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出島 - Wikipedia
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出島でじま

江戸えど幕府ばくふの排外はいがい主義しゅぎ政策せいさくの一環いっかんとして長崎ながさきに築造ちくぞうされた人工じんこう島とう
曖昧さ回避 この項目こうもくでは、長崎ながさきの出島でじまについて説明せつめいしています。その他たの用法ようほうについては「出島でじま (曖昧あいまいさ回避かいひ)」をご覧らんください。

出島でじま（でじま、英語えいご: Dejima、オランダ語ご: Deshima）は、1634年ねん江戸えど幕府ばくふが対外たいがい政策せいさくの一環いっかんとして長崎ながさきに築造ちくぞうした日本にっぽん初はつの本格ほんかく的てきな人工じんこう島とう[2]、扇型おうぎがたで面積めんせきは3,969坪つぼ（約やく1.5ヘクタール）[3]。1636年ねんから1639年ねんまでは対たいポルトガル貿易ぼうえき、1641年ねんから1859年ねんまではオランダ東ひがしインド会社かいしゃ（AVOC、アムステルダムに本部ほんぶのあるVOC）を通とおして対たいオランダ貿易ぼうえきが行おこなわれた。

1824-25年ねんごろの出島でじま[1]
左ひだり: 1818年ねんバタヴィアから長崎ながさきに到着とうちゃくするVrouwe Maria号ごう 大だい英えい博物館はくぶつかん
右みぎ: 唐から蘭らん館かん絵巻えまき[注釈ちゅうしゃく 1] 川原かわはら慶賀けいが

明治めいじ以降いこうは長崎ながさき港こう港湾こうわん整備せいびに伴ともなう周辺しゅうへんの埋立うめたて等とうにより陸続りくつづきとなり扇形せんけいの面影おもかげは失うしなわれたが、出島でじま全体ぜんたいは1922年ねん（大正たいしょう11年ねん）10月がつ12日にち「出島でじま和かず蘭らん商館しょうかん跡あと」として国くにの史跡しせきに指定していされ[4][5]、1996年ねん（平成へいせい8年ねん）より江戸えど当時とうじの姿すがたへの復元ふくげんを目指めざす長崎ながさき市しが出島でじま復元ふくげん整備せいび事業じぎょう計画けいかく（後述こうじゅつ）を進すすめている[6]。

歴史れきし

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建設けんせつ前史ぜんし

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明あきらは倭やまと寇対策たいさくである1371年ねんの海うみ禁令きんれいのため銀ぎん不足ふそくに陥おちいっていたが、日本にっぽんでは1526年ねんに石見いわみ銀山ぎんざんが開山かいさんされ産さん銀ぎんは増大ぞうだい[注釈ちゅうしゃく 2]していた。1543年ねん、種子島たねがしまに倭やまと寇の頭領とうりょう王おう直ただしがポルトガル人ひととともに漂着ひょうちゃく。ポルトガルはこれを機きに中国ちゅうごく生糸きいとと日本にっぽん銀ぎんの交換こうかん取引とりひきの仲介ちゅうかい（南蛮なんばん貿易ぼうえき）を始はじめ、マカオにカピタン・モールを派遣はけんしアジア貿易ぼうえきの拠点きょてんとした[8][注釈ちゅうしゃく 3]。

1528年ねんにユトレヒト司し教区きょうく（英語えいご版ばん）がカトリックのスペイン・ハプスブルク軍ぐんに占領せんりょうされ、1531年ねんにハプスブルク領りょうネーデルラントにアントウェルペン証券しょうけん取引とりひき所しょが設立せつりつされたが、1566年ねんにはフランドルの改革かいかく派はの暴動ぼうどうから八はち十じゅう年ねん戦争せんそうが始はじまった。1585年ねん遂ついにスペインがアントウェルペンを陥落かんらく[9]。改革かいかく派はプロテスタントのオランダ商人しょうにんらが追おわれ、欧州おうしゅうの経済けいざい拠点きょてんは1602年ねん創設そうせつのアムステルダム証券しょうけん取引とりひき所しょ・オランダ東ひがしインド会社かいしゃ（VOC）に移動いどうする。

 
家康いえやすの朱印しゅいん状じょう（1609年ねん）オランダ国立こくりつ公文書こうぶんしょ館かん（オランダ語ご版ばん）

VOCは1609年ねんに朱印しゅいん状じょうを賜たまわり平戸ひらど藩はん領りょうに平戸ひらどオランダ商館しょうかんを設置せっち。江戸えどで布教ふきょうしない条件じょうけんで営業えいぎょうを認みとめられた。一方いっぽう、ポルトガル商人しょうにんの関係かんけい者しゃには朱印しゅいん状じょう偽造ぎぞう事件じけんが発生はっせいし、幕府ばくふのカトリック信者しんじゃやポルトガル商人しょうにんに対たいする弾圧だんあつが始はじまった

建設けんせつ

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"阿蘭陀おらんだ船せん"は南東なんとう海上かいじょうに（島原しまばら御ご陣じん図ず）[注釈ちゅうしゃく 4]

出島でじまは幕府ばくふによって1634年ねん（寛永かんえい11年ねん）から1636年ねんにかけてポルトガル人じんを管理かんりする目的もくてきで建設けんせつされた[注釈ちゅうしゃく 5]。築造ちくぞう費用ひようは、門もん・橋きょう・塀へいなどは幕府ばくふが、それ以外いがいは長崎ながさき町年寄まちどしよりや糸いと割符わりふ年寄としよりなどの出島でじま町人ちょうにんが出資しゅっしした[14]。1637年ねん12月に島原しまばらの乱らんが発生はっせいすると、幕府ばくふは長崎ながさき滞在たいざい中ちゅうのポルトガル使節しせつの参府さんぷを禁きんじて出島でじまに監禁かんきんする一方いっぽう、VOCには[15]便宜べんぎ供与きょうよした。乱らんの終結しゅうけつ後ごの寛永かんえい16年ねん（1639年ねん）、松平まつだいら信綱のぶつなは、平戸ひらど藩はんがオランダとの独占どくせん的てき交易こうえきにより強力きょうりょくな兵備へいびを持もっていることに気きづき、寛永かんえい18年ねん（1641年ねん）にはポルトガル人ひとを排除はいじょした出島でじまに平戸ひらどオランダ商館しょうかんを移転いてんさせ、以後いご開港かいこう地ちを出島でじまに限定げんていしてゆくことになる。

鎖国さこく

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ケンペルの江戸えど参府さんぷ 綱吉つなよしの蘭らん人じん御覧ごらん[16]
 
江戸えど参府さんぷ途上とじょう祇園ぎおんでのオランダ人じん [17]
 
道頓堀どうとんぼりで諌鼓鶏にわとり（かんこどり）『船ふね弁慶べんけい』見物けんぶつをするオランダ人じん [18][19]

1638年ねんの春はる、島原しまばらの乱らんを鎮圧ちんあつ[注釈ちゅうしゃく 6]した幕府ばくふは禁教きんきょう徹底てっていのため、カトリックのポルトガルとの関係かんけいを断絶だんぜつしようとしたが、当時とうじの日本にっぽんに必要ひつよう不可欠ふかけつな中国ちゅうごく産さん生糸きいとなどをマカオから齎もたらすのはポルトガルで、VOCでは懸念けねんが残のこり、同年どうねんはマカオから派遣はけんされたカピタン・モールの将軍しょうぐんへの謁見えっけんを拒否きょひするにとどまった。1639年ねん、平戸ひらどのオランダ商館しょうかん長ちょうフランソワ・カロンが江戸えどに参府さんぷし、ポルトガルとの関係かんけい断絶だんぜつを幕まく閣かくに訴うったえた[注釈ちゅうしゃく 7]。幕まく閣かくはカロンに諮問しもんし懸念けねん事項じこうを払拭ふっしょくして[注釈ちゅうしゃく 8]、ポルトガルと断絶だんぜつした。同年どうねん、幕府ばくふは長崎ながさき奉行ぶぎょうや九州きゅうしゅう地方ちほうの大名だいみょうに「第だい5次じ鎖国さこく令れい」を発布はっぷし、ポルトガル人じんを出島でじまから退去たいきょさせた。翌よく1640年ねん、幕府ばくふは貿易ぼうえき再開さいかいを求もとめるポルトガル使節しせつ団だんの内うち61名めいを処刑しょけいし改あらためて貿易ぼうえき再開さいかいしない意思いしを示しめした[20][21][22]。無人むじん状態じょうたいの出島でじまには貿易ぼうえき利潤りじゅんも土地とち使用しよう料りょうも発生はっせいせず、困窮こんきゅうした出島でじま町人ちょうにんの訴うったえを踏ふまえ、1640年ねん、建物たてものの破風はふに西暦せいれき年号ねんごうが記しるされているのを口実こうじつに平戸ひらどオランダ商館しょうかん破やぶ却を幕府ばくふは命めいじた。商館しょうかん長ちょうカロンはこれを了承りょうしょうし、1641年ねん、出島でじまに移転いてん[5]。以降いこう約やく200年間ねんかん、武装ぶそうと宗教しゅうきょう活動かつどうを規制きせいされたVOC社員しゃいん等とうが出島でじまで幕府ばくふの監視かんし下かに置おかれた。

