この
記事 きじ には
複数 ふくすう の問題 もんだい があります。
改善 かいぜん や
ノートページ での
議論 ぎろん にご
協力 きょうりょく ください。
上段 じょうだん がチュ・クオック・グー(𡨸國語 こくご )による表記 ひょうき で、下段 げだん はチュノム (下線 かせん 部 ぶ )と漢字 かんじ による表記 ひょうき である。「私 わたし はベトナム語 ご を話 はな します」という意味 いみ 。
チュ・クォック・グー (ベトナム語 ご :Chữ Quốc Ngữ / 𡨸 國語 こくご ? )は、ラテン文字 もじ を使用 しよう してベトナム語 ご を表記 ひょうき する方法 ほうほう 。アクセント符号 ふごう を併用 へいよう することにより、ベトナム語 ご の6声調 せいちょう を表記 ひょうき し分 わ ける。
「クォック・グー」とは「國語 こくご 」のベトナム語 ご 読 よ みであり、「チュ」は「字 じ (文字 もじ )」のことなので、全体 ぜんたい として「国語 こくご 字 じ 」を意味 いみ する。
1651年 ねん 、カトリック教会 きょうかい のフランス人 じん 宣教師 せんきょうし 、アレクサンドル・ドゥ・ロード が作成 さくせい した『ベトナム語 ご -ラテン語 らてんご -ポルトガル語 ご 辞典 じてん 』において、ベトナム語 ご をラテン・アルファベット で表記 ひょうき したものを起源 きげん とする。ベトナム のフランス植民 しょくみん 地 ち 化 か 後 ご 、公文 こうぶん 書 しょ などで使用 しよう されるようになったことから普及 ふきゅう し、1945年 ねん のベトナム独立 どくりつ 時 じ に、漢字 かんじ ・チュノム (喃字)に代 か わり、ベトナム語 ご を表記 ひょうき する文字 もじ としてデ・ファクト に採択 さいたく され現在 げんざい に至 いた る。
現代 げんだい ベトナムでの書記 しょき 法 ほう では、手書 てが きの場合 ばあい は筆記 ひっき 体 たい が主流 しゅりゅう である。チュ・クォック・グーを使 つか った書道 しょどう も見 み られる。
使用 しよう しているアルファベットは、基本 きほん 字 じ 26字 じ から F, J, W, Z を除 のぞ いた22字 じ にダイアクリティカルマーク 付 つ きの7字 じ を加 くわ えた次 つぎ の29字 じ である[ 1] 。F, J, W, Z は外来 がいらい 語 ご 、借用 しゃくよう 語 ご 、造語 ぞうご でしか用 もち いない。なお、下線 かせん をつけた母 はは 音字 おんじ 、子音 しいん 字 じ のみ音節 おんせつ 末 まつ に立 た つことができる。
文字 もじ 名 めい と読 よ み方 かた はフランス語 ふらんすご アルファベット の影響 えいきょう を強 つよ く受 う けており、以下 いか の通 とお りとなっている。
名前 なまえ の読 よ み[ 1]
大文字 おおもじ
小文字 こもんじ
文字 もじ 名 めい
キーボード入力 にゅうりょく 方式 ほうしき
IPA表記 ひょうき
備考 びこう /日本語 にほんご 表記 ひょうき
Telex
VNI
VIQR
Windows
アー
A
a
a
[aː] , [ɐː]
ア(音節 おんせつ 末 まつ 子音 しいん が無 な い場合 ばあい は アー)
ア
Ă
ă
á
AW
A8
A(
1
[a] , [ɐ]
ア(音節 おんせつ 末 まつ 子音 しいん は、m, n, ng, u, y)/アッ(音節 おんせつ 末 まつ 子音 しいん は、c, p, t)
アッ
Â
â
ớ
AA
A6
A^
2
[ə] , [ɜ] , [ʌ] , [ɤ]
ア(音節 おんせつ 末 まつ 子音 しいん は、m, n, ng, u, y)/アッ(音節 おんせつ 末 まつ 子音 しいん は、c, p, t) ※正 まさ しく発音 はつおん する為 ため 、「âu =オウ、ây =エイ」表記 ひょうき が違 ちが う場合 ばあい もある(例 れい :Tây Ninh =テイニン[ 2] [ 3] )
ベー
B
b
bê
[ɓ] , [ʔb]
バ行 ぎょう
セー
C
c
xê
[k]
カ行 ぎょう (※ I, E, Ê の前 まえ 以外 いがい )
