ビワハヤヒデ

ビワハヤヒデ
2008年ねん10月がつ30日にち撮影さつえい（日にち西にし牧場ぼくじょうにて）
欧字おうじ表記ひょうき	Biwa Hayahide
品種ひんしゅ	サラブレッド
性別せいべつ	牡おす
毛色けいろ	芦あし毛げ
生誕せいたん	(1990-03-10) 1990年ねん3月がつ10日とおか
死没しぼつ	(2020-07-21) 2020年ねん7月がつ21日にち（30歳さい没ぼつ）
父ちち	シャルード
母はは	パシフィカス
母ははの父ちち	Northern Dancer
生国しょうごく	日本にっぽん 福島ふくしま県けん伊達だて郡ぐん桑折こおり町まち
生産せいさん者しゃ	早田そうだ牧場ぼくじょう
馬主ばしゅ	（有）ゆうげんがいしゃビワ
調教ちょうきょう師し	濱田はまだ光正みつまさ（栗東りっとう）
厩うまや務つとむ員いん	豊沢とよさわ正夫まさお →荷に方かた末まつ盛もり
競走きょうそう成績せいせき
タイトル	JRA賞しょう年度ねんど代表だいひょう馬ば（1993年ねん） JRA賞しょう最優秀さいゆうしゅう4歳さい牡馬ぼば（1993年ねん） JRA賞しょう最優秀さいゆうしゅう5歳さい以上いじょう牡馬ぼば（1994年ねん）
生涯しょうがい成績せいせき	16戦せん10勝しょう
獲得かくとく賞金しょうきん	8億おく9767万まん5000円えん
勝かち鞍くら GI 菊花賞きっかしょう 1993年ねん GI 天皇てんのう賞しょう（春はる） 1994年ねん GI 宝塚たからづか記念きねん 1994年ねん GII デイリー杯はい3歳さいS 1992年ねん GII 神戸こうべ新聞しんぶん杯はい 1993年ねん GII 京都きょうと記念きねん 1994年ねん GIII オールカマー 1994年ねん

ビワハヤヒデ（欧字おうじ名めい:Biwa Hayahide、1990年ねん3月がつ10日とおか - 2020年ねん7月がつ21日にち）は、日本にっぽんの競走きょうそう馬ば、種たね牡馬ぼば。

1992年ねんに中央ちゅうおう競馬けいばでデビューし、早はやくから頭角とうかくを現あらわす。翌よく1993年ねんのクラシック三さん冠かん路線ろせんではナリタタイシン、ウイニングチケットと共ともに、それぞれの頭文字かしらもじから「BNW」と呼よばれたライバル関係かんけいを築きずき、ビワハヤヒデは三さん冠かんのうち最終さいしゅう戦せんの菊花賞きっかしょうを制せいした。1994年ねんには古こ馬うま（5歳さい以上いじょう馬うま）最強さいきょう馬ばとして確固かっこたる地位ちいを築きずき、天皇てんのう賞しょう（春はる）、宝塚たからづか記念きねんを優勝ゆうしょう。同年どうねん、半はん弟おとうと（異父いふ弟おとうと）のナリタブライアンがクラシック戦線せんせんで圧倒的あっとうてきな強つよさを見みせ、年末ねんまつの有馬ありま記念きねんでの兄弟きょうだい対決たいけつに期待きたいが寄よせられたが、天皇てんのう賞しょう（秋あき）でビワハヤヒデが故障こしょう、引退いんたいしたことにより実現じつげんせず終おわった。通算つうさん16戦せん10勝しょう。デビュー以来いらいの15戦せん連続れんぞく連れん対たい（2着ちゃく以内いない）はシンザンに次つぐ中央ちゅうおう競馬けいば史上しじょう第だい2位いの記録きろくである。1993年度ねんどJRA年度ねんど代表だいひょう馬ばおよび最優秀さいゆうしゅう4歳さい牡馬ぼば、1994年度ねんど同どう最優秀さいゆうしゅう5歳さい以上いじょう牡馬ぼば。

