新潟港にいがたこう

新潟港にいがたこう
	信濃川しなのがわの河口かこう部ぶに位置いちする新潟にいがた西港にしこう
所在地しょざいち
国くに	日本にっぽん
所在地しょざいち	新潟にいがた県けん新潟にいがた市し、北蒲原きたかんばら郡ぐん聖せい籠町かごまち; 【西港にしこう区く】; 新潟にいがた市し中央ちゅうおう区く、東ひがし区く; 【東港ひがしこう区く】; 新潟にいがた市し北きた区く、聖きよし籠町かごまち
詳細しょうさい
開港かいこう	1869年ねん1月がつ1日にち（明治めいじ元年がんねん11月19日にち）
種類しゅるい	国際こくさい拠点きょてん港湾こうわん・中核ちゅうかく国際こくさい港湾こうわん
統計とうけい
公式こうしきサイト	新潟にいがた港湾こうわん・空港くうこう整備せいび事務所じむしょ
	この表ひょうについて

新潟港にいがたこう（にいがたこう）は、新潟にいがた県けん新潟にいがた市しから北蒲原きたかんばら郡ぐん聖せい籠町かごまちにわたる日本海にほんかいに面めんした港湾こうわんである。港湾こうわん管理かんり者しゃは新潟にいがた県けん。

1.新潟にいがた西港にしこう 2.新潟にいがた東港ひがしこう

新潟にいがた市し中央ちゅうおう区くと東ひがし区くに位置いちし信濃川しなのがわの河口かこう両りょう岸きしに港みなと域いきを有ゆうする西港にしこう区く（にしこうく）と、市域しいき北東ほくとう端はしの北きた区くと聖せい籠町かごまちとの間あいだに作つくられた掘ほ込こみ式しきの東港ひがしこう区く（ひがしこうく）の2港こう区くから構成こうせいされており、それぞれ新潟にいがた西港にしこう（にいがたにしこう）、新潟にいがた東港ひがしこう（にいがたひがしこう）の通称つうしょうを有ゆうする。

港湾こうわん法ほう上うえの国際こくさい拠点きょてん港湾こうわん、港みなと則そく法ほう上うえの特定とくてい港こうに指定していされているほか、中核ちゅうかく国際こくさい港湾こうわんにも指定していされている。また日本海にほんかい側がわ拠点きょてん港みなとのうち総合そうごう的てき拠点きょてん港こうと、部門ぶもん別べつでは国際こくさい海上かいじょうコンテナ、液化えきか天然てんねんガスの2部門ぶもんの拠点きょてん港みなとに指定していされている。

概要がいよう

新潟港にいがたこうは、江戸えど時代じだいには北前きたまえ船せん、明治維新めいじいしん直前ちょくぜんには日米にちべい修好しゅうこう通商つうしょう条約じょうやくによって開港かいこう五ご港こうの一ひとつとなるなど、歴史れきし上じょうにおいても日本海にほんかい側がわの重じゅう要港ようこうとして栄さかえてきた。

現在げんざいは、古ふるくからの港みなとで中央ちゅうおう区くと東ひがし区くの信濃川しなのがわ河口かこう両りょう岸きしに港みなと域いきを有ゆうする西港にしこう区く（新潟にいがた西港にしこう）と、北きた区くと聖きよし籠町かごまちとの間あいだに昭和しょうわ期きに作つくられた掘ほ込こみ式しきの東港ひがしこう区く（新潟にいがた東港ひがしこう）の2つの港みなと区くから構成こうせいされている。西港にしこう区くは旅客りょかく・貨物かもつともに取とり扱あつかう。一方いっぽうの東港ひがしこう区くは旅客りょかく用ようの施設しせつを有ゆうさない貨物かもつ専用せんよう港こう域いきで、当初とうしょは工業こうぎょう港みなととして開発かいはつが進すすめられたが、1996年ねん（平成へいせい8年ねん）^[1]に国内こくない有数ゆうすうのコンテナターミナルが完成かんせいするなど、商港しょうこうとしての機能きのうが高たかまっている。

歴史れきし

近世きんせい（江戸えど時代じだい末期まっきまで）

錦絵にしきえ『新潟にいがた湊みなと之の真ま景けい』安政あんせい6年ねん（1859年ねん）井上いのうえ文ぶん昌あきら筆ひつ（新潟にいがた県立けんりつ図書館としょかん蔵くら）

古代こだいから平安へいあん時代じだいにかけて信濃川しなのがわの河口かこう部ぶには蒲原かんばら津つ（かんばらのつ）という港みなとが栄さかえ、物資ぶっしの集散しゅうさん、旅人たびびとの往来おうらいが多おおく見みられた。

1616年ねんには長岡ながおか城しろ主おも・堀ほり直ただし寄よせによって、港町みなとちょうとしての基礎きそが構築こうちく。1671年ねん、北前きたまえ船せんの寄港きこう地ちとして指定していを受うけ、国内こくない交易こうえき上じょう重要じゅうような地位ちいを確立かくりつした。加くわえて、1633年ねん9月に発生はっせいした洪水こうずいによって信濃川しなのがわと阿賀野川あがのがわが合流ごうりゅうし、河口かこう部ぶの土砂どしゃが押おし流ながされたことで港みなとの水深すいしんが深ふかまり、大型おおがた船せんが入港にゅうこうできる良港りょうこうとして栄華えいがを極きわめた。17世紀せいき末期まっきには、出で入港にゅうこうした船舶せんぱくは年間ねんかん約やく3,500隻せきにも及およんだという。

近代きんだい（幕末ばくまつ開港かいこうから太平洋戦争たいへいようせんそう末期まっきまで）

日米にちべい修好しゅうこう通商つうしょう条約じょうやくによる開港かいこう五ご港こうの1つとなった新潟港にいがたこう。手前てまえの建物たてものは新潟にいがた市し歴史れきし博物館はくぶつかん（みなとぴあ）

