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スタンダード・ヴァンガード - Wikipedia

スタンダード・ヴァンガード英語えいご: Standard Vanguard)は、1947ねんから1963ねんまでコヴェントリースタンダード・モーター・カンパニー製造せいぞうされていた乗用車じょうようしゃである。

概要がいよう歴史れきし

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1947ねん7がつ発表はっぴょうされたこのくるまは、それ以前いぜんのモデルとの類似るいじてんなにもないまった新規しんきのモデルであり、スタンダードにとってだい世界せかい大戦たいせんこうはつ新型しんがたしゃであった。また、グリフィンつばさ図案ずあんしたあたらしいスタンダードのバッジはじめてけたくるまでもあった[1]

だい世界せかい大戦たいせんはじまると、英国えいこく英語えいごけん輸出ゆしゅつ市場いちばにいた潜在せんざい顧客こきゃくとなる人々ひとびとおおくは、すう年間ねんかん軍務ぐんむ戦時せんじ海事かいじ役務えきむ従事じゅうじした。したがってえい海軍かいぐん関係かんけいしたくるま名称めいしょうは、ことにだい大戦たいせん経験けいけんしゃたちにとってはおおきな意味合いみあいをもっていた。

大戦たいせん終了しゅうりょうほどない時期じきのスタンダードによる「ヴァンガード」のくるまめい採用さいようは、1944ねんすうおおくのメディア注目ちゅうもくするなか就役しゅうえきしたえい海軍かいぐん最後さいご戦艦せんかんであるHMS ヴァンガード容易よういおもこさせるものであった。この名称めいしょう使用しよう許可きょかけるため、スタンダードはえい海軍かいぐん上級じょうきゅう幹部かんぶたい広範囲こうはんい交渉こうしょうおこなった。

このくるまのスタイリングは、傾斜けいしゃした「ビートル・バック」(beetle-back )をつ1940ねん前後ぜんこうのアメリカしゃプリムスおもこさせるものであった。

ソビエト連邦れんぽうのメディアは最初さいしょの「ヴァンガード」のスタイリングが部分ぶぶんてきに1943ねんから開発かいはつされ1946ねん生産せいさんはいったソ連それんGAZ-M20 ポピェーダGAZ-M20 Pobeda)の影響えいきょうけていると主張しゅちょうした。1952ねんに『ザ・モーター』The Motor magazine)は、実際じっさいはポベーダがヴァンガードの前年ぜんねん発表はっぴょうされていたことを無視むししてソ連それんのポベーダが「外観がいかんのある部分ぶぶんはスタンダード・ヴァンガードをおもこさせる特徴とくちょうしめしている。」としるした[2]。ポベーダとヴァンガード1はクラスやスタイリングでは相似そうじせいつよいが、セミ・モノコック構造こうぞう採用さいようにまでんでいたてんではポベーダのほういちさきんじていた。

同型どうけいウェットライナーかた直列ちょくれつ4気筒きとうエンジン(wet liner engine )は、1ソレックスせいキャブレターそなえるボアφふぁい85 mm×ストローク92 mmをOHVエンジンで、1960ねん直列ちょくれつ6気筒きとうエンジンが登場とうじょうするまでぜんモデルにわた使用しようされた。初期しょきエンジンの6.7:1の圧縮あっしゅくは、フェーズ3では7.0:1、スポーツマンでは8.0:1にげられた。ウェットがたシリンダーライナーを使用しようしたこのエンジンは、スタンダードが傍系ぼうけいのファーガソン・トラクター(Fergusonけに大量たいりょう生産せいさんしたエンジンとよくていた。