 
アントウェルペンのJohanna Elisabeth号ごう・ヘントのVasco da Gama号ごう[23]
 
蘭らん国王こくおう誕生たんじょう日び奉祝ほうしゅくの宴うたげ[注釈ちゅうしゃく 9]1825年ねん

通常つうじょうは毎年まいとし2隻せき[注釈ちゅうしゃく 10]のVOC船せんが季節風きせつふうを利用りようしてバタヴィアを出港しゅっこうした。バンカ海峡かいきょう（英語えいご版ばん）、台湾たいわん海峡かいきょうなどを経へて女島めしま諸島しょとう・野母崎のもざきをめざし長崎ながさきに例年れいねん7 - 8月がつごろ入港にゅうこう、約やく4ヶ月かげつの停泊ていはく中ちゅうはオランダ人じんを中心ちゅうしんに欧州おうしゅう人じん、マレー人じんが上陸じょうりくしたが、それ以外いがいの期間きかんは商館しょうかん長ちょう（カピタン）、次席じせき商館しょうかん長ちょう（ヘトル）[注釈ちゅうしゃく 11]、倉庫そうこ長ちょう、書記しょき役やく（1人ひとり-3人にん）、商館しょうかん医い、商館しょうかん長ちょうの補助ほじょ員いん数すう人にん、調理ちょうり師し、大工だいく、召使めしつかい（マレー人じん）など15人にん前後ぜんこうが常駐じょうちゅうした。歴代れきだいのカピタンは、定期ていき船せん出港しゅっこう後ご翌年よくねん夏なつまでの閑期に貿易ぼうえき業務ぎょうむを終おえ江戸えどに上のぼり、対たい日にち貿易ぼうえきの継続けいぞく・発展はってんを願ねがい将軍しょうぐんに謁見えっけん・御礼おれい言上ごんじょうし贈おくり物ものを献上けんじょうした（カピタン江戸えど参府さんぷ）。年次ねんじ行事ぎょうじになったのは1633年ねん（寛永かんえい10年ねん）からで、長崎ながさきに移転いてん後ごも継続けいぞくされた。1790年ねん（寛政かんせい2年ねん）以降いこうは4年ねんに1度どと改あらためられたが、1850年ねん（嘉よしみ永なが3年ねん）までに166回かい参府さんぷした。江戸えどの長崎屋ながさきや源右衛門げんえもん、京きょうの海老屋えびやなどは「阿蘭陀おらんだ宿やど」として使節しせつの宿泊しゅくはくにあてられた。

町並まちなみ

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ポルトガル人じんの出島でじま借地しゃくち料りょうは年とし銀ぎん80貫かんだったが、初代しょだい出島でじま商館しょうかん長ちょうマクシミリアン・ル・メールの交渉こうしょうで銀ぎん55貫かん（現在げんざいの日本円にほんえんで約やく1億おく円えん）に引ひき下さげられた。ル・メールは1641年ねん6月がつ10日とおか『平戸ひらどオランダ商館しょうかん日記にっき』に、出島でじまへの移転いてん覚書おぼえがきとして、倉庫そうこが小ちいさいが住居じゅうきょ7棟むね、倉庫そうこ8棟むねを商館しょうかんとして取とり仕切しきることができる、と先まず記しるした。出島でじまの建物たてものはすべて木造もくぞう建築けんちくだった[注釈ちゅうしゃく 12]。

管理かんり

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ケンペルの通詞つうじ今村いまむら源右衛門げんえもん[30]

長崎ながさき奉行ぶぎょうの管理かんり下か、出島でじまの責任せきにん者しゃ「出島でじま乙おつ名めい（おとな）」は貿易ぼうえきについての監督かんとくや出島でじま内ないで働はたらいている日本人にっぽんじんの監督かんとく指導しどう、出島でじまに出入でいりするための門鑑もんかん（通行つうこう許可きょか書しょ）発行はっこうなどを行おこなった。「オランダ通詞つうじ」はオランダ語ご通訳つうやくの役人やくにんで、大だい通詞つうじ、小しょう通詞つうじ、稽古けいこ通詞つうじなどの階級かいきゅうに分わかれていた。大だい通詞つうじは大体だいたい4名めい交代こうたいで年とし番ばん通詞つうじを勤つとめ、江戸えど参府さんぷに同行どうこうし、風説ふうせつ書しょや積つみ荷にの送おくり書がきの翻訳ほんやくをした。そのほかに日にち行使こうし（にちぎょうし）、筆者ひっしゃ、小使こづかい、火ひ用心ようじん番ばん、探さがせ番ばん（門番もんばん）、買物かいもの使し、料理人りょうりにん、給仕きゅうじ、船ふね番ばん、番人ばんにん、庭にわ番ばんなど100人にん以上いじょうの日本人にっぽんじんが働はたらいていたとされる[13]。

 
 
左ひだり:シーボルトの娘むすめ・楠本くすもとイネ
右みぎ:シーボルトの妻つま・楠本くすもと瀧たき "OTAKSA" [31]

エンゲルベルト・ケンペルが「国立こくりつの監獄かんごく」と表現ひょうげんしたように、原則げんそくとして日本人にっぽんじんの公用こうよう以外いがいの出入でいりは禁止きんし、オランダ人じんも例外れいがいを除のぞいて狭せまい出島でじまに押おし込こめられたが、医師いし・学者がくしゃとしての信頼しんらいが厚あつかったシーボルトなどは外出がいしゅつを許ゆるされていた[注釈ちゅうしゃく 13]。

出島でじま表門おもてもんには制札せいさつ場じょうがあって「定じょう」と「禁制きんせい」の2つの高札こうさつがたてられていた。「定じょう」とは、日本人にっぽんじん・オランダ人じんで悪事あくじを企たくらむ者もの（抜荷ぬけに（ぬけに）・密みつ貿易ぼうえき等とう）があったらすぐ告訴こくそせよ、さすれば賞金しょうきんを与あたえるという趣旨しゅしの高札こうさつで、「禁制きんせい」には次つぎのように書かかれていた。

禁制きんせい　　出で嶋しま町まち
  • 一いち、傾城けいせい之これ外がい女おんな入いれ事ごと
  • 一いち、高野たかのひじり之これ外出がいしゅつ家か山伏やまぶし入いれ事ごと
  • 一いち、諸もろ勧進かんじん之これ者しゃ並なみニ乞食こじき入いれ事ごと
  • 一いち、出島でじま廻まわりリ傍示ほうじ木き杭くい之の内船うちぶな乗じょうリ廻まわりル事ごと　附ふ橋きょう之の下船げせん乗じょう通事つうじ
  • 一いち、断だんナクシテ阿蘭陀おらんだ人じん出島でじまヨリ外江とのえ出いずル事ごと
右みぎノ条々じょうじょう堅けん可か相しょう守もりモノ也
卯う　十じゅう月がつ[33]

つまり遊女ゆうじょ以外いがいの女おんな、高野たかの聖きよしのほかの山伏やまぶしや僧侶そうりょ、勧進かんじんや乞食こじきの出入でいり、出島でじまの外周がいしゅうに打うってある棒ぼう杭くいの中なか、橋はしの下したへの船ふねの乗のり入いれ、そしてオランダ人じんの無む許可きょか出島でじま外出がいしゅつが禁きんじられていた[34]。

