数学 すうがく において特性 とくせい 曲線 きょくせん 法 ほう (とくせいきょくせんほう、英 えい : method of characteristics )とは、偏 へん 微分 びぶん 方程式 ほうていしき に対 たい する一 ひと つの解法 かいほう である。一般 いっぱん には一 いち 階 かい 偏 へん 微分 びぶん 方程式 ほうていしき に対 たい して適用 てきよう されるが、任意 にんい の双 そう 曲 きょく 型 がた 偏 へん 微分 びぶん 方程式 ほうていしき に対 たい するより一般 いっぱん の特性 とくせい 曲線 きょくせん 法 ほう も存在 そんざい する。この方法 ほうほう では偏 へん 微分 びぶん 方程式 ほうていしき を、常微分 じょうびぶん 方程式 ほうていしき の族 ぞく に書 か き下 くだ し、適切 てきせつ な超 ちょう 曲面 きょくめん 上 うえ で与 あた えられたいくつかの初期 しょき データより積分 せきぶん されることによってその線 せん に沿 そ った解 かい が得 え られる。
一 いち 階 かい 偏 へん 微分 びぶん 方程式 ほうていしき の特性 とくせい 曲線 きょくせん [ 編集 へんしゅう ]
一 いち 階 かい の偏 へん 微分 びぶん 方程式 ほうていしき (PDE)に対 たい する特性 とくせい 曲線 きょくせん 法 ほう では、それが常微分 じょうびぶん 方程式 ほうていしき (ODE)となるようなある曲線 きょくせん (特性 とくせい 曲線 きょくせん あるいは単 たん に特性 とくせい 線 せん と呼 よ ばれる)を探 さが すことになる。そのようなODEが見 み つかれば、特性 とくせい 曲線 きょくせん に沿 そ って解 と いた後 のち に元 もと のPDEに対 たい して解 かい を変換 へんかん すれば良 よ いことになる。
ここで、二 ふた つの独立 どくりつ 変数 へんすう x と y の函数 かんすう のケースを取 と り上 あ げる。次 つぎ の形 かたち の準 じゅん 線型 せんけい [要 よう 曖昧 あいまい さ回避 かいひ ] 偏 へん 微分 びぶん 方程式 ほうていしき を考 かんが える:
a
(
x
,
y
,
z
)
∂
z
∂
x
+
b
(
x
,
y
,
z
)
∂
z
∂
y
=
c
(
x
,
y
,
z
)
.
{\displaystyle a(x,y,z){\frac {\partial z}{\partial x}}+b(x,y,z){\frac {\partial z}{\partial y}}=c(x,y,z).}
(1 )
ここで、解 かい z が得 え られたとして、R 3 内 うち の曲面 きょくめん のグラフ z = z (x ,y ) を考 かんが える。この曲面 きょくめん に対 たい する法線 ほうせん ベクトル は次 つぎ で与 あた えられる。
(
∂
z
∂
x
(
x
,
y
)
,
∂
z
∂
y
(
x
,
y
)
,
−
1
)
.
{\displaystyle \left({\frac {\partial z}{\partial x}}(x,y),{\frac {\partial z}{\partial y}}(x,y),-1\right).\,}
これは次 つぎ のようにして分 わ かる。x,y方向 ほうこう の接 せっ ベクトルをそれぞれ
n
1
{\displaystyle n_{1}}
,
n
2
{\displaystyle n_{2}}
とすると、これらは例 たと えば
n
1
=
(
1
,
0
,
∂
z
/
∂
x
)
d
x
{\displaystyle n_{1}=(1,0,\partial z/\partial x)dx}
,
n
2
=
(
0
,
1
,
∂
z
/
∂
y
)
d
y
{\displaystyle n_{2}=(0,1,\partial z/\partial y)dy}
となる。これらの外積 がいせき から上述 じょうじゅつ の法線 ほうせん ベクトル(と平行 へいこう なベクトル)が得 え られる。
したがって[1] 式 しき (1 ) は、ベクトル場 じょう
(
a
(
x
,
y
,
z
)
,
b
(
x
,
y
,
z
)
,
c
(
x
,
y
,
z
)
)
{\displaystyle (a(x,y,z),b(x,y,z),c(x,y,z))\,}
が全 すべ ての点 てん において曲面 きょくめん z = z (x , y ) に接 せっ するという幾何 きか 学 がく 的 てき な内容 ないよう を意味 いみ する。い換 いか えると、解 かい はこのベクトル場 じょう の積分 せきぶん 曲線 きょくせん の合併 がっぺい となる。これらの積分 せきぶん 曲線 きょくせん は、元 もと の偏 へん 微分 びぶん 方程式 ほうていしき の特性 とくせい 曲線 きょくせん と呼 よ ばれる。
特性 とくせい 曲線 きょくせん の方程式 ほうていしき は、ラグランジュ=シャルピ方程式 ほうていしき によって次 つぎ のように不変 ふへん な形 かたち で表 あらわ すことが出来 でき る[2] :
d
x
a
(
x
,
y
,
z
)
=
d
y
b
(
x
,
y
,
z
)
=
d
z
c
(
x
,
y
,
z
)
.
