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ジョージ・ソロス

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ジョージ・ソロス

George Soros
生誕せいたん (1930-08-12) 1930ねん8がつ12にち(94さい
ハンガリー王国の旗 ハンガリー王国おうこくブダペスト
国籍こくせき  ハンガリー
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
出身しゅっしんこう ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス学士がくし修士しゅうし
職業しょくぎょう 投資とうし政治せいじ運動うんどう哲学てつがくしゃ
肩書かたが クォンタム・ファンド創業そうぎょうしゃオープン・ソサエティ財団ざいだん 創設そうせつしゃ
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ジョージ・ソロスえい: George Soros1930ねん8がつ12にち[1] - )は、ハンガリーブダペストまれのハンガリーけいユダヤじん投資とうしトレーダーウォーレン・バフェットジム・ロジャーズとともに世界せかいさんだい投資とうしとしてよくられる[2]

天才てんさい投資とうしとしてられ「イングランド銀行いんぐらんどぎんこうつぶしたおとこ」(The Man Who Broke the Bank of England) の異名いみょうる。

ソロス・ファンド・マネジメント英語えいごばん (Soros Fund Management) 会長かいちょうオープン・ソサエティ財団ざいだん (Open Society Foundations; 旧称きゅうしょう: Open Society Institute) 創設そうせつしゃかれまれ故郷こきょうでもあるブダペストにある中央ちゅうおうヨーロッパ大学だいがく (CEU) 共同きょうどう創設そうせつしゃProject Syndicate 出資しゅっししゃ、シンクタンク Institute for New Economic Thinking (INET) 出資しゅっししゃおよ創設そうせつしゃ一人ひとりである。投資とうしであると同時どうじ政治せいじ運動うんどう政治せいじ経済けいざいかんする評論ひょうろんとしても活動かつどうしている。自身じしんを「国境こっきょうなき政治せいじ」としょうす。Black Lives Matter主要しゅよう出資しゅっししゃ一人ひとりでもある。

経歴けいれき

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ヘッジファンドがまだその呼称こしょうさえ確立かくりつしていなかった黎明れいめいの1969ねんにソロスはクォンタム・ファンドげ、投資とうしとしてのキャリアを開始かいしした。1998ねん、ファンドはその規模きぼ運用うんよう資産しさん)において世界せかい最大さいだいのヘッジファンドとなった。2010ねん時点じてん運用うんよう資産しさん史上しじょう最大さいだいの270おくドルにたっした。2011ねん1がつ26にち、ファンドでの投資とうし活動かつどうから引退いんたいしたことをあきらかにした。2013ねんアベノミクス量的りょうてき緩和かんわ政策せいさくによるえんやす相場そうばで、ソロスは10おくドルの利益りえきた。また同年どうねんにクォンタム・ファンドは、55おくドルもの利益りえきげた。これはヘッジファンド史上しじょう最高さいこうがくであるという。

家族かぞく

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ジョージ・ソロスは弁護士べんごしエスペラント作家さっかであったティヴォドアとエリザベスの二人ふたり兄弟きょうだい次男じなんとしてまれた。カウフマンの伝記でんき 『ソロス』 (2002ねん) によれば、ティヴォドアはハンガリーけいのユダヤじんであり、だいいち世界せかい大戦たいせん戦中せんちゅう戦後せんご捕虜ほりょとなり、ロシア捕虜ほりょ収容しゅうようしょから脱走だっそうし、ハンガリーブダペスト自分じぶん家族かぞく合流ごうりゅうした。

ユダヤじんであったソロス一家かずやは、ファシスト台頭たいとうはんユダヤ主義しゅぎひろまりに危機ききおぼえ、1936ねんにユダヤじんおおいSchwartz(シュヴァルツ)からSoros(ショロシュ)へとせいえた。ちちのティヴォドアは、このあたらしい名前なまえった。回文かいぶんであり、それなりの意味いみがあったからであり、"soros" はハンガリーで「ならびのつぎ」または「指名しめいされている後継こうけいしゃ」を、エスペラントでは「上昇じょうしょうするだろう」を意味いみするという。

ジョージ・ソロスは、まれたときからエスペラントをまなんだ。このため、かれ数少かずすくないエスペラント母語ぼご話者わしゃである。ジョージ・ソロスはのちに、典型てんけいてきブルジョアのユダヤじん家庭かていそだったことと、かれ両親りょうしん宗教しゅうきょうてきなルーツにたいして慎重しんちょうであったことをべている。ただし、ちち・ティヴォドアはユダヤのルーツをほこりにしていた。これは、かれホロコースト体験たいけんつづった回顧かいころく「Masquerade」にも記述きじゅつされている。

ソロスの一家いっか正統せいとうユダヤきょうぞくするユダヤじん家庭かていであったものの宗教しゅうきょうてきには実質じっしつてき宗教しゅうきょうであったが、ジョージの母親ははおや戦後せんご信仰しんこうつようになったという。ジョージは自身じしんかみろんしゃであることをみとめている。

結婚けっこんれきは3かいあり4なんじょがいる。現在げんざいつまは2013ねん結婚けっこんした日系にっけいじん薬剤師やくざいし実業じつぎょうのタミコ・ボルトンである。

青少年せいしょうねん

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ソロスが13さいのとき、ナチス・ドイツ同盟どうめいこくであるハンガリー軍事ぐんじてきコントロールいた(1944ねん3月19にち)。そして、ハンガリーのユダヤじんたいホロコーストによる殺戮さつりくはじまった。ソロスは、みじかあいだだが、ナチスが設立せつりつしたユダヤ協会きょうかい従事じゅうじした。この組織そしきは、ユダヤじん弁護士べんごしたちに退去たいきょ命令めいれいおくるものであった。ソロスは、退去たいきょ命令めいれいがもたらす結果けっかについて、関知かんちしていなかったと主張しゅちょうした。かれ家族かぞくは、自分じぶんたちがクリスチャンであることを証明しょうめいする書類しょるい購入こうにゅうして戦争せんそうびた。翌年よくねん、ソロスはナチス・ドイツぐんソ連それんぐんによる熾烈しれつブダペスト包囲ほういせんびた。そのソ連それんぐんによるの虐殺ぎゃくさつたりにしハンガリーを脱出だっしゅつすることを決意けついする。この時期じきハイパーインフレーションあいだ(1945ねん - 1946ねん)、ソロスははじめて通貨つうか取引とりひきをした。

1946ねん、ソロスは西側にしがわでのエスペラント青年せいねん議会ぎかい参加さんかすることによって、戦火せんか荒廃こうはいソ連それん占領せんりょうされた祖国そこくからのがれ、17さいのときに家族かぞくフランスいでイギリスのがれた。ソロスは、1947ねんロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)に入学にゅうがくする。

国許くにもとからはまった援助えんじょはなく、かれ学費がくひ生活せいかつをすべて自分じぶんかせがなくてはならなかった。ソロスはひる鉄道てつどうえき貨車かしゃみの重労働じゅうろうどうをし、よるはウェイターをして授業じゅぎょうりょうかせぎ、無一文むいちもんになったことも度々たびたびあった。あるときかれ貨車かしゃわたいたからちてあし骨折こっせつした。仕事しごとにもられなくなり、ベッドにたきりで絶望ぜつぼうしていたかれのところにおもいがけず、保険ほけんきん小切手こぎっておくられてきた。その保険ほけんきんで、ようやく大学だいがく授業じゅぎょうりょうはらうことができたのである[よう出典しゅってん]

LSE では学士がくし論文ろんぶん指導しどう教官きょうかんかれの“哲学てつがくてき導師どうし”である哲学てつがくしゃカール・ポパー依頼いらいした。ソロスは1951ねんに「哲学てつがく」の学士がくしごうBSc)を、1954ねんおなじく「哲学てつがく」の修士しゅうしごうMSc)を LSE より授与じゅよされている。