 
長崎ながさきくんち VOC帆船はんせんを模もした山車だし

1651年ねんに長崎ながさき諏訪すわ神社じんじゃが勧請かんじょう造営ぞうえいされ、祭礼さいれい長崎ながさきくんちも始はじめられると、中国人ちゅうごくじんと共ともにオランダ人じんも桟敷さじき席せきでの観覧かんらんが許ゆるされた。

1797年ねん（寛政かんせい9年ねん）、フランス革命かくめい戦争せんそうでネーデルラント連邦れんぽう共和きょうわ国こくがフランス共和きょうわ国こくに占領せんりょうされてしまったため、数すう隻せきのアメリカ船せんがオランダ国旗こっきを掲かかげて[35]出島でじまでの貿易ぼうえきを行おこなう。1809年ねん（文化ぶんか6年ねん）までに13回かいの来航らいこうが記録きろくされている。

詳細しょうさいは「黒船くろふね来航らいこう#ペリー来航らいこう以前いぜん」を参照さんしょう

1798年ねん4月がつ3日にち（寛政かんせい10年ねん3月がつ6日にち）、火災かさいでカピタン部屋へや他た西側にしがわ半分はんぶんを焼失しょうしつし、他たの建物たてものは間まもなく復旧ふっきゅうしたがカピタン部屋へやは商館しょうかんの費用ひようで建たてることになっていたため財政難ざいせいなんで10年ねんほど再建さいけんされず、時ときの商館しょうかん長ちょうヘンドリック・ドゥーフ[36]により1809年ねん1月竣工しゅんこうした[37]。

 
 
左ひだり:レザノフ長崎ながさき来航らいこう 露ろ兵へいとナジェージダ号ごう 国立こくりつ公文書こうぶんしょ館かん
右みぎ:フェートン号ごう「崎さき陽ひ録ろく」長崎ながさき歴史れきし文化ぶんか博物館はくぶつかん

1804年ねん（文化ぶんか元年がんねん）9月がつ、ニコライ・レザノフがロシア帝国ていこくとの国交こっこう樹立じゅりつ・通商つうしょうを求もとめて来日らいにちしたが、半年はんとし間あいだ出島でじまに留とめ置おかれ、翌年よくねん長崎ながさき奉行ぶぎょう所しょで通商つうしょう拒絶きょぜつを通告つうこくされ釈放しゃくほうされた。

詳細しょうさいは「幕末ばくまつの砲艦ほうかん外交がいこう」を参照さんしょう

文化ぶんか5年ねん8月がつ（1808年ねん10月がつ）、イギリス軍艦ぐんかんが侵入しんにゅうし武装ぶそうボートで出島でじま商館しょうかん員いん2名めいを拉致らちし鑑かんに連行れんこうした。その後ご食料しょくりょうや飲料いんりょう水すいと引ひき換かえに人質ひとじちは釈放しゃくほうされた（フェートン号ごう事件じけん）。

1810年ねん、ホラント王国おうこくが結局けっきょくフランス帝国ていこくに併合へいごうされ、翌よく1811年ねんバタヴィアはイギリスの占領せんりょう下かに置おかれ、1810年ねんから3年間ねんかん、出島でじまには1隻せきのオランダ船せんも入港にゅうこうしなかったので、食料しょくりょうなど必需ひつじゅ品ひんは幕命ばくめいで長崎ながさき会所かいしょが毎月まいつき支給しきゅう、長崎ながさき奉行ぶぎょうは毎週まいしゅう2、3回かい、人ひとを遣つかわして不足ふそく品ひんの有無うむを問とい合あわせていた[38][39]。その他たの支払しはらいは長崎ながさき会所かいしょが立たて替かえたが、文化ぶんか9年ねん（1812年ねん）、その総額そうがくが8万まん200両りょうを超こえた[要よう出典しゅってん]。ドゥーフは蔵書ぞうしょを売うるなどして財政難ざいせいなんを凌しのいだ。

 
エルミナ城じょう [40]

その後ご、1815年ねんにはネーデルラント連合れんごう王国おうこくが成立せいりつ。1810年ねんからの5年間ねんかん、オランダ国旗こっき掲揚けいようを継続けいぞくしたのは出島でじまと蘭らん領りょうギニア海岸かいがん（英語えいご版ばん）首都しゅとエルミナ城じょうだけだった [41][注釈ちゅうしゃく 14]。

 
1817年ねん[44][45]

1817年ねん7月がつ、ヤン・コック・ブロンホフ[注釈ちゅうしゃく 15]が妻子さいしや乳母うばを伴ともない商館しょうかん長ちょうとして着任ちゃくにんした。幕府ばくふは女性じょせいを出島でじまに入いれる事ことを拒こばんだが、町まちの絵師えし達たちはこぞって彼女かのじょたちを題材だいざいに絵えを描えがき、人形にんぎょうを制作せいさくするなどした。家族かぞくは16週間しゅうかんの出島でじま滞在たいざいの後のち、同年どうねん12月がつドゥーフと共ともにオランダに帰国きこくした。

文政ぶんせい11年ねん（1828年ねん）9月がつ、シーボルトの帰国きこく直前ちょくぜん、所持しょじ品ひんに国外こくがい持出もちだし禁止きんしの大だい日本にっぽん沿海えんかい輿地よち全ぜん図ずなどが見みつかり、それを贈おくった幕府ばくふ天文てんもん方かた・書物しょもつ奉行ぶぎょうの高橋たかはし景けい保ほほか十じゅう数すう名めいが処分しょぶんされ、景けい保ほは獄死ごくしした。シーボルトは文政ぶんせい12年ねん（1829年ねん）に国外こくがい追放ついほうの上うえ、再さい渡航とこう禁止きんしの処分しょぶんを受うけた（シーボルト事件じけん）。

開国かいこく

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観光かんこう丸まる 1855年ねん [49]
 
出島でじま南みなみ景けい1855年ねん[注釈ちゅうしゃく 17][注釈ちゅうしゃく 18]
 
「長崎ながさき海軍かいぐん伝習でんしゅう所しょ絵図えず」1860年ねん 鍋島なべしま報ほう效こう会かいオランダの軍人ぐんじんを教師きょうしに、幕府ばくふ海軍かいぐんの海軍かいぐん士官しかんを養成ようせいした。
 
オランダ・ライデン国立こくりつ民族みんぞく学がく博物館はくぶつかん所蔵しょぞうの「ブロムホフの出島でじま模型もけい」19世紀せいきに日本にっぽんで作つくられたこの模型もけいは、復元ふくげん事業じぎょうにおいて貴重きちょうな資料しりょうとなった[50]

ペリー来航らいこうによって日本にっぽんが開国かいこくされ、1856年ねん1月がつ30日にち（安政あんせい2年ねん12月23日にち）、日にち蘭らん和親わしん条約じょうやく締結ていけつによってオランダ人じんの拘束こうそくは解除かいじょされ、1858年ねん（同どう5年ねん）の日にち蘭らん通商つうしょう条約じょうやくによって日本人にっぽんじんも出島でじまに出入でいりできるようになった。それとともに、出島でじまの商館しょうかんはオランダ領事館りょうじかんを兼かねるようになり、貿易ぼうえき業務ぎょうむもネーデルランド貿易ぼうえき会社かいしゃ（オランダ語ご版ばん）[51]に移行いこうされ、オランダ商館しょうかんはその長ながい歴史れきしの幕まくを閉とじる（オランダ商館しょうかんの廃止はいし）。1866年ねん（慶応けいおう2年ねん）、出島でじまは東山手ひがしやまて、南山手みなみやまて、新しん地蔵じぞうなどと同おなじく長崎ながさき外国がいこく人じん居留きょりゅう地ちとなり1899年ねんまで続つづいた[5]。