{\displaystyle {\frac {dx}{a(x,y,z)}}={\frac {dy}{b(x,y,z)}}={\frac {dz}{c(x,y,z)}}.}
また、この曲線 きょくせん のパラメータ化 か t が固定 こてい された場合 ばあい 、これらの方程式 ほうていしき は x (t ), y (t ), z (t ) に対 たい する次 つぎ の連立 れんりつ 常微分 じょうびぶん 方程式 ほうていしき として書 か くことが出来 でき る。
d
x
d
t
=
a
(
x
,
y
,
z
)
,
d
y
d
t
=
b
(
x
,
y
,
z
)
,
d
z
d
t
=
c
(
x
,
y
,
z
)
.
{\displaystyle {\begin{aligned}{\frac {dx}{dt}}&=a(x,y,z),\\{\frac {dy}{dt}}&=b(x,y,z),\\{\frac {dz}{dt}}&=c(x,y,z).\end{aligned}}}
これらを元 もと の偏 へん 微分 びぶん 方程式 ほうていしき の特性 とくせい 方程式 ほうていしき (characteristic equation) という。
線型 せんけい と準 じゅん 線型 せんけい の場合 ばあい [ 編集 へんしゅう ]
次 つぎ の形式 けいしき のPDEを考 かんが える。
∑
i
=
1
n
a
i
(
x
1
,
…
,
x
n
,
u
)
∂
u
∂
x
i
=
c
(
x
1
,
…
,
x
n
,
u
)
.
{\displaystyle \sum _{i=1}^{n}a_{i}(x_{1},\dots ,x_{n},u){\frac {\partial u}{\partial x_{i}}}=c(x_{1},\dots ,x_{n},u).}
このPDEを線型 せんけい とするためには、係数 けいすう a i は空間 くうかん 変数 へんすう のみに依存 いぞん し、u には独立 どくりつ とすればよい。準 じゅん 線型 せんけい とするためには、a i はその函数 かんすう の値 ね にも依存 いぞん するが、導 しるべ 函数 かんすう には依存 いぞん しないものとすればよい。これら二 ふた つのケースの区別 くべつ は、ここでの議論 ぎろん では本質 ほんしつ 的 てき ではない。
線型 せんけい あるいは準 じゅん 線型 せんけい のPDEに対 たい し、特性 とくせい 曲線 きょくせん はパラメータ的 てき に次 つぎ で与 あた えられる。
(
x
1
,
…
,
x
n
,
u
)
=
(
x
1
(
s
)
,
…
,
x
n
(
s
)
,
u
(
s
)
)
{\displaystyle (x_{1},\dots ,x_{n},u)=(x_{1}(s),\dots ,x_{n}(s),u(s))}
但 ただ し次 つぎ の常微分 じょうびぶん 方程式 ほうていしき 系 けい が満 み たされるものとする。
d
x
i
d
s
=
a
i
(
x
1
,
…
,
x
n
,
u
)
{\displaystyle {\frac {dx_{i}}{ds}}=a_{i}(x_{1},\dots ,x_{n},u)}
(2 )
d
u
d
s
=
c
(
x
1
,
…
,
x
n
,
u
)
.
{\displaystyle {\frac {du}{ds}}=c(x_{1},\dots ,x_{n},u).}
(3 )
式 しき (2 ) と (3 ) が、元 もと のPDEの特性 とくせい 曲線 きょくせん である。
完全 かんぜん に非 ひ 線型 せんけい の場合 ばあい [ 編集 へんしゅう ]
次 つぎ の偏 へん 微分 びぶん 方程式 ほうていしき を考 かんが える。
F
(
x
1
,
…
,
x
n
,
u
,
p
1
,
…
,
p
n
)
=
0
{\displaystyle F(x_{1},\dots ,x_{n},u,p_{1},\dots ,p_{n})=0}
(4 )
ここで変数 へんすう p i は次 つぎ の偏 へん 微分 びぶん を略記 りゃっき したものである。
p
i
=
∂
u
∂
x
i
.