生涯しょうがい

生おい立たち

本馬ほんまの母はは・パシフィカスは1990年ねんにイギリスのニューマーケットで開催かいさいされたセリ市しにおいて、日本にっぽんから参加さんかしていた早田そうだ光一郎こういちろうに3万まん1千せんギニー（約やく560万まん円えん）で落札らくさつされた。当時とうじ無名むめいの種たね牡馬ぼばシャルードの仔こを受胎じゅたいした状態じょうたいで、日本にっぽんへの移動いどう後ごは早田そうだが経営けいえいする早田そうだ牧場ぼくじょう新冠にいかっぷ支ささえ場じょう（北海道ほっかいどう新冠にいかっぷ町まち）へ運はこばれ、出産しゅっさんを迎むかえる予定よていだった。しかし、バブル景気けいきの好こう況きょうで欧米おうべいから続々ぞくぞくと繁殖はんしょく馬ばが輸入ゆにゅうされていたことで検疫けんえき許可きょかが大おおきくずれ込こみ、成田空港なりたくうこう到着とうちゃく時じには出産しゅっさん予定よてい日びが間近まぢかに迫せまっていた。パシフィカスは急遽きゅうきょ福島ふくしま県けんの早田そうだ牧場ぼくじょう本場ほんばに運はこばれ、3月がつ10日とおか、イギリスからの持込もちこめ馬ばとして後のちのビワハヤヒデを出産しゅっさん。こうした経緯けいいからビワハヤヒデは戦後せんごの競走きょうそう馬ばとしては数少かずすくない福島ふくしま県けん産さん馬ばとなった。生後せいごすぐに新冠にいかっぷ支ささえ場じょうに移動いどうした。

生後せいご1カ月かげつの頃ころ、馬うま選えらびの代理人だいりにん業ぎょうを行おこなっていた日ひ西にし牧場ぼくじょう社長しゃちょう・高山たかやま裕ひろし基もとに見初みそめられ、高山たかやまが勧すすめた馬主ばしゅの中島なかじま勇いさむに購買こうばいされた。同年どうねん秋あきに中島なかじまから馬うまの検分けんぶんを依頼いらいされた後のちの管理かんり調教ちょうきょう師し・浜田はまだ光正みつまさは、当時とうじの印象いんしょうについて「まだ身体しんたいができてない感かんじだった。体型たいけい的てきにも頭あたまが大おおきくて、脚あしも太ふとかった。規格きかくから外はずれた感かんじだよね。ただ血統けっとうが良よかったから。肌はだにノーザンダンサーというのはなかなかいない。だからビワハヤヒデの体型たいけい的てきなものは、それほど気きにしなかった」と語かたっている。しかし2歳さいの秋あきに牧場ぼくじょうの牧まき柵しがらみに激突げきとつし、右みぎ前肢ぜんしヒザ下かの管かん骨こつ付近ふきんの皮かわを10cmほど木きでえぐる事故じこを起おこす。浜田はまだによるとビワハヤヒデの脚あしには10円えん玉だまほどの大おおきさの傷きずがつき、幸さいわいにも傷きずが中筋なかすじまで1cmを残のこして到達とうたつしていなかったため大事だいじには至いたらなかったが、わずかでも事故じこの箇所かしょがずれて腱けんを損傷そんしょうしていたら競走きょうそう生命せいめいを絶たたれていたほどの怪我けがであったという。この怪我けがで負おった傷跡きずあとは後々あとあとまで残のこったが、浜田はまだは間一髪かんいっぱつのところで競走きょうそう生命せいめいを失うしなわずに助たすかったことで、ビワハヤヒデが強つよ運うんな馬うまだと思おもったと振ふり返かえっている。

