ウォール・ストリート・ジャーナル

The Wall Street Journal

1889年ねん7月がつ8日にち付づけ創刊そうかん号ごうの1面めん
種別しゅべつ	日刊にっかん紙し
判はん型がた	ブランケット判ばん
所有しょゆう者しゃ	ニューズ・コープ ダウ・ジョーンズ
編集へんしゅう長ちょう	ジェラルド・ベイカー
社説しゃせつ編集へんしゅう者しゃ	ポール・ジゴ
設立せつりつ	1889年ねん7月がつ8日にち
政治せいじ的てき傾向けいこう	保守ほしゅ主義しゅぎ 経済けいざい的てき自由じゆう主義しゅぎ 中道右派ちゅうどううは - 右翼うよく
言語げんご	英語えいご、日本語にほんご、中国ちゅうごく語ごなど
本社ほんしゃ所在地しょざいち	アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくニューヨーク州しゅうニューヨーク市し 1211 Avenue of the Americas
発行はっこう数すう	654,000部ぶ (印刷いんさつ版ばん、2022年ねん6月がつ) 3,095,000部ぶ (電子でんし版ばん、2022年ねん6月がつ)
ISSN	0099-9660
ウェブサイト	WSJ.com

ウォール・ストリート・ジャーナル（英語えいご: The Wall Street Journal）は、ニューズ・コープの子会社こがいしゃであるダウ・ジョーンズ社しゃが発行はっこうする国際こくさい的てきな影響えいきょう力りょくを持もつ日刊にっかん経済けいざい新聞しんぶんである。アメリカ版はん、ヨーロッパ版はん（英語えいご）の他ほか、日本語にほんご版はんや中国ちゅうごく語ご版はんのオンライン版ばんが発行はっこうされている。

概要がいよう

世界せかい最大さいだいの経済けいざい新聞しんぶん

1889年ねん7月がつ8日にちの創刊そうかん以来いらい発行はっこうされ続つづけており、経済けいざい新聞しんぶんとしてはアメリカ最大さいだいの発行はっこう部数ぶすうを誇ほこり、世界せかいや全米ぜんべい各地かくちの経済けいざい活動かつどう、金融きんゆうに関かんするニュース記事きじを主おもに掲載けいさいしている。新聞しんぶんの名前なまえは、ニューヨーク市しにある経済けいざい活動かつどうの中心ちゅうしん地ち「ウォうぉール街るがい」（ウォール・ストリート）に由来ゆらいする。「ジャーナル（Journal）」の通称つうしょうで呼よばれる。

1940年代ねんだいまでは経済けいざい及および金融きんゆう関連かんれんの分析ぶんせき記事きじ基調きちょうの記事きじのみを扱あつかってきたが、1950年代ねんだい以降いこうは一般いっぱん的てきな経済けいざいニュースも網羅もうらする内容ないようへと変化へんかさせ、飛躍ひやく的てきに購読こうどく者しゃ数すうを伸のばした。2001年ねんに起おきたアメリカ同時どうじ多発たはつテロ事件じけんでは世界せかい貿易ぼうえきセンタービルに隣接りんせつする本社ほんしゃが大おおきな被害ひがいを受うけ、多数たすうの社員しゃいんが死亡しぼうする事態じたいになったが、休刊きゅうかんすることなく発行はっこうを続つづけた。

長年ながねんにわたりアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく内うちでの発行はっこう部数ぶすう第だい1位いを占しめており、近年きんねんではUSAトゥデイ（211万まん部ぶ）に次つぐ第だい2位い（208万まん部ぶ）であった。しかし、昨今さっこんの新聞しんぶん不ふ況きょうによりUSAトゥデイが部数ぶすうを減へらしたため、2009年ねんウォール・ストリート・ジャーナルが再ふたたび首位しゅいに返かえり咲ざいた。2018年ねんの発行はっこう部数ぶすうは、電子でんし版ばんも含ふくめて247万まん部ぶであった。また「The Index of Economic Freedom」という年次ねんじ報告ほうこく書しょが、「ウォール・ストリート・ジャーナル」及および遺産いさん財団ざいだんの手てにより発刊はっかんされている。

