チワン語ご

チワン語ご 壮語そうご
Vahcuengh
話はなされる国くに	中国ちゅうごく ベトナム
地域ちいき	中国ちゅうごく広西ひろせチワン族ぞく自治じち区く、貴き州しゅう省しょう、雲南うんなん省しょう、広東かんとん省しょう、ベトナム北部ほくぶ
話者わしゃ数すう	1800万まん人にん
言語げんご系統けいとう	タイ・カダイ語族ごぞく（シナ・チベット語族ごぞく説せつも） カム・タイ語ご派は タイ・チワン諸語しょご チワン語ご
表記ひょうき体系たいけい	ラテン文字もじ
公的こうてき地位ちい
公用こうよう語ご	広西ひろせチワン族ぞく自治じち区く
統制とうせい機関きかん	広西ひろせチワン族ぞく自治じち区く少数しょうすう民族みんぞく言語げんご標準ひょうじゅん化か工作こうさく委員いいん会かい
言語げんごコード
ISO 639-1	za
ISO 639-2	zha
ISO 639-3	zha – マクロランゲージ 個別こべつコード: zch — 中ちゅう紅べに水すい河かわ壮語そうご zeh — 東ひがし紅べに水すい河かわ壮語そうご zgb — 桂かつら北きた壮語そうご zgm — 民みん講こう zgn — 桂かつら邊あたり壮語そうご zhd — 文ぶん麻あさ壮語そうご zhn — 硯すずり廣壮こうそう語ご zlj — 柳やなぎ江こう壮語そうご zln — 連山れんざん壮語そうご zlq — 柳やなぎ黔壮語ご zqe — 丘おか北きた壮語そうご zyb — 邕北壮語そうご zyg — 德とく靖やすし壮語そうご zyj — 右みぎ江こう壮語そうご zyn — 邕南壮語そうご zzj — 左ひだり江こう壮語そうご

チワン語ご（チワンご、Vahcuengh/Vaƅcueŋƅ，古こ壮たけし字じ: 話はなし僮/话僮，中国ちゅうごく語ご: 壮語そうご/壯語そうご/僮語/僮语/Zhuàngyǔ）は、中国ちゅうごく南部なんぶの広西ひろせチワン族ぞく自治じち区くを中心ちゅうしんに、周辺しゅうへんの雲南うんなん省しょう、貴き州しゅう省しょう、広東かんとん省しょう、ベトナム北部ほくぶなどに住すむチワン族ぞくの言語げんご。約やく1800万まん人にんの話者わしゃがいる。

概要がいよう

語彙ごいや音韻おんいんの面めんでタイ語ごと深ふかい関連かんれんを持もち、同系どうけい言語げんごと考かんがえられる。主おもに北部ほくぶ方言ほうげんと南部なんぶ方言ほうげんに分わかれ、その差異さいは比較的ひかくてき大おおきい。北部ほくぶ方言ほうげんの場合ばあい、標準ひょうじゅん的てきとされる広西ひろせチワン族ぞく自治じち区く南みなみ寧やすし市し武たけ鳴な区く（旧きゅう・武たけ鳴な県けん）の発音はつおんでは、6つの声調せいちょうを持もつ声調せいちょう言語げんごである。

母音ぼいんには長短ちょうたんの対立たいりつが見みられる。有ゆう声ごえ破裂はれつ音おんの b と d に軽かるい吸着きゅうちゃくがみられ、mb, nd と表記ひょうきされる。n に対たいする ny のように、口蓋こうがい化かした子音しいん群ぐんがある。語法ごほうの面めんでは、語形ごけい変化へんかや性せいは無なく、豊富ほうふな類別るいべつ詞しを持もつ。基本きほん的てきに修飾しゅうしょく語ごは被ひ修飾しゅうしょく語ごの後のちに置おかれる。広東かんとん語ごを含ふくむ中国ちゅうごく語ごからの借用しゃくよう語ごが多おおい。

チワン語ごの書籍しょせき

文字もじ

正書法せいしょほうとしてもともと大衆たいしゅうが使つかえる文字もじは無なかったが、祭祀さいし者ものは経典きょうてんや祭祀さいし方法ほうほうなどを記録きろくするために古こ壮たけし字じを考案こうあんして使用しようしていた。古こ壮たけし字じは、漢字かんじをそのまま借用しゃくようして当あて字じや訓読くんよみに使つかったり、漢字かんじの構成こうせい法ほうを利用りようして作つくり出だした漢字かんじ風ふうの文字もじで、1300年ねん以上いじょう前まえから使つかわれていたことが知しられており、字じ種しゅも1万まん種しゅ以上いじょうが確認かくにんされている。