競走きょうそう年齢ねんれいの3歳さいに達たっした1992年ねん4月がつ1日にち、同おなじ早田そうだ牧場ぼくじょうが所有しょゆうするビワミサキとともに、滋賀しが県けん栗東りっとうトレーニングセンターの浜田はまだ厩舎きゅうしゃに入はいる。競走きょうそう名めいは中島なかじまが使用しようする冠かんむり名めい「ビワ」に、「速はやさに秀ひいでる」との願ねがいを込こめた「ビワハヤヒデ」と命名めいめいされた。入にゅう厩うまや直後ちょくごは、重じゅう賞しょう優勝ゆうしょう馬ばを兄あにに持もつビワミサキの方ほうに注目ちゅうもくが集あつまっていた。デビュー前まえに当時とうじ小倉おぐら3歳さいステークスを目標もくひょうに調教ちょうきょうされていた僚馬のビワミサキの調教ちょうきょう相手あいてに浜田はまだはビワハヤヒデを抜擢ばってきし、浜田はまだは「1秒びょうは遅おくれるだろう」と見みていたが、ビワハヤヒデは半はんマイルからムチを50発はつ以上いじょう受うけながらもビワミサキに食くらいつき、「えらい根性こんじょうのある馬うまだなあ。こりゃ、デビュー戦せんが楽たのしみだ」と浜田はまだを感心かんしんさせた。

競走きょうそう馬ば時代じだい

3歳さい（1992年ねん）

当初とうしょは8月がつの小倉おぐら競馬けいば場じょうでのデビューが予定よていされていたが、体調たいちょうを崩くずしたことで9月13日にちの阪神はんしん競馬けいば場じょうで初戦しょせんを迎むかえた。浜田はまだは熊沢くまさわ重文しげふみに騎乗きじょうを依頼いらいしたが、同おなじ新しん馬うま戦せんでデビューするダンシングサーパスへの騎乗きじょうを理由りゆうに断ことわられたため、当時とうじデビュー5年ねん目めの岸きし滋彦しげひこを鞍くら上じょうに迎むかえた。当日とうじつは2番ばん人気にんきに推おされると、2着ちゃくに大差たいさ（10馬身ばしん以上いじょう）、タイムにして1秒びょう7差さをつけての圧勝あっしょうを収おさめた。続つづくもみじステークスもレコードタイムで勝利しょうりを収おさめたが、このレース後ごに初代しょだい厩うまや務つとむ員いんの豊沢とよさわ正夫まさおががんにより亡なくなり、代役だいやくとして荷に方かた末まつ盛もりを厩うまや務つとむ員いんに迎むかえた。次つぎ走はしに浜田はまだは翌年よくねんの皐月さつき賞しょうを見据みすえて1800mの京都きょうと3歳さいステークスに出走しゅっそうさせようとしたが、「重じゅう賞しょうを」という中島なかじまの要望ようぼうを容いれ、前ぜん2走はしから距離きょりが200m短縮たんしゅくされるデイリー杯はい3歳さいステークスに出走しゅっそう。浜田はまだは「前半ぜんはん取とり残のこされないか」と危惧きぐしたが、2着ちゃくに2馬身ばしん弱じゃくをつけ、芝しば1400mの3歳さいレコードを一挙いっきょに1秒びょう2短縮たんしゅくする1分ふん21秒びょう7のタイムで勝利しょうりした。レース後ごに岸きしは「まだ遊あそびながら走はしってますよ」とコメントした。