{\displaystyle p_{i}={\frac {\partial u}{\partial x_{i}}}.}
R n +1 内 うち の超 ちょう 曲面 きょくめん (xi , u ) が偏 へん 微分 びぶん 方程式 ほうていしき の解 かい であるとする。解 かい の超 ちょう 曲面 きょくめん の上 うえ にある任意 にんい の滑 なめ らかな(微分 びぶん 可能 かのう な)曲線 きょくせん を特性 とくせい 曲線 きょくせん と言 い い、s を曲線 きょくせん 長 なが さに沿 そ うパラメータとして、曲線 きょくせん 上 じょう の各 かく 点 てん は次 つぎ のように表 あらわ されるものとする。
u
(
s
)
=
u
(
x
1
(
s
)
,
…
,
x
n
(
s
)
)
.
{\displaystyle u(s)=u(x_{1}(s),\dots ,x_{n}(s)).}
また、解 かい の曲面 きょくめん の方向 ほうこう は、この特性 とくせい 曲線 きょくせん の各 かく 点 てん での接線 せっせん の傾 かたむ き
p
i
=
∂
u
∂
x
i
{\displaystyle p_{i}={\frac {\partial u}{\partial x_{i}}}}
により指定 してい されているとする。解 かい に沿 そ って (4 )を s に関 かん して微分 びぶん すると、次 つぎ が得 え られる。
∑
i
(
F
x
i
+
F
u
p
i
)
x
˙
i
+
∑
i
F
p
i
p
˙
i
=
0
{\displaystyle \sum _{i}(F_{x_{i}}+F_{u}p_{i}){\dot {x}}_{i}+\sum _{i}F_{p_{i}}{\dot {p}}_{i}=0}
(5 )
u
˙
−
∑
i
p
i
x
˙
i
=
0
{\displaystyle {\dot {u}}-\sum _{i}p_{i}{\dot {x}}_{i}=0}
(6 )
∑
i
(
x
˙
i
d
p
i
−
p
˙
i
d
x
i
)
=
0.
{\displaystyle \sum _{i}({\dot {x}}_{i}dp_{i}-{\dot {p}}_{i}dx_{i})=0.}
(7 )
式 しき (6)は、解 かい u に対 たい して連鎖 れんさ 律 りつ を適用 てきよう することで得 え られる。また式 しき (7)の括弧 かっこ 内 ない は
x
i
˙
d
p
i
−
p
i
˙
d
x
i
=
d
x
i
d
s
d
p
i
d
s
d
s
−
d
p
i
d
s
d
x
i
d
s
d
s
=
0.
{\displaystyle {\dot {x_{i}}}dp_{i}-{\dot {p_{i}}}dx_{i}={\frac {dx_{i}}{ds}}{\frac {dp_{i}}{ds}}ds-{\frac {dp_{i}}{ds}}{\frac {dx_{i}}{ds}}ds=0.}
だから式 しき (7)が成立 せいりつ する。
λ らむだ をある定数 ていすう として λ らむだ ×(5)+(7)/ds を 作 つく ると次 つぎ の式 しき (8)となる。
∑
i
(
λ らむだ
(
F
x
i
+
F
u
p
i
)
+
p
˙
i
)
(
d
x
i
/
d
s
)
+
∑
i
(
λ らむだ
F
p
i
−
x
˙
i
)
(
d
p
i
/
d
s
)
=
0
{\displaystyle \sum _{i}(\lambda (F_{x_{i}}+F_{u}p_{i})+{\dot {p}}_{i})(dx_{i}/ds)+\sum _{i}(\lambda F_{p_{i}}-{\dot {x}}_{i})(dp_{i}/ds)=0}
(8 )
式 しき (8)はその点 てん を通 とお る任意 にんい の特性 とくせい 曲線 きょくせん x i (s )に対 たい して成 な り立 た つ。特性 とくせい 曲線 きょくせん x i (s )が任意 にんい に変 か わると、dx i /ds およびdp i /ds はそれに応 おう じて変 か わってしまう変数 へんすう である。それでも式 しき (8)が成 な り立 た つためには、dx i /ds およびdp i /ds の係数 けいすう は 0 でなければならない。よって
λ らむだ
(
F
x
i
+
F
u
p
i
)
+
p
˙
i
=
0
,
λ らむだ
F
p
i
−
x
˙
i
=
0
,
.