旧きゅう新潟にいがた税関ぜいかん庁舎ちょうしゃ（国くにの重要じゅうよう文化財ぶんかざい）

1843年ねん、新潟港にいがたこう周辺しゅうへんが天領てんりょうとなり新潟にいがた奉行ぶぎょうが新設しんせつ。

新潟港にいがたこうは1858年ねんに日米にちべい修好しゅうこう通商つうしょう条約じょうやくで開港かいこう五ご港こうの一ひとつとして指定していされた^[2]。函館はこだて港こう・横浜よこはま港こう・長崎ながさき港こうは1859年ねん 7月がつ1日にち（安政あんせい6年ねん6月2日にち）に開港かいこうし、新潟港にいがたこうとともに開港かいこうが延期えんきされていた神戸こうべ港こうも1868年ねん 1月がつ1日にち（慶応けいおう3年ねん12月7日にち）に開港かいこうした。

ところが、新潟港にいがたこうは戊辰戦争ぼしんせんそう（北越ほくえつ戊辰戦争ぼしんせんそう）の影響えいきょうで開港かいこうがさらに遅おくれ、1869年ねん 1月がつ1日にち（明治めいじ元年がんねん11月19日にち）にようやく開港かいこうした^[2]。なお、1867年ねんに開港かいこう場じょうを新潟港にいがたこうから七尾ななお港こうへ変更へんこうするよう江戸えど幕府ばくふに要求ようきゅうするなど^[3]、新潟港にいがたこうの港湾こうわん能力のうりょくに疑念ぎねんをもっていたイギリス公使こうしハリー・パークスの強つよい主張しゅちょうにより、新潟にいがた港こうと同時どうじに佐渡さど島とうの佐渡さど夷えびす港こう（のちの両津りょうつ港こう）が補助ほじょ港こうとして開港かいこうした^[2]^[4]。

神戸こうべ港こう開港かいこうから新潟港にいがたこう開港かいこうまでの間あいだ、1868年ねん 9月1日にち（慶応けいおう4年ねん7月がつ15日にち）に大阪おおさか港こうが開港かいこうしており、開港かいこう五ご港こうのうち最後さいごの開港かいこうであるのみならず、条約じょうやくに含ふくまれていなかった大阪おおさか港こうより4ヶ月かげつ遅おそい開港かいこうでもあった。

開港かいこうと同時どうじに新潟にいがた運上うんじょう所しょが開設かいせつされたが、庁舎ちょうしゃは新築しんちくされず、一説いっせつには明治めいじ2年ねん1月がつ（1869年ねん2月がつ11日にち - 3月12日にち）までは洲崎すざき番所ばんしょ（沖おきノ口くち番所ばんしょ）を使用しようし^[5]、明治めいじ2年ねん10月がつ（1869年ねん11月4日にち - 12月2日にち）に新しん庁舎ちょうしゃが竣工しゅんこうした^[6]。1873年ねん 1月がつ4日にちに新潟にいがた税関ぜいかんと改称かいしょう^[7]。しかし、1902年ねん 11月1日にちに新潟にいがた税関ぜいかんは廃止はいしされ、横浜よこはま税関ぜいかん新潟にいがた税関ぜいかん支署ししょとなった^[7]^[8]。1953年ねん 8月がつ1日にちに横浜よこはま税関ぜいかん東京とうきょう税関ぜいかん支署ししょが東京とうきょう税関ぜいかんとして独立どくりつすると、1955年ねん8月がつ1日にちに東京とうきょう税関ぜいかんへ移管いかんされて東京とうきょう税関ぜいかん新潟にいがた税関ぜいかん支署ししょとなった^[7]^[9]。開港かいこう五ご港こうの税関ぜいかんのうち唯一ゆいいつ税関ぜいかん支署ししょとなっているが（長崎ながさき税関ぜいかんも一時期いちじき門司もじ税関ぜいかん長崎ながさき税関ぜいかん支署ししょだったが再ふたたび独立どくりつしている）、唯一ゆいいつ運上うんじょう所しょ時代じだいからの庁舎ちょうしゃが現存げんそんしており、1969年ねんに国くにの重要じゅうよう文化財ぶんかざいに指定していされている。

「新潟にいがた市し歴史れきし博物館はくぶつかん#旧きゅう新潟にいがた税関ぜいかん庁舎ちょうしゃ」も参照さんしょう

明治めいじ期きは対外たいがい貿易ぼうえきは振ふるわなかったものの、北洋ほくようサケマス漁船ぎょせんなど遠洋えんよう漁業ぎょぎょうの基地きちとして栄さかえた。しかし河口かわくち港こうという条件じょうけんが大おおきな障害しょうがいとなった。信濃川しなのがわ上流じょうりゅう部ぶからの流砂りゅうしゃによって水深すいしんが浅あさくなることが度々たびたびあり、港みなとの機能きのうを維持いじするのに困難こんなんをきたしていたのである。1896年ねんには、河口かこうに導みちびけ流りゅう堤つつみを築きずくものの^[10]、抜本ばっぽん的てきな対策たいさくには至いたらなかった。

1930年ねん頃ごろ（昭和しょうわ初頭しょとう）の新潟港にいがたこうの地図ちず

そこで国くには信濃川しなのがわの治水ちすい対策たいさくとして1909年ねんに着工ちゃっこうした大だい河津かわづ分水ぶんすい事業じぎょうと併あわせて新潟港にいがたこうを近代きんだい港湾こうわんとして整備せいびするため、1907年ねんに信濃川しなのがわの河口かこう改修かいしゅう事業じぎょうに着手ちゃくしゅ。1915年ねんに着工ちゃっこうされた埠頭ふとうの修築しゅうちく工事こうじと併あわせて1926年ねんに完成かんせいした。これに伴ともない1924年ねんには山ノ下やまのしたの民営みんえい埠頭ふとうが、翌よく1925年ねんには竜りゅうが島しまの県営けんえい埠頭ふとうがそれぞれ運用うんようを始はじめた。