1957年ねんにはラテン文字もじを基本きほんにし、声調せいちょう等とうの表記ひょうきにキリル文字もじなどを取とり入いれた表記ひょうき法ほうが定さだめられたが、印刷いんさつの不便ふべんなどから、1982年ねんにはラテン文字もじだけの表記ひょうきが新あらたに定さだめられた。しかし方言ほうげんの表記ひょうきがしづらく、中国ちゅうごく語ごを理解りかいする人ひとが多おおいため、普及ふきゅうの度合どあいは低ひくい。広西ひろせチワン族ぞく自治じち区内くないの多おおくの役所やくしょや駅えきの看板かんばんは、漢字かんじとラテン文字もじ化かによるチワン語ごの併記へいきがなされており、中国ちゅうごくの人民元じんみんげ紙幣しへいにもチワン語ごが併記へいきされている。

発音はつおんと表記ひょうき法ほう

子音しいん

IPA	1957	1982	IPA	1957	1982	IPA	1957	1982	IPA	1957	1982	IPA	1957	1982
[p]	B b	B b	[ɓ]	Ƃ ƃ	Mb mb	[m]	M m	M m	[f]	F f	F f	[p̚]	P p	P p
[t]	D d	D d	[ɗ]	Ƌ ƌ	Nd nd	[n]	N n	N n	[θしーた]	S s	S s	[t̚]	T t	T t
[k]	G g	G g	[ɣ]	R r	R r	[ŋ]	Ŋ ŋ	Ng ng	[h]	H h	H h	[k̚]	K k	K k
[ɕ]	C c	C c	[j]	Y y	Y y	[ɲ]	Ny ny	Ny ny	[l]	L l	L l	[v]	V v	V v
[pj]	By by	By by	[kj]	Gy gy	Gy gy	[mj]	My my	My my	[kv]	Gv gv	Gv gv	[ŋv]	Ŋv ŋv	Ngv ngv

• 韻いん尾おの内うち破やぶ音おと p, t, k は、第だい8声ごえ（中ちゅう促調）の場合ばあいには b, d, g と表記ひょうきする。

母音ぼいん

IPA	1957	1982
[a]	A a	A a
[e]	E e	E e
[ɘ]	Ə ə	AE ae
[i]	I i	I i
[o]	O o	O o
[u]	U u	U u
[ɯ]	Ɯ ɯ	W w

声調せいちょう

声調せいちょう番号ばんごう	調しらべ類るい	五ご度ど式しき	1957	1982
1	中ちゅう昇のぼり調ちょう	24	(表示ひょうじなし)
2	低てい降くだ調ちょう	31	Ƨ ƨ	Z z
3	高平たかひら調ちょう	55	З з	J j
4	中ちゅう降くだ調ちょう	42	Ч ч	X x
5	高こう昇のぼる調ちょう	35	Ƽ ƽ	Q q
6	中平なかひら調ちょう	33	Ƅ ƅ	H h
7	高こう促調	55・35	(韻いん尾おが p、t、k)
8	中ちゅう促調	33	(韻いん尾おが b、d、g)

• 第だい7声ごえ（高こう促調）は、韻いん母ははが長ちょう母音ぼいんの場合ばあいには昇のぼり促調 (35) となる。

関連かんれん項目こうもく

• タイ語ご
• 古こ壮たけし字じ
• チワン族ぞく

外部がいぶリンク

• もりの壮語そうご（チワン語ご）講座こうざ - ウェイバックマシン（2003年ねん6月がつ21日にちアーカイブ分ぶん）
• 中嶋なかじま幹みき起おこり，"A report on the basic vocabularies of the Tai dialectal variation of Wuming". アジア・アフリカ言語げんご文化ぶんか研究けんきゅう, No.20, 1980-12-25, 東京外国語大学とうきょうがいこくごだいがくアジア・アフリカ言語げんご文化ぶんか研究所けんきゅうじょ
• Aen Banjsawcuengh Yinzminzvangj--人民じんみん网壮语