トランスミッション当初とうしょ前進ぜんしんギアにはすべてシンクロメッシュ機構きこういた3そくであった。

スカンジナビアではスタンダードはスタンダード・テン(Standard Ten サルーンをヴァンガード ジュニアとして販売はんばいした。

ヴァンガード フェーズ1

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スタンダード・ヴァンガード
 
1951ねんヴァンガード
 
1952ねんヴァンガード
概要がいよう
製造せいぞうこく   イギリス
販売はんばい期間きかん 1947ねん - 1953ねん
生産せいさん台数だいすう:17まん4,799だい
ボディ
ボディタイプ 4ドア・サルーン、4ドア・エステート、2ドア・ユーティリティ(オーストラリア)
駆動くどう方式ほうしき FR
パワートレイン
エンジン 2,088 cc 直列ちょくれつ4気筒きとう
変速へんそく 3そく MT(1950ねんからオーバードライブがオプション)
車両しゃりょう寸法すんぽう
ホイールベース 94 in(2,388 mm)[3]
全長ぜんちょう 166 in(4,216 mm)[3]
全幅ぜんぷく 69 in(1,753 mm)[3]
ぜんこう 64 in(1,626 mm)[3]
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このくるま従来じゅうらいがたのシャーシにプリムスひとしおもこさせる米国べいこくしゃ影響えいきょうけたはん流線型りゅうせんけい厳密げんみつにはファストバックかた)の4ドア・ボディをせていた。サスペンション前輪ぜんりんがコイルバネを使用しようした独立どくりつ懸架けんかこうリーフスプリングったリジッドアクスルで、前後ぜんごどもスタビライザーそなえていた。ブレーキはぜん油圧ゆあつしきの9 in (228 mm) ドラムブレーキであった。車内しゃない空間くうかんかせすためにコラムシフト採用さいようしたが、これも先行せんこうしたアメリカしゃならった流儀りゅうぎである。

戦後せんご英国えいこくにおける外貨がいか獲得かくとくのための「輸出ゆしゅつか」とまでわれた輸出ゆしゅつ優先ゆうせん政策せいさくのっとり、実質じっしつ最初さいしょの2年間ねんかんぜん生産せいさん輸出ゆしゅつまわされた。イギリス本国ほんごく市場いちばでの販売はんばい開始かいしはようやく1950ねんになってからはじまった。ヴァンガードは意図いとして輸出ゆしゅつ重視じゅうししており、とくオーストラリア市場いちば焦点しょうてんてていた。戦後せんごすぐのころくるま供給きょうきゅう不足ふそくしており、「市場いちば」の状況じょうきょうしていたため、ヴァンガードの入手にゅうしゅなん消費しょうひしゃ購入こうにゅう意欲いよく助長じょちょうした。

1950ねんエステート追加ついかされ、ベルギーけのみであったがコーチビルダーのインペリア(Impéria )でコンバーチブルつくられた。既存きそんトランスミッションに追加ついかするレイコック・ド・ノーマンビルせいオーバードライブ(Laycock-de-Normanville overdrive)は1951ねんからえらべるようになった。

ヴァンガードを輸入ゆにゅうしていたスイス代理だいりてんはAMAGという精力せいりょくてき会社かいしゃで、スイス市場いちばけにヴァンガード フェーズ1の現地げんちてをおこなった。同社どうしゃのちにスイスでのフォルクスワーゲン独占どくせん販売はんばいけん獲得かくとくしている[4]

1952ねんには部分ぶぶんてきマイナーチェンジをけた。ボンネットがひくめられ、後部こうぶまど拡大かくだいされ、オリジナルよりもこまかな縦桟たてざん幅広はばひろのクロームせいバーをはいしたあたらしいグリルそなえた[4]

1949ねん英国えいこくの『ザ・モーター』がヴァンガードをテストし、最高さいこう速度そくど78.7 mph(126.7 km/h)と0 - 60 mph(0 - 97 km/h)加速かそくに21.5びょう、22.9 ml/えいガロン(12.3 L/100 km;19.1 mpg-US)の燃料ねんりょう消費しょうひりつ記録きろくした。テストしゃは、税込ぜいこみで£671であった[3]

