじば補間ほかんスキームでは運動うんどうりょう保存ほぞんされる必要ひつようがある。これは、粒子りゅうし電磁場でんじばおなおもけスキームを選択せんたくし、かつ適切てきせつ空間くうかん対称たいしょうせい保証ほしょうする (すなわち、自己じこりょくく、作用さよう反作用はんさよう法則ほうそくたす) こと実現じつげん可能かのうである。

衝突しょうとつ

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電磁場でんじば計算けいさんでは自己じこりょくふくまないこと必要ひつようであるため、セルないでは粒子りゅうし電磁場でんじば粒子りゅうしからとおざかるにつれてちいさくなる必要ひつようがある。すると、セルないでの粒子りゅうしあいだりょく過小かしょう評価ひょうかされてしまうが、これは荷電かでん粒子りゅうしあいだクーロン衝突しょうとつ英語えいごばんくわえることでうまくバランスをことができる。おおきなけいすべてのくみ相互そうご作用さよう考慮こうりょしようとすると計算けいさん負荷ふかたかくなりすぎることから、わりにいくつかのモンテカルロほう開発かいはつされた。そのなかでもひろ使用しようされるものは2たい衝突しょうとつモデルである[11]。2たい衝突しょうとつモデルでは、どういちセルないにある粒子りゅうしなかから無作為むさくいにペアが抽出ちゅうしゅつされ、ペアの粒子りゅうし同士どうし衝突しょうとつする。

実際じっさいのプラズマでは、荷電かでん粒子りゅうし-中性ちゅうせい粒子りゅうしあいだ弾性だんせい衝突しょうとつ電子でんし-中性ちゅうせい粒子りゅうしあいだ電離でんり衝突しょうとつなどをふく弾性だんせい衝突しょうとつから化学かがく反応はんのういたるまで、クーロン衝突しょうとつ以外いがい衝突しょうとつ重要じゅうよう要素ようそとなる場合ばあいがあり、かく衝突しょうとつ区別くべつしてあつかわれる必要ひつようがある。荷電かでん粒子りゅうし-中性ちゅうせい粒子りゅうしあいだ衝突しょうとつ処理しょりする衝突しょうとつモデルのほとんどは、すべての粒子りゅうし衝突しょうとつかくりつ直接ちょくせつ計算けいさんするDSMCほうか、荷電かでんつぶ子種こだねごとの最大さいだい衝突しょうとつかくりつ処理しょりするヌル衝突しょうとつほう使用しようする[12][13]

精度せいど安定あんていせい条件じょうけん

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のシミュレーション手法しゅほう同様どうように、PICほうでも時間じかんステップと格子こうしサイズのはば適切てきせつ選択せんたくする必要ひつようがある。これらは、興味きょうみのある現象げんしょう時間じかんながさのスケールで適切てきせつかれるようにするだけでなく、コードの処理しょり速度そくど精度せいどにも影響えいきょうする。

てき時間じかん積分せきぶんスキーム (たとえば、ひろ普及ふきゅうしているリープフロッグほうとう) を使用しようしたせいでんプラズマシミュレーションにたいしては、かい安定あんていせい確保かくほするために、時刻じこくステップはば および格子こうしサイズはば について、つぎの2つの重要じゅうよう条件じょうけんたす必要ひつようがある。

これらの条件じょうけんは、磁化じかの1次元じげんプラズマ調和ちょうわ振動しんどうかんがえるとみちびかれる。後者こうしゃ条件じょうけん厳密げんみつたされる必要ひつようがあり、シミュレーションを実施じっしするじょうでは、エネルギーを保存ほぞんさせる目的もくてきでよりきびしい制約せいやく要求ようきゅうされる。そこで係数けいすう2の部分ぶぶんは1けたちいさい数値すうちえられ、一般いっぱんてきには 使用しようされる[14]。このように、プラズマの自然しぜん時間じかんスケールはぎゃくプラズマ周波数しゅうはすう によって、ながさスケールはデバイちょう によってあたえられる。

