ギルタブルル

ギルタブルル（Girtablulu　ギルタブリル、ギルタブルウル）は、バビロニア神話しんわに登場とうじょうする半はん人にん半はん獣じゅうの怪物かいぶつ。その名前なまえはシュメール語ごで「サソリ人間にんげん」を意味いみする。

神性しんせいのモチーフである角すみ冠かんむり、顎あご鬚ひげを生はやした人間にんげんの顔かおと人間にんげんの体からだ、鳥とりの体からだの後うしろ半分はんぶんと鉤かぎ爪つめ、蛇へび頭あたまの男性だんせい器き、サソリの尾おを併あわせ持もつ姿すがたで描えがかれ、時ときには翼つばさが付つけ加くわえられる。死神しにがみのような容貌ようぼうをしているとも言いわれる。人ひとの顔かお、鳥とりの胴体どうたいと脚あし、サソリの尾おを併あわせ持もつ人間にんげんの絵えも確認かくにんされているが、この怪物かいぶつがギルタブルルに分類ぶんるいされるかどうかは明確めいかくになっていない。

ティアマトが生うみ出だした11の怪物かいぶつの一ひとつで、マルドゥクによって退治たいじされた。一種いっしゅの聖せい獣ししであり、『ギルガメシュ叙事詩じょじし』では、男女だんじょ一いち対ついのギルタブルルが天界てんかいと冥界めいかいに通つうじるマーシュ山やまの番人ばんにんとして描えがかれている。

ギルタブルルの姿すがたはウル第だい三さん王朝おうちょう時代じだい、アッカド時代じだいの美術びじゅつにはじめて現あらわれ、新しんアッシリア、新しんバビロニア時代じだいに広ひろく使つかわれるようになった。

関連かんれん項目こうもく

• アズラーイール
• パピルサグ

参考さんこう文献ぶんけん

• MIHO MUSEUM編へん『メソポタミアの神かみ々と空想くうそう動物どうぶつ』（アンソニー・グリーン監修かんしゅう, 山川やまかわ出版しゅっぱん社しゃ, 2012年ねん7月がつ）
• 「幻想げんそう動物どうぶつ事典じてん」新しん紀元きげん社しゃ
• 「オリエントの神かみ々」新しん紀元きげん社しゃ
• ePSD (2006). ePSD: The Electronic Pennsylvania Sumerian Dictionary. University of Pennsylvania Museum of Anthropology and Archaeology.