12月13日にち、3歳さい牡馬ぼばナンバーワン決定けってい戦せんである朝日あさひ杯はい3歳さいステークスに出走しゅっそう。ビワハヤヒデは競馬けいばマスコミから「オグリキャップ、メジロマックイーンの再来さいらい」と書かき立たてられ、当日とうじつは単勝たんしょうオッズ1.3倍ばい、2番ばん人気にんきのニホンピロスコアーが8.5倍ばいという圧倒的あっとうてきな1番ばん人気にんきに支持しじされた。レースでは道中どうちゅう中団ちゅうだんから最終さいしゅうコーナーにかけて進出しんしゅつしたが、直線ちょくせんほぼ並ならぶ形かたちで抜ぬけ出だしたエルウェーウィンにハナ差さ競せり負まけ、2着ちゃくと敗やぶれた。デビュー後ご初はつとなる黒星くろぼしを喫きっしたが、エルウェーウィン鞍くら上じょうの南井みない克巳かつみは、「1馬身ばしん以上いじょうは抜ぬけ出だす手応てごたえだったのに、ハナ差さ勝がちとは…。ビワハヤヒデは相当そうとうに強つよい馬うまです」とコメントした。岸きしはエルウェーウィンの主戦しゅせん騎手きしゅも務つとめており、ビワハヤヒデの鞍くら上じょうを選えらんだことで南井みないに乗のり替かわっていた。最優秀さいゆうしゅう3歳さい牡馬ぼばのタイトルもエルウェーウィンが受賞じゅしょうしたが、当時とうじの規定きていでは外国がいこく産さん馬ばであるエルウェーウィンに翌年よくねんのクラシック競走きょうそうへの出走しゅっそう権けんはなかったため、クラシック路線ろせんに向むけての最さい有力ゆうりょく馬ばという評価ひょうかは確たしかなものであった。

4歳さい（1993年ねん）

騎手きしゅ交替こうたい

4歳さいとなった翌よく1993年ねん初戦しょせんには、東京とうきょう優ゆう駿しゅん（日本にほんダービー）を見越みこして同どう場ば開催かいさいの共同通信きょうどうつうしん杯はい4歳さいステークスに出走しゅっそう。単勝たんしょうオッズは再ふたたび1.3倍ばいの本命ほんめいとなったが、先行せんこうしたマイネルリマークを捉とらえきれず、前まえ走はしに続つづいてハナ差さで敗やぶれた。調整ちょうせい途上とじょうでの惜敗せきはいでもあったため浜田はまだはこの敗戦はいせんを大おおきく捉とらえることはなかったが、馬主ばしゅの中島なかじまは不満ふまんを抱いだき、騎手きしゅの交替こうたいを要求ようきゅう。浜田はまだは中島なかじまと3度ど話はなし合あいを行おこない、岸きしの責任せきにんではないと留保りゅうほを求もとめたが、中島なかじまの騎手きしゅ交代こうたいに対たいする意志いしが堅かたいと感かんじると、栗東りっとうの厩舎きゅうしゃの応接間おうせつまで岸きしを呼よび、自みずから今回こんかいの事情じじょうと中島なかじまの意向いこうを伝つたえた。このような形かたちで納得なっとくを得えたところで、岸きしはビワハヤヒデの主戦しゅせん騎手きしゅから降板こうばんすることになった。岸きしは共同通信きょうどうつうしん杯はいの敗戦はいせんと降板こうばんについて、「完全かんぜんに油断ゆだん負まけです。相手あいてをナメてはいけないということを、ビワハヤヒデから教おそわりました。クラシックでの乗のり方かたなどもいろいろ考かんがえていたのですが、（このレースで）負まけたのだから、降おろされることは覚悟かくごしていました」と述懐じゅっかいしている。

浜田はまだは新あらたな騎手きしゅとして「天才てんさい」と称しょうされていた武たけ豊ゆたかを推薦すいせんしたものの、中島なかじまは「武たけ君くんもキャリアが浅あさいから危あぶない」とこの提案ていあんを退しりぞけ、「ベテランの騎手きしゅ」を要望ようぼうした。そんな中なかで、中島なかじまが「世界せかいの競馬けいばに進出しんしゅつしているし、東京とうきょう・中山なかやま共どもにコースを熟知じゅくちしている」ということで、関東かんとうのトップジョッキーである岡部おかべ幸雄ゆきおを新あらたな鞍くら上じょうに希望きぼうした。しかし、この時とき浜田はまだ・中島なかじまともに岡部おかべとの面識めんしきが無なく、最初さいしょの交渉こうしょうでは代理人だいりにんを介かいして騎乗きじょうを依頼いらいしたものの、岡部おかべ側がわから面識めんしきがないことを理由りゆうに断ことわられたため以降いこうの依頼いらいは難航なんこうした。この事実じじつが明あかるみに出でた際さいには関西かんさいのマスコミやファンの間あいだから「なにも関東かんとうの騎手きしゅにそこまでして頼たのまなくてもいいのではないか」という不満ふまんの声こえも上あがった。しかし中島なかじまが粘ねばり強づよく直接ちょくせつ依頼いらいを続つづけた結果けっか、岡部おかべは「三顧さんこの礼れい」に応こたえる形かたちでビワハヤヒデへの騎乗きじょうを承諾しょうだくした。しかしながら、当時とうじの岡部おかべはビワハヤヒデに対たいして「早熟そうじゅくのマイラーではないか」という印象いんしょうを抱だいており、またクラシック戦線せんせんにおいては朝日あさひ杯はい5着ちゃくのニホンピロスコアーに期待きたいを寄よせていたことから、この時点じてんでの騎乗きじょうは「一いち度ど乗のって感触かんしょくを確認かくにんする」というものに過すぎなかった。