{\displaystyle \quad \lambda (F_{x_{i}}+F_{u}p_{i})+{\dot {p}}_{i}=0,\quad \lambda F_{p_{i}}-{\dot {x}}_{i}=0,.}
x
˙
i
=
λ らむだ
F
p
i
,
p
˙
i
=
−
λ らむだ
(
F
x
i
+
F
u
p
i
)
.
{\displaystyle {\dot {x}}_{i}=\lambda F_{p_{i}},\quad {\dot {p}}_{i}=-\lambda (F_{x_{i}}+F_{u}p_{i}).}
この
x
˙
i
=
λ らむだ
F
p
i
{\displaystyle {\dot {x}}_{i}=\lambda F_{p_{i}}}
を式 しき (6)に入 い れると
u
˙
−
λ らむだ
∑
i
p
i
F
p
i
=
0
,
u
˙
=
λ らむだ
∑
i
p
i
F
p
i
.
{\displaystyle \quad {\dot {u}}-\lambda \sum _{i}p_{i}F_{p_{i}}=0,\quad {\dot {u}}=\lambda \sum _{i}p_{i}F_{p_{i}}.}
ここに λ らむだ はある定数 ていすう である。これらの式 しき をより対称 たいしょう 的 てき に書 か くと、特性 とくせい 曲線 きょくせん に対 たい する次 つぎ のラグランジュ=シャルピ方程式 ほうていしき が得 え られる。
x
˙
i
F
p
i
=
−
p
˙
i
F
x
i
+
F
u
p
i
=
u
˙
∑
p
i
F
p
i
.
{\displaystyle {\frac {{\dot {x}}_{i}}{F_{p_{i}}}}=-{\frac {{\dot {p}}_{i}}{F_{x_{i}}+F_{u}p_{i}}}={\frac {\dot {u}}{\sum p_{i}F_{p_{i}}}}.}
(9 )
幾何 きか 学 がく 的 てき に、完全 かんぜん に非 ひ 線型 せんけい の場合 ばあい の特性 とくせい 曲線 きょくせん 法 ほう は、微分 びぶん 方程式 ほうていしき のモンジュ錐 きり (英語 えいご 版 ばん ) が至 いた る所 ところ で解 かい のグラフに接 せっ することを要求 ようきゅう するものとして解釈 かいしゃく される。
一 いち 例 れい として、次 つぎ の移流 いりゅう 方程式 ほうていしき が挙 あ げられる(この例 れい ではPDEの記法 きほう や基本 きほん 的 てき なODEの解 かい についてはよく知 し っているものと仮定 かてい する)。
a
∂
u
∂
x
+
∂
u
∂
t
=
0
{\displaystyle a{\frac {\partial u}{\partial x}}+{\frac {\partial u}{\partial t}}=0\,}
ここに
a
{\displaystyle a\,}
は定数 ていすう で、
u
{\displaystyle u\,}
は
x
{\displaystyle x\,}
と
t
{\displaystyle t\,}
の函数 かんすう である。この線型 せんけい 一 いち 階 かい 偏 へん 微分 びぶん 方程式 ほうていしき を、適切 てきせつ な曲線 きょくせん に沿 そ って常微分 じょうびぶん 方程式 ほうていしき に変換 へんかん することを考 かんが える。すなわち、次 つぎ の形状 けいじょう の常微分 じょうびぶん 方程式 ほうていしき を考 かんが える。
d
d
s
u
(
x
(
s
)
,
t
(
s
)
)
=
F
(
u
,
x
(
s
)
,
t
(
s
)
)
{\displaystyle {\frac {d}{ds}}u(x(s),t(s))=F(u,x(s),t(s))}
,
ここに
(
x
(
s
)
,
t
(
s
)
)
{\displaystyle (x(s),t(s))\,}
は特性 とくせい 曲線 きょくせん である。はじめに、連鎖 れんさ 律 りつ より次 つぎ が得 え られる。
d
d
s
u
(
x
(
s
)
,
t
(
s
)
)
=
∂
u
∂
x
d
x
d
s
+
∂
u
∂
t
d
t
d
s
{\displaystyle {\frac {d}{ds}}u(x(s),t(s))={\frac {\partial u}{\partial x}}{\frac {dx}{ds}}+{\frac {\partial u}{\partial t}}{\frac {dt}{ds}}}
今 いま 、
d
x
d
s
=