明治めいじ以降いこう

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出島でじまのある長崎ながさき港こうは、明治めいじ以降いこう埋うめ立たて等とうの改修かいしゅう・改良かいりょう工事こうじが度々どど実施じっしされ、中なかでも明治めいじ時代じだいの二に度どの大だい規模きぼな港湾こうわん改修かいしゅう事業じぎょうは、出島でじまの姿すがたを大おおきく変かえた[52]。1882年ねん（明治めいじ15年ねん）からの第だい一いち次じ長崎ながさき港こう港湾こうわん改修かいしゅう事業じぎょうでは、1886年ねん（明治めいじ19年ねん）からの中島なかじま川がわ変へん流りゅう工事こうじに伴ともなう川幅かわはば拡張かくちょうにより出島でじま全体ぜんたいの4分ぶんの1相当そうとう[53]の北側きたがわの敷地しきちが削けずり取とられ[54]、1888年ねん（明治めいじ21年ねん）、東側ひがしがわ護岸ごがん部分ぶぶんから築ちく町まちとの間あいだが埋うめ立たてられ、陸続りくつづきとなった[54]。次ついで、1897年ねん（明治めいじ30年ねん）からの第だい二に次じ長崎ながさき港こう港湾こうわん改修かいしゅう事業じぎょうでは南側みなみがわが埋うめ立たてられ、1904年ねん（明治めいじ37年ねん）の竣工しゅんこう時じには完全かんぜんな陸続りくつづきとなり、往時おうじの扇型おうぎがたは失うしなわれた[54]。

1922年ねん（大正たいしょう11年ねん）に高島たかしま秋帆しゅうはん旧宅きゅうたく、シーボルト宅たく跡あと、平戸ひらど和かず蘭らん商館しょうかん跡あととともに長崎ながさき県けんで初はじめて国くにの史跡しせきに登録とうろくされた[5]。ただし、当初とうしょ、出島でじまは史跡しせき登録とうろくの候補こうほには含ふくまれていなかった[5]。また、敷地しきち内ないも住宅じゅうたくや医院いいん、商店しょうてんが建たち並ならんで、出島でじまが国くにの史跡しせきとして登録とうろくされた1922年ねん時点じてんでは、道路どうろを除のぞくすべてが民有みんゆう地ちとなっていた[55][56]。なお、1937年ねんに出島でじまがあった範囲はんいを示しめすための鋲びょうが道路どうろに打うち込こまれた[5]。

復元ふくげんへの動うごき

編集へんしゅう

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん終結しゅうけつ後ご、オランダは駐日ちゅうにち大使たいしを通つうじて首相しゅしょうの吉田よしだ茂しげるに出島でじまの復元ふくげんを強つよく要求ようきゅうしたとされている[5]。それもあり、出島でじまを抱かかえる長崎ながさき市しは1951年ねん（昭和しょうわ26年ねん）ごろより出島でじま整備せいび計画けいかくに着手ちゃくしゅ[57]。翌よく1952年ねん（昭和しょうわ27年ねん）からは出島でじま史跡しせき内ないの民有みんゆう地ち買収ばいしゅう・公有こうゆう化か事業じぎょうに着手ちゃくしゅし2001年ねん（平成へいせい13年ねん）に完了かんりょうした[58][59]。1969年ねん（昭和しょうわ44年ねん）から1978年ねん（昭和しょうわ53年ねん）には出島でじま史跡しせきの整備せいび方針ほうしんを検討けんとうする「長崎ながさき市し出島でじま史跡しせき整備せいび審議しんぎ委員いいん会かい」を設置せっち、後ごの復元ふくげん事業じぎょうに繋つながる19世紀せいき初頭しょとうの出島でじまを復元ふくげんするという指針ししんが示しめされた[57]。1984年ねん（昭和しょうわ59年ねん）から2年間ねんかん、かつての出島でじまの範囲はんいを確認かくにん調査ちょうさして東側ひがしがわ・南側みなみがわの石垣いしがきが発見はっけんされた。また、当時とうじの出島でじまとの境界きょうかいがわかるように道路どうろ上じょうに鋲びょうが打うたれた。

歴史れきし的てき意義いぎ

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鎖国さこく中ちゅう、出島でじまは唯一ゆいいつ欧米おうべいに開ひらかれた窓まどであった。商館しょうかん医いのエンゲルベルト・ケンペル、カール・ツンベルク、フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトらは、西洋せいよう科学かがくを日本にっぽんに紹介しょうかいする一方いっぽう、日本にっぽんの文化ぶんかや動植物どうしょくぶつを研究けんきゅうしヨーロッパに紹介しょうかいした。上記じょうき3人にんは出島でじまの三さん学者がくしゃと称しょうされている。8代だい将軍しょうぐん徳川とくがわ吉宗よしむねが実学じつがくを奨励しょうれいしてキリスト教きょう関係かんけい以外いがいの洋書ようしょ輸入ゆにゅうを解禁かいきん、医学いがく・天文学てんもんがく・暦学れきがくなどの研究けんきゅうが促進そくしんされ、出島でじまは植物しょくぶつ学がく・物理ぶつり学がくなど含ふくめて蘭学らんがくの窓口まどぐちとなり、各かく藩はんから長崎ながさきへの遊学ゆうがく者しゃは2000名めいに及およんだとされる[2]。

著名ちょめいな商しょう館長かんちょうならびに商館しょうかん関係かんけい者しゃ

編集へんしゅう

長崎ながさき市しによる復元ふくげん整備せいび事業じぎょう

編集へんしゅう

第だいⅠ期き事業じぎょう　2000（平成へいせい12）年ねん復元ふくげん

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1996年ねん（平成へいせい8年ねん）からは第だい1期き整備せいび事業じぎょうとして本格ほんかく的てきな復元ふくげん事業じぎょうに着手ちゃくしゅ。発掘はっくつ調査ちょうさと石垣いしがきの修復しゅうふく[64]と、敷地しきち西側にしがわの建造けんぞう物ぶつ5棟むね（商館しょうかん長ちょう次席じせきが住すんだ「ヘトル部屋へや」、商館しょうかん員いんの食事しょくじを作つくった「料理りょうり部屋へや」、オランダ船せんの船長せんちょうが使用しようした「一番いちばん船せん船頭せんどう部屋へや」、輸入ゆにゅう品ひんの砂糖さとうや蘇そ木きを収納しゅうのうした「一番いちばん蔵ぞう」・「二に番ばん蔵ぞう」）の復元ふくげんが実施じっしされ、後者こうしゃは2000年ねん（平成へいせい12年ねん）4月がつに完成かんせいした[65]。

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    ヘトル部屋へや
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    料理りょうり部屋へや
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    一番いちばん船せん船頭せんどう部屋へや
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    一番いちばん蔵ぞう
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    二に番ばん蔵ぞう（貿易ぼうえき館かん）

第だいⅡ期き事業じぎょう　2006（平成へいせい18）年ねん復元ふくげん

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2001年ねん（平成へいせい13年ねん）度どからは第だい2期き整備せいび事業じぎょうとして、島しまを取とり囲かこんでいた石垣いしがきのうち南側みなみがわ、131ｍの詳細しょうさいな調査ちょうさ・修復しゅうふく・復元ふくげん工事こうじに着手ちゃくしゅ、外周がいしゅうに歩道ほどうを整備せいびし扇形せんけいの輪郭りんかくを確認かくにんできるようになった[66]。建造けんぞう物ぶつの復元ふくげんも引ひき続つづき進すすめられ、5棟むね（オランダ船せんから人ひとや物ぶつが搬出はんしゅつ入いれされた「水門すいもん」、商館しょうかん長ちょう宅たく「カピタン部屋へや」、日本にっぽん側がわの貿易ぼうえき事務じむ・管理かんりの拠点きょてんだった「乙おつ名めい部屋へや」（おとなべや）、輸入ゆにゅうした砂糖さとうや酒さけを納おさめた「三さん番ばん蔵ぞう」、「拝礼はいれい筆者ひっしゃ蘭らん人じん部屋へや」）終おえている[50]。

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    出島でじま南側みなみがわ護岸ごがん石垣いしがき
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    水門すいもん
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    カピタン部屋へや:17.5畳じょう
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    乙おつ名めい部屋へや
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    三さん番ばん蔵ぞう[注釈ちゅうしゃく 23]
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    拝礼はいれい筆者ひっしゃ蘭らん人じん部屋へや（蘭学らんがく館かん）