大おおきな影響えいきょう力りょくと高たかい評価ひょうか

アメリカのみならず世界せかいを代表だいひょうする経済けいざい紙しの一ひとつとされており、国際こくさい的てきに大おおきな影響えいきょう力りょくを持もつとされる。経済けいざい、金融きんゆうに関かんするニュースの中なかでも、証券しょうけん市場いちばとビジネスの動向どうこうについての分析ぶんせきに強つよいという定評ていひょうがある。

世界せかい80カ国かこく以上いじょう、100都市とし以上いじょうに支局しきょくを構かまえ、創立そうりつ以来いらい、経済けいざい史しのみならず世界せかい史しに名なを残のこすようなスクープ記事きじを度々たびたび載のせているが、日本にっぽんの新聞しんぶんとは違ちがい記事きじは全すべて署名しょめい記事きじであり、さらにニュース・ソースは一般いっぱん的てきに信頼しんらい度どが高たかいとされており、経済けいざいに対たいする影響えいきょう力りょくの大おおきさから、匿名とくめいの情報じょうほう源げんは原則げんそく的てきに扱あつかわない方針ほうしんをとっている。創立そうりつ以来いらいピューリッツァー賞しょうを30回かい以上いじょう受賞じゅしょうしている。

記事きじ傾向けいこう

社説しゃせつや特集とくしゅうページは典型てんけい的てきな保守ほしゅ派は、及および共和党きょうわとう寄よりの立場たちばをとっていると言いわれ、経済けいざい的てきには、典型てんけい的てきな市場いちば原理げんり主義しゅぎ・新しん自由じゆう主義しゅぎ志向しこうであると言いわれているが、創業そうぎょう者しゃによる編集へんしゅう不干渉ふかんしょうの方針ほうしんが1世紀せいき以上いじょう貫つらぬかれており、前ぜん記者きしゃのアル・ハントは、編集へんしゅう部ぶとは多少たしょうなりとも対立たいりつ的てきな視点してんに立たった各週かくしゅうコラムを書かいていた上うえに、時ときにはアーサー・シュレジンガーやクリストファー・ヒッチェンズといった、よりリベラルな書かき手ての記事きじが掲載けいさいされることもある。

デジタル化か

1996年ねんには経済けいざい紙しとしては最もっとも早はやくデジタル化かを果はたしており、その後ご有料ゆうりょう化かし、デジタル版ばんの有料ゆうりょう化かに成功せいこうした新聞しんぶんの1つとして評価ひょうかされている。現在げんざいは英語えいごや日本語にほんご、 中国ちゅうごく語ごなどのオンライン版ばんも発行はっこうされている。

統廃合とうはいごう

一時いちじは発行はっこうされていた韓国かんこく語ごやインドネシア語ご、ドイツ語ごのオンライン版ばんは、経費けいひ削減さくげんを受うけて2014年ねんから2015年ねんにかけて次々つぎつぎに廃刊はいかんされ、それらの国くにの記者きしゃや営業えいぎょう担当たんとうなどが解雇かいこされた。

また日本にっぽんを含ふくむ各国かっこくで現地げんち記者きしゃなどの解雇かいこが進すすめられ、アジア版ばんの発行はっこうの中心ちゅうしんである香港ほんこん支局しきょくは250人にんから100人にん以下いかに減へらされた。またこのような現状げんじょうに嫌気いやけをさした大量たいりょうの社員しゃいんが2016年ねん以降いこう次々つぎつぎと会社かいしゃを後のちにした。

さらに2017年ねんには、香港ほんこんで発行はっこうされ日本にっぽんやシンガポール、フィリピンを含ふくむアジア各国かっこくで発売はつばいされていた印刷いんさつ版ばんの「アジア版ばん」の発行はっこうが廃止はいしされ、以降いこうアジアではアメリカ版ばんのみが発売はつばいされており、その後ごも経費けいひ削減さくげんを目的もくてきにした統廃合とうはいごうが進すすんでいる。