岡部おかべとの初はつコンビとなった若葉わかばステークス（皐月さつき賞しょうトライアル）は8頭とう立だての少しょう頭数とうすうでの競馬けいばとなり、ビワハヤヒデは鞍くら上じょう強化きょうかが乗じょうじて単勝たんしょうオッズ1.3倍ばいの1番ばん人気にんきに支持しじされた。道中どうちゅうは3番手ばんてに位置いちし、4コーナー手前てまえでレースを引ひっ張ぱったケントニーオーに並ならびかけ、直線ちょくせんに入はいって先頭せんとうに立たつと、岡部おかべが鞭むちを振ふるうことなく2着ちゃくに2馬身ばしん差さをつけ楽勝らくしょう。レース後ごに岡部おかべは後続こうぞく馬ばを寄よせ付つけなかった結果けっかについて、「もう少すこし厳きびしいレースをさせたかったんだが…」とコメントしたが、この後のち岡部おかべの他ほかの有力ゆうりょく騎乗きじょう馬ばが相次あいついで故障こしょうしたため、コンビを継続けいぞくすることが決定けっていした。

春はる二に冠かんの惜敗せきはい

クラシック初戦しょせん・皐月さつき賞しょう（4月がつ18日にち）では、前哨ぜんしょう戦せんの弥生やよい賞しょうを制せいしたウイニングチケット（柴田しばた政人まさと騎乗きじょう）に次つぐ2番ばん人気にんき（単勝たんしょうオッズ3.5倍ばい）に支持しじされた。レースでは先行せんこう集団しゅうだんを見みる形かたちで6番手ばんてにつけて道中どうちゅうを進すすみ、最終さいしゅうコーナーで2番手ばんてまで進出しんしゅつ。最後さいごの直線ちょくせんでは伸のびきれないウイニングチケットを尻目しりめに半なかばで抜ぬけ出だしたが、後方こうほうから両りょう馬うまの動うごきを窺うかがっていたナリタタイシン（武豊たけとよ騎乗きじょう）が大だい外そとから一気いっきに追おい込こみ、ビワハヤヒデはゴール直前ちょくぜんでナリタタイシンにクビ差さかわされ2着ちゃくに敗やぶれた。ウイニングチケットは5着ちゃくで入線にゅうせんしたが、3着ちゃくで入線にゅうせんしたガレオンが降着こうちゃくとなったため、繰くり上あがりでの4着ちゃくとなった。

岡部おかべは競走きょうそう後ごのインタビューで「相手あいての馬うまが強つよかった。しょうがない。ただ、直線ちょくせんでもう少すこし馬うま体たいが合あっていたら、結果けっかは違ちがっていたかも……。馬うまが正直しょうじきに走はしりすぎて2000メートル以上いじょう走はしっているよ」などと敗戦はいせんの弁べんを述のべた。浜田はまだは後のちにこの競走きょうそうを振ふり返かえり、「あの瞬間しゅんかんはあっけにとられて、呆然ぼうぜんとしてしまいましたよ。坂上さかがみでウイニングを競せり落おとしたところで、よし勝かったと。それが、手ての中なかに入はいった瞬間しゅんかん、ポロッとこぼれ落おちちゃったんですからね。それにしても、こちらが乗のってもらおうと思おもって、結局けっきょくやめてしまった武たけ君くんにやられたんだから、皮肉ひにくなものですね」と語かたっている。皐月さつき賞しょうはビワハヤヒデとウイニングチケットの二に強きょう争あらそいと見みられていたが、これをナリタタイシンが勝利しょうりしたため、「BNW」と称しょうされたライバル関係かんけいが築きずかれることとなった。