a
{\displaystyle {\frac {dx}{ds}}=a}
and
d
t
d
s
=
1
{\displaystyle {\frac {dt}{ds}}=1}
とすると、次 つぎ が得 え られる。
a
∂
u
∂
x
+
∂
u
∂
t
{\displaystyle a{\frac {\partial u}{\partial x}}+{\frac {\partial u}{\partial t}}\,}
これははじめのPDEの左辺 さへん である。したがって
d
d
s
u
=
a
∂
u
∂
x
+
∂
u
∂
t
=
0
{\displaystyle {\frac {d}{ds}}u=a{\frac {\partial u}{\partial x}}+{\frac {\partial u}{\partial t}}=0}
が得 え られる。したがって、特性 とくせい 曲線 きょくせん
(
x
(
s
)
,
t
(
s
)
)
{\displaystyle (x(s),t(s))\,}
に沿 そ って、元 もと の PDE は ODE
u
s
=
F
(
u
,
x
(
s
)
,
t
(
s
)
)
=
0
{\displaystyle u_{s}=F(u,x(s),t(s))=0\,}
になる。すなわち、特性 とくせい 曲線 きょくせん に沿 そ って解 かい は定数 ていすう である。すると、
u
(
x
s
,
t
s
)
=
u
(
x
0
,
0
)
{\displaystyle u(x_{s},t_{s})=u(x_{0},0)\,}
となる。但 ただ し
(
x
s
,
t
s
)
{\displaystyle (x_{s},t_{s})\,}
と
(
x
0
,
0
)
{\displaystyle (x_{0},0)\,}
は同一 どういつ の特性 とくせい 曲線 きょくせん 上 じょう に存在 そんざい する。したがって、一般 いっぱん 解 かい を決定 けってい する上 じょう で、次 つぎ のような常微分 じょうびぶん 方程式 ほうていしき の特性 とくせい システムを解 と けば十分 じゅうぶん である。
d
t
d
s
=
1
{\displaystyle {\frac {dt}{ds}}=1}
。
t
(
0
)
=
0
{\displaystyle t(0)=0\,}
とすることで
t
=
s
{\displaystyle t=s\,}
が得 え られる。
d
x
d
s
=
a
{\displaystyle {\frac {dx}{ds}}=a}
。
x
(
0
)
=
x
0
{\displaystyle x(0)=x_{0}\,}
とすることで
x
=
a
s
+
x
0
=
a
t
+
x
0
{\displaystyle x=as+x_{0}=at+x_{0}\,}
が得 え られる。
d
u
d
s
=
0
{\displaystyle {\frac {du}{ds}}=0}
。
u
(
0
)
=
f
(
x
0
)
{\displaystyle u(0)=f(x_{0})\,}
とすることで
u
(
x
(
t
)
,
t
)
=
f
(
x
0
)
=
f
(
x
−
a
t
)
{\displaystyle u(x(t),t)=f(x_{0})=f(x-at)\,}
が得 え られる。
この場合 ばあい 、特性 とくせい 曲線 きょくせん は傾 かたむ きが
a
{\displaystyle a\,}
であるような直線 ちょくせん で、任意 にんい の特性 とくせい 曲線 きょくせん に沿 そ って
u
{\displaystyle u\,}
の値 ね は定数 ていすう となる。
線型 せんけい 微分 びぶん 作用素 さようそ の特性 とくせい 曲線 きょくせん [ 編集 へんしゅう ]
X を可 か 微分 びぶん 多様 たよう 体 たい とし、P を次数 じすう k の線型 せんけい 微分 びぶん 作用素 さようそ
P
:
C
∞
(
X
)
→
C
∞
(
X
)
{\displaystyle P:C^{\infty }(X)\to C^{\infty }(X)}
とする。局所 きょくしょ 座標 ざひょう 系 けい x i においては
P
=
∑
|
α あるふぁ
|
≤
k
P
α あるふぁ
(
x
)
∂
∂
x
α あるふぁ
{\displaystyle P=\sum _{|\alpha |\leq k}P^{\alpha }(x){\frac {\partial }{\partial x^{\alpha }}}}