卒業そつぎょうしたソロスは、1954ねん、ロンドンの商業しょうぎょう銀行ぎんこうであるシンガー&フリードランダーしゃ英語えいごばん就職しゅうしょくし、1956ねんには同僚どうりょう父親ちちおや経営けいえいするニューヨーク証券しょうけん会社かいしゃF.M.メイヤーしゃ転職てんしょくした。その意図いとウォうぉル街るがい十分じゅうぶん資産しさんかせぐことにあったとべている。そのときのソロスは著述ちょじゅつになり、かれゆめである哲学てつがくしゃとして自立じりつすることをかんがえていた(ハンガリーではソヴィエト連邦れんぽう政治せいじ抵抗ていこうしてハンガリー動乱どうらん発生はっせいしていた)。

その、ソロスは恩師おんしであるポパーとは後年こうねん、LSE で再会さいかいたしている。ポパーはかれにとっては過去かこいち学生がくせいぎないソロスのことをおぼえてはいなかったが、ソロスの哲学てつがく慈善じぜん事業じぎょう評価ひょうか激励げきれいした。またこのときポパーは、「ひらかれた社会しゃかい」をようやく(建国けんこく以来いらいひらかれた社会しゃかい」であるアメリカの)アメリカじん理解りかいしたとおもっていたため、ソロスがファシズム共産きょうさん主義しゅぎ体制たいせい(すなわち「ざされた社会しゃかい」)を経験けいけんしているハンガリー出身しゅっしんしゃだとってがっかりしたという。

ポパーの没年ぼつねんとなる1994ねんには、ソロスはかれによって1991ねん設立せつりつされたばかりの中央ちゅうおうヨーロッパ大学だいがく (CEU) での講演こうえんをポパーに依頼いらいし、これをけてポパーは講演こうえんおこなっている。ちなみに CEU には「Popper Room」と名付なづけられただい講堂こうどうがある。

ビジネス

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ソロスは自身じしんのファンドであるソロス・ファンド・マネジメントSoros Fund Management)の設立せつりつしゃである。1970ねんかれジム・ロジャーズとともにクォンタム・ファンド (Quantum Fund)を設立せつりつした。ファンドの名称めいしょうはソロスの「再帰さいきせい」の理論りろん関連かんれんするヴェルナー・ハイゼンベルク確定かくていせい原理げんり基礎きそとする量子力学りょうしりきがくの「quantum(量子りょうし)」にちなんで名付なづけられた。

ファンドは1973ねんからの10年間ねんかんで4200%のリターンをしてソロスのとみだい部分ぶぶん形成けいせいした[3](このあいだS&Pは47%上昇じょうしょうしただけだった)。

2011ねん時点じてんでソロス・ファンド・マネジメントは、40ねん以上いじょうあいだ平均へいきんして年間ねんかん20%のリターンをもたらしてたとしている[4]。これはヘッジファンド史上しじょう最高さいこうのパフォーマンスに相当そうとうする。またどうファンドは1973ねん以来いらい2013ねんまでに400おくドル以上いじょう利益りえきしてたという[5]

通貨つうか投機とうき

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1990年代ねんだい初頭しょとうのイギリスは、1989ねん東西とうざいドイツ統合とうごう欧州おうしゅう経済けいざい共同きょうどうたい域内いきない資本しほん移動いどう活発かっぱつによる資本しほん流出りゅうしゅつ欧州おうしゅう各国かっこくきょう、イギリスのサッチャー政権せいけんはじめとした各国かっこく政府せいふ財政ざいせい健全けんぜんさく影響えいきょうなどによって経済けいざい成長せいちょう後退こうたいし、失業しつぎょうりつ上昇じょうしょうはじめていた。よわ経済けいざいなか、イギリスは欧州おうしゅう為替かわせ相場そうばメカニズム (ERM) にしたがい、自国じこく通貨つうかポンド欧州おうしゅう他国たこく通貨つうかとの相場そうばを、将来しょうらい欧州おうしゅう共通きょうつう通貨つうかユーロ導入どうにゅうけ、一定いってい範囲はんい固定こていする政策せいさくっていた。1992ねんになると欧州おうしゅう経済けいざいけん統合とうごうかたち具体ぐたいてきさだめた「マーストリヒト条約じょうやく」が調印ちょういんされた。そのなかでは、参加さんかこくは「政治せいじ統合とうごうしの通貨つうか統合とうごうおこなう」とうたわれていたことから、ユーロ導入どうにゅうすすむことでユーロ採用さいようこく自国じこく経済けいざい調節ちょうせつのため金融きんゆう政策せいさく柔軟じゅうなんせいうしなわれてくであろうことが予想よそうされた。

イギリスは共通きょうつう通貨つうか導入どうにゅうけたこれらの制約せいやくによって、効果こうかてき金融きんゆう政策せいさく手段しゅだん一部いちぶいていた。欧州おうしゅう経済けいざい不調ふちょうなか1992ねん9月、同様どうよう経済けいざい後退こうたいはいりつつあったイタリアが自国じこく通貨つうかリラを7%げた。以前いぜんよりソロスはかれ部下ぶかスタンレー・ドラッケンミラーStanley Druckenmiller)(のち世界せかいてき著名ちょめいなヘッドファンドマネージャーとしてられるようになる)とともに、イギリスの経済けいざいりょくして通貨つうかポンドが政府せいふにより無理むりたか固定こていされているとソロスはかんがえていた。

イタリアによるリラげを契機けいきに、ジョージ・ソロスたちは短期間たんきかん巨額きょがくのポンドりをおこなった。これによりポンドはおおきく下落げらくした。イギリスはユーロ導入どうにゅうけて、自国じこくのポンドをERMのルールにもとづき固定こていさせる必要ひつようがあったため、イギリス政府せいふ財務省ざいむしょうだい規模きぼ為替かわせ介入かいにゅうおこない、ポンドの下落げらくめようとしたが、ポンドを資金しきんきてしまった。そして、イギリスはポンドの固定こてい相場そうばせいをやめてERMから脱退だったいし、ユーロ導入どうにゅう断念だんねんした(ポンド危機きき)。

「ブラック・ウェンズデー」ともわれたこのポンドのだい波乱はらんポンド危機きき)は、結果けっかてきに「英国えいこくびょう」にくるしんでいたイギリス経済けいざい改善かいぜんするきっかけとなったことから、現在げんざいでは「ホワイト・ウェンズデー」ともばれている。

イギリスがERMを脱退だったいしユーロ導入どうにゅう断念だんねんして以後いご、イギリス国内こくない経済けいざいは、1993ねんより2008ねんまで長期ちょうきわた失業しつぎょうりつ改善かいぜん安定あんてい経済けいざい成長せいちょう安定あんていインフレりつ実現じつげんした。

1992ねん10月26にちの「タイムズにて、ジョージ・ソロスは以下いかのようにこたえている。

我々われわれブラックマンデーまでのトータルポジションはほぼ100おくドルがくであった。」
「しかし、我々われわれはそれ以上いじょうることを決断けつだんした。」
事実じじつノーマン・ラモントえい財務ざいむ大臣だいじん)がポンドささえるため、150おくドルをりることを価値かちげの直前ちょくぜんったとき、我々われわれはどのくらい空売からうりすることになるかということをあんしめしていたので、たのしんでいた。」

1997ねんアジア通貨つうか危機ききあいだマレーシア首相しゅしょうマハティールはソロスがマレーシア通貨つうかリンギット下落げらくさせたと名指なざしで非難ひなんした。ソロスはこの非難ひなんについて、アジア通貨つうか危機きき最中さいちゅうもそれに先立さきだ数ヶ月すうかげつあいだにも、バーツやリンギットをったことがなく、これらの通貨つうか下落げらくしはじめたときはリンギットをっており、このいははやすぎたとべている。なお、マハティールとソロスはその和解わかいしている。

