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淡水魚たんすいぎょ」のはんあいだ差分さぶん

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== 人為じんいてき影響えいきょう ==
== 人為じんいてき影響えいきょう ==
現代げんだいおおくの地域ちいきにおいて、淡水魚たんすいぎょ分布ぶんぷ範囲はんい生息せいそくすう人為じんいてき攪乱かくらんにさらされている。日本にっぽんでは[[アユ]]や[[ニジマス]]などの有用ゆうようぎょしゅの[[放流ほうりゅう]]にともなって、それに混入こんにゅうしたほかさかな分布ぶんぷひろげているれいがあり、野生やせい淡水魚たんすいぎょ分布ぶんぷ攪乱かくらん問題もんだいになっている。たとえば琵琶湖びわこのコアユを捕獲ほかくして河川かせん放流ほうりゅうすることで、[[オイカワ]]や[[カワムツ]]、[[ムギツク]]、[[オヤニラミ]]、[[ハス (さかな)|ハス]]、[[ワタカ]]、さらには[[ブルーギル]]、[[ブラックバス]]、[[ライギョ]]、[[ソウギョ]]などの[[外来がいらいしゅ]]もアユにじって分布ぶんぷひろげている。
現代げんだいおおくの地域ちいきにおいて、淡水魚たんすいぎょ分布ぶんぷ範囲はんい生息せいそくすう人為じんいてき攪乱かくらんにさらされている。日本にっぽんでは[[アユ]]や[[ニジマス]]などの有用ゆうようぎょしゅの[[放流ほうりゅう]]にともなって、それに混入こんにゅうしたほかさかな分布ぶんぷひろげているれいがあり、野生やせい淡水魚たんすいぎょ分布ぶんぷ攪乱かくらん問題もんだいになっている。たとえば琵琶湖びわこのコアユを捕獲ほかくして河川かせん放流ほうりゅうすることで、[[オイカワ]]や[[カワムツ]]、[[ムギツク]]、[[オヤニラミ]]、[[ハス (さかな)|ハス]]、[[ワタカ]]国内こくない[[外来がいらいしゅ]]として、さらには[[ブルーギル]]、[[ブラックバス]]、[[ライギョ]]、[[ソウギョ]]などの国外こくがい外来がいらいしゅもアユにじって分布ぶんぷひろげている。


同様どうよう事例じれい世界せかい各地かくちられる。とくにマスるいなど有用ゆうようぎょしゅ移植いしょくは19世紀せいきまつ以降いこう世界中せかいじゅうおこなわれ、原産げんさん固有こゆうしゅ絶滅ぜつめつ、あるいは絶滅ぜつめつ危機ききひんしたれいられる。[[チチカカ]]固有こゆうしゅであった[[キプリノドン]]の1しゅ、[[チチカカオレスティア]]はそのいちれいである。カダヤシは[[カ]]るい防除ぼうじょのために世界せかいねつ帯域たいいき移入いにゅうされた。
同様どうよう事例じれい世界せかい各地かくちられる。とくにマスるいなど有用ゆうようぎょしゅ移植いしょくは19世紀せいきまつ以降いこう世界中せかいじゅうおこなわれ、原産げんさん固有こゆうしゅ絶滅ぜつめつ、あるいは絶滅ぜつめつ危機ききひんしたれいられる。[[チチカカ]]固有こゆうしゅであった[[キプリノドン]]の1しゅ、[[チチカカオレスティア]]はそのいちれいである。カダヤシは[[カ]]るい防除ぼうじょのために世界せかいねつ帯域たいいき移入いにゅうされた。

2024ねん6がつ13にち (木)もく 13:12時点じてんにおける最新さいしんばん

淡水魚たんすいぎょたんすいぎょえい: Freshwater fish)は、淡水たんすい生活せいかつ魚類ぎょるい総称そうしょう淡水魚たんすいぎょ2006ねん時点じてんでおよそ1まん2,000しゅられ、現生げんなま魚類ぎょるい2まん8,000しゅのうちやく43%をめている[1]しゅとして河川かせん生息せいそくするさかなは、かわぎょ(「かわざかな」または「かわうお」)とばれることもおおい。