日本にっぽんでの発行はっこう及および配信はいしん

ウォール・ストリート・ジャーナル東京とうきょう支局しきょくが、東京とうきょう都と千代田ちよだ区くのダウ・ジョーンズ日本にっぽん支社ししゃ内ないに置おかれている。東京とうきょう支局しきょく長ちょうはピーター・ランダース、ウォール・ストリート・ジャーナル日本語にほんご版ばんの編集へんしゅう長ちょうは西山にしやま誠まこと慈である。

オンライン版ばん（日本語にほんご版ばん）

2009年ねん12月15日にちに、アメリカ版ばんやアジア版ばんの記事きじを日本語にほんごに翻訳ほんやくした記事きじと、日本語にほんご版ばん独自どくじの記事きじからなる有料ゆうりょうの日本語にほんごウェブサイト『ウォール・ストリート・ジャーナル日本語にほんご版ばん』が開設かいせつされた。2016年ねん現在げんざい約やく20万まん部ぶの購読こうどく者しゃを持もつ。

初代しょだい編集へんしゅう長ちょうには、2003年ねんからウォール・ストリート・ジャーナル日本にっぽん支局しきょく長ちょうを務つとめていた小野おの由美子ゆみこが就任しゅうにんした。2014年ねん12月より、ロイターにて金融きんゆう市場いちば、経済けいざい政策せいさく、政治せいじ、外交がいこうなどを担当たんとうしていた西山にしやま誠まこと慈が2代目だいめの編集へんしゅう長ちょうに就任しゅうにんした。

『ウォール・ストリート・ジャーナル日本語にほんご版ばん』の有料ゆうりょう購読こうどく者しゃは、日本語にほんご版ばんと併あわせてアメリカ版ばん、アジア版ばん、ヨーロッパ各かく版はん（英語えいご）、スペイン語ご版はんや中国ちゅうごく語ご版はんのみならず、「Barron's」や「Marketwatch」（英語えいご版ばん）の抜粋ばっすい版ばんなども追加ついか料金りょうきんなしで購読こうどくすることができる。また、別べつ料金りょうきんで印刷いんさつ版ばん（アジア版ばん）を定期ていき購読こうどくすることも可能かのうである。

ウェブ版ばん、印刷いんさつ版ばんともにウェブサイトやモバイルサイト、iPad、iPhone、Androidなど各かくアプリ経由けいゆで購読こうどくの契約けいやくができ、学生がくせい向むけ割引わりびきなどもある。また、公式こうしきFacebook、Twitter、LINEなどを通つうじて、無料むりょう記事きじを読よむこともできる。

印刷いんさつ版ばん（英語えいご版ばん）

日本にっぽんでは当初とうしょ、読売新聞よみうりしんぶんと印刷いんさつ、配達はいたつ、販売はんばいに関かんして提携ていけいしていたが、2014年ねんからは毎日新聞まいにちしんぶんに提携ていけい先さきを変更へんこうし、香港ほんこん支局しきょくに併設へいせつされたアジア太平洋たいへいよう地域ちいき本部ほんぶで発行はっこうされるアジア版はんを販売はんばいしていた。2016年ねんで約やく1万まん5000部ぶの購読こうどく者しゃを持もっていた。

しかし2017年ねん10月6日にち以降いこうにアジア版ばんの発行はっこうを取とりやめることを受うけて、これ以降いこうはアメリカ版ばんを販売はんばいしていたが2021年ねんには日本にっぽんでの発行はっこうも取とりやめている。