インサイダー取引とりひき有罪ゆうざい判決はんけつ

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1988ねん、ソロスはフランスの大手おおて金融きんゆう機関きかんソシエテ・ジェネラルりのこころみに参加さんかするようにたのまれた。かれ株式かぶしき取得しゅとくへの参加さんかことわったが、のち比較的ひかくてき少量しょうりょう株式かぶしきった。14ねん2002ねん、フランスの裁判所さいばんしょはその行為こういはフランス証券しょうけん取引とりひきほう根拠こんきょとしてインサイダー取引とりひきであると裁決さいけつし、200まんドルの罰金ばっきんした。ソロスは一貫いっかんして罪状ざいじょう否認ひにんし、りのニュースはだれもがっていたことであったと主張しゅちょうした[6]

スポーツ

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2005ねんに、ソロスはメジャーリーグ野球やきゅうチーム、ワシントン・ナショナルズ購入こうにゅうしようとしたグループの少数しょうすうのパートナーであった[7]

2008ねんに、ソロスの名前なまえイタリアのサッカークラブ、ASローマ関連かんれんしていたが、クラブは売却ばいきゃくされなかった。ソロスはワシントンサッカーLP──メジャーリーグサッカークラブ、DCユナイテッド1995ねん設立せつりつされて以来いらい操作そうさけん所有しょゆうしていたグループ──の財政ざいせいてき後援こうえんしゃだったが、グループは2000ねんにこれらの権利けんりうしなった[8]

2012ねん8がつ21にちBBCは、SECへの提出ていしゅつ書類しょるいによってあきらかになったこととして、ソロスが英国えいこくのサッカークラブ、マンチェスター・ユナイテッドのクラスAかぶのおよそ1.9%にたる310まんかぶ取得しゅとくしたとほうじた[9]

政治せいじ運動うんどう

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投資とうし投機とうきとして著名ちょめいなソロスであるが、政治せいじ運動うんどうとしてもられる。たとえば、ポーランド民主みんしゅ運動うんどうにおいて、労働ろうどう組織そしきである連帯れんたい支援しえんおこない、チェコスロバキアにおけるはん体制たいせい運動うんどうであった憲章けんしょう77同様どうように、ソビエト連邦れんぽうによるこれらの国々くにぐにへの支配しはいわらせることに寄与きよした。また、2003ねんグルジアこった政変せいへんバラ革命かくめい)でもかれ資金しきん提供ていきょうがあったとされ、その成功せいこう重要じゅうよう役割やくわりたしたとロシアと西欧せいおう双方そうほう一部いちぶ識者しきしゃからひょうされた(ソロスはこの見方みかたを、誇張こちょうされたものだとコメントしている)。その2004ねんアメリカ大統領だいとうりょう選挙せんきょにおいて、ジョージ・W・ブッシュ再選さいせん反対はんたいする陣営じんえい支援しえんおこなった[よう出典しゅってん]

連邦れんぽう準備じゅんび制度せいど議長ぎちょうポール・ボルカーは、ソロスの著書ちょしょ『ソロスの錬金術れんきんじゅつ』(原題げんだいThe Alchemy of Finance)の序文じょぶん寄稿きこうし、以下いかのようにべた。

ジョージ・ソロスは、非常ひじょう成功せいこうした投機とうきとして、あるいは、まだゲームが有利ゆうりなうちに賢明けんめいさをそなえていることで、そのられている。現在げんざいかれ大金たいきん大半たいはんは、途上とじょうこく新興しんこうこく社会しゃかいが「ひらかれた社会しゃかい」になるために使つかわれている。ここでう「ひらかれた社会しゃかい」とは、"商業しょうぎょう自由じゆう"のことだけを意味いみしているわけではない。もっと重要じゅうようなこと、すなわち(人々ひとびとが)あたらしいかんがかたや、自分じぶんとはことなったかんがかた行動こうどうたいして、寛容かんようしんっていることを意味いみしている。

2018ねん10がつ25にち、BBCによると、デビー・ワッサーマン・シュルツ名前なまえかたったパイプばくだん爆発ばくはつぶつが、ヒラリー・クリントンバラク・オバマCNNジョン・オーウェン・ブレナンCIA長官ちょうかんエリック・ホルダー司法しほう長官ちょうかん、ジョージ・ソロスにおくられたが爆発ばくはつしなかった[10]。10月26にちFBI指紋しもんからフロリダしゅう在住ざいじゅう熱烈ねつれつドナルド・トランプ支持しじしゃの56さいおとこシーザー・セヨクを逮捕たいほした[11][12]

慈善じぜん事業じぎょう

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ソロスは、アパルトヘイトおこなわれていたみなみアフリカ黒人こくじん生徒せいとケープタウン大学だいがくへの通学つうがく援助えんじょのために基金ききん提供ていきょうと、てつのカーテンうしろでのはん体制たいせい運動うんどうへの資金しきん提供ていきょうはじめたときの1970年代ねんだい以来いらい慈善じぜんとして活動かつどうしている。ひがしヨーロッパでのソロスの慈善じぜんてき資金しきん提供ていきょうはほとんどオープン・ソサエティ協会きょうかい(Open Society Institute, OSI)とNational Soros Foundations——これはポーランドでときどき名前なまえStefan Batory Foundation など)をとおしておこなわれている[13]注目ちゅうもくすべきプロジェクトには科学かがくしゃへの援助えんじょと、中央ちゅうおうひがしヨーロッパのいたるところの大学だいがくへの援助えんじょサラエヴォ包囲ほういあいだ市民しみん援助えんじょ世界せかい規模きぼのドラッグを廃止はいしするためのドラッグ禁止きんしほうへの努力どりょくへの援助えんじょトランスペアレンシー・インターナショナルへの援助えんじょなどがある。

はじ自宅じたくつまたすけをりながらごく個人こじんてき活動かつどうとしてはじまったソロスの慈善じぜん事業じぎょうは、現在げんざいでは100ヵ国かこくえる国々くにぐに活動かつどうしている世界せかいてき財団ざいだんネットワーク(オープン・ソサエティ財団ざいだん; Open Society Foundations; 旧称きゅうしょう: Open Society Institute)にまで発展はってんした。2015ねん現在げんざい、OSF は最近さいきん毎年まいとし8おくドルを使つかっていると発表はっぴょうしている[14]

また、1979ねんはじまるソロスの慈善じぜん事業じぎょうへの寄付きふきん総額そうがくは、2015ねんまでに120おくドルをえた[15]

2009ねんには、ニューヨークしゅうぜん貧困ひんこん家庭かてい子供こどもたちを対象たいしょうとして1おく7500まんドルを無償むしょう提供ていきょうした[16]

ソロスはまた、かれまれ故郷こきょうハンガリー・ブダペストにて共産きょうさん主義しゅぎ崩壊ほうかい1991ねん設立せつりつされた中央ちゅうおうヨーロッパ大学だいがく (CEU) の共同きょうどう創設そうせつしゃであり、4おく2000まんユーロの寄付きふおこなっている。同大どうだい現在げんざい追加ついか資金しきん援助えんじょによって8おく8000まんドル(2010ねん)もの豊富ほうふ大学だいがく基金ききんゆうする、ヨーロッパで8番目ばんめ資金しきんりょくのある大学だいがくになっている[17]

ソロスが5000まんドルを提供ていきょうする約束やくそく2009ねん10月、ニューヨークにシンクタンクとしてしん経済けいざい思想しそう研究所けんきゅうじょInstitute for New Economic Thinking, INET)が創設そうせつされた。この研究所けんきゅうじょにはジョセフ・スティグリッツジョージ・アカロフジェフリー・サックスらが助言じょげんおこなっている。 2010ねん4がつにはどう研究所けんきゅうじょ経由けいゆでの出資しゅっしにより、えいオックスフォおっくすふぉド大学どだいがくあらたな経済けいざい研究所けんきゅうじょ創設そうせつすると発表はっぴょうした。