ミナミメダカメダカ)。よくられた淡水魚たんすいぎょの1しゅである[2]

淡水魚たんすいぎょ生息せいそくする河川かせん湖沼こしょうなどのりくすいは、地球ちきゅうじょう存在そんざいするすべてのみずのうち0.01%にもたず、一種いっしゅあたりの平均へいきん体積たいせき海水かいすいぎょやく7,500ぶんの1にぎない[3]海水かいすいぎょよりもはるかにせま生物せいぶつけん獲得かくとくされた淡水魚たんすいぎょいちじるしい生物せいぶつ多様たようせいは、平均へいきん水深すいしんあさ淡水たんすいいきでは基礎きそ生産せいさん非常ひじょうたかいこと、隔離かくり状態じょうたい容易ようい発生はっせいしてたね分化ぶんか促進そくしんされやすいことなど、複雑ふくざつからった生態せいたいがくてき地質ちしつがくてき要因よういんによってもたらされたものとかんがえられている[3]

淡水魚たんすいぎょ区分くぶん

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モツゴ(左:コイ科)およびサカサナマズ科の一種 synodontis grandiops(右)。コイ目・ナマズ目を含む骨鰾上目の仲間は世界中の淡水域に分布し、淡水魚全体の半数近くを占める重要な存在となっている モツゴ(左:コイ科)およびサカサナマズ科の一種 synodontis grandiops(右)。コイ目・ナマズ目を含む骨鰾上目の仲間は世界中の淡水域に分布し、淡水魚全体の半数近くを占める重要な存在となっている
モツゴひだりコイ)およびサカサナマズ一種いっしゅ synodontis grandiops(みぎ)。コイナマズふくほね鰾上仲間なかま世界中せかいじゅう淡水たんすいいき分布ぶんぷし、淡水魚たんすいぎょ全体ぜんたい半数はんすうちかくをめる重要じゅうよう存在そんざいとなっている

淡水たんすいいき進出しんしゅつして適応てきおうした海水かいすいぎょが、淡水魚たんすいぎょ進化しんかしたと推測すいそくされている。適応てきおうのカギとなったのは、ドコサヘキサエンさん(DHA)を合成ごうせいするFads2遺伝子いでんしであることが研究けんきゅう判明はんめいしている[4]

現代げんだいにおいて、淡水たんすいいきうみ水域すいいき境界きょうかいでは様々さまざまかたちでの魚類ぎょるい出入でいりがあり、「淡水魚たんすいぎょ」を明確めいかく定義ていぎすることはむずかしい[5]淡水魚たんすいぎょ区分くぶん海水かいすいへのたいせい程度ていど、あるいは生活せいかつめる淡水たんすいいき割合わりあい基準きじゅんにしておこなわれることがおお[5]

生活せいかつもとづく分類ぶんるいいちれいとして、コイナマズなど淡水たんすいちゅう生涯しょうがいおくるものをじゅん淡水魚たんすいぎょいちせい淡水魚たんすいぎょ[6])、ウナギアユのように一生いっしょういち時期じき海水かいすいちゅうごすものをとお回遊かいゆうぎょボラスズキなど本来ほんらい海水かいすいぎょ汽水ぎょであるものが淡水たんすいいき侵入しんにゅうするものを周縁しゅうえんせい淡水魚たんすいぎょ[7]として区分くぶんする[5]

ただし、区分くぶんほう研究けんきゅうしゃによる異同いどうおおい。メダカカダヤシのように通常つうじょう淡水たんすい生活せいかつする一方いっぽう偶発ぐうはつてきうみ水域すいいき進出しんしゅつしうるものをせい淡水魚たんすいぎょぶが、これを広義こうぎじゅん淡水魚たんすいぎょふくめる場合ばあいと、独立どくりつ区分くぶんとしてあつか場合ばあいとがある[5]。また、サケるいなどの回遊かいゆうぎょを、周縁しゅうえんせい淡水魚たんすいぎょふくめることもしばしばある[3]