大だい河津かわづ分水ぶんすいの通つう水すいと信濃川しなのがわの河口かこう改修かいしゅうによって、信濃川しなのがわ河口かこう部ぶでは大正たいしょう時代じだい末期まっきから昭和しょうわ30年代ねんだい前半ぜんはんにかけて埋立うめたて地ちの開発かいはつが行おこなわれた。事業じぎょうは太平洋戦争たいへいようせんそうを挟はさんで約やく四半世紀しはんせいきを費ついやし、川かわ沿ぞいの両りょう岸きしを中心ちゅうしんに行おこなわれた。中州なかすの所島ところじまや万代ばんだい島とうは右岸うがん側がわと陸続りくつづきになり、右岸うがん側がわに点在てんざいした宮浦みやうら池ちなどの小規模しょうきぼ湖沼こしょうが埋うめ立たてられた他ほか、古こ信濃川しなのがわなどの小規模しょうきぼ河川かせんは地下水ちかすい路ろなどに姿すがたを変かえた。これらの埋立うめたて地ちは都市とし機能きのうと港湾こうわん機能きのうの近代きんだい化かに役立やくだてられ、市街地しがいち拡大かくだいと港湾こうわん施設しせつの拡充かくじゅうなどに充当じゅうとうされた。

1929年ねんには満州まんしゅうとの航路こうろが開設かいせつ、1931年ねんの上越線じょうえつせん全通ぜんつうで日本海にほんかい対岸たいがん貿易ぼうえきの拠点きょてん港みなととして本格ほんかく的てきに機能きのうし始はじめた。太平洋戦争たいへいようせんそう開戦かいせん前まえの時点じてんでは日ひ満まん航路こうろが週しゅう5日にち就航しゅうこう、東京とうきょうから「満州まんしゅう国こく」首都しゅと・新しん京きょうに至いたる最短さいたんルートとして利用りようされた。

太平洋戦争たいへいようせんそうの戦局せんきょく激化げきかに伴ともなって太平洋たいへいよう側がわの航路こうろが維持いじできなくなったことから、北海道ほっかいどう産さん石炭せきたん・満州まんしゅう産さん大豆だいずなどの緊急きんきゅう受うけ入いれ港みなととして取扱とりあつかい量りょうが激増げきぞう。しかし終戦しゅうせん直前ちょくぜんの1945年ねん5月がつ中旬ちゅうじゅんから8月がつにかけ、米べい戦略せんりゃく爆撃ばくげき機きB-29による機雷きらい投下とうか、さらに終戦しゅうせん直前ちょくぜんには2度どにわたる銃じゅう爆ばく撃げきを受うけるなど、港湾こうわん機能きのうが事実じじつ上じょう失うしなわれ廃はい港こう寸前すんぜんの状況じょうきょうに陥おちいったまま8月がつ15日にちの終戦しゅうせんを迎むかえた^[11]。

現代げんだい（戦後せんご復興ふっこうから現在げんざいまで）

新潟港にいがたこうの港湾こうわん施設しせつ自体じたいには戦争せんそうによる大おおきな被害ひがいはなかったものの、米べい軍ぐんによる機雷きらい封鎖ふうさと、それらに触さわ雷かみなりした沈没ちんぼつ船せんが港内こうないに残存ざんそんしたのに加くわえ、浚渫船しゅんせつせんをも触さわ雷かみなりで失うしなったため港内こうないの水深すいしんが維持いじできなくなり、これらは戦後せんごの港湾こうわん復興ふっこうを大幅おおはばに遅おくらせることとなった。機雷きらいの掃海そうかい作業さぎょうは終戦しゅうせん後ごの10月がつから米べい軍ぐんの主導しゅどうで開始かいしされたが、1946年ねん6月で打うち切きりとなり、1948年ねん9月から海上保安庁かいじょうほあんちょうが再開さいかい、1949年ねん6月がつに港内こうないの掃海そうかい完了かんりょうが公示こうじされた^[12]。その後ご、1951年ねんに日本海にほんかいを漂流ひょうりゅうする機雷きらいの大だい規模きぼな掃海そうかいが実施じっしされた。沈没ちんぼつ船せんの処理しょりは1946年ねんから開始かいしされ、船体せんたいの曳航えいこうや撤去てっきょ、解体かいたいが進すすめられた。また、浚渫しゅんせつも1946年ねんに再開さいかいされ、浚渫船しゅんせつせんの増強ぞうきょうなどによって1950年ねんに戦前せんぜんと同等どうとうの水深すいしんが維持いじできるようになった。新潟港にいがたこうはこの間あいだ1951年ねんに国くにの重要じゅうよう港湾こうわんの指定していを受うけ、サンフランシスコ講和こうわ条約じょうやく調印ちょういん後ごの1952年ねん1月がつに新潟港にいがたこうの航行こうこう安全あんぜん宣言せんげんが出だされた。

かつて新潟にいがた市内しないでは盛さかんに天然てんねんガスが採掘さいくつされていたが、ガスを採掘さいくつする際さいに同時どうじに地下水ちかすいを汲くみ上あげるため、生活せいかつ基盤きばんの整備せいびが進すすみ、人口じんこうが増加ぞうかし始はじめた1950年代ねんだい後半こうはんに入はいると、市内しないでは地盤じばん沈下ちんかが深刻しんこく化かした。この影響えいきょうで市内しない中心ちゅうしん部ぶでは堀ほりの流量りゅうりょうが減少げんしょうし水質すいしつ悪化あっかが著いちじるしくなったほか、新潟港にいがたこうの周辺しゅうへん地域ちいきでも海岸かいがん部ぶの決壊けっかいや砂浜すなはまの後退こうたい、岸壁がんぺきの浸水しんすいなど多おおくの被害ひがいを受うけた。こうした事態じたいを受うけて市内しないでは天然てんねんガス採掘さいくつに対たいする規制きせいが施行しこうされ、地盤じばん沈下ちんかは沈静ちんせい化かに至いたった。しかし入港にゅうこう隻数せきすう、取扱とりあつかい貨物かもつ量りょうの増加ぞうかによって港湾こうわん施設しせつが手狭てぜま^[13]となり、また、構造こうぞう的てきな問題もんだいにより大型おおがた船舶せんぱくの入港にゅうこうに支障ししょうがあるのに加くわえ、信濃川しなのがわ上流じょうりゅう部ぶから流ながれ込こむ河底かわぞこの土砂どしゃを定期ていき的てきに浚渫しゅんせつしなければならないという構造こうぞう上じょう・立地りっち上じょうの制約せいやくが多おおいことなどから、工業こうぎょう港みなととしての機能きのうを拡充かくじゅうすることを目的もくてきに新港しんこうの建設けんせつ計画けいかくが立案りつあんされ、新潟にいがた市し北部ほくぶの太郎代たろうだい（現げん北きた区く）から聖せい籠かご村むら（現げん聖きよし籠町かごまち）別べつ行ぎょうにかけての海岸かいがんを開削かいさくして新潟にいがた東港ひがしこう（にいがたひがしこう）を整備せいびすることとなり、1963年ねんに着工ちゃっこうされた。

