SM-62 (ミサイル)

SM-62 スナーク

着弾ちゃくだんシークエンス。主翼しゅよくを含ふくむ胴体どうたい部ぶより先端せんたん弾道だんどう部ぶが切きり離はなされ、着弾ちゃくだんする。

SM-62（愛称あいしょうスナーク）はアメリカ空軍くうぐんが運用うんようしていた大陸たいりく間あいだ巡航じゅんこうミサイルである。

スナークとはルイス・キャロルの詩し、『スナーク狩かり』(原題げんだい：The Hunting of the Snark (An Agony in 8 Fits) )に登場とうじょうする架空かくうの生物せいぶつの名なである(開発かいはつ計画けいかくにおいて並行へいこう検討けんとうされた“ブージャム”(Boojum)の名なも、ルイス・キャロルの詩しに由来ゆらいする)。

概要がいよう

SM-62は、超ちょう長ちょう射程しゃていの巡航じゅんこうミサイルとして第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん終結しゅうけつ後ごの1946年ねんより開発かいはつが開始かいしされた。これはMX775計画けいかくと呼称こしょうされ、ノースロップ社しゃにより開発かいはつが開始かいしされた。亜あ音速おんそくのMX775Aスナークと超ちょう音速おんそくのMX775Bブージャムの2種しゅが検討けんとうされている。スナークの方ほうに開発かいはつの重点じゅうてんが置おかれ、1953年ねんには初はつ飛行ひこうに漕こぎ着つけることができた。

冷戦れいせんの激化げきかにより、ソビエト連邦れんぽう攻撃こうげき手段しゅだんの獲得かくとくが焦点しょうてんとなるとSM-62も大陸たいりく間あいだ弾道だんどうミサイル実用じつよう化かまでの長距離ちょうきょり攻撃こうげき手段しゅだんとして実用じつよう化かされることとなり、1957年ねんには戦略せんりゃく航空こうくう軍団ぐんだんへの部隊ぶたい引渡ひきわたしが開始かいしされた。類別るいべつ記号きごうには1955年ねんに有人ゆうじん爆ばく撃げき機きと同おなじくB-62が与あたえられたが、後のちにSM-62に変更へんこうされた。

実戦じっせん部隊ぶたいにおいては戦略せんりゃくミサイル航空こうくう団だんが編制へんせいされ、1958年ねんより実じつ運用うんようが開始かいしされている。大陸たいりく間あいだ弾道だんどうミサイルの実用じつよう化かと共ともに退役たいえきが進すすめられ、1961年ねんには退役たいえきした。

形状けいじょうは鉛筆えんぴつ状じょうの胴体どうたいに後退こうたい翼つばさの主翼しゅよくを高こう翼つばさ配置はいちにしたものであり、垂直すいちょく尾翼びよくを有ゆうするが水平すいへい尾翼びよくはない。地上ちじょうの移動いどう式しき発射はっしゃ台だいから胴体どうたい後部こうぶの2基きのロケットブースターも用もちいて、ゼロ距離きょり発進はっしんされる。機関きかんはP&W J57ターボジェットエンジン1基きである。主翼しゅよく下かに増ふえ槽そうも搭載とうさいし、最大さいだい射程しゃていは約やく10,180kmとアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく本土ほんどからソ連それんを直接ちょくせつ攻撃こうげきできるものである。弾頭だんとう部ぶは着弾ちゃくだん直前ちょくぜんに胴体どうたいより切きり離はなされ、落下らっかする。残のこりの機体きたい部ぶは着陸ちゃくりく装置そうちを有ゆうしないこともあり、放棄ほうきされる。

誘導ゆうどうは慣性かんせい航法こうほう装置そうちと天測てんそく航法こうほうを用もちいていたが精度せいどは低ひくく、1958年ねんの段階だんかいでも4海里かいり（7.4km）の半数はんすう必中ひっちゅう界かいとなっていた。

要目ようもく

• 全長ぜんちょう：20.47m
• 全幅ぜんぷく：12.88m
• 全備ぜんび重量じゅうりょう：27.2t（ロケットブースター2基き含ふくむ）
• 機関きかん：P&W J57ターボジェットエンジン（推力すいりょく46.7KN）2基き、固体こたいロケットブースター（推力すいりょく580kN）2基き
• 最大さいだい速度そくど：1,050km/h
• 最大さいだい射程しゃてい：10,180km
• 弾頭だんとう：W39核弾頭かくだんとう1基き