かれはニューヨークのNew School for Social Research1980ねんオックスフォおっくすふぉド大学どだいがくブダペスト経済けいざい大学だいがく1991ねんイェール大学だいがくから名誉めいよ博士はかせごう授与じゅよされた。2000ねんにソロスはまた1995ねんボローニャ大学だいがくもっと名誉めいよLaurea Honoris Causa同様どうよう財政ざいせいしょうのためにYale School of ManagementからYale International Center授与じゅよされた。

オープン・ソサエティ財団ざいだんはまた、ウィキメディア財団ざいだん大口おおぐち寄付きふしゃひとつでもある[18]

2018ねん5がつ15にち、オープン・ソサエティ財団ざいだんはソロスの祖国そこくであるハンガリーからの撤退てったい発表はっぴょうした[19]政府せいふからのけがつよまったからだと説明せつめいしている[19]

哲学てつがく

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教育きょういく信条しんじょう

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ソロスは哲学てつがくつよ関心かんしんいだつづけてきた。かれ哲学てつがくたいするかんがかたは、おもロンドン・スクール・オブ・エコノミクス在学ざいがくちゅうまなんだカール・ポパー思想しそう広範こうはん影響えいきょうけている[20]実際じっさい、ソロスが創設そうせつした「Open Society Institute」は、ポパーの上下じょうげ2かんおよ著書ちょしょひらかれた社会しゃかいとそのてき』(原題げんだい: Open Society and Its Enemies)にちなんで名付なづけられているし、ソロスが現在げんざいんでいる哲学てつがくじょう関心事かんしんじである「謬論(主義しゅぎ)」[注釈ちゅうしゃく 1]原則げんそくも、同様どうようにポパーの哲学てつがく由来ゆらいしている。もっとも、ソロスのかた政治せいじ信条しんじょうがポパーが支持しじする徹底てっていした合理ごうり主義しゅぎ矛盾むじゅんするのではないかとする批判ひはんもあるが、ソロス本人ほんにん主張しゅちょうするところによれば、かれ政治せいじ信条しんじょうはまさにポパーの合理ごうり主義しゅぎとおしてつちかわれてきたものであるという[よう出典しゅってん]

再帰さいきせい

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ソロスによる「再帰さいきせい」(相互そうご作用さようせい[20])の理論りろん人間にんげん社会しゃかいこる出来事できごと理解りかいするためのパラダイムである。

この理論りろんでは、再帰さいきせい定義ていぎとして、人間にんげん世界せかい知識ちしきとして理解りかいしようする機能きのうを「認知にんち機能きのう」とぶ。また、人間にんげん世界せかい影響えいきょうあたえようとし、改造かいぞうしようとする機能きのうを「操作そうさ機能きのう」とぶ。認知にんち機能きのうにおいては、世界せかい現実げんじつてき姿すがた独立どくりつ変数へんすう観察かんさつしゃ世界せかい理解りかい従属じゅうぞく変数へんすうとなる。

ここで、「世界せかい world 」の現実げんじつてき姿すがたを「W」、観察かんさつしゃの「世界せかい理解りかい understanding」 を「U」、「認知にんち機能きのう」(認知にんち cognition の機能きのう function)を「FC」とすると、"FC(W) → U" と記述きじゅつできる。

一方いっぽう操作そうさ機能きのうにおいてはこの関係かんけい逆転ぎゃくてんして、観察かんさつしゃ世界せかい理解りかい独立どくりつ変数へんすう世界せかい現実げんじつてき姿すがた従属じゅうぞく変数へんすうとなる。

操作そうさ機能きのう操作そうさ manipulation の機能きのう function)を「FM」とすると、"FM(U) → W" と記述きじゅつできる。

つまり、U が W を、W を U が規定きていしあう関係かんけいとなっており、この双方向そうほうこうてき状況じょうきょうにおいてはかくたる結果けっかすことは不可能ふかのうとなる。

この双方向そうほうこうてき干渉かんしょうを、ソロスは「再帰さいきせいreflexivity)」と名付なづけた。

資本しほん主義しゅぎてき自由じゆう市場いちばシステムについての主張しゅちょう

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投資とうし投機とうきとしてのキャリアをスタートしてから増大ぞうだいつづけてたソロスのとみは、2015ねんには過去かこ最高さいこうの277おくドルにたっした。かれ莫大ばくだいとみのほとんどを形成けいせいし、半生はんせいわた現在げんざい継続けいぞくしているそのキャリアにもかかわらず、ソロスは現在げんざい国際こくさい金融きんゆう投機とうきのシステムについて、おおくの発展はってん途上とじょうこく健全けんぜん経済けいざい発展はってん阻害そがいするものであるとし、また世界せかいおおくの問題もんだいかれ市場いちば原理げんり主義しゅぎ固有こゆう失敗しっぱいためであると主張しゅちょうする。グローバリゼーショングローバル資本しほん主義しゅぎ[20]たいしても、ソロスはおおくのめん反対はんたいし、論争ろんそうまとになっている。

ヴィクター・ニーダーホッファーによれば「とりわけ、ジョージはそれでも自己じこ利益りえき過剰かじょうばっするためのつよ中央ちゅうおう国際こくさい政府せいふのある混合こんごう経済けいざいしんじていた」。

グローバル市場いちばにおいて巨額きょがく利益りえきながら、同時どうじ一方いっぽうではこのグローバリズムに反対はんたいし、自己じこ利益りえきそこなうことを意味いみする市場いちば規制きせい強化きょうか要求ようきゅうするという、自己じこ矛盾むじゅんてきであり不可解ふかかいにもかんじられるかれ主張しゅちょうは、ポール・クルーグマンのような著名ちょめい経済けいざい学者がくしゃふくめた専門せんもんらをも困惑こんわくさせてた。

ソロスの主張しゅちょうたいして一貫いっかんして批判ひはんてき態度たいどっているクルーグマンは、この主張しゅちょうを「わたしがこれ以上いじょうもうけるまえに、わたし行動こうどうめてくれ!」という意味いみだと揶揄やゆめてかたっている[21]

これにたいし、ソロスはまず、たん市場いちば参加さんかしゃであることと、市場いちば参加さんかしゃしたがうべきルールをえるためにはたらくことのちがいをしめすことで自身じしん主張しゅちょう意味いみあきらかにしている。つまり、すでたんなるいち投資とうしであることをえ、ひろ公共こうきょうてき利益りえきのために政治せいじ経済けいざいたいする主張しゅちょう活動かつどう展開てんかいしているかれにとっては、たとえそれが金融きんゆう市場いちばにおける自己じこ利益りえき縮減しゅくげん意味いみするものであったとしても、公共こうきょう利益りえきのためならば市場いちばシステムの問題もんだい改善かいぜん要求ようきゅうすることにやぶさかではないということである。

ソロスは市場いちば参加さんかしゃとして自己じこ経済けいざいてき利益りえきのためにはたらくことになん疑問ぎもんたないようである一方いっぽう同時どうじに「国境こっきょうなき政治せいじ」を自負じふするものとして、世界せかいてき金融きんゆうシステムの劇的げきてきそう点検てんけん政治せいじはたらきかけてもいる。イングランド、ひがしヨーロッパとタイをふくおおくの金融きんゆう危機ききたいして個人こじんてき責任せきにんがあるという告発こくはつたいしてははしてきに、「市場いちば参加さんかしゃとして、わたし自分じぶん金融きんゆう行動こうどう結果けっか関心かんしん必要ひつようはありません」とべた。

また、ソロスは、ノーベル経済けいざいがくしょう受賞じゅしょうしゃ経済けいざい学者がくしゃジェームズ・トービン案出あんしゅつした国際こくさいてき金融きんゆう取引とりひきぜいするトービンぜい賛同さんどうしている。