エピソード

• 総合そうごうエネルギー企業きぎょうのエンロンの破綻はたんを招まねいた粉飾ふんしょく決算けっさんについて、2000年ねん9月に最初さいしょのスクープ記事きじを掲載けいさいしピューリッツァー賞しょうを受賞じゅしょうした。
• 安倍晋三あべしんぞうや麻生あそう太郎たろうなど、日本にっぽんの総理そうり大臣だいじんによる寄稿きこうも行おこなわれている。
• 2014年ねん2月がつ18日にち、本田ほんだ悦朗えつろう内閣ないかく官房かんぼう参与さんよが「戦時せんじ中ちゅうの話はなしを熱あつく語かたるナショナリスト」であり、「日本にっぽんが力強ちからづよい経済けいざいを必要ひつようとしているのは、賃金ちんぎん上昇じょうしょうと生活せいかつ向上こうじょうのほかに、より強力きょうりょくな軍隊ぐんたいを持もって中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくに対峙たいじできるようにするため」などと語かたったとするAndrew Browne記者きしゃの記事きじを掲載けいさい。この記事きじに関かんして本田ほんだから「よくそんな論理ろんりを作つくったなと。アベノミクスの目的もくてきが軍事ぐんじ目的もくてきだとは絶対ぜったい言いっていないし、思おもっていない」と抗議こうぎを受うけた。また、靖国神社やすくにじんじゃ参拝さんぱいについてコメントしたとされる点てんについては「オフレコのつもりであった」と抗議こうぎ。一方いっぽう、ダウジョーンズ側がわは「記事きじは正確せいかくだと確信かくしんしている。」と反論はんろんし、修正しゅうせいは不要ふようとした。また、ダウジョーンズ側がわが社説しゃせつとして、アベノミクスが「台頭たいとうする独断どくだん的てきな中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくの挑戦ちょうせんに応こたえる」という点てんを批判ひはんしているわけではない。
• 2015年ねん10月13日にちからの韓国かんこくの朴ほお槿むくげ恵めぐみ大統領だいとうりょうの訪米ほうべいに合あわせて、15日にちにベトナム系けいアメリカ人じん団体だんたいがワシントンで記者きしゃ会見かいけんし、ベトナム戦争せんそう当時とうじ、数すう千せん人にんのベトナム人じん女性じょせいが韓国かんこく軍ぐん兵士へいしから性的せいてき暴行ぼうこうを受うけたとして、朴ほお槿むくげ恵めぐみ大統領だいとうりょうに対たいして韓国かんこく政府せいふによる謝罪しゃざいと賠償ばいしょうを求もとめる請願せいがん書しょを提出ていしゅつしたと発表はっぴょうし、15日にち付づけの『ウォール・ストリート・ジャーナル』に、性的せいてき暴行ぼうこうの被害ひがいに遭あったベトナム人じん女性じょせい4人にんの顔写真かおじゃしんを掲載けいさいして「朴ほお大統領だいとうりょう、私わたしたちはレイプされました。謝罪しゃざいするべき時ときです」という公式こうしき謝罪しゃざいを要求ようきゅうする意見いけん広告こうこくが掲載けいさいされた。
• 2017年ねん4月がつ7日にちにマー・ア・ラゴにおいて、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくの習近平ひらた総そう書記しょき（国家こっか主席しゅせき）とアメリカのドナルド・トランプ大統領だいとうりょうが米べい中ちゅう首脳しゅのう会談かいだんを行おこなったが、その会話かいわの内容ないようをドナルド・トランプ大統領だいとうりょうが『ウォール・ストリート・ジャーナル』のインタビューで話はなし、習近平ひらたが「朝鮮半島ちょうせんはんとうは中国ちゅうごくの一部いちぶだった」と発言はつげんしたことを明あきらかにし、「習近平ひら主席しゅせきが中国ちゅうごくと朝鮮半島ちょうせんはんとうの歴史れきしについて話はなした。数かず千せん年ねんの歴史れきしと数すう多おおくの戦争せんそうについて。朝鮮ちょうせんは実じつは中国ちゅうごくの一部いちぶだった」「朝鮮ちょうせんは実際じっさいに中国ちゅうごくの一部いちぶだった（Korea actually used to be a part of China）」「習主席しゅせきから中国ちゅうごくと韓国かんこくの歴史れきしについて聞きいた。北朝鮮きたちょうせんではなく韓かん半島はんとう全体ぜんたいの話はなしだった。（中国ちゅうごくと韓国かんこくには） 数すう千せん年ねんの歳月さいげつの間あいだ、多おおくの戦争せんそうがあった」「（習主席しゅせきの歴史れきし講義こうぎを）10分間ふんかん聞きいて（北朝鮮きたちょうせん問題もんだいが）容易よういではないことを悟さとった」と語かたった。

関連かんれん項目こうもく

• 日本外国特派員協会にほんがいこくとくはいんきょうかい
• 言論げんろんの自由じゆう
• 報道ほうどうの自由じゆう
• ナショナルジオグラフィック
• ニューズウィーク
• TIME

外部がいぶリンク

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