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シャヘル

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

シャヘル (Shahar) は、カナン神話しんわ英語えいごばんウガリット神話しんわ)におけるあけぼのけの明星みょうじょう)のかみ黄昏たそがれよい明星みょうじょう)のかみシャレム英語えいごばん[注釈ちゅうしゃく 1]とはたいになるかみとされる。

解説かいせつ[編集へんしゅう]

ラス・シャムラ文書ぶんしょ伝承でんしょうによると、海辺うみべあるいていたイルなみなかびこみ、そのなみのようにばしてにん女性じょせいアーシラトアナトとするせつがある)をくちづけととも抱擁ほうようし、シャレム(夕暮ゆうぐれ)とシャヘル(夜明よあけ)をませたとされる。

イザヤしょの「あけぼのルシフェル」という言葉ことばは、聖書せいしょ唯一ゆいいつルシフェルへの言及げんきゅうであるが、「ヘレル・ベン・サハル(かがやけるあけぼの息子むすこ)」というヘブライ意訳いやくである。よって、シャヘルはルシフェルのちちとも解釈かいしゃくできる[よう出典しゅってん]。しかしバーバラ・ウォーカーの、シャヘルが太陽たいようしん反逆はんぎゃくしてとされ、それがルシフェルのかみへの反逆はんぎゃく伝説でんせつ下敷したじきになったとする主張しゅちょう[1][注釈ちゅうしゃく 2]周知しゅうちされ、しばしば両者りょうしゃ同一どういつされる。

シャヘルはとともに、太陽たいよう再生さいせいしたことを宣言せんげんするとされていた。古代こだいカナン地方ちほうでは、シャヘル信仰しんこうのもとでシャハリート英語えいごばん (Shaharit) とばれる礼拝れいはいあさおこなわれていた[2]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ エルサレムは「シャレムのいえ」を意味いみするというせつがある。
  2. ^ ウォーカーの説明せつめいによれば、カナン神話しんわにおいてシャヘルは太陽たいようしん地位ちい簒奪さんだつしようとしたがかなわず、てんから地上ちじょうとされたという。この経緯けいいは、紀元前きげんぜん7世紀せいきころ挽歌ばんかとしてかたられていたという[1]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b ウォーカー,山下やましたやく 1988, pp. 449-450.(「Lucifer ルシフェル」のこう
  2. ^ ウォーカー,山下やましたやく 1988, p. 735.(「Shaharit シャハリート」のこう

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • ウォーカー, バーバラ『神話しんわ伝承でんしょう事典じてん - うしなわれた女神めがみたちの復権ふっけん山下やました主一しゅいちろうほかともやく大修館書店たいしゅうかんしょてん、1988ねん7がつISBN 978-4-469-01220-0