第だいⅢ期き事業じぎょう　2016（平成へいせい28）年ねん復元ふくげん

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建造けんぞう物ぶつの復元ふくげんも引ひき続つづき進すすめられ、かつての丁子ちょうじ蔵ぞう「十じゅう六ろく番ばん蔵ぞう」、オランダ人じん書記しょきの住居じゅうきょ「筆者ひっしゃ蘭らん人じん部屋へや」、砂糖さとう蔵ぞうだった「十じゅう四よん番ばん蔵くら」、表門おもてもんからの出入でいりを監視かんしする出島でじま管理かんり者しゃ・乙おつ名めいが詰つめた「乙おつ名めい詰所つめしょ」、乙おつ名めいの補佐ほさ役やく・組頭くみがしら（くみがしら）が銅どうの計量けいりょうや梱包こんぽうをした「組頭くみがしら部屋へや」、出島でじまの主要しゅような輸出ゆしゅつ品ひんである銅どうを保管ほかんした「銅どう蔵ぞう」及および幕末ばくまつ（1860年代ねんだい）の復元ふくげん建物たてもの「旧きゅう石倉いしくら」と「新しん石倉いしくら」、明治めいじ期きの洋風ようふう建物たてもの「旧きゅう出島でじま神学校しんがっこう」と「旧きゅう長崎ながさき内外ないがいクラブ」が完成かんせい。

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    十じゅう六ろく番ばん蔵ぞう
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    筆者ひっしゃ蘭らん人じん部屋へや
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    乙おつ名めい詰所つめしょ
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    組頭くみがしら部屋へや[67]
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    旧きゅう石倉いしくら(考古こうこ館かん)
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    新しん石倉いしくら(出島でじまシアター)
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    旧きゅう出島でじま神学校しんがっこう[注釈ちゅうしゃく 24]
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    旧きゅう長崎ながさき内外ないがい俱楽部ぶ [注釈ちゅうしゃく 25]

長崎ながさき市しのホームページ（出島でじま復元ふくげん整備せいび事業じぎょう）によれば、中央ちゅうおう・東部とうぶ分ぶんの計けい15棟むねを復元ふくげんしたのち周囲しゅういに堀ほりを巡めぐらし、扇形せんけいの輪郭りんかくを復元ふくげんする予定よていである。市し出島でじま史跡しせき整備せいび審議しんぎ会かいは2050年ねんを目標もくひょうに、かつての水みずに囲かこまれた扇形せんけいの島しまを完全かんぜん復元ふくげんするよう長崎ながさき市長しちょうに提言ていげんしている。

 
出島でじま表門おもてもん橋きょう

2010年ねん2月がつ18日にち、スウェーデンにおいて出島でじまが「生物せいぶつ系統けいとう学がくの揺籃ようらん地ち」をテーマとする世界せかい遺産いさん暫定ざんていリストに掲載けいさいされた、と西日本にしにほん新聞しんぶんが報ほうじた。同国どうこくの植物しょくぶつ学者がくしゃツンベルクの事跡じせきに関連かんれんする遺産いさんとしての掲載けいさいだとされる。

2017年ねん、出島でじまと対岸たいがんを結むすぶ「出島でじま表門おもてもん橋きょう」が130年ねんぶりに同おなじ位置いちに架かけられた[注釈ちゅうしゃく 26]。橋はしは2017年ねん2月がつ27日にちに架設かせつされ[70]、同年どうねん11月24日にちにオランダ王室おうしつのローレンティン妃ひや秋篠宮あきしののみや夫妻ふさいら出席しゅっせきのもと完成かんせい記念きねんの式典しきてんが執とり行おこなわれ、翌日よくじつより供用きょうようを開始かいしした[71][72][73]。

扇形せんけいの理由りゆう

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出島でじまが扇形せんけいをしている理由りゆうとして以下いかの諸説しょせつがある。

  • 島しまの形かたちについて、時ときの将軍しょうぐん徳川とくがわ家光いえみつに伺うかがいを立たてたところ、自みずからの扇おうぎを示しめし見本みほんにするように言いったという説せつ。これはシーボルトの著書ちょしょである『NIPPON』に書かかれている話はなしである[2]。
  • 中島なかじま川がわの河口かこうに土砂どしゃが堆積たいせきし弧この形かたちをした砂州さすがもともとあって、それを土台どだいに埋うめ立たてた説せつ[2]。
  • 受うける波浪はろうの影響えいきょうを抑おさえるため海うみ側がわの岸壁がんぺきを弧状こじょうにした説せつ[2]。

交通こうつうアクセス

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写真しゃしん

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脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