万代島ばんだいじま再さい開発かいはつ事業じぎょうにより2003年ねんグランドオープンした朱鷺ときメッセ

しかし1964年ねん 6月16日にちに発生はっせいした新潟にいがた地震じしんでは、液状えきじょう化か現象げんしょうによって地盤じばんが沈降ちんこうしたところへ津波つなみが襲来しゅうらいし、甚大じんだいな浸水しんすい被害ひがいを受うけたのをはじめ、岸壁がんぺきの損壊そんかいや石油せきゆタンク火災かさいなどにより、港湾こうわん施設しせつが被害ひがい総額そうがく約やく216億おく円えんに達たっする壊滅かいめつ的てきな打撃だげきを被こうむった。だが、地震じしん発生はっせいから2年間ねんかんで復旧ふっきゅうを完了かんりょうさせ^[11]、復旧ふっきゅう後ごは施設しせつの拡充かくじゅうや対岸たいがん貿易ぼうえきの進展しんてんによって発展はってんを遂とげ、1967年ねん 6月1日にちには本州ほんしゅう日本海にほんかい側がわ初はつの特定とくてい重要じゅうよう港湾こうわん（現げん・国際こくさい拠点きょてん港湾こうわん）に指定していされた^[14]。また、整備せいびが進すすめられていた東港ひがしみなとは復興ふっこう策さくの一環いっかんとして、市内しない中心ちゅうしん部ぶに集中しゅうちゅうしていた製造せいぞうや物流ぶつりゅうの拠点きょてんを分散ぶんさん配置はいちさせるための用地ようちとしても活用かつようされることとなり、1969年ねん（昭和しょうわ44年ねん）11月19日にち^[15]に開港かいこう。同時どうじに元々もともとの新潟港にいがたこうが通称つうしょう新潟にいがた西港にしこう（にいがたにしこう）と称しょうされるようになった。

その後ご、東港ひがしみなとはソ連それん（現げん：ロシア）、東ひがしアジア、東南とうなんアジアとの外そと航こうコンテナ航路こうろが就航しゅうこうし^[16]^[17]^[18]、液化えきか天然てんねんガス (LNG) バース、ガントリークレーン^[19]など港湾こうわん施設しせつが整備せいびされた。そして交通こうつう網もうも整備せいびされ、周辺しゅうへん地域ちいきも工業こうぎょう団地だんちとして開発かいはつが進すすんでいくにつれ、徐々じょじょに工業こうぎょう港こう・商港しょうこうとしての体裁ていさいを整ととのえていった。現在げんざい、西港にしこう区くは旅客りょかくと貨物かもつの双方そうほうを、東港ひがしこう区くは貨物かもつを取とり扱あつかっている。

かつて国際こくさい旅客りょかくターミナルには、北朝鮮きたちょうせんの貨客船かきゃくせん「万景峰まんぎょんぼん号ごう」も入港にゅうこうしていた。2006年ねん（平成へいせい18年ねん）7月がつ5日にちより対たい北朝鮮きたちょうせん経済けいざい制裁せいさい措置そちの一環いっかんとして、同どう国籍こくせき船舶せんぱくの日本にっぽん国内こくないの港湾こうわんへの寄港きこうが禁止きんしされたため、以降いこうは入港にゅうこうしていない。

1995年ねん6月がつに全国ぜんこく8港こうのうち日本海にほんかい側がわでは唯一ゆいいつとなる中核ちゅうかく国際こくさい港湾こうわんに指定していされ、翌よく1996年ねん3月がつには新潟にいがた県けん地域ちいき輸入ゆにゅう促進そくしん計画けいかく（新潟にいがたFAZ計画けいかく）が国くにの承認しょうにんを受うけるなど国際こくさい貿易ぼうえき港こうとしての機能きのう整備せいびが進すすめられた。さらに2011年ねん 11月11日にちには、国内こくないの日本海にほんかい側がわ港湾こうわんの機能きのう強化きょうかを目指めざして日本海にほんかい側がわ拠点きょてん港みなとが指定していされ、新潟港にいがたこうは全国ぜんこく5港こうの総合そうごう的てき拠点きょてん港みなとの一ひとつに、また部門ぶもん別べつでは国際こくさい海上かいじょうコンテナと液化えきか天然てんねんガスの2部門ぶもんの拠点きょてん港みなとに指定していされた。

近年きんねんの外そと貿コンテナ貨物かもつ取扱とりあつかい量りょうは日本海にほんかい側がわ港湾こうわんでは最多さいたの国内こくない10位い前後ぜんこうを推移すいいしており、取扱とりあつかい量りょう自体じたいも年々ねんねん増加ぞうかしている。特とくに東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいが発生はっせいした2011年ねんには太平洋たいへいよう側がわ港湾こうわんの被災ひさいにより輸出入ゆしゅつにゅうの代替だいたい機能きのうを担になうなどして、取扱とりあつかい量りょうが過去かこ最多さいたの20万まんTEUを記録きろくするなど、本州ほんしゅう日本海にほんかい側がわ随一ずいいちの広域こういき国際こくさい物流ぶつりゅう拠点きょてんとして機能きのうしている。