[k̚] , [k͡p̚]
音節 おんせつ 末 まつ では ック音 おん
ゼー
D
d
dê
[z] , [j]
ザ行 ぎょう (北部 ほくぶ 地方 ちほう )/ヤ行 ゆき (中部 ちゅうぶ ・南部 なんぶ 地方 ちほう )
デー
Đ
đ
đê
DD
D9
DD
0
[ɗ] , [ʔd]
ダ行 ぎょう
エー
E
e
e
[ɛ]
エ(音節 おんせつ 末 まつ 子音 しいん が無 な い場合 ばあい は エー)
エー
Ê
ê
ê
EE
E6
E^
3
[e]
エ(音節 おんせつ 末 まつ 子音 しいん が無 な い場合 ばあい は エー)
ジェー
G
g
giê
[ɣ] , [ʒ]
ガ行 ぎょう (※ I, E, Ê の前 まえ 以外 いがい )ジャ行 ぎょう (※ I, IÊ の前 まえ )
ハッ
H
h
hắt
[h]
ハ行 ぎょう
イー
I
i
i
[i]
イ(音節 おんせつ 末 まつ 子音 しいん が無 な い場合 ばあい は イー)
[j]
音節 おんせつ 末 まつ では イ音 おん
カー
K
k
ca
[k]
カ行 ぎょう ※通常 つうじょう は I, E, Ê の前 まえ のみ、但 ただ し I, E, Ê の前 まえ 以外 いがい でも使用 しよう される (例 れい :Bắc Kạn, Kon Tum )音節 おんせつ 末 まつ に来 く る場合 ばあい もある(例 れい :Đắk Lắk )
エラー
L
l
e-lờ
[l]
ラ行 ぎょう
エンマー
M
m
em-mờ
[m]
マ行 ぎょう
音節 おんせつ 末 まつ では ム音 おん
エンナー
N
n
en-nờ
[n]
ナ行 ぎょう
[n] , [ŋ]
音節 おんせつ 末 まつ では ン音 おん
オー
O
o
o
[ɔ]
オ(音節 おんせつ 末 まつ 子音 しいん が無 な い場合 ばあい は オー)
[w]
音節 おんせつ 末 まつ では オ(ウ)音 おと
オー
Ô
ô
ô
OO
O6
O^
4
[o]
オ(音節 おんせつ 末 まつ 子音 しいん が無 な い場合 ばあい は オー)
アー
Ơ
ơ
ơ
OW
O7
O+/O*
]
[əː] , [ɜː] , [ɤː]
オ(音節 おんせつ 末 まつ 子音 しいん が無 な い場合 ばあい は オー)
ペー
P
p
pê
[p]
パ行 ぎょう
[p̚]
音節 おんせつ 末 まつ では ップ音 おん
クイー
Q
q
quy
[k]
ク(※ Q の後 のち には必 かなら ず U が続 つづ き、qu と綴 つづ られる)
エラー
R
r
e-rờ
[z] , [ɹ] , [ʐ]
ザ行 ぎょう (北部 ほくぶ 地方 ちほう )/ラ行 ぎょう (中部 ちゅうぶ ・南部 なんぶ 地方 ちほう )
エッシ
S
s
ét-xì
[s] , [ʂ]
サ行 ぎょう (北部 ほくぶ 地域 ちいき )/シャ行 ゆき (中部 ちゅうぶ ・南部 なんぶ 地域 ちいき )
テー
T
t
tê
[t]
タ行 ぎょう
[t̚] , [k̚]
音節 おんせつ 末 まつ では「ッ」音 おと 、但 ただ し しばしば「ット」と表記 ひょうき される(北部 ほくぶ 地方 ちほう )/ック音 おん (中部 ちゅうぶ ・南部 なんぶ 地方 ちほう )
ウー
U
u
u
[u]
ウ(音節 おんせつ 末 まつ 子音 しいん が無 な い場合 ばあい は ウー)
[w]
音節 おんせつ 末 まつ では ウー音 おと
ウー
Ư
ư
ư
UW
U7
U+/U*
[
[ɯ] , [ɨ]
ウ(音節 おんせつ 末 まつ 子音 しいん が無 な い場合 ばあい は ウー)
ヴェー
V
v
vê
[v] , [j]
ヴァ行 ぎょう (北部 ほくぶ 地方 ちほう )/ヤ行 ゆき (南部 なんぶ 地方 ちほう )
イクシ
X
x
ích-xì
[s]
サ行 ぎょう
長 なが いイー/ イグレッ
Y
y
i dài i-cờ-rét
[iː]
イ(音節 おんせつ 末 まつ 子音 しいん が無 な い場合 ばあい は イー)
[j]
音節 おんせつ 末 まつ では イー音 おん
子音 しいん は特定 とくてい の2字 じ (ngh のみ3字 じ )の組 く み合 あ わせで別 べつ の音 おと を表 あらわ すものがある(二 に 重 じゅう 音字 おんじ ・三重 みえ 音字 おんじ )。下線 かせん をつけた子音 しいん 字 じ のみ音節 おんせつ 末 まつ に立 た つことができる。