  1. ^ 曳航えいこうされる蘭らん帆船はんせん入港にゅうこうを望遠鏡ぼうえんきょうで見守みまもるシーボルトが妻つま・楠本くすもと瀧たきと娘むすめイネを同伴どうはん 1828年ねんごろ 長崎ながさき歴史れきし文化ぶんか博物館はくぶつかん
  2. ^ 製せい錬ねされた銀ぎん地金じがね(灰吹はいふき銀ぎん（はいふきぎん）)をオランダ人じんは「Somo」「Soma」(銀鉱ぎんこう地区ちく旧名きゅうめい「佐摩さま」に由来ゆらいするとされる)の銘柄めいがらでそのまま商取引しょうとりひきに利用りようした[7]。
  3. ^ なおオランダ東ひがしインド会社かいしゃ（VOC）は1622年ねんマカオ攻撃こうげきに失敗しっぱいし、代かわりに澎湖島とうを占拠せんきょしたが明あかりに撤去てっきょを求もとめられ、翌年よくねん台湾たいわん本島ほんとうに安平あびら古こ堡（英語えいご: Fort Orange）を築城ちくじょう、8か月げつ間あいだの衝突しょうとつののち1624年ねん明あかりの許可きょかを得えてここをアジア貿易ぼうえきの拠点きょてんとしたが1662年ねん、鄭てい成功せいこうに一掃いっそうされた。
  4. ^ 【重要じゅうよう文化財ぶんかざい】福岡ふくおか県けん立花りっか家か史料しりょう館かん 17-18世紀せいきごろ〈松平まつだいら信綱のぶつなの求もとめで平戸ひらどオランダ商館しょうかん長ちょうニコラス・クーケバッケルは火薬かやくと大砲たいほうを提供ていきょうしde Rijp号ごうで原城はらのじょう前まえ(画面がめん最さい上部じょうぶ)から艦かん砲ほう射撃しゃげき[10][11]。〉
  5. ^ 建設けんせつ当初とうしょは単たんに「築島つきしま」とも呼よばれ面積めんせきは約やく15,000m2だった。なお、江戸えど中期ちゅうきに長崎ながさき貿易ぼうえきを調査ちょうさした大岡おおおか清きよし相しょうの『崎さき陽ひ群ぐん談だん』には「面積めんせき3,924坪つぼ 船着ふなつき場ば45坪つぼ」と記載きさいされている。設計せっけいは日本人にっぽんじんがオランダ人じんから建築けんちく技術ぎじゅつを学まなび、倉庫そうこ利用りようのため耐火たいか性せい・防火ぼうか性せいのある石いしと煉瓦れんが造づくりの建物たてものを幕府ばくふに提案ていあんした。耐震たいしん面めんで実現じつげんには至いたらず防衛ぼうえい設備せつびの設置せっちも許可きょかされなかったが、漆喰しっくい使用しようは許ゆるされた[12]。建設けんせつ費用ひよう銀ぎん200貫ぬき（約やく4,000両りょう）は現代げんだいの貨幣かへい価値かちに換算かんさんすると約やく4億おく円えん[13]、これに建物たてものの建造けんぞう費用ひようを含ふくめ300貫かんと記録きろくされている[2]。
  6. ^ 『オランダ商しょう館長かんちょう日記にっき』訳文やくぶん編へん3(上うえ) p.229-「(1638年ねん6月がつ15日にち)...最もっとも主要しゅような人々ひとびとの首くび四よっつは、約やく四よん〇〇〇の他ほかの人々ひとびとの首くびとともに長崎ながさきに運はこばれ、そして若干じゃっかんは棒ぼうに刺さして梟ふくろうしものにされた...〈中略ちゅうりゃく〉...十じゅう六ろくないし十じゅう七なな歳さいの肥後ひご生うまれの少年しょうねんにより週しゅうに二に回かいの彌わたる撒が行おこなわれていたが、この少年しょうねんは彼等かれらの主要しゅよう人物じんぶつでしかも首長しゅちょうであると認みとめられ...」
    『長崎ながさき志こころざし 正編せいへん』島原しまばら一揆いっき征伐せいばつ之の畧記 p.265「一いち、其後大將たいしょう四郎しろう並なみ大矢野おおやの 小左衛門こざえもん 有江ありえ堅物かたぶつ三さん人にんノ首くび長崎ながさきニ送おく來らいリ出島でじま(ポルトガル商館しょうかん)門前もんぜんニ梟首きょうしゅセラル...」
  7. ^
    詳細しょうさいは「オランダ・ポルトガル戦争せんそう#VOCの地盤じばん（英語えいご版ばん）」を参照さんしょう
    「シンハラ王国おうこくとポルトガル王国おうこくの紛争ふんそう#オランダの関与かんよ(1638年ねん–1658年ねん)（英語えいご版ばん）」も参照さんしょう
  8. ^ 台湾たいわんや東南とうなんアジアから渡航とこうする中国人ちゅうごくじんが直接ちょくせつ長崎ながさきに来航らいこうしても問題もんだいないこと、オランダがスペインとポルトガルに妨害ぼうがいされず長崎ながさきに来航らいこうできること、台湾たいわんに渡航とこうする中国人ちゅうごくじんを通つうじてオランダが日本にっぽんが求もとめる輸入ゆにゅう品ひんを確保かくほでき且かつ台湾たいわんに渡航とこうする中国人ちゅうごくじんが明朝みょうちょうの渡航とこう証明しょうめい書しょを持もっていることなどを確認かくにん。
  9. ^ 川原かわはら慶賀けいが。元日がんじつの晩餐ばんさんに長崎ながさき役人やくにん及および蘭らん通詞つうじを招まねくのがカピタン de Sturler [24][25][26]の慣ならわしだったが、この画がは1825年ねんJohanna Elisabeth号ごうが8月がつ25日にちに入港にゅうこうしたので10月がつ8日にちに催もよおされた本来ほんらい8月がつ24日にちのウィレム1世せい誕生たんじょう日び奉賀ほうが行事ぎょうじの模様もよう、鳥とり型がたの装飾そうしょく品ひん附つき天井てんじょうランプや壁かべに掛かけられた額縁がくぶち入いりの風景ふうけい画が・グリフォン柄えの壁紙かべがみなど開あけ放はなたれたガラス窓まどから帆ほを畳たたんだ帆船はんせんが浮うかぶ長崎ながさき港こうを望のぞめる部屋へやの内装ないそうまで描えがき込こまれている。右手みぎて奥おくの机上きじょうの櫃ひつと同様どうようの品しなが現げん出島でじまカピタン「17.5畳じょうの部屋へや」に展示てんじされている〈円卓えんたく中央ちゅうおうはカピタン Johan Willem de Sturler、その向むかいにカピタン子息しそく Jacques Eduard de Sturler、カピタンに向むかって右みぎ隣となりはVasco da Gama号ごう船長せんちょう Ary Bezemer、左ひだり隣となりは商館しょうかん医いシーボルト、五いつつ紋付もんつき羽織はおり袴はかまに脇差わきざしを佩はく日本人にっぽんじん客きゃく2名めい(酒杯しゅはいを持もつ人物じんぶつは三みっつ星ぼし紋もん其その左さは木瓜ぼけ紋もんか)。左側ひだりがわに佇たたずむのはおそらく商館しょうかん員いん Verkerk Pistorius或あるいは倉庫そうこ長ちょう Johan Gerard Frederik van Overmeer Fisscher[27]。その他た丸山まるやま芸妓げいぎ3名めい、インド人じん召使めしつかい1名めい〉。
  10. ^ 出島でじま商館しょうかん長ちょうコンスタンティン・ランスト・デ・ヨングは1687年ねん江戸えど参府さんぷ時じ、幕まく閣かくに「1685年ねん以来いらい毎年まいとし3隻せき以上いじょうの船ふねの入港にゅうこうが許ゆるされていない、銀ぎん・金きむ輸出ゆしゅつは制限せいげんされた」事ことを抗議こうぎ[28]。
  11. ^ 蔵ぞう荷役にやく（くらにやく）(倉庫そうこ係がかり)や上うえ筆者ひっしゃ(書記官しょきかん)の兼任けんにんあり。必かならずしも上級じょうきゅう商館しょうかん員いんとは限かぎらなかった[29]。
  12. ^ 幕府ばくふは石造せきぞうだった平戸ひらど商館しょうかんの要塞ようさい化かをおそれて破やぶ却している。なお、幕末ばくまつ期きには出島でじまにも石造せきぞうの洋風ようふう建築けんちくがみられるようになった[2]。
  13. ^ 出島でじま外そとに診療しんりょう所しょ兼けん私塾しじゅく・鳴滝なるたき塾じゅく[32]開設かいせつの官許かんきょを得えた。
  14. ^ 他ほかにも出島でじまとエルミナ基地きちにだけオランダ国旗こっきが掲かかげられていたとする説せつがある[42][43]。
  15. ^ オランダ商館しょうかん日記にっきに、1820年ねん、ヤン・コック・ブロムホフは長崎ながさき奉行ぶぎょうの新旧しんきゅう交代こうたいに際さいし『性急せいきゅう者しゃ』(喜劇きげき)と『二人ふたり猟師りょうし乳汁にゅうじゅう売うり娘むすめ』(オペレッタ Egidio Romualdo DUNI 作曲さっきょく)を上演じょうえんした、と記しるされている。共ともにフランス語ふらんすご作品さくひんだがオランダ語ごで着任ちゃくにんしたての一等いっとう書記官しょきかん Johan Gerard Frederik van Overmeer Fisscher[46]が主役しゅやくを、その他たの役やくは商館しょうかん員いん・商船しょうせんの船員せんいんがつとめた。川原かわら慶賀けいがが舞台ぶたい装置そうち・小道具こどうぐ・衣装いしょうまでハイライトシーンを描出びょうしゅつ[47][48]。
  16. ^ Een van de illustraties in de "Souvenirs du Japon: vues d'après nature avec texte" van Graaf Johan Maurits van Lynden, de gezant van de Nederlandse koning, die naar Japan werd gestuurd om het stoomschip Soembing (omgedoopt tot Kankô-maru) aan het sjogoen aan te bieden; hij verbleef in Japan van 22 juli tot 15 november 1855. ハーグ (1860-66)
  17. ^ Chromolithografie in kleur:Deshima gezien vanuit het zuiden door Carl Wilhelm Mieling[注釈ちゅうしゃく 16] Koninklijke Bibliotheek
  18. ^ オランダ門閥もんばつVan Lynden家出いえで身みの著者ちょしゃの伯母おばはオラニエ公こうウィレム5世せいの寵姫ちょうき Constantia van Lynden、伯父おじはJan Elias Nicolaas van Lynden van Hoevelaken、父ちちはJan Carel Elias van Lynden、弟おとうとはRudolph Willem van Lyndenである。
    「Nederland's Adelsboek・Lijst van Nederlandse adellijke families (alfabetisch)」も参照さんしょう
  19. ^ 出島でじま在任ざいにん1848-1851年ねん。Ann Bowman Jannetta, "The Vaccinators: Smallpox, Medical Knowledge, and the ‘Opening' of Japan", Stanford University Press, 2007. ISBN 9780804754897
  20. ^ 父ちちIsaac le MaireはAVOC 筆頭ひっとう株主かぶぬし・VOC最初さいしょの17人にん会かいの一員いちいん。喜き望もち峰ほうやマゼラン海峡かいきょうを経由けいゆせず南米なんべいを回まわる新しん航路こうろでジャワ島じゃわとうに達たっしたヤコブ・ルメールは兄あに。
  21. ^ 左ひだり隣となりのAndreas Everardus van Braam Houckgeest 著書ちょしょ "Voyage de l'ambassade de la Compagnie des Indes Orientales Hollandaises, vers l'empereur de la Chine, dans les années 1794 & 1795." 挿画そうが。1795年ねん乾いぬい隆たかし帝みかど治世ちせい60年ねん記念きねん式典しきてんに赴おもむくオランダ大使たいし兼けんVOC代表だいひょう。三さん跪九叩頭こうとうの礼れいなど作法さほうに従したがった一いち行ぎょうは紫むらさき禁城きんじょう入城にゅうじょうを許ゆるされ円明えんめい園えんに入はいった。前年ぜんねんマカートニー伯はくら英国えいこく使節しせつ団だんは拒絶きょぜつされていた。
  22. ^ 左端ひだりはしからカピタン、乳母うばのPetronella Muns、息子むすこのJohannes、長椅子ながいすに妻つまのTitia Bergsma、ジャワ人じんの下男げなん・下女げじょ 石崎いしざき融とおる思おもえ
  23. ^ 主おもに輸入ゆにゅうした砂糖さとうを収おさめたほか、様々さまざまな個人こじん商売しょうばい用ようの脇わき荷に（わきに）収納しゅうのうにも使用しよう。
  24. ^ 出島でじま資料しりょう館かん本館ほんかん。明治めいじ8年ねん創設そうせつの出島でじまメソジスト教会きょうかいに隣接りんせつする校舎こうしゃが明治めいじ16年ねんに聖せい公会こうかい神学校しんがっこうとなった。
  25. ^ 出島でじま最後さいごの外国がいこく人じん所有しょゆうの英国えいこく式しき明治めいじ洋風ようふう建造けんぞう物ぶつ
  26. ^ 出島でじまは国くにの史跡しせきで、橋はしを支ささえる橋台きょうだいを設置せっちできないので歩行ほこう者しゃがいないときは出島でじま側がわに負担ふたんがかからない工法こうほうが考案こうあんされた[68][69]。
  27. ^ VOC・AMSTERDAM ANNO1640・帆船はんせん絵えの刻印こくいんから、1640年ねんAssuerus Coster社しゃ製せいでVOCアムステルダム支店してんの帆船はんせん搭載とうさいの一門いちもんと考察こうさつされる。1954年ねん、浦上うらかみ河口かこうで発見はっけんされ1978年ねん、復元ふくげん砲ほう架かが Netherlands Overseas Historical Preservation Society より寄贈きぞうされた。