政治せいじてき見解けんかい

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ソビエト連邦れんぽうへの反対はんたい

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Neil Clark(“New Statesman” にかれている)によると、かれかたにはまった左翼さよくおおくと共有きょうゆうしている見解けんかいは、ひがしヨーロッパでの社会しゃかい主義しゅぎ崩壊ほうかいはその体系たいけいてきよわさと、民衆みんしゅう支援しえんることへの政治せいじてきエリートの失敗しっぱいのためであるということである。それは、部分ぶぶんてきにはただしいかもしれないがソロスの役割やくわり決定的けっていてき重要じゅうようであった。1979ねんから、かれとし300まんドルをポーランドの連帯れんたい運動うんどう、チェコスロバキアの憲章けんしょう77、ソビエト連邦れんぽうアンドレイ・サハロフふくはん体制たいせい組織そしき寄付きふした。1984ねんかれ最初さいしょのOpen Society Instituteをハンガリーで設立せつりつした。そして、なんひゃくまんドルも反対はんたい運動うんどう独立どくりつしたメディアにんだ。

ソビエト連邦れんぽうの(進歩しんぽてきなソロスの資金しきん提供ていきょうによっての)没落ぼつらくからはん帝国ていこく主義しゅぎ大義たいぎは、きゅうソ連それん重要じゅうよう役割やくわりたしつづけている。グルジアバラ革命かくめいへのかれ資金しきん提供ていきょう組織そしきは、ロシアで西側にしがわのオブザーバーによるその成功せいこうにとって重要じゅうようであるとおもわれた。しかし、ソロスは自身じしんたした役割やくわりについて、おおいに誇張こちょうされているとかたった。

ソロス vs. ブッシュ

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ソロスは、個人こじんてき長年ながねんわたって民主党みんしゅとうびいきではあったが、それでも2004ねんのアメリカ大統領だいとうりょう選挙せんきょまではアメリカの政治せいじ原因げんいんつくすようなおおきな寄付きふしゃではなかった。2003ねん11月11にち、「ワシントン・ポスト」のインタビューで、ソロスはオフィスからジョージ・W・ブッシュのぞくことは"わたし人生じんせい中央ちゅうおうにある焦点しょうてん"であり"せい問題もんだい"とった。かれ自分じぶんのすべての財産ざいさん犠牲ぎせいにしてブッシュをやぶると冗談じょうだんった。そして、カリフォルニアのCommonwealth Clubで2004ねん3がつ3にちわり、ソロスがQ&Aのあつまりでこの声明せいめいのユーモアの本質ほんしつをはっきりさせたのちでさえ、おおくがブッシュについて声明せいめいつづけた。

ソロスは300まんドルをCenter for American Progressにあたえ、500まんドルをMoveOn.org委託いたくして、一方いっぽうかれかれ友人ゆうじんPeter LewisはそれぞれAmerica Coming Togetherに1000まんドルをあたえた(すべてが2004ねんのアメリカ大統領だいとうりょう選挙せんきょ民主党みんしゅとう支援しえんのために活動かつどうしていたグループであった)。2004ねん9がつ28にちかれはそのキャンペーンにもっと資金しきんささげた。そして、複数ふくすうしゅうめぐ演説えんぜつたびはじめた。“Why We Must Not Re-elect President Bush”(“なぜわたしたちはブッシュを大統領だいとうりょう再選さいせんさせてはいけないのか?”)ワシントンD.C.のナショナル・プレス・クラブで配達はいたつされた。ディック・チェイニーふく大統領だいとうりょう議論ぎろんで「factcheck.com」として偶然ぐうぜんにFactCheck.orgに言及げんきゅうしたあと、このスピーチへのオンライン・コピーはおおくのアクセスをけた。そして、そのドメインの所有しょゆうしゃすべての通信つうしんをソロスのサイトにつながせた。

Responsive Politicsのためのセンターによると、2003ねんから2004ねん選挙せんきょサイクルのあいだ、ソロスは236まんドルをジョージ・ブッシュ大統領だいとうりょうやぶることにささげられている527の様々さまざまなグループに寄付きふした。ソロスの努力どりょくにもかかわらず、ブッシュは2004ねん11月2にち大統領だいとうりょうとしてだい2となる再選さいせんたした。

また、連邦れんぽう選挙せんきょ運動うんどうへの「紙幣しへい献金けんきん禁止きんしすることを目的もくてきとした2002ねんのBipartisan Campaign改正かいせいほう要求ようきゅうしたので、ソロスはかれおおきな寄付きふのために非難ひなんされた。ソロスは、つながりのない組織そしきへの寄付きふによって、候補者こうほしゃまたは政党せいとうたいする直接ちょくせつ寄付きふおなじような腐敗ふはい問題もんだいしょうじることはないとこたえた。

ちなみに、ハーケン・Energy(ソロスによって部分ぶぶんてき所有しょゆうされる会社かいしゃ)は、かれ石油せきゆ会社かいしゃSpectrum 7を買収ばいしゅうすることによって、1986ねんジョージ・W・ブッシュとビジネスをした。

かれほん The Bubble of American Supremacy は、2004ねん1がつ出版しゅっぱんされた([3])。

日本にっぽんについて

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2006ねん著作ちょさく邦訳ほうやく出版しゅっぱんわせて来日らいにちしたジョージ・ソロスは、当時とうじ国際こくさいてき話題わだいになっていた靖国神社やすくにじんじゃ問題もんだいへの関心かんしんから、靖国神社やすくにじんじゃゆう就館訪問ほうもんとく後者こうしゃについて、「侵略しんりゃく戦争せんそう正当せいとうしている」と憤慨ふんがいした。どう問題もんだいについては「もしおおくの日本にっぽん人々ひとびと近隣きんりん諸国しょこく人々ひとびとおおきくことなる歴史れきしかんつようになったとしたら、そのちがいが将来しょうらい深刻しんこく問題もんだいす」ともかたっている[よう出典しゅってん]

同年どうねん邦訳ほうやく出版しゅっぱんされた世界せかい秩序ちつじょ崩壊ほうかい─「自分じぶんさえよければ社会しゃかい」への警鐘けいしょう("The Age of Fallibility")のなかでは、冒頭ぼうとう日本にっぽん読者どくしゃけてつぎのようにべている:

 あとすうねんずして、日本にっぽん将来しょうらい経済けいざいおよ国家こっか安全あんぜん政策せいさくにおいて、いくつかのおおきな選択せんたくいられるだろう。日本にっぽんは、その「世界せかい相互そうご依存いぞん戦略せんりゃく」を破棄はきしてしまうのだろうか?
 かつて日本にっぽんは、この戦略せんりゃくこそ、「正常せいじょう国家こっか」とはいかなるものかというあらたな模範もはんを、世界せかいしめみちなのだとほこらかに宣言せんげんした。日本にっぽんは、世界せかいおよ各地かくち主要しゅよう国際こくさい統治とうち機関きかん支援しえん困窮こんきゅうはなはだしい地域ちいきたいしてってきた感銘かんめいあたわざる規模きぼ援助えんじょ救済きゅうさいによって、恐怖きょうふ手段しゅだんとするよりも信頼しんらい構築こうちくむねとする国際こくさい社会しゃかいたいして、鮮烈せんれつなインスピレーションの泉源せんげんとなり、投資とうし対象たいしょうとなってきた。
 ところが、ここに、皮肉ひにくにもおろかな事態じたいきた。近隣きんりん大国たいこく中国ちゅうごく基本きほんてききょく主義しゅぎはじめた矢先やさきアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくせい反対はんたい方向ほうこうへとうごき、国際こくさいてきしょ制度せいどへの疑念ぎねんつよめ、最近さいきん国家こっか安全あんぜん保障ほしょうめんでの難題なんだいたいして大幅おおはばいちきょく主義しゅぎてき治療ちりょうさく遂行すいこうしたのである。
 日本にっぽんは、この両国りょうこく板挟いたばさみになった。かたや最大さいだいパトロンかつ保護ほごこくながら、昨今さっこん益々ますます世界せかいおおくの国々くにぐにとのいがわるくなってきたアメリカ。かたやその経済けいざいてき繁栄はんえい持続じぞくさせ確保かくほすべく国際こくさいてきシステムにおいて安定あんてい現状げんじょう維持いじ志向しこうしつつある中国ちゅうごく
 アメリカとのきょく主義しゅぎ国家こっか安全あんぜん保障ほしょうめんでのアメリカの大盤振おおばんぶいへの依存いぞんらすには、日本にっぽん如何いかなる未来みらい想定そうていする必要ひつようがあるのか? また、戦後せんご方針ほうしん決定けっていしてきたいくつかの装置そうち、すなわち、軍事ぐんじりょく攻撃こうげきではなく防衛ぼうえいのみにしぼることをうたった憲法けんぽうだいきゅうじょう核兵器かくへいきとその開発かいはつ忌避きひ、ますます相互そうご依存いぞんたびつよめてきた世界せかい秩序ちつじょへの志向しこう、これらの装置そうち改変かいへんすべきかか?
 これらのしょ難題なんだいは、あるべき国家こっか概念がいねん、「日本にっぽんたましいとはなにか?」についての熟考じゅっこう討議とうぎをせきてずにはおかない。
 これは肝要かんよう討議とうぎである。うまくいけば、日本にっぽん国内こくないに、健全けんぜん市民しみん社会しゃかい民主みんしゅ主義しゅぎてき秩序ちつじょとをがっちりと受容じゅようする健全けんぜんナショナリズムむかもしれない。