とする。ここで α あるふぁ は多重 たじゅう 指数 しすう である。P の主 しゅ 表象 ひょうしょう は σ しぐま P と表 あらわ され、これはそれらの局所 きょくしょ 座標 ざひょう 系 けい において定義 ていぎ される余 よ 接 せっ 束 たば T∗ X に関 かん する次 つぎ の函数 かんすう である。
σ しぐま
P
(
x
,
ξ くしー
)
=
∑
|
α あるふぁ
|
=
k
P
α あるふぁ
(
x
)
ξ くしー
α あるふぁ
{\displaystyle \sigma _{P}(x,\xi )=\sum _{|\alpha |=k}P^{\alpha }(x)\xi _{\alpha }}
ここに ξ くしー i は座標 ざひょう 微分 びぶん dx i によって導 みちび かれる余 よ 接 せっ 束 たば 上 じょう のファイバー座標 ざひょう である。これは特定 とくてい の座標 ざひょう 系 けい を用 もち いることで定義 ていぎ されるが、ξ くしー i と x i を関連 かんれん づける変換 へんかん 則 そく は σ しぐま P がその余 よ 接 せっ 束 たば 上 じょう で well-defined な函数 かんすう であることを保証 ほしょう するものである。
函数 かんすう σ しぐま P は変数 へんすう ξ くしー について次数 じすう k の斉 ひとし 次 じ 函数 かんすう である。σ しぐま P のゼロ解 かい は、T∗ X のゼロ切断 せつだん とは離 はな れた所 ところ にあり、P の特性 とくせい 曲線 きょくせん である。式 しき F (x ) = c によって定義 ていぎ される X の超 ちょう 曲面 きょくめん が、x での特性 とくせい 超 ちょう 曲面 きょくめん であるとは、
σ しぐま
P
(
x
,
d
F
(
x
)
)
=
0
{\displaystyle \sigma _{P}(x,dF(x))=0}
が成立 せいりつ することを言 い う。特性 とくせい 超 ちょう 曲面 きょくめん は、余 よ 法 ほう 束 たば (英語 えいご 版 ばん ) が P の特性 とくせい 集合 しゅうごう に属 ぞく する超 ちょう 曲面 きょくめん である。
特性 とくせい 曲線 きょくせん の定性的 ていせいてき 解析 かいせき [ 編集 へんしゅう ]
特性 とくせい 曲線 きょくせん はまた、PDEへの定性的 ていせいてき な洞察 どうさつ を得 え る上 うえ での強力 きょうりょく な道具 どうぐ となる。
圧縮 あっしゅく 性 せい 流体 りゅうたい におけるポテンシャルフローに対 たい する衝撃波 しょうげきは を見 み つけるために、特性 とくせい 曲線 きょくせん の交点 こうてん を利用 りよう することが出来 でき る。直感 ちょっかん 的 てき に言 い うと、各 かく 特性 とくせい 曲線 きょくせん はそれ自身 じしん に沿 そ った
u
{\displaystyle u\,}
の解 かい を意味 いみ するものであると考 かんが えられる。したがって、二 ふた つの特性 とくせい 曲線 きょくせん が交 まじ わる場合 ばあい には、函数 かんすう は複数 ふくすう 値 ち ということになりこれは非 ひ 物理 ぶつり 的 てき な解 かい である。物理 ぶつり 的 てき にはこのような矛盾 むじゅん は、衝撃波 しょうげきは の構成 こうせい 、接線 せっせん の不連続 ふれんぞく 性 せい あるいは弱 じゃく 不連続 ふれんぞく 性 せい によって除外 じょがい することが出来 でき る。その結果 けっか 、初 はじ めの仮定 かてい を満 み たさない非 ひ ポテンシャルフローが得 え られる。
特性 とくせい 曲線 きょくせん は、PDEの定義 ていぎ 域 いき の一部分 いちぶぶん をカバーしないこともある。この事実 じじつ は希薄 きはく 化 か (英語 えいご 版 ばん ) と呼 よ ばれ、弱 よわ い意味 いみ 、すなわち積分 せきぶん 方程式 ほうていしき に対 たい してのみ解 かい が存在 そんざい することを意味 いみ する。
特性 とくせい 曲線 きょくせん の方向 ほうこう は、上述 じょうじゅつ の例 れい で示 しめ したように、解 かい に沿 そ った値 ね のフローを示 しめ すものである。この種 たね の知識 ちしき は、問題 もんだい に対 たい して有限 ゆうげん 差分 さぶん が最適 さいてき であるように示 しめ すものであるため、PDEを数値 すうち 的 てき に解 と く上 うえ で有用 ゆうよう となる。
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