脚注きゃくちゅう

  1. ^ イサーク・ティチング 著しる 沼田ぬまた次郎じろう 訳わけ『ティチング日本にっぽん風俗ふうぞく図ず誌し』 挿画そうが 新しん異国いこく叢書そうしょ 第だいI輯 第だい7巻かん 雄松おまつ堂どう書店しょてん 1968年ねん ISBN 4841901728
  2. ^ a b c d e f g “長崎ながさき『出島でじま』の復元ふくげんと考察こうさつ”. 大林組おおばやしぐみ. 2020年ねん7月がつ9日にち閲覧えつらん。
  3. ^ 越中えっちゅう 1978, p. 160.
  4. ^ 出島でじま和かず蘭らん商館しょうかん跡あと 長崎ながさき市しHP
  5. ^ a b c d e f g 大平おおひら晃久あきひさ「長崎ながさき出島でじまにおける復元ふくげん整備せいびの経緯けいいと問題もんだい点てん」『歴史れきし地理ちり学がく』第だい56巻かん第だい1号ごう、21-31頁ぺーじ。 
  6. ^ 山口やまぐち 2012, p. 12-13.
  7. ^ 石村いしむら禎ただし久ひさ 著ちょ『石見いわみ銀山ぎんざん：戦国せんごくの争乱そうらん・鉱山こうざん社会しゃかい・天領てんりょう』石見いわみ銀山ぎんざん史ふみ年表ねんぴょう p337-344 石見いわみ銀山ぎんざん資料しりょう館かん 1988年ねん NCID: BA81378103
  8. ^ Denis Twitchett/Frederick W. Mote "The Cambridge history of China, Volume 8, The Ming Dynasty 1368-1644, Part 2"; Cambridge University Press, 1998. ISBN 0-521-24333-5
  9. ^
    詳細しょうさいは「英語えいご: アントウェルペン陥落かんらく」を参照さんしょう
  10. ^ Doeff, Hendrik. "Recollections of Japan". (2003) Victoria, BC: Trafford.
  11. ^ Murray, David. "Japan"New York: GP Putnam's Sons. (1905).
  12. ^ Ito 1973, p. 83.
  13. ^ a b “出島でじま（長崎ながさき出島でじまオランダ商館しょうかん跡あと）”. 長崎ながさきん町まち. 2014年ねん5月がつ19日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2014年ねん5月がつ19日にち閲覧えつらん。
  14. ^ 越中えっちゅう 1978, p. 160-161.
  15. ^ 長崎ながさき代官だいかんを通つうじてポルトガル船せん舶載はくさい品目ひんもく録ろくや五ご箇所かしょ商人しょうにんの長崎ながさき奉行ぶぎょう宛あて大だい割符わりふ施行しこう願ねがい、シャム王室おうしつ宛あて唐から通事つうじ起草きそう書翰しょかんの写うつしを呈ていした。
  16. ^ ケンペル『日本にっぽん誌し』1729年ねん Universiteitsbibliotheek Leiden
  17. ^ 二軒茶屋にけんちゃや名物めいぶつ祇園ぎおん豆腐とうふの早はや切ぎりを楽たのしむ『拾遺しゅうい都と名所めいしょ図会ずえ』1787年ねん
  18. ^ 画面がめん右上みぎうえ狂歌きょうか "阿蘭陀おらんだが 足あしもかゞまぬ目めで見みれば 天地てんちも動うごく竹田たけだからくり" 秋里あきさと籬島まがきじま 竹原たけはら春はる朝あさ斎とき他た『摂津せっつ名所めいしょ圖会ずえ』竹田たけだ近江おうみ機き捩もじ戯場ぎじょう（からくり） 1796年ねん
  19. ^
    「竹田たけだ出雲いずも・竹本たけもと座ざ・豊ゆたか竹ちく座ざ」も参照さんしょう
  20. ^ 松竹まつたけ秀雄ひでお 著ちょ『寛永かんえい17年ねん (1640) ポルトガル使節しせつ団だん長崎ながさき受難じゅなん事件じけん(2)』 "經營けいえいと經濟けいざい" 68巻かん4号ごう p.45- 1989年ねん3月がつ発行はっこう
  21. ^ 西日本にしにほん新聞しんぶん (2019年ねん5月がつ26日にち) 長崎ながさき#長崎ながさき・佐世保させぼ版ばん "1640年ねんに長崎ながさきで処刑しょけいされたマカオ使節しせつカルバーリョの甥おいが書かいた嘆願たんがん書しょ" 長崎ながさき・ポルトガル関係かんけい2史料しりょう発見はっけん 鎖国さこく、海防かいぼう強化きょうか示しめす（岡おか 美穂子みほこ 東京大学とうきょうだいがく史料しりょう編纂へんさん所しょ准じゅん教授きょうじゅ 提供ていきょう）
  22. ^ 南蛮なんばん貿易ぼうえき#禁教きんきょうと南蛮なんばん貿易ぼうえきの終焉しゅうえん・日本にっぽんとポルトガルの関係かんけい#鎖国さこくまで
  23. ^ 川原かわはら慶賀けいが 1825年ねん Museum aan de Stroom
  24. ^ Nederland's Adelsboek 94 (2009) p.247-263
  25. ^ Sturler, J.W.E. de Généalogische aanteekeningen van de familie De Stürler, Deventer:P. Beitsema, 1882.
  26. ^ 『商館しょうかん長ちょうステュルレルの日記にっきとメイラン日にち欧おう貿易ぼうえき概がい史し』 松方まつかた冬子ふゆこ他た 編へん 日び蘭らん交渉こうしょう史し研究けんきゅう会かい 訳やく 東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱん会かい刊かん 2021年ねん1月がつ ISBN 9784130263511
  27. ^ 【Kotobank】- フィッセル 著ちょ『日本にっぽん風俗ふうぞく備考びこう』
  28. ^ General Missives of the Governors-General and Councils to Heren XVII of the Dutch East India Company (1975) by W.Ph. Coolhaas, Vol. V (1686-1697), p.130.
  29. ^ 岩いわ生成せいせい一いち著ちょ『日本にっぽんの歴史れきし 14 鎖国さこく』〈中公ちゅうこう文庫ぶんこ〉中央公論ちゅうおうこうろん新しん社しゃ、2005年ねん9月がつ ISBN 4-12-204589-4
  30. ^ 今村いまむら秀明ひであき所蔵しょぞうの掛軸かけじく 片桐かたぎり一男かずお
  31. ^ 長崎ながさきの商家しょうか俵屋たわらやの娘むすめだが出島でじまに出入でいりするために妓ぎ楼ろうに手数料てすうりょうを払はらい名義めいぎだけ妓ぎ籍せきを入いれた「名付なづけ遊女ゆうじょ」。源氏名げんじな、其扇（そのぎ）
  32. ^ シーボルト妻子さいし像ぞう螺鈿らでん合ごう子こ 等ひとしを有ゆうする現げんシーボルト記念きねん館かん隣地りんち。
  33. ^ 出島でじまの定さだめ
  34. ^ 商館しょうかん医いが町まちにもたらしたもの 出島でじま370年ねん物語ものがたりより
  35. ^ イライザ号ごう(米べい船籍せんせき、1797年ねんから1799年ねん傭船ようせん契約けいやく) Viallé, Cynthia & Leonard Blussé『出島でじまダグレジスター』: 原著げんちょ目次もくじ:Vol.X 1790-1800 ライデンヨーロッパ拡張かくちょう史し研究所けんきゅうじょ (1997年ねん) p.235
  36. ^ ドゥーフ像ぞう
  37. ^ “vol.2 カピタン部屋へやの移うつり変かわり(2012年ねん2月がつ) < 出島でじま370年ねん物語ものがたり < ナガジン”. 長崎ながさき市し. 2014年ねん5月がつ20日はつか時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2014年ねん5月がつ20日はつか閲覧えつらん。
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  43. ^ 中川なかがわ寛子ひろこ「長崎ながさき市し・出島でじま。史跡しせき指定していから100年余ねんよに及およぶ復元ふくげん整備せいびへの道みちとこれから」『住すまいの本当ほんとうと今いまを伝つたえる情報じょうほうサイト【LIFULL HOME'S PRESS】』2024年ねん1月がつ3日にち。2024年ねん1月がつ22日にち閲覧えつらん。「ちなみにフランスがオランダを併合へいごうしていた5年間ねんかん、各所かくしょでオランダの国旗こっきが降おろされた中なか、出島でじまとアフリカ西海岸にしかいがんにあるエルミナ基地きちではオランダ国旗こっきが掲かかげられ続つづけた。」
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参考さんこう文献ぶんけん