とし、

 この荒涼こうりょうたる世界せかい秩序ちつじょにおいて、日本にっぽんはキー・プレイヤーとなってはならない。日本にっぽん国際こくさい主義しゅぎしゃ危険きけんかつ無謀むぼうなまでにあくどい「タカナショナリズム」よりも健全けんぜんなナショナリズムを志向しこうするものたちにたいして、日本にっぽん市民しみん支持しじおくり、世界せかいにおけるオープン・ソサエティ成長せいちょう重視じゅうしするわたしたち海外かいがいものたちも、それを応援おうえんしなければならない。

ぶんむすんでいる。

2014ねん1がつには Project Syndicate への寄稿きこうぶんなかで、安倍あべ政権せいけんの「アベノミクス」の通貨つうか政策せいさくについて

「(黒田くろだひがし総裁そうさいひきいる日本銀行にっぽんぎんこう昨年さくねんからはじめた)だい規模きぼ量的りょうてき緩和かんわは、リスクのある実験じっけん成長せいちょう加速かそくすれば金利きんり上昇じょうしょうし、債務さいむ支払しはらいのコストが維持いじできないものになる。しかし、安倍あべ首相しゅしょう日本にっぽんゆるやかなしょすより、そのリスクをることをえらんだ。人々ひとびと熱狂ねっきょうてき支持しじから判断はんだんすれば、普通ふつう日本人にっぽんじんおなじようにかんがえているのだろう。」[22]

べた。

中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくについて

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2010ねん10月に、ソロス・ファンド・マネジメントは、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく中心ちゅうしんとしたアジア投資とうしけたはつのアジア拠点きょてん香港ほんこん開設かいせつした[23]どうファンドの3ぶんの1ほどがアジア投資とうしまわされる計算けいさんになるという。

2010ねん11月にソロスは「米国べいこくから中国ちゅうごくへの、パワーと影響えいきょうりょく本当ほんとうおどろくべき、急速きゅうそく遷移せんいがあり、それはちょうどだい世界せかい大戦たいせん英国えいこく衰退すいたい米国べいこくへの覇権はけん移行いこうたとえられる」とべ、さらに「今日きょう中国ちゅうごく活発かっぱつ経済けいざいのみならず、実際じっさいに、米国べいこくよりもより機能きのうてき政府せいふっている」という議論ぎろんぶであろう意見いけんべた[24]

しかしながら2012ねん10月には「成長せいちょうモデルが息切いきぎれしつつある」とべ、成長せいちょう鈍化どんかしているとの見方みかたしめしたほか、2013ねん5月には、高利回こうりまわりの金融きんゆう商品しょうひん理財りざい商品しょうひん」が、「リーマン・ショックがねとなったサブプライム・ローンている」とし、2014ねん1がつには、「中国ちゅうごく成長せいちょうモデルはすでにちからうしなっている」と指摘してきした[25]

同月どうげつにはまた、「ちかいうちに中国ちゅうごく経済けいざい完全かんぜん崩壊ほうかいする」との見通みとおしめし、「世界せかい経済けいざいにとって脅威きょういなのは米国べいこく予算よさん崩壊ほうかいでもユーロけん問題もんだいでもなく、中国ちゅうごく財政ざいせい問題もんだいにある」とべ、「(高利回こうりまわりの金融きんゆう商品しょうひん理財りざい商品しょうひん」が蔓延はびこっている)中国ちゅうごく飛躍ひやくてき経済けいざい発展はってんささえるモデルは、(リーマン・ショック以前いぜんの)2008ねん以前いぜん米国べいこく経済けいざい類似るいじしており」「いかなる改革かいかく中国ちゅうごくすくうことはできない」とかんがえているという[26]

さらに、2015ねん3がつに、Bloomberg TV出演しゅつえんしたソロスは、中国ちゅうごく現状げんじょうについて「(これまでの輸出ゆしゅつ依存いぞんがた経済けいざいから)内需ないじゅ主導しゅどうがた経済けいざいへの移行いこう失敗しっぱいした場合ばあいかれらはくにたば権力けんりょく維持いじするために外部がいぶとの紛争ふんそうつく可能かのうせいがあり、ゆえに我々われわれだいさん世界せかい大戦たいせん瀬戸際せとぎわにあるとっても過言かごんではない」とべた[27]

同年どうねん5がつ19にち世界銀行せかいぎんこうにおけるブレトンウッズ会議かいぎでも「中国ちゅうごく経済けいざい悪化あっかすれば、だいさん世界せかい大戦たいせんきる可能かのうせいがある」と発言はつげん同時どうじに「べいちゅう両国りょうこく経済けいざいにおける協力きょうりょく関係かんけい強化きょうかし、だいさん世界せかい大戦たいせん発生はっせいする可能かのうせいらさねばならない」「米国べいこく人民元じんみんげあらたにIMF特別とくべつ引出けん (SDR) の通貨つうかバスケット編入へんにゅうするために譲歩じょうほすべきだ」とべた[28]。またよく6がつ12にちには中国ちゅうごくかぶだい暴落ぼうらくこったが、ソロスは暴落ぼうらくまえ保有ほゆうしていた中国ちゅうごくかぶのほとんどをはらっている。

2019ねん1がつ世界せかい経済けいざいフォーラムでは中国ちゅうごくを「機械きかい学習がくしゅう人工じんこう知能ちのうもっと発展はってんした独裁どくさい国家こっかだ。習近ひらたひらかれた社会しゃかいのこれまでにないもっと危険きけんてきである」と批判ひはんしてべいちゅう貿易ぼうえき戦争せんそうべいちゅう冷戦れいせんだい世界せかい大戦たいせん国際こくさい連合れんごうのような国際こくさい協調きょうちょう土台どだいとなるべきとべた[29][30]

インドについて

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インドは(いちとう独裁どくさい体制たいせいの)中国ちゅうごくとはことなり「ひらかれた社会しゃかい」であり「ほう支配しはい」にもと法治ほうち国家こっかかつ自由じゆう民主みんしゅ主義しゅぎ国家こっかであることをもっぱらの理由りゆうに、「(投資とうしさきとして)中国ちゅうごくよりも魅力みりょくてき」とし、2010ねんにはムンバイ証券しょうけん取引とりひきしょ (Bombay Stock Exchange, BSE) の発行はっこう株式かぶしきを4%取得しゅとくしてもいる(なお、インド証券しょうけんほうにより、外国がいこくじん投資とうしはインドの証券しょうけん取引とりひきしょ株式かぶしき最大さいだい5%までしか保有ほゆうできない)[よう出典しゅってん]