綴 つづ り
IPA表記 ひょうき
備考 びこう /日本語 にほんご 表記 ひょうき
音節 おんせつ 頭 あたま
音節 おんせつ 末 まつ
音節 おんせつ 頭 あたま
音節 おんせつ 末 まつ
ch
[tɕ] , [c]
[c̚] , [k̟̚] , [t̚]
チャ行 ぎょう
※ A, Ê, I の後 うし ろのみ。 ach の場合 ばあい はア段 だん +イック音 おん (例 れい :bạch =バイック) êch の場合 ばあい はエ段 だん +イック音 おん (例 れい :lệch =レイック) ich の場合 ばあい はイ段 だん +ック音 おん (例 れい :xích =シック)(北部 ほくぶ 地方 ちほう )/ッ(ット)音 おと (中部 ちゅうぶ ・南部 なんぶ 地方 ちほう )
gh
[ɣ]
ガ行 ぎょう (※ I, E, Ê の前 まえ のみ)
gi
[z] , [ʒ] , [j]
ザ行 ぎょう (北部 ほくぶ 地域 ちいき )/ジャ行 ぎょう 、ヤ行 ぎょう (中部 ちゅうぶ ・南部 なんぶ 地域 ちいき ) ※「i」「iê」が後続 こうぞく する場合 ばあい は「ii」と二 に 字 じ 綴 つづ らないで、頭 あたま 子音 しいん の「i」を省略 しょうりゃく して一 いち 字 じ だけ書 か く。例 れい :「gi 」 + 「iếng 」= 「giiếng 」→「giếng 」となる。
発音 はつおん は「ジェン」(小 ちい さい「エ」)ではなく「ジエン」(大 おお きい「エ」)である([ziəŋ ˧˥] )。
kh
[x] , [kʰ]
通常 つうじょう はカ行 ぎょう (※ベトナム語 ご の発音 はつおん ではカ行 ゆき とハ行 ぎょう の中 なか 間 あいだ 音 おん )
ng
[ŋ]
[ŋ] , [ŋ͡m]
ガ行 ぎょう (※ I, E, Ê の前 まえ 以外 いがい )
ン(ング)音 おと
ngh
[ŋ]
ガ行 ぎょう (※ I, E, Ê の前 まえ のみ)
nh
[ɲ]
[ɲ] , [ŋ̟] , [n]
ニャ行 ぎょう
※ A, Ê, I の後 うし ろのみ。 anh の場合 ばあい はア段 だん +イン音 おん (例 れい :bánh =バイン) ênh の場合 ばあい はエ段 だん +イン音 おん (例 れい :lệnh =レイン) inh の場合 ばあい はイ段 だん +ン音 おん (例 れい :xinh =シン)(北部 ほくぶ 地方 ちほう )/ン音 おん (中部 ちゅうぶ ・南部 なんぶ 地方 ちほう )
ph
[f]
ファ行 ぎょう
qu
[k(w)] , [w]
クワ行 ぎょう (北部 ほくぶ 地方 ちほう )/ワ行 ゆき (南部 なんぶ 地方 ちほう )(※ Q の後 のち には必 かなら ず U が続 つづ き、qu と綴 つづ られる)
th
[tʰ]
タ行 ぎょう
tr
[tɕ] , [ʈ] , [c] , [ʈ͡ʂ] , [tr]
チャ行 ぎょう (※トラ行 ぎょう で表記 ひょうき される場合 ばあい もある)
F, J, W, Zの4字 じ は過去 かこ には通常 つうじょう でも使用 しよう されていたが、現在 げんざい は外来 がいらい 語 ご 、借用 しゃくよう 語 ご 、造語 ぞうご でしか使用 しよう されない。
名前 なまえ の読 よ み
大文字 おおもじ
小文字 こもんじ
文字 もじ 名 めい
同 おな じ発音 はつおん の文字 もじ
エッフ
F
f
ép
ph
ジー
J
j
gi
gi
ダップリュー/ ヴェーケップ
W
w
vê-kép
o..., u... (後 うし ろに母音 ぼいん が続 つづ く場合 ばあい )
ゼッ
Z
z
dét
d
以下 いか の6種類 しゅるい (うち1種類 しゅるい は記号 きごう なし)の声調 せいちょう 記号 きごう を母 はは 音字 おんじ (主 しゅ 母音 ぼいん 、または、介 かい 母音 ぼいん )の上部 じょうぶ (6.thanh nặng タィンナン (重 じゅう 調 ちょう ) のみは下部 かぶ )に付記 ふき する(例 れい :Ẫ, ở, ý, ặ )[ 4] 。