5月30日にちのクラシック第だい2戦せん・日本にほんダービーでは、皐月さつき賞しょうで4着ちゃくに敗やぶれたウイニングチケットが前まえ走はしに続つづき1番ばん人気にんき、次ついでビワハヤヒデ、ナリタタイシンの人気にんき順じゅんだったが、オッズはそれぞれ3.6倍ばい、3.9倍ばい、4.0倍ばいと拮抗きっこうし、「三さん強きょう対決たいけつ」の様相ようそうを呈ていした。スタートが切きられると3頭とうはそれぞれ中団ちゅうだんから後方こうほうに位置いち。第だい3コーナーから最終さいしゅうコーナーにかけて、岡部おかべ・ビワハヤヒデは前まえへ進出しんしゅつしつつ荒あれた状態じょうたいの馬場内ばばうち側がわを避さけ、外そと向むきに進路しんろを取とった。しかし直後ちょくごにつけていた柴田しばた・ウイニングチケットは、他馬たばが避さけた内側うちがわの最短さいたん距離きょりを通とおり、一気いっきに先頭せんとうに立たった。最後さいごの直線ちょくせんでビワハヤヒデは逃にげるウイニングチケットを追つい走そうし徐々じょじょに差さを詰つめたが、半はん馬身ばしんおよばず皐月さつき賞しょうに続つづいての2着ちゃくとなった。3着ちゃくには追おい込こんだナリタタイシンが入はいった。

岡部おかべは競走きょうそう後ごのインタビューで「4コーナーでウイニングチケットについていきたかったが、動うごけなかった。瞬発しゅんぱつ力りょくの差さだ。それに内うちラチ沿ぞいは荒あれていて、入はいる自信じしんがなかった。ビワの状態じょうたいもよかったけど、パドックではウイニングが一番いちばん良よく見みえたし、（柴田しばたは）自信じしんがあったから入いれたんだろうね。直線ちょくせんではよく差さを詰つめたけど、かわせるとは思おもえなかった」などと述のべたが、「力ちからは出だし切きれたと思おもうよ。勝かった馬うまが強つよすぎたよ」とコメントし、ウイニングチケットとこれがダービー初はつ勝利しょうりとなった同期どうきの柴田しばたを称となえた。浜田はまだは馬場ばば状態じょうたいの良よいところを通とおらせた岡部おかべの判断はんだんに理解りかいを示しめしつつ「それよりも大だい欅けやき（注ちゅう：第だい3コーナー手前てまえ）のあたりから4コーナーまでの、300メートルがレースを左右さゆうしたと思おもいますよ。岡部おかべ君くんは大だい欅けやきのところから馬うまを外そとに出だしたんですが、前まえにいたドージマムテキが急きゅうにバテて下さがったため、せっかく外そとに行いったものを、また内うちに入はいらざるを得えないというロスがあったんです。あれが何なににしても痛いたかった」と回顧かいこしている。

春はるの二に冠かんはどちらも2着ちゃくという結果けっかについて、浜田はまだは「環境かんきょうの変化へんかによる食欲しょくよく減退げんたいが原因げんいん。決けっして力負ちからまけではない」とした。しかしビワハヤヒデは一部いちぶのマスコミから「勝負しょうぶ弱よわい」「距離きょりの持もたないマイラー」と書かき立たてられ、なかには岡部おかべの手際てぎわが悪わるいと指摘してきしたマスコミや、「ダート馬うまではないか」と書かき立たてたマスコミもいた。