編集へんしゅう
  • ヨハン・ゲラルド・フレデリク・ファン・オーフェルメール・フィッセル『Bijdrage tot de kennis van het Japansche rijk [日本にっぽん風俗ふうぞく備考びこう]』 22巻かん、山路やまじ諧孝監修かんしゅう、杉田すぎた成しげる卿きょう、箕作みつくり阮甫げんぽ、竹内たけうち玄同げんどう、宇田川うだがわ興きょう斎とき他た訳やく。NDLJP:11223204。https://dl.ndl.go.jp/pid/11223204/1/74。 （天文てんもん方かた蕃しげる書しょ調ちょう所しょ旧きゅう蔵ぞう）
  • 東京大学とうきょうだいがく資料しりょう編纂へんさん所しょ. “日本にっぽん関係かんけい海外かいがい史料しりょう「オランダ商しょう館長かんちょう日記にっき 訳文やくぶん編へん之の三さん(下した)」”. 東京大学とうきょうだいがく資料しりょう編纂へんさん所しょ. 東京大学とうきょうだいがく. 2022年ねん1月がつ3日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2022年ねん1月がつ3日にち閲覧えつらん。
  • 赤瀬あかせ浩ひろし『「株式会社かぶしきがいしゃ」 長崎ながさき出島でじま』（講談社こうだんしゃ選書せんしょメチエ、2005年ねん）ISBN 4-06-258336-4
  • ヴォルフガング・ミヒェル、鳥井とりい裕美子ゆみこ、川かわ嶌しま眞人まさと編へん『九州きゅうしゅうの蘭学らんがく』（思文閣出版しぶんかくしゅっぱん、2009年ねん）ISBN 4-7842-1410-0
  • 越中えっちゅう哲也てつや『越中えっちゅう哲也てつやの長崎ながさきひとりあるき』長崎ながさき文献ぶんけん社しゃ〈長崎ながさきおもしろ草そう〉、1978年ねん4月がつ。 
  • 片桐かたぎり一男かずお『開ひらかれた鎖国さこく 長崎ながさき出島でじまの人ひと・物もの・情報じょうほう』（講談社こうだんしゃ現代新書げんだいしんしょ、1997年ねん）ISBN 4-06-149377-9
  • 片桐かたぎり一男かずお『出島でじま 異い文化ぶんか交流こうりゅうの舞台ぶたい』（集英社しゅうえいしゃ新書しんしょ、2000年ねん）ISBN 4-08-720058-2
  • 長崎ながさき市し教育きょういく委員いいん会かい 発行はっこう・編集へんしゅう『出島でじま』（長崎ながさき市し、2001年ねん改訂かいてい版ばん）
  • 長崎ながさき市し出島でじま復元ふくげん整備せいび室しつ 監修かんしゅう『出島でじま生活せいかつ 恋こいも仕事しごとも事件じけんもあった』（長崎ながさき市し、2001年ねん）
  • 長崎大学ながさきだいがく＜出島でじまの科学かがく＞刊行かんこう会かい 編著へんちょ『出島でじまの科学かがく 長崎ながさきを舞台ぶたいとした近代きんだい科学かがくの歴史れきしドラマ』（九州大学きゅうしゅうだいがく出版しゅっぱん会かい、2002年ねん）ISBN 4-87378-733-5
  • 西にし和夫かずお『長崎ながさき出島でじまオランダ異国いこく事情じじょう』（角川かどかわ叢書そうしょ、2004年ねん）ISBN 4-04-702128-8
  • 西にし和夫かずお 編へん『復原ふくげんオランダ商館しょうかん 長崎ながさき出島でじまルネサンス』（戎えびす光ひかり祥さち出版しゅっぱん、2004年ねん）ISBN 4-900901-35-0
  • ヴォルフガング・ミヒェル「享とおる保ほ年間ねんかんの出島でじま図ずについて」『医い譚たん』第だい112号ごう、2020年ねん12月 (pdf)
  • 森岡もりおか美子よしこ、金井かない圓まどか監修かんしゅう 『世界せかい史しの中なかの出島でじま』 （長崎ながさき文献ぶんけん社しゃ、2005年ねん）ISBN 4-88851-089-X
  • 山口やまぐち美由紀みゆき『長崎ながさき出島でじま 甦よみがえるオランダ商館しょうかん』 （同どう成なり社しゃ＜日本にっぽんの遺跡いせき＞、2008年ねん）ISBN 978-4-88621-439-3
  • 山口やまぐち美由紀みゆき「失うしなわれた出島でじまと復元ふくげん整備せいび」『長崎ながさき文化ぶんか　第だい70号ごう記念きねん』、NPO法人ほうじん長崎ながさき国際こくさい文化ぶんか協会きょうかい、2012年ねん11月。 
  • 山口やまぐち美由紀みゆき『出島でじま つながる架かけ橋はし』長崎ながさき文献ぶんけん社しゃ〈長崎ながさき文献ぶんけん社しゃブックレット〉、2018年ねん4月がつ。ISBN 978-4-88851-294-7。 
  • Ito Teiji『Kura: Design and Tradition of the Japanese Storehouse』講談社こうだんしゃ〈講談社こうだんしゃインターナショナル〉、1973年ねん。ISBN 0870112171。 

関連かんれん項目こうもく

編集へんしゅう
『海洋かいよう自由じゆう論ろん』フーゴー・グローティウス（1609年ねん）
『海洋かいよう閉鎖へいさ論ろん』 ジョン・セルデン（1635年ねん）

外部がいぶリンク

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座標ざひょう: 北緯ほくい32度ど44分ふん36.67秒びょう 東経とうけい129度ど52分ふん22.87秒びょう / 北緯ほくい32.7435194度ど 東経とうけい129.8730194度ど / 32.7435194; 129.8730194 (出島でじま)

  1. ^
    詳細しょうさいは「海うみ商法しょうほう・共同きょうどう海損かいそん・ヨーク・アントワープ規則きそく」を参照さんしょう
    「海事かいじ法ほう」も参照さんしょう
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