音節 おんせつ 末 まつ 子音 しいん 「p, t, c/k, ch」は、「3.thanh sắc (鋭 するど 調 ちょう )」と「6.thanh nặng (重 じゅう 調 ちょう )」の2 ふた つの声調 せいちょう しか取 と らない。日本語 にほんご 表記 ひょうき にはよく促音 そくおん 「ッ」が用 もち いられる。
音節 おんせつ 末 まつ 子音 しいん 「m, n, ng, nh」においても、平仄 ひょうそく がbằng (平 たいら )の場合 ばあい は、日本語 にほんご 表記 ひょうき にはよく長音 ちょうおん 記号 きごう 「ー」が用 もち いられ、trắc (仄)の場合 ばあい は長音 ちょうおん 記号 きごう は不要 ふよう 。
番号 ばんごう
声調 せいちょう 名 めい
読 よ み
記号 きごう
声調 せいちょう パターン
声調 せいちょう 値 ち とIPA表記 ひょうき
平仄 ひょうそく
キーボード入力 にゅうりょく 方式 ほうしき
備考 びこう
日本語 にほんご 表記 ひょうき
Telex
VNI
VIQR
Windows
音節 おんせつ 末 まつ 「c/k・ch・p・t」の場合 ばあい
音節 おんせつ 末 まつ 「n・ng・nh・m」の場合 ばあい
1
thanh ngang
タィンガン(平 たいら 調 ちょう [平声 ひょうしょう 、横 よこ 声 ごえ ])
(なし)
中平 なかひら 調 ちょう
˧ 33
bằng (平 たいら )
不要 ふよう
不要 ふよう
不要 ふよう
不要 ふよう
普通 ふつう の高 たか さより少 すこ し高 たか めで平 たい らに伸 の ばす
声調 せいちょう 無 な し
よく長音 ちょうおん 記号 きごう 「ー」が用 もち いられる
Z
0
-
2
thanh huyền
タィンフイェン(垂 たれ 調 ちょう [玄 げん 声 ごえ ])
` (グレイヴ )
低 てい 降 くだ 調 しらべ (低 てい 平 たいら 調 ちょう )
˨ (˨˩) 21 (22)
bằng (平 たいら )
F
2
`
5
残念 ざんねん そうに、やや低 ひく い所 ところ から伸 の ばすようにゆっくりと低 ひく く下 さ がる
声調 せいちょう 無 な し
よく長音 ちょうおん 記号 きごう 「ー」が用 もち いられる
3
thanh sắc
タィンサッ(ク)(鋭 するど 調 ちょう [鋭 するど 声 ごえ ])
´ (アキュート )
高 こう 昇 のぼる 調 ちょう
˧˥ 35
trắc (仄)
S
1
'
8
普通 ふつう の高 たか さから一気 いっき に素早 すばや く上昇 じょうしょう する
よく促音 そくおん 「ッ」が用 もち いられる
長音 ちょうおん 記号 きごう は不要 ふよう
4
thanh hỏi
タィンホーイ(問 とい 調 ちょう [問 とい 声 ごえ ])
̉ (フック )
降 くだ 昇 のぼり 調 ちょう
˧˩˧ 312 (31/313)
trắc (仄)
R
3
?
6
普通 ふつう の高 たか さからゆっくりと低 ひく く下 さ がって、最後 さいご に少 すこ し上 あ がる(個人 こじん 差 さ があり、上 あ がらないこともある)
声調 せいちょう 無 な し
長音 ちょうおん 記号 きごう は不要 ふよう
5
thanh ngã
タィンガー(転調 てんちょう [跌声])
˜ (チルダ )
高 こう 昇 のぼる 調 ちょう (昇降 しょうこう 調 ちょう )+喉頭 こうとう 化 か
˦˥˦ (˧ˀ˦˥) 3ʔ5 325 (324)
trắc (仄)
X
4
~
7
最初 さいしょ から喉 のど の緊張 きんちょう を伴 ともな いながら、普通 ふつう の高 たか さから少 すこ し上 あ がって、一瞬 いっしゅん 声門 せいもん を閉 と じた後 のち 、急激 きゅうげき に上 あ がる
声調 せいちょう 無 な し
長音 ちょうおん 記号 きごう は不要 ふよう
6
thanh nặng
タィンナン(重 じゅう 調 ちょう [重 じゅう 声 こえ ])
̣ (ドット )
低 てい 降 くだ 調 ちょう +喉頭 こうとう 化 か
˨˩ (˨˩ˀ) 21ʔ (21/211)
trắc (仄)
J
5
.