分布ぶんぷ

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じゅん淡水魚たんすいぎょうみ水域すいいき通過つうかできないため、淡水たんすいつらなった水系すいけいからそとるのが困難こんなんで、その分布ぶんぷ範囲はんい地誌ちしてき影響えいきょうつよける[5]ひとによる移入いにゅうのぞけば、河川かせん争奪そうだつなどがないかぎ河川かせん移動いどうすることはほとんどなく、地域ちいきによる独自どくじたね分化ぶんかおおい。琵琶湖びわこバイカルなど、いわゆる古代こだいみずうみのように淡水たんすいいきだった歴史れきしながく、その規模きぼおおきい地域ちいきではおおくの固有こゆうしゅられる。アマゾン川あまぞんがわさかなたねすう大西おおにしひろし全体ぜんたいよりおおいとわれる。

淡水魚たんすいぎょ隔離かくり分布ぶんぷには、地誌ちしてき変化へんかつよ関連付かんれんづけられるものもおおい。ハイギョるい分布ぶんぷはそのいちれいで、それぞれ独立どくりつぞく南半球みなみはんきゅうアフリカ大陸たいりくオーストラリア大陸たいりくみなみアメリカ大陸あめりかたいりくに1ぞくずつある。これはこの大陸たいりくゴンドワナ大陸たいりくとして陸続りくつづきだったことに起源きげんがあるとかんがえられている。

生物せいぶつ地理ちりもとづく分布ぶんぷ

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生物せいぶつ地理ちりめる領域りょういき

生物せいぶつぐん同様どうように、生物せいぶつ地理ちりもとづく区分くぶん淡水魚たんすいぎょ分布ぶんぷ理解りかいするために有用ゆうようである[8]以下いかでは、ウォレス1876ねん提唱ていしょうした6つの地理ちりにおける淡水魚たんすいぎょ分布ぶんぷ概説がいせつする。本節ほんぶしでは、淡水魚たんすいぎょおおきくじゅん淡水魚たんすいぎょいちせい淡水魚たんすいぎょ)、せい淡水魚たんすいぎょ周縁しゅうえんせい淡水魚たんすいぎょの3しゅ区分くぶんしている。

新北しんきた

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新北しんきたメキシコ高原こうげん以北いほくきたアメリカふく領域りょういきである[8]すくなくとも14じゅん淡水魚たんすいぎょられ、全体ぜんたいではコイサッカーアメリカナマズペルカサンフィッシュなどやく950しゅ分布ぶんぷする[8]みなみアパラチア山脈さんみゃく由来ゆらいする水系すいけいには350しゅあまりの淡水魚たんすいぎょ生息せいそくし、温帯おんたいいきとしてはもっと多様たようせいたか領域りょういきとなっている[8]

しん熱帯ねったい

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しん熱帯ねったいにはみなみアメリカ中央ちゅうおうアメリカふくまれ、世界せかいもっと豊富ほうふ淡水魚たんすいぎょしょうかかえる領域りょういきとなっている[9]じゅん淡水魚たんすいぎょのみで32そうたねすうでは4,475しゅられるほか、1,500しゅちょう記載きさいしゅ存在そんざいするとみられている[9]ナマズの13カラシンの8がそれぞれ1,200しゅえるほか、デンキウナギの5シクリッドスズキ)などがこの地域ちいき特徴とくちょうづけるグループとなっている[9]一方いっぽうきたアメリカで優勢ゆうせいであったコイやサッカーは、みなみアメリカではまったられない[9]

本来ほんらい海水かいすいぎょのグループであったものの一部いちぶが、じゅん淡水魚たんすいぎょとして適応てきおうしたれいおおいことも特徴とくちょうであり、ポタモトリゴン(いわゆる淡水たんすいエイ)、ガマアンコウダツニベ一部いちぶなどがられる[9]

きゅうきた

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きゅうきたヨーロッパからひがしアジアいた広大こうだい領域りょういきであるが、分布ぶんぷするじゅん淡水魚たんすいぎょは14にとどまる[10]。コイドジョウおおく、ナマズ魚類ぎょるいは4やく10しゅかぞえるにぎない[10]にはペルカカワカマスなどが生息せいそくし、総計そうけいではすくなくとも500しゅられている[10]

アフリカ

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アフリカエチオピア)には多様たよう淡水魚たんすいぎょ分布ぶんぷし、27じゅん淡水魚たんすいぎょふくめた、けい472,000しゅ生息せいそくしている[10]。コイ、ナマズ、カラシンなど、ほね鰾上仲間なかまがその半数はんすうめる[10]