新潟にいがた西港にしこう（西港にしこう区く）

1.臨港りんこう埠頭ふとう 2.山やまの下した埠頭ふとう（新しん日本海にほんかいフェリー） 3.北きた埠頭ふとう 4.東ひがし埠頭ふとう 5.中央ちゅうおう埠頭ふとう 6.南みなみ埠頭ふとう 7.漁港ぎょこう区く 8.万代島ばんだいじま（佐渡汽船さどきせん）

新潟にいがた西港にしこう万代島ばんだいじま埠頭ふとう・中央ちゅうおう埠頭ふとう・漁港ぎょこう区く周辺しゅうへんと信濃川しなのがわ（2007年ねん）

佐渡汽船さどきせん（万代島ばんだいじま埠頭ふとう）と新しん日本海にほんかいフェリー（山ノ下やまのした埠頭ふとう）の発着はっちゃく地ちとなっている西港にしこう

元々もともと新潟港にいがたこうとして栄さかえたのが西港にしこう区くであり、信濃川しなのがわの河口かこう両りょう岸きしに開ひらかれた河口かこう港みなとである。新潟にいがた市し中央ちゅうおう区くと東ひがし区くにまたがっている。平野へいやの中心ちゅうしんにあって大河たいがの河口かこうに位置いちする点てん、周囲しゅういを小高こだかい丘おかや山やまに囲かこまれていない点てんで他たの条約じょうやく港みなととは大おおきく立地りっち条件じょうけんが異ことなる。

河口かわくち港こうという立地りっち条件じょうけん上じょう、定期ていき的てきに港内こうないの浚渫しゅんせつを行おこなって水深すいしんを維持いじしており、年間ねんかんの浚渫しゅんせつ量りょうは約やく85万まん立方りっぽうメートルにも及およぶ。浚渫しゅんせつした土砂どしゃの約やく7割わりは信濃川しなのがわ河口かこうの沖合おきあい4.5kmの地点ちてんに海洋かいよう投棄とうきされ、残のこる3割わりは河口かこう左岸さがん側がわの入船いりふね処分しょぶん場じょうで埋うめ立たて処分しょぶんされている。しかし海洋かいよう投棄とうきは海洋かいよう環境かんきょうの保全ほぜんという観点かんてんから国際こくさい法ほう上じょうは原則げんそく禁止きんしとなっており、西港にしこう区くにおいては環境かんきょう大臣だいじんの許可きょかのもとで特例とくれいとして海洋かいよう投棄とうきが継続けいぞくされているが、その量りょうは全国ぜんこくの浚渫しゅんせつ土砂どしゃの年間ねんかん海洋かいよう投棄とうき量りょうのうち実じつに約やく7割わりを占しめるに至いたっている。加くわえて入船いりふね処分しょぶん場じょうの受入うけいれ量りょうも既すでに逼迫ひっぱくしていることから、国くに・新潟にいがた県けん・新潟にいがた市しでは東ひがし区くの新潟にいがた空港くうこう沿岸えんがん部ぶに新あらたな処分しょぶん場じょうの整備せいびを行おこなっている^[20]。

西港にしこう一帯いったいはみなとオアシスとして登録とうろくされていて、新潟にいがた市し歴史れきし博物館はくぶつかんやピアBandaiを代表だいひょう施設しせつとするみなとオアシス新潟にいがたとして賑にぎわいエリアともなっている。

新潟にいがた市し歴史れきし博物館はくぶつかん付近ふきんの護岸ごがんから見みた、新潟にいがた西港にしこう。

国内こくない旅客りょかく航路こうろ

新潟港にいがたこうを出港しゅっこうした佐渡汽船さどきせん「おけさ丸まる」

新しん日本海にほんかいフェリー新潟にいがたフェリーターミナル

佐渡さど島とうへの旅客りょかく・貨物かもつのメインルートとなる佐渡汽船さどきせん両津りょうつ航路こうろが就航しゅうこうする。西港にしこうの佐渡汽船さどきせん新潟港にいがたこうフェリーターミナル（通称つうしょう「佐渡汽船さどきせん」、中央ちゅうおう区く万代島ばんだいじま9-1）を擁ようする万代島ばんだいじま埠頭ふとうから発着はっちゃくしておりカーフェリーで2時じ間あいだ30分ふん、ジェットフォイル（水中翼船すいちゅうよくせん）で1時じ間あいだ7分ふんを所要しょようする。

県けん外がいへの長距離ちょうきょりフェリー航路こうろは新しん日本海にほんかいフェリーが就航しゅうこうする北海道ほっかいどう小樽おたるを結むすぶ航路こうろ並ならびに福井ふくい県けん敦賀つるがから本港ほんこうを経へて秋田あきた県けん秋田あきた、北海道ほっかいどう苫小牧とまこまいを結むすぶ航路こうろの3航路こうろがあり、新しん日本海にほんかいフェリー新潟にいがたフェリーターミナル（通称つうしょう「新しん日本海にほんかいフェリー」、東ひがし区く古湊こみなと町まち2）を擁ようする山ノ下やまのした埠頭ふとうから発着はっちゃくする。

なおクルーズ客船きゃくせんが寄港きこうする際さい、国内こくないのみ航行こうこうの場合ばあいは前述ぜんじゅつの山ノ下やまのした埠頭ふとう、国外こくがいへ航行こうこうの場合ばあいは後述こうじゅつの国際こくさい旅客りょかくターミナルが所在しょざいする中央ちゅうおう埠頭ふとうの発着はっちゃくとなる。