9
最初 さいしょ から喉 のど の緊張 きんちょう を伴 ともな いながら、重々 おもおも しく喉 のど の奥 おく で音 おと を押 お し殺 ころ すように、やや低 ひく い所 ところ から一気 いっき に下 さ がって声門 せいもん を閉 と じる(他 た の声調 せいちょう よりも音 おと の長 なが さが少 すこ し短 みじか い)
よく促音 そくおん 「ッ」が用 もち いられる
長音 ちょうおん 記号 きごう は不要 ふよう
ここで示 しめ した声調 せいちょう 値 ち は五 ご 度 ど 式 しき であり、5が最 もっと も高 たか く、1が最 もっと も低 ひく いことを表 あらわ す。
声調 せいちょう 記号 きごう は単独 たんどく で記載 きさい されることは無 な く、常 つね に母 はは 音字 おんじ に組 く み合 あ わせて下表 かひょう のように表記 ひょうき される。母 はは 音字 おんじ はダイアクリティカルマーク付 つ きのものを含 ふく めて12字 じ 存在 そんざい するため、母 はは 音字 おんじ と声調 せいちょう 記号 きごう の組 く み合 あ わせは72パターンとなる。ラテン文字 もじ 表記 ひょうき の言語 げんご としては珍 めずら しく1文字 もじ に複数 ふくすう のダイアクリティカルマークを付 ふ した表記 ひょうき が多用 たよう されることが特徴 とくちょう 的 てき である。
番号 ばんごう
声調 せいちょう 名 めい
a
ă
â
e
ê
i
o
ô
ơ
u
ư
y
1
thanh ngang
A
a
Ă
ă
Â
â
E
e
Ê
ê
I
i
O
o
Ô
ô
Ơ
ơ
U
u
Ư
ư
Y
y
2
thanh huyền
À
à
Ằ
ằ
Ầ
ầ
È
è
Ề
ề
Ì
ì
Ò
ò
Ồ
ồ
Ờ
ờ
Ù
ù
Ừ
ừ
Ỳ
ỳ
3
thanh sắc
Á
á
Ắ
ắ
Ấ
ấ
É
é
Ế
ế
Í
í
Ó
ó
Ố
ố
Ớ
ớ
Ú
ú
Ứ
ứ
Ý
ý
4
thanh hỏi
Ả
ả
Ẳ
ẳ
Ẩ
ẩ
Ẻ
ẻ
Ể
ể
Ỉ
ỉ
Ỏ
ỏ
Ổ
ổ
Ở
ở
Ủ
ủ
Ử
ử
Ỷ
ỷ
5
thanh ngã
Ã
ã
Ẵ
ẵ
Ẫ
ẫ
Ẽ
ẽ
Ễ
ễ
Ĩ
ĩ
Õ
õ
Ỗ
ỗ
Ỡ
ỡ
Ũ
ũ
Ữ
ữ
Ỹ
ỹ
6
thanh nặng
Ạ
ạ
Ặ
ặ
Ậ
ậ
Ẹ
ẹ
Ệ
ệ
Ị
ị
Ọ
ọ
Ộ
ộ
Ợ
ợ
Ụ
ụ
Ự
ự
Ỵ
ỵ
分 わ かち書 が き は、西欧 せいおう 言語 げんご で一般 いっぱん 的 てき な語 かたり 単位 たんい ではなく音節 おんせつ ごとに行 おこな う。固有名詞 こゆうめいし で複数 ふくすう 音節 おんせつ の場合 ばあい は、全 ぜん 音節 おんせつ の頭 あたま を大文字 おおもじ にする(例 れい :○ Hồ Chí Minh , ✕ Hồ chí minh )
アレクサンドル・ドゥ・ロード が作成 さくせい した、ベトナム語 ご のロ ろ ーマ字 まじ 表記 ひょうき の辞書 じしょ 。チュ・クオック・グーの原型 げんけい となった。
1938年 ねん に北 きた 圻で発行 はっこう された行政 ぎょうせい 文書 ぶんしょ 。左 ひだり にはチュ・クオック・グーと漢 かん 喃文が併記 へいき され、右 みぎ にはフランス語 ふらんすご の訳 わけ と印章 いんしょう がある。
チュ・クオック・グーで綴 つづ られた縦 たて 書 が き の対 たい 聯 れん 。Nhân Dân mãi mãi nhớ ơn ngườ i:人民 じんみん は永遠 えいえん に人 ひと (ホー・チ・ミン を指 さ す)の恩 おん を覚 おぼ える/Tổ quốc đời đời ghi công bác :祖国 そこく は永久 えいきゅう におじさん(ホー・チ・ミンを指 さ す)に属 ぞく する
ベトナムでは、公式 こうしき な書 か き言葉 ことば として、20世紀 せいき に至 いた るまで漢文 かんぶん が用 もち いられてきた。また、漢字 かんじ 語彙 ごい 以外 いがい のベトナム固有 こゆう の語 かたり を表記 ひょうき するための文字 もじ であるチュノム も13世紀 せいき に発明 はつめい されて以降 いこう 徐々 じょじょ に発展 はってん し、知識 ちしき 人 じん の間 あいだ などで使用 しよう されてきたが、漢字 かんじ をより複雑 ふくざつ にしたものであり習得 しゅうとく が難 むずか しく統一 とういつ した規範 きはん も整備 せいび されなかった。18世紀 せいき の西山 にしやま 朝 ちょう などの一 いち 時期 じき を除 のぞ き、公文書 こうぶんしょ では採用 さいよう されなかった。