東洋とうよう

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東洋とうようおもインド大陸たいりく東南とうなんアジアからなり、ウォレスはオーストラリアとの境界きょうかいボルネオとうバリ島ばりとうひがしいている(ウォレスせん[11]じゅん淡水魚たんすいぎょは28分布ぶんぷし、そのうち12はナマズ所属しょぞくする[11]。コイは4られ、コイ以外いがいの3ドジョウギュリノケイルスタニノボリ)はとくにこの領域りょういき多様たようせいしめすグループとなっている[11]ほね鰾類以外いがいでは、タイワンドジョウトゲウナギキノボリウオ仲間なかま特徴とくちょうてきである[11]

オーストラリア

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オーストラリアにはオーストラリア大陸たいりくと、ニューギニアとうなどウォレスせんよりひがし島嶼とうしょいきふくまれる[12]。この地域ちいきにはじゅん淡水魚たんすいぎょはわずか2しゅしかられておらず、いずれも古代こだいぎょである[12]にはせい淡水魚たんすいぎょが2周縁しゅうえんせい淡水魚たんすいぎょメラノタエニアトウゴロウイワシなど16分布ぶんぷする[12]

人為じんいてき影響えいきょう

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現代げんだいおおくの地域ちいきにおいて、淡水魚たんすいぎょ分布ぶんぷ範囲はんい生息せいそくすう人為じんいてき攪乱かくらんにさらされている。日本にっぽんではアユニジマスなどの有用ゆうようぎょしゅ放流ほうりゅうともなって、それに混入こんにゅうしたほかさかな分布ぶんぷひろげているれいがあり、野生やせい淡水魚たんすいぎょ分布ぶんぷ攪乱かくらん問題もんだいになっている。たとえば琵琶湖びわこのコアユを捕獲ほかくして河川かせん放流ほうりゅうすることで、オイカワカワムツムギツクオヤニラミハスワタカ国内こくない外来がいらいしゅとして、さらにはブルーギルブラックバスライギョソウギョなどの国外こくがい外来がいらいしゅもアユにじって分布ぶんぷひろげている。

同様どうよう事例じれい世界せかい各地かくちられる。とくにマスるいなど有用ゆうようぎょしゅ移植いしょくは19世紀せいきまつ以降いこう世界中せかいじゅうおこなわれ、原産げんさん固有こゆうしゅ絶滅ぜつめつ、あるいは絶滅ぜつめつ危機ききひんしたれいられる。チチカカ固有こゆうしゅであったキプリノドンの1しゅチチカカオレスティアはそのいちれいである。カダヤシはるい防除ぼうじょのために世界せかいねつ帯域たいいき移入いにゅうされた。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 『Fishes of the World Fourth Edition』 pp.11-14
  2. ^ 日本にっぽん淡水魚たんすいぎょ 改訂かいていばん』 pp.426-429
  3. ^ a b c 『The Diversity of Fishes Second Edition』 p.339
  4. ^ うみからかわみずうみへ!さかな淡水たんすい進出しんしゅつささえたかぎ遺伝子いでんし発見はっけん―DHAを自分じぶん合成ごうせいすれば、うみからはなれてもきられる―」国立こくりつ遺伝いでんがく研究所けんきゅうじょプレスリリース および “A key metabolic gene for recurrent freshwater colonization and radiation in fishes”サイエンス』2019ねん5がつ31にちごう。2019ねん6がつ14にち閲覧えつらん
  5. ^ a b c d e さかながく入門にゅうもん』 pp.53-54
  6. ^ えい: primary
  7. ^ えい: peripheral
  8. ^ a b c d 『The Diversity of Fishes Second Edition』 pp.339-345
  9. ^ a b c d e 『The Diversity of Fishes Second Edition』 pp.345-346
  10. ^ a b c d e 『The Diversity of Fishes Second Edition』 p.346
  11. ^ a b c d 『The Diversity of Fishes Second Edition』 pp.346-347
  12. ^ a b c 『The Diversity of Fishes Second Edition』 p.347

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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