新潟にいがた西港にしこうからの国内こくない定期ていき旅客りょかく航路こうろ
- 新潟にいがた - 両津りょうつ航路こうろ（佐渡汽船さどきせん）
- 新潟にいがた - 小樽おたる航路こうろ（新しん日本海にほんかいフェリー）
- 敦賀つるが - 新潟にいがた - 秋田あきた - 苫小牧とまこまい航路こうろ（新しん日本海にほんかいフェリー）

国際こくさい航路こうろ

中央ちゅうおう埠頭ふとうには新潟港にいがたこう国際こくさい旅客りょかくターミナル（中央ちゅうおう区く竜りゅうが島しま1丁目ちょうめ6-5）が設もうけられている。佐渡汽船さどきせん、新しん日本海にほんかいフェリー以外いがいの旅客船りょかくせんは基本きほん的てきに中央ちゅうおう埠頭ふとうからの発着はっちゃくとなっている。

以下いかはいずれも過去かこの航路こうろである。

新潟にいがた - ナホトカ
1966年ねん（昭和しょうわ41年ねん）、日にち満まん航路こうろ以来いらい約やく20年ねんぶりの定期ていき国際こくさい旅客りょかく航路こうろとして、ロシア沿海州えんかいしゅうのナホトカを結むすぶ船ふねが就航しゅうこうした^[21]。夏期かきを中心ちゅうしんに年とし数すう回かい運航うんこうされ、横浜よこはま港こう発着はっちゃく便びん（ナホトカ航路こうろ）の半分はんぶん以下いかの時間じかんで両りょう岸きしを結むすんだ^[22]。

新潟にいがた - 束たば草そう - トロイツァ
2007年ねん、韓国かんこく・束たば草そう（ソクチョ）港みなとから新潟港にいがたこうを経由けいゆしてロシア・トロイツァ（旧きゅうザルビノ）港みなとを結むすぶ貨客フェリーによる国際こくさい航路こうろの構想こうそうが明あきらかとなり^[23]、2008年ねん12月に4か国こく会社かいしゃ「北東ほくとうアジアフェリー」設立せつりつ^[24]、2009年ねん6月がつ下旬げじゅんに週しゅう1便びんのダイヤで就航しゅうこうした^[25]が、同年どうねん9月がつ以降いこうは運休うんきゅうとなった^[24]。

新潟にいがた - 元山もとやま
1959年ねんから1984年ねんにかけて朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこくへの帰還きかん事業じぎょうが行おこなわれたこともあり、1992年ねんから2006年ねんの特定とくてい船舶せんぱくの入港にゅうこうの禁止きんしに関かんする特別とくべつ措置そち法ほう適用てきようまでは、不定期ふていきではあるが元山もとやまから貨客船かきゃくせん「万景峰まんぎょんぼん号ごう」が入港にゅうこうしていた。在日ざいにち朝鮮ちょうせん人じんの「祖国そこく訪問ほうもん」や親族しんぞくへの物資ぶっし輸送ゆそうなどに利用りようされていて、その輸送ゆそう窓口まどぐちを担になう在日本朝鮮人総聯合会ざいにほんちょうせんじんそうれんごうかいの祖国そこく訪問ほうもん事務所じむしょが南みなみ埠頭ふとう付近ふきん（中央ちゅうおう区く竜りゅうが島しま1丁目ちょうめ4-2）に置おかれていた。

貨物かもつ・工業こうぎょう・漁業ぎょぎょう

国際こくさい（貨物かもつ）航路こうろ

かつては新潟にいがた - ナホトカ^[26]等ひとし、国際こくさい航路こうろがあったが、新潟にいがた東港ひがしこう開港かいこうによって国際こくさい物流ぶつりゅう機能きのうは大半たいはんが東港ひがしこうへシフトした。

現在げんざいでは私有しゆうの臨港りんこう埠頭ふとうなどを中心ちゅうしんに取とり扱あつかいがある。

工業こうぎょう

かつて新潟にいがた県内けんないでは石油せきゆが産出さんしゅつされていた背景はいけいもあって日本石油にほんせきゆ、昭和しょうわ石油せきゆなどが製油せいゆ所しょを稼動かどうしていた。しかし施設しせつの老朽ろうきゅう化かにより精製せいせい能力のうりょくがコストに見合みあわなくなったことなどから、現在げんざいはENEOS、出光興産いでみつこうさんとも油槽ゆそう所しょとして機能きのうしているのみとなっている。

このうち昭和シェル石油しょうわしぇるせきゆは新潟にいがた石油せきゆ製品せいひん輸入ゆにゅう基地きちの敷地しきち内ないのうち、旧きゅう製油せいゆ所しょ跡地あとちを活用かつようして、発電はつでん出力しゅつりょく1Mwクラスの太陽光たいようこう発電はつでん施設しせつ「新潟にいがた雪国ゆきぐに型がたメガソーラー発電はつでん所しょ」を整備せいびし、2010年ねん 8月がつ31日にちに稼働かどうを開始かいしした。日本にっぽんの石油せきゆ元売もとうり大手おおてが商業しょうぎょう用ようの太陽光たいようこう発電はつでんに着手ちゃくしゅするのは初はじめて。総そう事業じぎょう費ひ7億おく円えんのうち半額はんがくを国くにが補助ほじょし、新潟にいがた県けんが約やく2億おく円えん、昭和しょうわシェルが約やく1.3億おく円えんを拠出きょしゅつして整備せいびした。雲くもに覆おおわれることが多おおく日照ひでり時間じかんの少すくない雪国ゆきぐにでも、効率こうりつ的てきな発電はつでんが維持いじできるかなどを実証じっしょう実験じっけんする目的もくてきもあり、県けんと昭和しょうわシェルは今後こんご、この発電はつでん所しょを運用うんようしながら様々さまざまな研究けんきゅうを進すすめていく予定よていである。