1651年 ねん に、フランス人 じん 宣教師 せんきょうし アレクサンドル・ドゥ・ロード が、現在 げんざい のチュ・クォック・グーの原型 げんけい となるベトナム語 ご のロ ろ ーマ字 まじ 表記 ひょうき を発明 はつめい したが、主 おも にヨーロッパ宣教師 せんきょうし のベトナム語 ご 習得 しゅうとく 用 よう 、カトリック教会 きょうかい 内 うち での布教 ふきょう 用 よう に使用 しよう されるのが主 おも であり、一般 いっぱん のベトナム人 じん に普及 ふきゅう することはなかった。
こうした状況 じょうきょう に変化 へんか を生 しょう じさせたのが、19世紀 せいき 後半 こうはん 以降 いこう のフランス によるベトナム阮朝 の植民 しょくみん 地 ち 化 か である。まず、初 はじ めにチュ・クオック・グーの普及 ふきゅう が始 はじ まったのは南 みなみ 圻 (ナムキ:ベトナム南部 なんぶ )からである。1862年 ねん のサイゴン条約 じょうやく によりフランスは柴 しば 棍(サイゴン:現在 げんざい のホーチミン市 し )など南 みなみ 圻一帯 いったい を領有 りょうゆう することとなったが、領有 りょうゆう と同時 どうじ に当該 とうがい 地域 ちいき でのフランス語 ふらんすご の公用 こうよう 語 ご 化 か 、補助 ほじょ 言語 げんご としてのチュ・クオック・グーによるベトナム語 ご のロ ろ ーマ字 まじ 表記 ひょうき 化 か が図 はか られた。1867年 ねん にはサイゴンにて、ベトナム初 はつ のチュ・クォック・グー紙 し である『嘉 よしみ 定 てい 報 むくい (Gia Định báo )』が刊行 かんこう されている。1887年 ねん に清 しん 仏 ふつ 戦争 せんそう に勝利 しょうり したフランスは仏 ふつ 領 りょう インドシナ を成立 せいりつ させ、阮朝の帝都 ていと ・順化 じゅんか (現在 げんざい のフエ )が所在 しょざい する安 やす 南 みなみ (中 ちゅう 圻:チュンキ)、古都 こと ・河内 かわうち (ハノイ )が所在 しょざい する東京 とうきょう (トンキン 、または北 きた 圻:バッキ)を含 ふく めたベトナム全域 ぜんいき を植民 しょくみん 地 ち 化 か 、保護 ほご 国 こく 化 か した。当該 とうがい 地域 ちいき でもフランス当局 とうきょく は、フランス語 ふらんすご とチュ・クォック・グー教育 きょういく の推進 すいしん を図 はか ったが、チュ・クォック・グー教育 きょういく はあくまでも補助 ほじょ 的 てき なものであり、最終 さいしゅう 的 てき なフランス語 ふらんすご の公用 こうよう 語 ご 化 か を円滑 えんかつ に進 すす めるため、ベトナム語 ご のロ ろ ーマ字 まじ 化 か を図 はか ったに過 す ぎなかった。ベトナムの伝統 でんとう ・文化 ぶんか を軽視 けいし するフランスの教育 きょういく 政策 せいさく には反発 はんぱつ が強 つよ く、漢文 かんぶん の素養 そよう を重 おも んずる伝統 でんとう 的 てき な知識 ちしき 人 じん に受 う け入 い れられるところではなく、またロ ろ ーマ字 まじ 表記 ひょうき のチュ・クオック・グーは蛮夷 ばんい の文字 もじ であるとの認識 にんしき は一般 いっぱん 大衆 たいしゅう の間 あいだ でも根強 ねづよ かったことから、20世紀 せいき 初 はじ めの段階 だんかい では国民 こくみん 文字 もじ としてベトナム人 じん の間 あいだ で認識 にんしき されるまでには至 いた らなかった。
1906年 ねん に、フランス当局 とうきょく はベトナム人 じん 植民 しょくみん 地 ち エリートの養成 ようせい を目的 もくてき として、フランス語 ふらんすご 、チュ・クオック・グー教育 きょういく を柱 はしら とした「仏 ふつ 越 えつ 学校 がっこう 」を設立 せつりつ した。しかしチュ・クオック・グーは初等 しょとう 教育 きょういく の3年間 ねんかん のみ教授 きょうじゅ され、漢文 かんぶん は中等 ちゅうとう 教育 きょういく での選択 せんたく 科目 かもく にとどめられるなど、フランス語 ふらんすご を中心 ちゅうしん とした教育 きょういく 体制 たいせい であることに変化 へんか はなかった。科挙 かきょ においても、漢文 かんぶん に加 くわ えて、チュ・クオック・グー、フランス語 ふらんすご の課目 かもく が必修 ひっしゅう となった。