菊花賞きっかしょう制覇せいは - 年度ねんど代表だいひょう馬ばとなる

日本にほんダービーの後のち、他たの有力ゆうりょく馬ばは夏なつの間あいだの休養きゅうように入はいったが、ビワハヤヒデは栗東りっとうに残のこり調教ちょうきょうが続つづけられた。秋あきになって本格ほんかく的てきな調教ちょうきょうが始はじまるに当あたり、浜田はまだは切きれ味あじに課題かだいが残のこるビワハヤヒデに対たいし、ウイニングチケットやナリタタイシンに負まけない瞬発しゅんぱつ力りょくを身みに付つけさせようとハードトレーニングを行おこなうことを決意けつい。そこで浜田はまだは、ビワハヤヒデが惜敗せきはいした皐月さつき賞しょう・東京とうきょう優ゆう駿しゅんを前年ぜんねん無敗むはいで優勝ゆうしょうし、この年としの5月がつに亡なくなった戸山とやま為ため夫おっとの徹底てっていした坂路さかじ調教ちょうきょうで鍛きたえられたことで知しられるミホノブルボンに倣ならい、従来じゅうらいの坂路さかじ2本ほんを週しゅう6日にちというスケジュールを水みず・金きむ・日曜日にちようびは3本ほんに増ふやすというものに変更へんこうした。当初とうしょビワハヤヒデは苦くるしがる様子ようすを見みせ、3本ほん追おいの3本ほん目めには馬場ばば入いりを嫌いやがり動うごかなくなってしまうこともあったものの、やがて調教ちょうきょうタイムが如実にょじつに向上こうじょうするなど成果せいかが現あらわれていった。結果けっか的てきにこのハードトレーニングが功こうを奏そうし、ビワハヤヒデはがっしりとした馬うま体たいに成長せいちょうした。その一方いっぽうで、ビワハヤヒデは物音ものおとに対たいして臆病おくびょうな面めんがあったことから耳みみ覆おおいのついた赤あかいメンコ（覆面ふくめん）を着用ちゃくようしていたが、浜田はまだと岡部おかべの話はなし合あいによって「外部がいぶとの接触せっしょくを多おおく持もたせることによって、勝負しょうぶに敏感びんかんに反応はんのうさせようという狙ねらい」から外はずされることが決きまり、耳みみの部分ぶぶんに徐々じょじょに穴あなを開あけていき、2週間しゅうかんで完全かんぜんに取とり外はずされた。

デビュー以来いらい初はじめて素顔すがおでの出走しゅっそうとなった秋あき初戦しょせん・神戸こうべ新聞しんぶん杯はい（菊花賞きっかしょうトライアル）では、ナリタタイシン、ウイニングチケットが出走しゅっそうしなかったため、単勝たんしょうオッズ1.6倍ばいで1番ばん人気にんきに支持しじされた。レースは好こうスタートを切きって先頭せんとうに立たったネーハイシーザーの2番手ばんて後うしろにつけ、直線ちょくせんに入はいると岡部おかべの鞭むちに好こう反応はんのうを見みせて残のこり150m地点ちてんでネーハイシーザーを交かわし、同どう馬うまに1馬身ばしん半はん差さをつけて勝利しょうりした。