また、てき電磁でんじプラズマシミュレーションでは、時間じかんステップはばCFL条件じょうけんたす必要ひつようがある。

ここで、 であり、光速こうそくである。

応用おうよう

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プラズマ物理ぶつりがく分野ぶんやでは、PICシミュレーションは、レーザー-プラズマ相互そうご作用さようオーロラ発生はっせいさせる電離層でんりそううち電子でんし加速かそくとイオン加熱かねつ磁気じき流体りゅうたい力学りきがく磁気じきリコネクショントカマクなかのイオン温度おんど勾配こうばい不安定ふあんていせいやその微視的びしてき不安定ふあんていせい真空しんくうアーク英語えいごばん、およびダストプラズマ研究けんきゅう役立やくだっている。

純粋じゅんすいなPICほうだけでなく、流体りゅうたいモデルとのハイブリッドモデルが使用しようされることもある。ハイブリッドモデルでは、いくつかの粒子りゅうししゅ運動うんどう処理しょりにはPICほう使用しようされ、粒子りゅうししゅ流体りゅうたいモデルでシミュレートされる。流体りゅうたいモデルであつか粒子りゅうししゅは、特定とくてい速度そくど分布ぶんぷ(通常つうじょうマクスウェル-ボルツマン分布ぶんぷ)にしたがうと仮定かていされる。

また、PICシミュレーションはプラズマ物理ぶつりがく以外いがい固体こたい力学りきがくおよび流体りゅうたい力学りきがく分野ぶんやでも利用りようされている[15][16]

PICアプリケーション

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商用しょうよう製品せいひん

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製品せいひんめい Web 国内こくない販売元はんばいもと (開発元かいはつもと)
LSP [17] 株式会社かぶしきがいしゃエーイーティー (Alliant Techsystems Inc.)
MAGIC [18] 株式会社かぶしきがいしゃエーイーティー (Alliant Techsystems Inc.)
Particle-PLUS [19] 株式会社かぶしきがいしゃウェーブフロント (株式会社かぶしきがいしゃウェーブフロント)
VSim [20] 株式会社かぶしきがいしゃエーイーティー (Tech-X Corporation)

オープンソースまたは研究けんきゅうようのコード

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ソースコードめい Repo ライセンス 研究けんきゅう論文ろんぶん
ALaDyn [21] GPLv3+
EPOCH [22] GPL doi:10.1088/0741-3335/57/11/113001
FBPIC [23] さん条項じょうこうBSD-LBNL doi:10.1016/j.cpc.2016.02.007
iPic3D [24] APL 2.0 doi:10.1016/j.matcom.2009.08.038
open-pic [25] MIT License doi:10.3847/1538-4357/aa6d13
piccante [26] GPLv3+
PICLas [27] GPLv3+ doi:10.1016/j.crme.2014.07.005doi:10.1063/1.5097638
PIConGPU [28] GPLv3+ doi:10.1145/2503210.2504564
PicUp3D GPLv2 doi:10.1109/TPS.2006.883402
SHARP doi:10.3847/1538-4357/aa6d13
Smilei [29] CeCILL-B doi:10.1016/j.cpc.2017.09.024
UPIC [30]
VPIC [31] さん条項じょうこうBSD doi:10.1063/1.2840133
Warp [32] さん条項じょうこうBSD-LBNL doi:10.1063/1.860024
WarpX [33] さん条項じょうこうBSD-LBNL doi:10.1016/j.nima.2018.01.035
XOOPIC [34] doi:10.3847/1538-4357/aa6d13
ZPIC [35] AGPLv3+

教科書きょうかしょ

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  • Charles K. Birdsall and A. Bruce Langdon, 'Plasma Physics via Computer Simulation', McGraw-Hill (1985), ISBN 0-07-005371-5
  • Roger W. Hockney and James W. Eastwood, 'Computer Simulation Using Particles', CRC Press (1988), ISBN 0-85274-392-0