批評ひひょう

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ファイナンシャル活動かつどうへの批評ひひょう

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批評ひひょうはソロスがかれ私的してき所有しょゆうファンドをつうじて為替かわせ市場いちばたいして不当ふとう影響えいきょうあたえていると主張しゅちょうする。おおくの巨大きょだいヘッジファンド同様どうようかれのファンドはオフショアタックス・ヘイヴン登記とうきされており、とくオランダりょうアンティルキュラソーとう登記とうきされている。

2004ねん8がつにChris Wallaceの「FOX News Sunday」に出演しゅつえんして、アメリカの下院かいん議長ぎちょうデニス・ハスタートは、

我々われわれはジョージ・ソロスの資金しきんがどこからているのからない。我々われわれはそれがひだりのどこからみぎのどこへとはいっていくのからない。ってのとおりソロスの資金しきんのいくらかはうみえてきている。それは、麻薬まやく資金しきんである可能かのうせいもある。我々われわれはそれがどこからているのからない。」

発言はつげんした。これにたいしてソロスは

わたしにいいがかりと間違まちがった事実じじつりつけることによって、あなたは批評ひひょう議論ぎろんおさえて、この管理かんり破滅はめつてき方向ほうこうくにみちびいているとおもっている人々ひとびと脅迫きょうはくしようとしています。わたしがあなたの冤罪えんざいうえであなたを名指なざししたいま、あなたはさらなる中傷ちゅうしょう戦術せんじゅつ使用しようしています。」

とハスタートに反論はんろんした[4]。ソロスは下院かいんのStandards of Official Conductの委員いいんかい公式こうしき不満ふまん提出ていしゅつした。 ソロスは、ハスタートのコメントが「つよく、沈黙ちんもく批評ひひょう中傷ちゅうしょう戦術せんじゅつ脅迫きょうはくうそ使つか慎重しんちょう努力どりょく提案ていあんする」と主張しゅちょうした。

政治せいじ活動かつどうへの批評ひひょう

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ジョージ・ソロスはおおくの批判ひはんをアメリカの共和党きょうわとうイスラエル支持しじしゃたいしてってきた。

ブッシュ政権せいけん支持しじしゃは、かれはんブッシュのキャンペーンへの寄付きふをよくおもってはいない。ニューヨークでのユダヤじんのフォーラムでソロスは、部分ぶぶんてきはんユダヤ主義しゅぎ近年きんねん復活ふっかつをイスラエルとアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく方針ほうしん、そして、かれ自身じしんのような成功せいこうしたユダヤじんによるものであるとかんがえた。

"はんユダヤ主義しゅぎ復活ふっかつが、ヨーロッパにあります。ブッシュ政権せいけんシャロン政権せいけん方針ほうしんは、それに貢献こうけんします。それはとくはんユダヤ主義しゅぎではありませんが、それは同様どうようはんユダヤ主義しゅぎあらわしています。わたしは、それらの方針ほうしん批判ひはんてきです。
我々われわれがその方向ほうこうえるならば、はんユダヤ主義しゅぎ減少げんしょうします。わたしは、ひとがどのように直接ちょくせつそれに直面ちょくめんすることができたかについて、かりません……
あたらしいはんユダヤ主義しゅぎがユダヤじん世界せかい支配しはいするとかんがえているので、わたしわたし自身じしん役割やくわり非常ひじょう心配しんぱいします……わたし行動こうどう意図いとしない結果けっかとして……わたしも、そのユダヤじん世界せかい支配しはいするというイメージに貢献こうけんしています。[5]

これはおそらく、ソロスのカール・ポパー哲学てつがく結果けっか自己じこ批判ひはんたいする結果けっか傾向けいこうであろう。

B・ゴールドバーグは、著書ちょしょアメリカをだめにする100にん人々ひとびと』で、きびしくソロスの哲学てつがく批判ひはんした。

その批評ひひょう

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  • テロにかんして:「『我々われわれは、どうすればテロリストが仕掛しかけたわなからげることができるのだろうか』とかれたずねた。『テロリズムたいする戦争せんそうは、賃金ちんぎんはら戦争せんそうではてないということを認識にんしきすることだけである。我々われわれは、もちろん我々われわれ安全あんぜんまもらなくてはならない。しかし、我々われわれは、テロがつくふかかなしみを修正しゅうせいしていかなくてはならない。犯罪はんざいは、軍事ぐんじ行動こうどうではなく、政治せいじてきりょく必要ひつようなのである』」
  • ブッシュ政権せいけんについて:「ひらかれた社会しゃかいは、社会しゃかい構成こうせいいん構成こうせいいん利益りえき比較ひかくできる程度ていど利益りえき追求ついきゅうする自由じゆう最大限さいだいげん可能かのう程度ていどゆるされている社会しゃかいである。ブッシュ政権せいけんは、たんによりせま自己じこ利益りえき定義ていぎしかっていない。それには、利益りえきふくまれない」
  • ブッシュ政権せいけんについて:「ブッシュ政府せいふ至上しじょう主義しゅぎしゃイデオロギーは、ひらかれた社会しゃかい原理げんり反対はんたい位置いちしています。ひらかれた社会しゃかいは、人々ひとびとにはことなる見方みかたがある、そして、だれもが究極きゅうきょくてき真実しんじつ所有しょゆうしていないとづく社会しゃかいです。至上しじょう主義しゅぎしゃイデオロギーは、我々われわれよりつよいから、我々われわれには分別ふんべつがあって、我々われわれがわ正当せいとうがあると仮定かていします。2002ねん9がつ国家こっか安全あんぜん保障ほしょう戦略せんりゃく最初さいしょぶん[6]大統領だいとうりょう年次ねんじ国家こっか安全あんぜん保障ほしょう目的もくてき会議かいぎ計画けいかく)は、以下いかのことをげます。『自由じゆう全体ぜんたい主義しゅぎあいだの20世紀せいきおおきなたたかいは、自由じゆうちからへの決定的けっていてき勝利しょうり国家こっか成功せいこう唯一ゆいいつ持続じぞく可能かのうなモデルによってわりました。自由じゆう民主みんしゅ主義しゅぎ自由じゆう企業きぎょうせい』」
  • 麻薬まやく合法ごうほうについて:「わたし責任せきにんがあるならば、自分じぶんなにをするかについて、はなしたいとおもいます。わたしは、自分じぶんがほとんどの麻薬まやく製造せいぞうきびしく制御せいぎょした流通りゅうつうネットワーク(クラック合法ごうほうてき利用りようできる)のようにもっと危険きけんなものを除外じょがいして)を確立かくりつします。まず、わたしは、麻薬まやく取引とりひき破壊はかいするのに十分じゅうぶんやす価格かかく維持いじします。一度いちどその目的もくてきをなしげることができれば、今度こんどはタバコの消費しょうひぜいのように価格かかくをかなりつづけます。ただし、犯罪はんざいはばむために登録とうろくされた中毒ちゅうどくしゃのために例外れいがいつくります。そして、防止ぼうし治療ちりょうのために一部いちぶ収入しゅうにゅう使つかい、薬物やくぶつ使用しよう社会しゃかいてき非難ひなん促進そくしんします」
  • 慈善じぜん事業じぎょうについて:「わたしは、つみ意識いしきから、慈善じぜん事業じぎょうをしているわけではありません。また、いかなる公共こうきょうてき関係かんけい創造そうぞうする必要ひつようせいからでもありません。それをする余裕よゆうがあるから、それをしているのです。わたしは、そうしんじています」
  • 株式かぶしき市場いちばバブルについて:「株式かぶしき市場いちばバブルは、なにもないところからは成長せいちょうしません。それは、現実げんじつあやまった概念がいねんによってゆがめられた現実げんじつですが)というしっかりした根拠こんきょつのです」
  • アメリカについて:「わたしハンガリーそだって、ファシズムホロコーストきながらえて、それから、共産きょうさん主義しゅぎ台頭たいとうするという予知よちかんじました。わたしは、はや年齢ねんれいで、どのような政府せいふつことがどれくらい重要じゅうようかについてまなびました。わたしは、自由じゆう民主みんしゅ主義しゅぎ市民しみんてき自由じゆうひらかれた社会しゃかい評価ひょうかしていました。だから、アメリカを自分じぶんいええらびました。また、わたしは、自分じぶん自分じぶん家族かぞくのために、よりおおくのおかねかせいだとき、ひらかれた社会しゃかい自由じゆう原理げんり価値かちかん促進そくしんするために財団ざいだんつくりました」
  • ユダヤじんイスラエルについて:「わたしは、シオニストでも、敬虔けいけんユダヤ教徒きょうとでもありませんが、自分じぶん同胞どうほう──ユダヤじん──にたいしてつよ共感きょうかんいていますし、イスラエルの存亡そんぼうについてふか憂慮ゆうりょしてもいます」
  • パレスチナ問題もんだいについて:「軍事ぐんじてき優位ゆういは、あくまでイスラエル国家こっか安全あんぜん保障ほしょうのために必要ひつようです。しかし、パレスチナ問題もんだい解決かいけつは、純粋じゅんすい軍事ぐんじてき解決かいけつさくでは十分じゅうぶんでなく、(クリントン大統領だいとうりょう認識にんしきしているように)政治せいじてきである必要ひつようがあります」