この他ほか、JFEスチールグループ、新潟にいがた造船ぞうせん、日東紡績にっとうぼうせき、北越ほくえつコーポレーションなどが西港にしこう区く周辺しゅうへんに製造せいぞう拠点きょてんを置おいている。東北電力とうほくでんりょくは前述ぜんじゅつの昭和シェル石油しょうわしぇるせきゆの敷地しきちに隣接りんせつして新潟にいがた火力かりょく発電はつでん所しょ（最大さいだい発電はつでん出力しゅつりょく：約やく109MW）を設もうけている。日本石油にほんせきゆの周辺しゅうへん事業じぎょうから派生はせいした企業きぎょうも多おおく肥料ひりょう・化学かがく製品せいひんを製造せいぞうするコープケミカル（現げん片倉かたくらコープアグリ）、エンジンや造船ぞうせんなど機械きかい製造せいぞうを行おこなっていた新潟鐵工所にいがたてっこうじょなどがそれに該当がいとうする。うち新潟鐵工所にいがたてっこうじょ山ノ下やまのした工場こうじょうは新潟にいがた地震じしんの被害ひがいを受うけて大形おおぎょう地区ちく(現在げんざいのIHI原動機げんどうき新潟にいがた内燃ないねん機き工場こうじょう及および新潟にいがた鋳造ちゅうぞう工場こうじょう)へ移転いてん、鉄道てつどう車両しゃりょう・除雪じょせつ機械きかいなどを製造せいぞうする大山おおやま工場こうじょうは老朽ろうきゅう化かに伴ともなって新潟にいがた構機工場こうじょう（北蒲原きたかんばら郡ぐん聖きよし籠町かごまち・新潟鐵工所にいがたてっこうじょの経営けいえい破綻はたんにより、新潟にいがたトランシスに事業じぎょうが継承けいしょうされている）に移転いてんした。この大山おおやま工場こうじょうと昭和シェル石油しょうわしぇるせきゆ新潟にいがた製油せいゆ所しょの閉鎖へいさ、新潟にいがたみなとトンネルの工事こうじ進捗しんちょくに伴ともない2002年ねん5月がつをもって信越本線しんえつほんせんの貨物かもつ支線しせん「東臨港ひがしりんこう線せん」のうち焼島やきじま駅えき - 東新潟港ひがしにいがたこう駅えき間あいだが休止きゅうしとなり、東新潟港ひがしにいがたこう駅えき以北いほくの臨港りんこう埠頭ふとう等とうに続つづいていた引込線ひきこみせんも廃止はいし・撤去てっきょされた。

漁業ぎょぎょう

万代島ばんだいじま埠頭ふとうに漁港ぎょこう区くが設もうけられている。かつては遠洋えんよう漁業ぎょぎょうの基地きちとして栄さかえたが、現在げんざいは沖合おきあい漁業ぎょぎょうと沿岸えんがん漁業ぎょぎょうが主体しゅたいである。埠頭ふとう南側みなみがわに水みず揚場あげばが設もうけられている。

埠頭ふとうには以前いぜんこの他ほか、新潟にいがた市しの管理かんりによる「新潟にいがた魚ぎょ市場いちば」も設もうけられていたが老朽ろうきゅう化かが著いちじるしく、また農のう水産物すいさんぶつの市場いちば機能きのうが市内しない4箇所かしょに分散ぶんさんしていた問題もんだいなどからこれらを1箇所かしょに集約しゅうやくすることを目的もくてきに2007年ねん5月、江南えな区く茗荷みょうが谷地やち内ないで整備せいびが進すすめられていた新潟にいがた市し中央ちゅうおう卸売おろしうり市場いちばに移転いてん統合とうごうされた。

旧きゅう魚市場うおいちばの施設しせつは老朽ろうきゅう化かのため撤去てっきょされて更地さらちとなったが、跡地あとちは西港にしこう区く周辺しゅうへんの活性かっせい化か策さくの一環いっかんとして有効ゆうこう利用りよう法ほうが検討けんとうされた。その結果けっか、新潟にいがた商工しょうこう会議かいぎ所しょや新潟にいがた漁協ぎょきょうなどが中心ちゅうしんとなって「地物ちぶつ鮮魚せんぎょと地場じば野菜やさい・花はなの市民しみん市場いちば」として整備せいびする計画けいかくが立案りつあんされ、2009年ねん7月がつに農林水産省のうりんすいさんしょうの助成じょせい事業じぎょう「マルシェ・ジャポン・プロジェクト」に採択さいたくされたのを受うけ、同年どうねん9月がつに「にぎわいマルシェ・ジャポン万代島ばんだいじま」がスタート。さらに二に次じ事業じぎょうとして、にぎわいマルシェを統合とうごうし、飲食いんしょく・レストラン、イベントゾーンを増設ぞうせつして観光かんこう拠点きょてん施設しせつとしての機能きのうを強化きょうかした「にぎわい市場いちばピアBandai」が2010年ねん 10月22日にちにオープンした。また東側ひがしがわの隣接りんせつ地ちには新潟にいがた漁協ぎょきょう本所ほんじょや荷捌にさばき場じょうなどを内包ないほうする「万代島ばんだいじま水産すいさん会館かいかん」が新築しんちく移転いてんし、これに伴ともない旧きゅう本所ほんじょ（朱鷺ときメッセ向むかい）の構内こうないに設もうけられていた産地さんち市場いちば「さかなのふるさと万代島ばんだいじま」は9月30日にちをもって閉店へいてんし、ピアBandai内ないへ移転いてんした。

埠頭ふとう

新潟にいがた県けんが管理かんりする埠頭ふとう

万代島ばんだいじま埠頭ふとう（佐渡汽船さどきせんフェリーターミナル）
水産物すいさんぶつ揚場あげば
南みなみ埠頭ふとう
中央ちゅうおう埠頭ふとう（貨客兼用けんよう。国際こくさい航路こうろも含ふくめ、定期ていき航路こうろ以外いがいの旅客船りょかくせんが発着はっちゃく）
北きた埠頭ふとう
石油せきゆ埠頭ふとう
山ノ下やまのした埠頭ふとう（新しん日本海にほんかいフェリーターミナル）
通船川かよいぶねがわ右岸うがん岸壁がんぺき
通船川かよいぶねがわ左岸さがん岸壁がんぺき
信濃川しなのがわ左岸さがん物ぶつ揚場あげば
- 下した大川前おおかわまえ地区ちく
- 柳島やなぎしま地区ちく
- 入船いりふね地区ちく