ヴァンガード フェーズ2

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スタンダード・ヴァンガード
 
1954ねんヴァンガード
 
1954ねんヴァンガード エステート
概要がいよう
製造せいぞうこく   イギリス
販売はんばい期間きかん 1953ねん - 1956ねん
生産せいさん台数だいすう:8まん1,074だい
ボディ
ボディタイプ 4ドア・サルーン、4ドア・エステート、2ドア・ユーティリティ(オーストラリア)
駆動くどう方式ほうしき FR
パワートレイン
エンジン 2,088cc 直列ちょくれつ4気筒きとう
2,092 cc 直列ちょくれつ4気筒きとうディーゼル
変速へんそく 3そく MT(1950ねんからオーバードライブがオプション)
車両しゃりょう寸法すんぽう
ホイールベース 94in(2,400mm)[5]
全長ぜんちょう 168in(4,300mm)[5]
全幅ぜんぷく 69in(1,800mm)[5]
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1953ねん3月のジュネーヴ・モーターショー[5]ではスリーボックスがたノッチバックのデザインをれた広範囲こうはんいなスタイリングの変更へんこうおこなわれたヴァンガード フェーズ2が披露ひろうされた。内容ないようてきにはビッグマイナーチェンジとうべきもので、ノッチバックが乗用車じょうようしゃスタイルのしゅたる趨勢すうせいとなった時流じりゅう反映はんえいしていた。

トランク容量ようりょうはフェーズ1とくらべ50 %拡大かくだいされ、さらおおきくされた後部こうぶまどにより視認しにんせい改善かいぜんされていた[4]機械きかい機構きこう変更へんこうはほとんどなかったがクラッチ操作そうさがケーブルしきから油圧ゆあつしきになり、エンジン圧縮あっしゅくが7.2:1へとたかめられていた。ぜんモデルで装着そうちゃくされていたスタビライザーはすで使用しようされておらず、接地せっち性能せいのう向上こうじょうのため6.00x16の幅広はばひろタイヤが装着そうちゃくされていた。

オプションのオーバードライブしのこのくるまを『ザ・モーター』がテストし、最高さいこう速度そくど80 mph(130 km/h)と0 - 60 mph(0 - 97 km/h)加速かそくに19.9びょう、23.5 ml/えいガロンの燃料ねんりょう消費しょうひりつ記録きろくした[5]

1954ねん2がつにスタンダードはメーカーオプションとしてディーゼルエンジン提供ていきょうした英国えいこく最初さいしょ自動車じどうしゃ製造せいぞう会社かいしゃとなった[6]。シャーシはおもくなったエンジンに対処たいしょして強化きょうかされており、最高さいこう速度そくどは65 mph(105 km/h) に低下ていかしていた。ガソリンエンジンと同様どうようにこのディーゼルエンジンはファーガソン(Ferguson )のトラクターけに開発かいはつされたスタンダード自製じせいの「20C」エンジンであった。トラクターに搭載とうさいされたエンジンはその用途ようとじょう回転かいてんすう2,200 rpm、出力しゅつりょく25 hp(19 kW)にガバナーで低速ていそく制限せいげんされていたが、ヴァンガードに搭載とうさいされた自動車じどうしゃよう制限せいげん解除かいじょされ、60 hp(45 kW)/3,800 rpmの出力しゅつりょく発生はっせいして、ガソリンエンジンモデルにはおよばないが一応いちおう動力どうりょく性能せいのう確保かくほしていた。しかしながら、このエンジンはひやあいだ始動しどうとき手動しゅどう操作そうさしなければならないトラクターの「Ki-ガス」(Ki-Gass )、デコンプやオーバー・フュエリング方式ほうしきといったものをいでおり、経済けいざいせいはともかく、実用じつようじょうあつかいは面倒めんどうなものであった。1,973だいのディーゼルばんのヴァンガードが生産せいさんされた。