外部がいぶリンク

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ F.H. Harlow (1955). A Machine Calculation Method for Hydrodynamic Problems. Los Alamos Scientific Laboratory report LAMS-1956. 
  2. ^ Dawson, J.M. (1983). “Particle simulation of plasmas”. Reviews of Modern Physics 55 (2): 403–447. Bibcode1983RvMP...55..403D. doi:10.1103/RevModPhys.55.403. 
  3. ^ Hideo Okuda (1972). “Nonphysical noises and instabilities in plasma simulation due to a spatial grid”. Journal of Computational Physics 10 (3): 475–486. Bibcode1972JCoPh..10..475O. doi:10.1016/0021-9991(72)90048-4. 
  4. ^ Qin, H.; Liu, J.; Xiao, J.; et al. (2016). "Canonical symplectic particle-in-cell method for long-term large-scale simulations of the Vlasov-Maxwell system". Nuclear Fusion. 56 (1): 014001. arXiv:1503.08334. Bibcode:2016NucFu..56a4001Q. doi:10.1088/0029-5515/56/1/014001
  5. ^ Xiao, J.; Qin, H.; Liu, J.; et al. (2015). "Explicit high-order non-canonical symplectic particle-in-cell algorithms for Vlasov-Maxwell systems". Physics of Plasmas. 22 (11): 12504. arXiv:1510.06972. Bibcode:2015PhPl...22k2504X. doi:10.1063/1.4935904
  6. ^ Birdsall, Charles K.; A. Bruce Langdon (1985). Plasma Physics via Computer Simulation. McGraw-Hill. ISBN 0-07-005371-5 
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  8. ^ Qin, H.; et al. (2013). "Why is Boris algorithm so good?" (PDF). Physics of Plasmas. 20 (5): 084503. Bibcode:2013PhPl...20h4503Q. doi:10.1063/1.4818428
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  10. ^ Tskhakaya, David (2008). “Chapter 6: The Particle-in-Cell Method”. In Fehske, Holger; Schneider, Ralf; Weiße, Alexander. Computational Many-Particle Physics. Lecture Notes in Physics 739. 739. Springer, Berlin Heidelberg. doi:10.1007/978-3-540-74686-7. ISBN 978-3-540-74685-0. http://cds.cern.ch/record/1105877 
  11. ^ Takizuka, Tomonor; Abe, Hirotada (1977). “A binary collision model for plasma simulation with a particle code”. Journal of Computational Physics 25 (3): 205–219. Bibcode1977JCoPh..25..205T. doi:10.1016/0021-9991(77)90099-7. 
  12. ^ Birdsall, C.K. (1991). “Particle-in-cell charged-particle simulations, plus Monte Carlo collisions with neutral atoms, PIC-MCC”. IEEE Transactions on Plasma Science 19 (2): 65–85. Bibcode1991ITPS...19...65B. doi:10.1109/27.106800. ISSN 0093-3813. 
  13. ^ Vahedi, V.; Surendra, M. (1995). “A Monte Carlo collision model for the particle-in-cell method: applications to argon and oxygen discharges”. Computer Physics Communications 87 (1–2): 179–198. Bibcode1995CoPhC..87..179V. doi:10.1016/0010-4655(94)00171-W. ISSN 0010-4655. https://zenodo.org/record/1253854. 
  14. ^ Tskhakaya, D.; Matyash, K.; Schneider, R.; Taccogna, F. (2007). “The Particle-In-Cell Method”. Contributions to Plasma Physics 47 (8–9): 563–594. Bibcode2007CoPP...47..563T. doi:10.1002/ctpp.200710072. 
  15. ^ Liu, G.R.; M.B. Liu (2003). Smoothed Particle Hydrodynamics: A Meshfree Particle Method. World Scientific. ISBN 981-238-456-1 
  16. ^ Byrne, F. N.; Ellison, M. A.; Reid, J. H. (1964). “The particle-in-cell computing method for fluid dynamics”. Methods Comput. Phys. 3 (3): 319–343. Bibcode1964SSRv....3..319B. doi:10.1007/BF00230516. 
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関連かんれん項目こうもく

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