この時期 じき 、支配 しはい を受 う けるベトナム人 じん 知識 ちしき 人 じん の間 あいだ からもチュ・クオック・グーを蛮夷 ばんい の文字 もじ として排斥 はいせき するのではなく、むしろ受容 じゅよう することにより、ベトナム語 ご の話 はな し言葉 ことば と書 か き言葉 ことば を一致 いっち させて民族 みんぞく としてのアイデンティティーを獲得 かくとく しようとする動 うご きも出 で てきた。1905年 ねん にはハノイで初 はじ めての漢文 かんぶん 、チュ・クオック・グー併記 へいき の新聞 しんぶん 『大越 おおこし 新報 しんぽう (Đại Việt tân báo )』が創刊 そうかん された。さらに1907年 ねん には、ファン・ボイ・チャウ (潘 はん 佩珠)らと共 とも に当時 とうじ のベトナム独立 どくりつ 運動 うんどう の中心 ちゅうしん にいたファン・チュー・チン (潘 はん 周 あまね 楨 )により、ハノイに「東京 とうきょう 義 ぎ 塾 じゅく (Đông Kinh Nghĩa Thục )」が創立 そうりつ され、同校 どうこう では、漢文 かんぶん に加 くわ え、チュ・クオック・グー、フランス語 ふらんすご が教授 きょうじゅ された。
フランス当局 とうきょく の後 うし ろ盾 たて により、総督 そうとく 府 ふ 寄 よ りの姿勢 しせい ではあったものの、チュ・クオック・グーを使用 しよう した文芸 ぶんげい 誌 し として、1913年 ねん にグエン・ヴァン・ヴィン(阮文永 ひさし )主筆 しゅひつ の『インドシナ雑誌 ざっし (東洋 とうよう 雑誌 ざっし /Đông Dương tạp chí )』、1917年 ねん にファム・クィン(范瓊)主筆 しゅひつ の『南風 みなみかぜ 雑誌 ざっし (Nam Phong tạp chí )』が創刊 そうかん された。南風 みなみかぜ 雑誌 ざっし は、漢文 かんぶん とチュ・クオック・グーが併用 へいよう されており、時期 じき を経 へ るごとにチュ・クオック・グーの使用 しよう 比率 ひりつ が高 たか まっていったことから、当時 とうじ のベトナムの文字 もじ 環境 かんきょう の推移 すいい に関 かん する重要 じゅうよう な研究 けんきゅう 材料 ざいりょう となっている。
このように、チュ・クオック・グーが浸透 しんとう した都市 とし 部 ぶ では、新興 しんこう のエリート層 そう を中心 ちゅうしん にチュ・クオック・グーの識字 しきじ 率 りつ が高 たか まり、伝統 でんとう 的 てき な漢文 かんぶん ・チュノム識字 しきじ 層 そう を少 すこ しずつ圧倒 あっとう していく形 かたち になった一方 いっぽう 、地方 ちほう では依然 いぜん として漢学 かんがく 教育 きょういく が権威 けんい をもっており、科挙 かきょ の元 もと 受験生 じゅけんせい の私塾 しじゅく などに子 こ を通 かよ わせる家庭 かてい も多 おお かった。この時期 じき には、識字 しきじ 率 りつ は低 ひく かったものの、チュ・クオック・グーと漢文 かんぶん ・チュノムの両方 りょうほう (およびフランス語 ふらんすご )を使 つか いこなせるトップエリート層 そう 、漢文 かんぶん ・チュノムしか読 よ み書 か きできない伝統 でんとう 的 てき な知識 ちしき 人 じん 層 そう や、チュ・クオック・グーしか使 つか いこなせない新興 しんこう の知識 ちしき 人 じん 層 そう が併存 へいそん し、雑誌 ざっし 、書籍 しょせき なども複数 ふくすう の文字 もじ により刊行 かんこう されていた。
このような状況 じょうきょう に終止符 しゅうしふ を打 う ったのが、1945年 ねん のベトナム民主 みんしゅ 共和 きょうわ 国 こく の独立 どくりつ であり、政府 せいふ は、識字 しきじ 率 りつ の向上 こうじょう を意図 いと して、チュ・クオック・グーをベトナム語 ご の公式 こうしき な表記 ひょうき 文字 もじ とすることを定 さだ めた。現在 げんざい のベトナムでは漢字 かんじ 、漢文 かんぶん の使用 しよう は廃 はい され、ベトナム語 ご はもっぱらチュ・クオック・グーのみにより表記 ひょうき されている。