1954ねんに『ザ・モーター』はディーゼルエンジンばんをテストし、最高さいこう速度そくど66.2 mph(106.5 km/h)と0 - 60 mph(0 - 97 km/h)加速かそくに31.6びょう、37.5 ml/えいガロン(7.35 L/100 km;31.2 mpg-US)の燃料ねんりょう消費しょうひりつ記録きろくした。テストしゃは、税込ぜいこみで£1,099であった[7]

ヴァンガード フェーズ3、スポーツマン、エンサイン

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スタンダード・ヴァンガード
 
1958ねんヴァンガード
概要がいよう
製造せいぞうこく   イギリス
販売はんばい期間きかん 1955ねん - 1958ねん
生産せいさん台数だいすう:37,194だい(フェーズ3)、901だい(スポーツマン)、18,852だい(エンサイン)、2,318だい(エンサイン・デラックス)[6]
ボディ
ボディタイプ 4ドア・サルーン、4ドア・エステート、2ドア・ユーティリティ(オーストラリア)
駆動くどう方式ほうしき FR
パワートレイン
エンジン 2,088 cc 直列ちょくれつ4気筒きとう(フェーズ3)
1,670ccと2,138cc(エンサイン)
変速へんそく 4そく MT(オーバードライブがオプション)
オートマチックトランスミッション(1957ねんから)
車両しゃりょう寸法すんぽう
ホイールベース 102.5 in(2,604 mm)[8]
全長ぜんちょう 172 in(4,369 mm)[8]
全幅ぜんぷく 67.5 in(1,715 mm)[8]
ぜんこう 61.5 in(1,562 mm)[8]
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フェーズ3は、ヴァンガード・シリーズの後期こうきがたにあたり、独立どくりつしきシャーシの廃止はいしといっただい規模きぼ変更へんこうほどこされて、フル・モデルチェンジを達成たっせいしている。なお1956ねんまではきゅうモデルのフェーズ2のエステートばん並行へいこうして販売はんばいされていた。

エンジンは旧型きゅうがた強化きょうかばんで、1ソレックスせいダウンドラフトしきキャブレターそなえた2,088 cc、68 hp(51 kW;69 PS) を発揮はっきした。コイルバネを使用しようした独立どくりつ懸架けんか前輪ぜんりんのサスペンションは丈夫じょうぶなサブフレームにボルトで締結ていけつされ、サブフレームはボール循環じゅんかんしきrecirculating ball )のステアリング機構きこうかかえていた。こうのアクスルはつづはん楕円だえんいたバネでった固定こていじくである。

前後ぜんごにはロッキードせい9 in(229 mm)ドラムブレーキをそなえていた。4そくマニュアルトランスミッション(MT)はコラムチェンジしきで、ダッシュボードじょうのスイッチで作動さどうするオーバードライブがオプションで選択せんたくできた。

ひくくなったボディはガラス面積めんせき拡大かくだいされかなり現代げんだいてき姿すがたとなり、ふる平面へいめんガラス2まい仕立したての前面ぜんめんガラスは1まい曲面きょくめんガラスに変更へんこうされた。ホイールベースは8 in(203 mm)延長えんちょうされ室内しつない居住きょじゅうせい向上こうじょうしており、ヒーター標準ひょうじゅん装備そうびとなった。前後ぜんごせきともにベンチシートそなえ、こうせきには中央ちゅうおうたたしき肘掛ひじかけき、表皮ひょうひはビニールせいでオプションでかわりも選択せんたくできた。

このくるま以前いぜんのモデルよりも軽量けいりょうであり、実質じっしつてき性能せいのうとすことなくより経済けいざいせい発揮はっきできるように変速へんそくギア変更へんこうされていた。