民間みんかんが管理かんりする埠頭ふとう

臨港りんこう埠頭ふとう

リンコーコーポレーションが管理かんりする埠頭ふとう。現在げんざい、企業きぎょうが管理かんりする専用せんよう埠頭ふとうは全国ぜんこく各地かくちに所在しょざいするが、1931年ねんの竣工しゅんこう当時とうじは、民間みんかん企業きぎょうが管理かんりする埠頭ふとうは全国ぜんこく的てきにも珍めずらしい存在そんざいであった。戦中せんちゅう・戦後せんごしばらくは日本海にほんかい側がわ有数ゆうすうの石炭せきたん・木材もくざい受うけ入いれ基地きちとして賑にぎわった。

観光かんこう

右岸うがん側がわ

朱鷺ときメッセ
山やまの下したみなとタワー・山やまの下したみなとランド
ピアBandai
万代島ばんだいじま多目的たもくてき広場ひろば（屋内おくない広場ひろば「大だいかま」・屋外おくがい広場ひろば）
万まん代だいテラス - 2015年ねん5月がつオープン^[27]。

左岸さがん側がわ

新潟にいがた市し歴史れきし博物館はくぶつかん（みなとぴあ）
入船いりふねみなとタワー
信濃川しなのがわ左岸さがん緑地りょくち（みなと・さがん）

釣つり場ばとしての西港にしこう

西港にしこうの西側にしがわに伸のびる防波堤ぼうはていは、古ふるくから釣つり場ばとして親したしまれてきたが、他た港みなと同様どうように事故じこ防止ぼうし、船舶せんぱくの安全あんぜんな入にゅう出港しゅっこう、テロ防止ぼうし対策たいさく等とうを理由りゆうに立たち入いりが禁止きんしされている。 2021年ねん 12月8日にち、新潟にいがた海上かいじょう保安ほあん部ぶは防波堤ぼうはていに船ふねで釣つり客きゃくを渡わたらせたなどとして、遊漁船ゆうぎょせん船長せんちょうを遊漁船ゆうぎょせん業ぎょうの適正てきせい化かに関かんする法律ほうりつ違反いはんで、釣つり人じん26人にんを軽犯罪法けいはんざいほう違反いはんの疑うたがいで任意にんい捜査そうさしていると発表はっぴょうした^[28]。

新潟にいがた東港ひがしこう（東港ひがしこう区く）

1.中央ちゅうおう水路すいろ（両りょう岸きしが中央ちゅうおう埠頭ふとう） 2.東ひがし埠頭ふとう 3.西にし埠頭ふとう（コンテナターミナル） 4.南みなみ埠頭ふとう 5.南浜みなみはま小型こがた船せんだまり

新潟にいがた東港ひがしこう全景ぜんけい

コンテナターミナル

新潟にいがた市しと豊栄ほうえい市し（当時とうじ）、聖きよし籠町かごまちにまたがる地域ちいきに建設けんせつされた掘ほ込こみ港みなとである。

開削かいさく前まえの周辺しゅうへんは元々もともと、小ちいさな漁港ぎょこうと砂丘さきゅうそして田畑たはたが広ひろがる地域ちいきだった。開削かいさくによって生しょうじた土どは、東港ひがしみなとと同どう時期じきに建設けんせつが進すすめられていた関屋せきや分水ぶんすい路ろからの開削かいさく土どと共ともに、新潟にいがたバイパスや亀田かめだバイパスの盛もり土つちとして活用かつようされた。

開港かいこう当初とうしょは交通こうつう網もうも未み整備せいびで公共こうきょう交通こうつうも脆弱ぜいじゃくであり、周辺しゅうへんは民家みんかが点在てんざいする程度ていどであった。そのため、海外かいがいから入港にゅうこうする船ふねの乗組のりくみ員いんは、新潟港にいがたこうでの入港にゅうこう先さきを「East」と伝つたえられると、ひどく怪訝けげんな態度たいどになるほどだったという。

その後ご1980年代ねんだいに入はいると港内こうないの係留けいりゅう施設しせつが整ととのい、航路こうろ網もうが充実じゅうじつ、更さらに周辺しゅうへんの交通こうつう網もうが整備せいびされるにつれ港内こうないのファシリティは徐々じょじょに向上こうじょうした。港みなと周辺しゅうへんは工業こうぎょう団地だんちとして製造せいぞう業ぎょう・非ひ製造せいぞう業ぎょうを問とわず、数すう多おおくの企業きぎょうが製造せいぞう拠点きょてんや出先でさきを設もうけている。

なお南みなみ埠頭ふとうには入港にゅうこう船せんの乗組のりくみ員いんや周辺しゅうへん企業きぎょうの従業じゅうぎょう員いん向むけの厚生こうせい施設しせつとして1994年ねん（平成へいせい6年ねん）^[29]に県けんが設もうけていた「にいがたポートセンター」があり、英語えいご、ロシア語ご、中国ちゅうごく語ごを話はなせる職員しょくいんが常駐じょうちゅうしていた。しかし外国がいこく人じん船員せんいんの利用りよう者しゃが減少げんしょうし、機能きのうを果はたさなくなったことから2006年ねん末まつ^[30]をもって閉鎖へいさ・廃止はいしされた。

周辺しゅうへんではロシアなどに輸出ゆしゅつする中古ちゅうこ車しゃ産業さんぎょうが発達はったつしていることが特筆とくひつされる^[31]。

東港ひがしみなと一帯いったいはみなとオアシスとして登録とうろくしていて、聖せい籠町かごまち海かいのにぎわい館かんを代表だいひょう施設しせつとするみなとオアシス聖せい籠かごとして周辺しゅうへんで行おこなわれる海洋かいようレクリエーションやイベントの交流こうりゅう拠点きょてんとなっている。