チュ・クオック・グーは、起源 きげん からしてフランスの植民 しょくみん 地 ち 権力 けんりょく に近 ちか い側 がわ の知識 ちしき 人 じん に由来 ゆらい するため、その綴 つづ りにはフランス語 ふらんすご 中心 ちゅうしん 的 てき な視点 してん にたち、必 かなら ずしもベトナム語 ご に適 てき していないものもある。ベトナム語 ご で同 おな じ音素 おんそ であっても、フランス語 ふらんすご で書 か き分 わ けるものやフランス人 じん が聞 き いて違 ちが う音 おと と判断 はんだん したものは書 か き分 わ ける。例 れい として音素 おんそ k は、フランス語 ふらんすご の規範 きはん にのっとり c、k、qu を使 つか い分 わ ける[要 よう 検証 けんしょう – ノート ] 。また、音素 おんそ g、ng も場合 ばあい によって g、gh や ng、ngh と書 か き分 わ けられる。
またチュ・クオック・グーは中国 ちゅうごく の拼音 や注 ちゅう 音字 おんじ 母 はは と違 ちが い、正式 せいしき な文字 もじ として採用 さいよう されたため、それまで多 おお くの著作 ちょさく を著 あらわ すのに使用 しよう されてきたチュノム 表記 ひょうき ベトナム語 ご や漢文 かんぶん を破滅 はめつ に追 お いやったという側面 そくめん もある。これも、チュ・クオック・グーは植民 しょくみん 地 ち 権力 けんりょく がベトナムの儒教 じゅきょう や仏教 ぶっきょう 、そしてベトナムの文明 ぶんめい を、フランス文明 ぶんめい 、キリスト教 きょう 、西 にし ヨーロッパ文明 ぶんめい へと置 お き換 か えるための道具 どうぐ として利用 りよう した[要 よう 出典 しゅってん ] ことに起因 きいん する。
村田 むらた 雄二郎 ゆうじろう 、C・ラマール編 へん 『漢字 かんじ 圏 けん の近代 きんだい ことばと国家 こっか 』東京大学 とうきょうだいがく 出版 しゅっぱん 会 かい , 2005年 ねん
^ a b 『ベトナム語 ご のしくみ』白水 しろみず 社 しゃ 、233頁 ぺーじ 。ISBN 978-4-560-06756-7 。
^ “ベトナム東 ひがし 南部 なんぶ にあるテイニン省 しょう の観光 かんこう ”. ベトナムの声 こえ 放送 ほうそう 局 きょく (2011年 ねん 12月28日 にち ). 2023年 ねん 6月 がつ 17日 にち 閲覧 えつらん 。
^ “全国 ぜんこく 各地 かくち 、テトを楽 たの しむ ”. ベトナムの声 こえ 放送 ほうそう 局 きょく (2015年 ねん 2月 がつ 19日 にち ). 2023年 ねん 6月 がつ 17日 にち 閲覧 えつらん 。
^ 中国 ちゅうごく 語 ご の「第 だい 1声 こえ 」「第 だい 2声 こえ 」のような呼称 こしょう ではなく、声調 せいちょう 名 めい で表 あらわ される。声調 せいちょう の表記 ひょうき の順番 じゅんばん (声調 せいちょう 配列 はいれつ 順 じゅん )は明確 めいかく には決 き まっておらず、辞書 じしょ ・参考 さんこう 書 しょ ・学習 がくしゅう 書 しょ 等 とう によってそれぞれ異 こと なる(最初 さいしょ は 1.thanh ngang [平 たいら 調 ちょう ] から始 はじ まって、最後 さいご は 6.thanh nặng [重 じゅう 調 ちょう ] で終 お わる場合 ばあい が多 おお く、少 すく なくとも8通 とお りは存在 そんざい する)。以下 いか の表 ひょう ・図 ず に示 しめ されている声調 せいちょう 配列 はいれつ 順 じゅん (「a à á ả ã ạ」)は、日本 にっぽん のベトナム語 ご 関連 かんれん 書籍 しょせき で最 もっと もよく用 もち いられているものであり、このほかに「a à ả ã á ạ」、「a á à ả ã ạ」、「a à ã ả á ạ」等 とう があるが、著者 ちょしゃ ・出版 しゅっぱん 社 しゃ によって用 もち いられる配列 はいれつ 順 じゅん に多少 たしょう の差 さ がある。