1956ねんに『ザ・モーター』がオーバードライブづけモデルをテストし、最高さいこう速度そくど83.7 mph(134.7 km/h)と0 - 60 mph(0 - 97 km/h)加速かそくに 21.7びょう、25.9 ml/えいガロン(10.9 L/100 km;21.6 mpg-US)の燃料ねんりょう消費しょうひりつ記録きろくした。テストしゃは、税込ぜいこみで£998であった[8]

ヴァンガード スポーツマン

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トライアンフ・レナウン(Triumph Renown )というバッジをける予定よていくるま発表はっぴょうされるまでのみじかあいだトライアンフ・TR3搭載とうさいされた90 hp(67 kW;91 PS)にチューンされたエンジンをんだ高性能こうせいのうモデルの「ヴァンガード スポーツマン」が1956ねん8がつ発表はっぴょうされた。このエンジンは圧縮あっしゅくが8.0:1にたかめられ、連装れんそうSUせいキャブレターと改良かいりょうがたピストンをそなえていた。加速かそく性能せいのう向上こうじょうさせるために最終さいしゅう減速げんそくが4.55:1にひくめられ、だいみちの10 in(254 mm)ドラムブレーキを装備そうびしていた。標準ひょうじゅん仕様しようではベンチシートであったが、オプションで分割ぶんかつがたシートも選択せんたくできた。

1958ねんまでにわずか901だいのスポーツマンしか生産せいさんされなかった[6]

『ザ・モーター』が1956ねんにオーバードライブづけのスポーツマンをテストしたところ、最高さいこう速度そくど90.7 mph(146.0 km/h)と0 - 60 mph(0 - 97 km/h)加速かそくに19.2びょう、25.6 ml/えいガロン(11.0 L/100 km;21.3 mpg-US)の燃料ねんりょう消費しょうひりつ記録きろくした。テストしゃ税込ぜいこみで£1,231であった[9]

スタンダード エンサイン

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ヴァンガード フェーズ3とボディを共有きょうゆうするが様々さまざまめんでコスト削減さくげんはかられていた1956ねん導入どうにゅうのスタンダード・エンサイン。このくるまえい空軍くうぐんのスタッフカーとして当時とうじ一般いっぱんてき車種しゃしゅであった。

ヴァンガードの派生はせいがたとして1,670 ccエンジンを搭載とうさいしたベースモデルの「エンサイン」は、1957ねん発表はっぴょうされた。ヴァンガードがジョヴァンニ・ミケロッティによるスタイルチェンジをけて以降いこうも、エンサインは基本きほんてきにはヴァンガードのボディシェルを使用しようつづけた。おおくがえい空軍くうぐんにより購入こうにゅうされ、合計ごうけい18,852だい生産せいさんされた。1962ねんにはデラックス・モデルが導入どうにゅうされ、1963ねんには排気はいきりょうおおきい2,138 ccエンジンが搭載とうさいされた。

1,670 ccエンジンを搭載とうさいしたモデルを1956ねんに『ザ・モーター』がテストし、最高さいこう速度そくど77.6 mph(124.9 km/h)と0 - 60 mph(0 - 97 km/h)加速かそくに24.4びょう、28.5 ml/えいガロン(9.91 L/100 km;23.7 mpg-US)の燃料ねんりょう消費しょうひりつ記録きろくした。テストしゃは、£300の税込ぜいこみで£899であった[10]

1960ねん1がつにピーターバラ(Peterborough )にあるエンジン専業せんぎょうメーカーのパーキンス(Perkins )が製造せいぞうするコンパクトな1,400 cc直列ちょくれつ4気筒きとうディーゼルエンジンの「P4C」を搭載とうさいしたスタンダード・エンサインが発表はっぴょうされた[11]出力しゅつりょく43hpのこのエンジンは「やく50mpg」という燃料ねんりょう消費しょうひりつほこ[11]、このおおきさのくるまとしては比較的ひかくてきひかえめな最高さいこう速度そくど加速かそく性能せいのうゆうしていた。

