株主かぶぬし総会そうかいの想定そうてい問答もんどうをChatGPTで作成さくせい支援しえん、精度せいどを高たかめるエクサウィザーズの工夫くふう

　「（株主かぶぬし総会そうかいなどの）想定そうてい問答もんどうは膨大ぼうだいな量りょうに上のぼる。最初さいしょの一いち歩ほを支援しえんできるのは大おおきい」。AI（人工じんこう知能ちのう）開発かいはつを手掛てがけるエクサウィザーズの神山かみやま光ひかりコーポレート統括とうかつ部ぶIR部ぶ部長ぶちょうは語かたる。同社どうしゃは2023年ねん5月がつ10日とおか、株主かぶぬし総会そうかいや決算けっさん説明せつめい会かいにおける想定そうてい問答もんどうの作成さくせいを支援しえんする「exaBase IRアシスタント powered by ChatGPT」を発表はっぴょうした。同月どうげつ下旬げじゅんにもベータ版ばんの提供ていきょうを開始かいしする。単たんにChatGPTを活用かつようするだけでなく、企業きぎょうのIR担当たんとう者しゃがチューニングして回答かいとう精度せいどを高たかめられる点てんが特徴とくちょうだ。

　次つぎのような流ながれで利用りようする。まず、決算けっさん短信たんしんや説明せつめい資料しりょう、有価ゆうか証券しょうけん報告ほうこく書しょなどのデータソースをアップロードすると、「前期ぜんきと今期こんきの違ちがい」など質問しつもん項目こうもくになり得える情報じょうほうが自動じどう抽出ちゅうしゅつされる。この情報じょうほうを「トリガー」と呼よぶ。トリガーは表おもて形式けいしきで表示ひょうじされる。次つぎに担当たんとう者しゃがトリガーにチェックを付つけると、そのトリガーに関かんする質問しつもんをexaBase IRアシスタントが生成せいせい。さらに生成せいせいされた質問しつもんから回答かいとうも作成さくせいしてくれる。手早てばやく想定そうてい問答もんどう案あんを作つくることが可能かのうだ。

「exaBase IRアシスタント powered by ChatGPT」の画面がめん例れい

（出所しゅっしょ：エクサウィザーズ）

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　ユーザーがアップロードするデータソースには、未み公開こうかいのIR文書ぶんしょなどが含ふくまれる。そのため、エクサウィザーズもアクセスできない企業きぎょう専用せんようのクラウドストレージを用意よういした。ChatGPTの開発元かいはつもとである米べいOpenAI（オープンAI）が、学習がくしゅうに利用りようすることもないようにしているという。

　exaBase IRアシスタントで鍵かぎとなるのが回答かいとう作成さくせいのプロセスだ。祖父江そふえ雄介ゆうすけexaBase IRアシスタント プロダクトマネージャーは、「ChatGPTの精度せいどを高たかめることは我々われわれにはできない。ただし、人ひとがチューニングすれば精度せいどを高たかめられる」と話はなす。

　プロンプトの工夫くふうを重かさねるのは難易なんい度どは高たかい。そこで一般いっぱん的てきなIR担当たんとう者しゃにも苦くにならないUI（ユーザーインターフェース）を提供ていきょうし、回答かいとう内容ないようの改善かいぜんを図はかれるようにした。

　一気いっきに質問しつもんと回答かいとうを生成せいせいするのではなく、人ひとが介在かいざいするのがポイントだ。生成せいせいした回答かいとうについてどのような要素ようそに触ふれているか、データソースのどこを検索けんさくし、どんな結果けっかを得えた上うえで作成さくせいしたものなのかを提示ていじ。満足まんぞくいくものでなければ、盛もり込こむべき要素ようそや検索けんさく結果けっかをチェックボックス形式けいしきで取捨選択しゅしゃせんたくし、回答かいとうを再さい生成せいせいする。こうしてIR担当たんとう者しゃから見みて、より妥当だとうで精度せいどの高たかい回答かいとうを得えられるようにする。

　ユーザーの声こえを聞きいて、企業きぎょうに共通きょうつうする傾向けいこうを導出みちびきだしたい考かんがえ。それを基もとに、最初さいしょに生成せいせいする回答かいとうの精度せいどを高たかめられれば、IR担当たんとう者しゃによるチューニングの手間てま軽減けいげんにもつながる。