書籍しょせき

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著作ちょさくしゃまたは共著きょうちょ

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  • ジョージ・ソロス、『ソロスの警告けいこく―ユーロが世界せかい経済けいざい破壊はかいする』、徳間書店とくましょてん、2012/ はらタイトル:FINANCIAL TURMOIL IN EUROPE AND THE UNITED STATES
  • ジョージ・ソロス、『ソロスの講義こうぎろく資本しほん主義しゅぎ呪縛じゅばくえて』講談社こうだんしゃ、2010/ はらタイトル: Soros Lectures: At the Central European University
  • ジョージ・ソロス、『ソロスは警告けいこくする 2009―恐慌きょうこうへのカウントダウン』講談社こうだんしゃ、2009/ はらタイトル: Additional Chapters for The New Paradigm for Financial Markets
  • The New Paradigm for Financial Markets: The Credit Crisis of 2008 and What It Means ジョージ・ソロス『ソロスは警告けいこくする―ちょうバブル崩壊ほうかい悪夢あくむのシナリオ』(徳川とくがわひろわけ講談社こうだんしゃ、2008ねん
  • The Age of Fallibility: Consequences of the War on Terror ジョージ・ソロス世界せかい秩序ちつじょ崩壊ほうかい―「自分じぶんさえよければ」社会しゃかいへの警鐘けいしょう』ランダムハウス講談社こうだんしゃ、2007
  • The Bubble of American Supremacy: Correcting the Misuse of American Power (PublicAffairs, 2003) ISBN 1-58648-217-3 (paperback; PublicAffairs, 2004; ISBN 1-58648-292-0) 『ブッシュへの宣戦せんせん布告ふこく―アメリカ単独たんどく覇権はけん主義しゅぎ危険きけんあやまち』ダイヤモンド社だいやもんどしゃ、2004
  • George Soros on Globalization (PublicAffairs, 2002) ISBN 1-58648-125-8 (paperback; PublicAffairs, 2004; ISBN 1-58648-278-5)『グローバル・オープン・ソサエティ―市場いちば原理げんり主義しゅぎえて』ダイヤモンド社だいやもんどしゃ、2003
  • Open Society: Reforming Global Capitalism (PublicAffairs, 2000) ISBN 1-58648-019-7『ソロスの資本しほん主義しゅぎ改革かいかくろん―オープンソサエティをもとめて』日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃ、2001
  • Science and the Open Society: The Future of Karl Popper's Philosophy by Mark Amadeus Notturno, George Soros (Central European University Press, 2000) ISBN 963-9116-69-6 (paperback: Central European University Press, 2000; ISBN 963-9116-70-X) わけ
  • The Crisis of Global Capitalism: Open Society Endangered (PublicAffairs, 1998) ISBN 1-891620-27-4『グローバル資本しほん主義しゅぎ危機きき―「ひらかれた社会しゃかい」をもとめて』日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃ、1999
  • Soros on Soros: Staying Ahead of the Curve (John Wiley, 1995) ISBN 0-471-12014-6 (paperback; Wiley, 1995; ISBN 0-471-11977-6)『ジョージ・ソロス』テレコムスタッフ、1996
  • Underwriting Democracy(民主みんしゅ主義しゅぎ保証ほしょう): Encouraging Free Enterprise and Democratic Reform Among the Soviets and in Eastern Europe (Free Press, 1991) ISBN 0-02-930285-4 (paperback; PublicAffairs, 2004; ISBN 1-58648-227-0)わけ
  • Opening the Soviet System(ソヴィエト体勢たいせい開放かいほう) (Weidenfeld & Nicholson, 1990) ISBN 0-297-82055-9 (paperback: Perseus Books, 1996; ISBN 0-8133-1205-1)わけ
  • The Alchemy of Finance (Simon & Schuster, 1987) ISBN 0-671-66238-4 (paperback: Wiley, 2003; ISBN 0-471-44549-5)『相場そうばしんむ』講談社こうだんしゃ(1988)、『ソロスの錬金術れんきんじゅつ総合そうごう法令ほうれい出版しゅっぱん(1996、2009)
  • ジョージ・ソロスほか『混乱こんらん本質ほんしつ』(土曜どようしゃ、2012)
  • ジョージ・ソロスほか『世界せかいかんがえる』(土曜どようしゃ、2013)
  • ジョージ・ソロスほか『世界せかいろん』(土曜どようしゃ、2014)
  • ジョージ・ソロスほか『秩序ちつじょ喪失そうしつ』(土曜どようしゃ、2015)
  • ジョージ・ソロスほか『安定あんていとそのてき』(土曜どようしゃ、2016)

伝記でんき

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  • Soros: The Life and Times of a Messianic Billionaire by Michael T. Kaufman (Alfred A. Knopf, 2002) ISBN 0-375-40585-2
  • Soros: The Unauthorized Biography, the Life, Times and Trading Secrets of the World's Greatest Investor by Robert Slater (McGraw-Hill, 1997) ISBN 0-7863-1247-5

寄与きよしたもの

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  • MoveOn's 50 Ways to Love Your Country: How to Find Your Political Voice and Become a Catalyst for Change by MoveOn.org (Inner Ocean Publishing, 2004) ISBN 1-930722-29-X

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ ひとしんじているものはなにであれ、あやまりをふくんでいることがある。ゆえに、その信念しんねんをよりいものにするための批判ひはん精神せいしんわすれてはならない」とする哲学てつがくてき姿勢しせいひとつ。

出典しゅってん

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  1. ^ ジョージ・ソロス、日本にっぽん中国ちゅうごく米国べいこくらのだい3世界せかい大戦たいせん勃発ぼっぱつ予想よそうビジネスジャーナル
  2. ^ 岩田いわた太郎たろう (2018ねん10がつ16にち). “世界せかいさんだい投資とうし徹底てってい比較ひかく ロジャーズ、バフェット、ソロス”. ZUU online. 2023ねん3がつ24にち閲覧えつらん
  3. ^ http://www.streetstories.com/James_Rogers.htm
  4. ^ http://dealbook.nytimes.com/2011/07/26/soros-to-close-fund-to-outsiders/
  5. ^ http://www.institutionalinvestorsalpha.com/Article/3307105/Study-Soros-Tops-Historical-Hedge-Fund-Performers.htm
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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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伝記でんき

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その

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スピーチ

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書籍しょせき

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ソロスの思案しあんについての学究がっきゅうてき見解けんかい

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  • Bryant, C. G. A. (2002). 'George Soros's theory of reflexivity: a comparison with the theories of Giddens and Beck and a consideration of its practical value', Economy and Society, 31 (1), pp. 112-131.
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インタビュー

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