ヴァンガード ヴィニャーレ

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スタンダード・ヴァンガード
 
1960ねんヴァンガード ヴィニャーレ
概要がいよう
製造せいぞうこく   イギリス
販売はんばい期間きかん 1958ねん - 1961ねん
生産せいさん台数だいすう:2まん6,267だい[6]
デザイン ジョヴァンニ・ミケロッティ
ボディ
ボディタイプ 4ドア・サルーン、4ドア・エステート
駆動くどう方式ほうしき FR
パワートレイン
エンジン 2,088 cc 直列ちょくれつ4気筒きとう
変速へんそく 4そく MT(オーバードライブがオプション)
オートマチックトランスミッション
車両しゃりょう寸法すんぽう
ホイールベース 102in(2591mm)[10]
全長ぜんちょう 172in(4369mm)[10]
全幅ぜんぷく 68.5in(1740mm)[10]
ぜんこう 60in(1524mm)[10]
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1958ねんにフェーズ3はミケロッティとコーチビルダーヴィニャーレにより、当時とうじトレンドであったイタリアン・スタイルへのフェイスリフト部分ぶぶんてきリデザインがほどこされた。全面ぜんめんこうめんまどふかくされ、側面そくめんまどにはステンレスはがねせいわくけられ、前部ぜんぶのグリルとテールライトあたらしくされた。

標準ひょうじゅんの3そくコラムシフトにたいしコラムシフトの4そくMTとそのフロアシフトはオプションとなり、どちらのオプションでもオーバードライブが追加ついかできた。

前後ぜんごせきのベンチシートは標準ひょうじゅんでビニールり、オプションでは本国ほんごく市場いちばかわりで輸出ゆしゅつ市場いちばぬのりであった。ヒーターと当時とうじとしてはめずらしかった電動でんどうしきウィンドウウォッシャーは工場こうじょう装着そうちゃくひんであったが、ラジオはオプションのままであった。

『ザ・モーター』が1959ねんにオーバードライブづけのヴィニャーレをテストしたところ、最高さいこう速度そくど82.8 mph(133.3 km/h)と0 - 60 mph(0 - 97 km/h)加速かそくに20.8びょう、28.0 ml/えいガロン(10.1 L/100 km;23.3 mpg-US)の燃料ねんりょう消費しょうひりつ記録きろくした。テストしゃは、£383の税込ぜいこみで£1,147であった[12]

ヴァンガード シックス

編集へんしゅう
スタンダード・ヴァンガード
概要がいよう
製造せいぞうこく   イギリス
販売はんばい期間きかん 1960ねん - 1963ねん
生産せいさん台数だいすう:9,953だい
デザイン ジョヴァンニ・ミケロッティ
ボディ
ボディタイプ 4ドア・サルーン、4ドア・エステート、2ドア・ユーティリティ(オーストラリア)
駆動くどう方式ほうしき FR
パワートレイン
エンジン 1,991cc 直列ちょくれつ6気筒きとう
変速へんそく 3そくまたは4そく MT(オーバードライブがオプション)
オートマチックトランスミッション
車両しゃりょう寸法すんぽう
ホイールベース 102in(2591mm)[13]
全長ぜんちょう 172in(4369mm)[13]
全幅ぜんぷく 68in(1727mm)[13]
ぜんこう 60in(1524mm)[13]
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1960ねんまつに1,998 cc OHV 直列ちょくれつ6気筒きとうエンジンを搭載とうさいした最後さいごのヴァンガードが導入どうにゅうされた。のちトライアンフ・2000にもつづ搭載とうさいされたこのエンジンは、圧縮あっしゅく8.0:1で連装れんそうソレックスせいキャブレターをそなえ、80 hp(60 kW)/4,500 rpmの出力しゅつりょく発生はっせいした[13]。ヴィニャーレとの外観がいかんじょう差異さいはバッジのみであったが、内装ないそう改良かいりょうされていた。

1960ねんの『ザ・モーター』のヴァンガード シックスのテストでは、最高さいこう速度そくど87.2 mph(140.3 km/h)と0 - 60 mph(0 - 97 km/h)加速かそくに17.0びょう、24.9 ml/えいガロン(11.3 L/100 km;20.7 mpg-US)の燃料ねんりょう消費しょうひりつ記録きろくした。テストしゃは、£301の税込ぜいこみで£1,021であった[13]

終焉しゅうえん

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エンサインとヴァンガードのりょうモデルは、ともに1963ねんにトライアンフ・2000により代替だいたいされ、スタンダードの名称めいしょうは60年間ねんかんわた活動かつどうのち英国えいこく市場いちばからえることとなった。

ヴァンガード ユーティリティ

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フェーズ1 ヴァンガード ユーティリティ

1950ねんにスタンダード・モーター・カンパニーのオーストラリア現地げんち法人ほうじんは、ヴァンガード フェーズ1のクーペ・ユーティリティ(Coupé utilityばん導入どうにゅうした。このくるまはサルーンばんおなじ2,088ccの4気筒きとうエンジンを搭載とうさいしていた[14]。フェーズ2、フェーズ3、ヴァンガード シックスのユーティリティばんもオーストラリアで生産せいさんされ[15]生産せいさんは1964ねん終了しゅうりょうした[16]

  • ディンキー(Dinky Toys )がフェーズ1のミニカーつくっていた。
  • コーギー(Corgi Toys )には、1957ねんから1961ねんまでNo 207としてフェーズ3のサルーンがあり[17]、1958ねんから1962ねんまでNo 352としてフェーズ3のサルーンのえい空軍くうぐんスタッフカーばんがあった[18]

出典しゅってん

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  1. ^ The Standard Car Review January 1947
  2. ^ “Impressions of the Russian POBIEDA”. The Motor. (19 November 1952). http://www.gaz20.spb.ru/img/download/the_motor_1952_eng.zip. 
  3. ^ a b c d e “The Standard Vanguard Road Test”. The Motor. (1949). 
  4. ^ a b c Gloor, Roger (1. Auflage 2007). Alle Autos der 50er Jahre 1945 - 1960. Stuttgart: Motorbuch Verlag. ISBN 978-3-613-02808-1 
  5. ^ a b c d e “The Phase II Standard Vanguard Road Test”. The Motor. (11 March 1953). 
  6. ^ a b c d Sedgwick, M.; Gillies.M (1986). A-Z of Cars 1945-1970. Devon, UK: Bay View Books. ISBN 1-870979-39-7 
  7. ^ “The Standard Diesel Vanguard”. The Motor. (10 November 1954). 
  8. ^ a b c d e “The Standard Vanguard III”. The Motor. (20 June 1956). 
  9. ^ “The Standard Sportsman”. The Motor. (5 September 1956). 
  10. ^ a b c d e “The Standard Ensign”. The Motor. (1958ねん1がつ22にち). 
  11. ^ a b “News summary: Current events and recent announcements: New Diesel car”. Practical Motorist 6 Nbr 65: p. 481. (January 1960). 
  12. ^ “The Standard Ensign”. The Motor. (7 January 1959). 
  13. ^ a b c d e f “The Standard Vanguard Six”. The Motor. (7 December 1960). 
  14. ^ Australian Monthly Motor Manual, March 1950, pages 834-835
  15. ^ Standard Vanguard utility images Retrieved from Picture Australia on 1/8/2008
  16. ^ History of Vanguards in Australia Retrieved on 1 August 2008
  17. ^ Edward Force, Corgi Toys, 1991, page 166.
  18. ^ Edward Force, Corgi Toys, 1991, page 174.
  • British Family Cars of the Fifties. Michael Allen. Haynes Publishing. 1985. ISBN 0-85429-471-6

外部がいぶリンク

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