11月7日にちに迎むかえた三さん冠かん最終さいしゅう戦せんの菊花賞きっかしょうでは、春はるの「三さん強きょう」のうちナリタタイシンが前哨ぜんしょう戦せんを前まえに発症はっしょうした肺はい出血しゅっけつの影響えいきょうから不調ふちょうで、京都きょうと新聞しんぶん杯はいを勝かってここに臨のぞんだウイニングチケットとビワハヤヒデの一いち騎き討うちと見みられた。当日とうじつは初はじめてウイニングチケットを抑おさえての1番ばん人気にんきに支持しじされる。レースでは道中どうちゅうは3番手ばんてを進すすみ、第だい3コーナーを回まわった辺あたりから前方ぜんぽうへの進出しんしゅつを開始かいしし、4コーナーから最後さいごの直線ちょくせんに入はいったところで先頭せんとうに立たつと、そのまま加速かそくして後続こうぞくを突つき放はなし、2着ちゃくのステージチャンプに5馬身ばしん差さをつけて優勝ゆうしょう。クラシック最後さいごの一いち冠かんを獲得かくとくした。走破そうはタイム3分ふん4秒びょう7は前年ぜんねんの勝かち馬ばライスシャワーが記録きろくした芝しば3000メートルの日本にっぽんレコードを0秒びょう2更新こうしんし、上あがりタイムの34秒びょう5は当時とうじの菊花賞きっかしょう史上しじょう最速さいそくの数値すうちだった。ビワハヤヒデと共ともに、浜田はまだ・中島なかじまもこれがGI競走きょうそう初はつ制覇せいはであった。浜田はまだは後のちにこの菊花きっか賞しょうについて、ビワハヤヒデが1番ばん人気にんきに支持しじされていることを聞きいた時点じてんで「勝かてる」と確信かくしんしたといい、「涙なみだは出でませんでした。とにかくうれしかった。やるべきことはすべてやって、その結果けっかが出でたわけですから」と振ふり返かえっている。

年末ねんまつにはグランプリ競走きょうそう・有馬ありま記念きねんにファン投票とうひょう第だい1位いに選出せんしゅつされて出走しゅっそう。8頭とうのGI優勝ゆうしょう馬ばが揃そろったなか、ビワハヤヒデは初はじめての古こ馬うま（5歳さい以上いじょう馬うま）との対戦たいせんながら1番ばん人気にんきに支持しじされた。レースでは菊花賞きっかしょうと同様どうように最後さいごの直線ちょくせん入口いりくちで先頭せんとうに立たったが、前年ぜんねんの有馬ありま記念きねんから1年ねんぶりの出走しゅっそうであったトウカイテイオー（田原たはら成しげる貴たか騎乗きじょう）に残のこり200メートル付近ふきんでかわされ、半はん馬身ばしん差さの2着ちゃくとなった。岡部おかべはトウカイテイオーの前年ぜんねんのシーズンにおいて主戦しゅせん騎手きしゅを務つとめており、振ふった馬うまに敗やぶれる結果けっかとなったことについて「自分じぶんの思おもい通どおりの競馬けいばができたし、勝かちパターンに持もちこめたが、直線ちょくせんで横よこを見みたらトウカイテイオーが凄すごい手応てごたえで並ならんできた。テイオーに負まけたのは仕方しかたない。来年らいねんはお返かえししないと」と語かたった。浜田はまだは後のちに有馬ありま記念きねんを振ふり返かえった際さい、「まいったよ。田原たはら騎手きしゅにうまく乗のられた。馬うまがどうのこうのとかいうのじゃない。ハヤヒデの通とおったところを抜ぬけてこられたんだ。ビワハヤヒデの後うしろを行いけば、前まえが開ひらくのはわかってたからね」とトウカイテイオーと田原たはらを称となえつつも、2着ちゃくに敗やぶれたことについて、「相手あいて関係かんけいから勝かてると思おもった」と自信じしんを持もっていたもののその相手あいてを絞しぼり切きれなかったこと、また関東かんとう遠征えんせいのレースになると突つき放はなす爆発ばくはつ力りょくがなくなるというビワハヤヒデの内面ないめん的てきな点てんを敗因はいいんに挙あげた。

翌よく1月がつに発表はっぴょうされた当年とうねんのJRA賞しょう表彰ひょうしょうでは、菊花賞きっかしょうのタイトルに加くわえてGI競走きょうそうにおける3度どの2着ちゃくという安定あんていした成績せいせきが評価ひょうかされ、安田やすだ記念きねん、天皇てんのう賞しょう（秋あき）を制せいしたヤマニンゼファーを抑おさえての年度ねんど代表だいひょう馬ばに選出せんしゅつされた。一方いっぽう、この結果けっかには「この程度ていどの成績せいせきで年度ねんど代表だいひょう馬ばか」という旨むねの批判ひはん的てきな意見いけんもあった。なお、最優秀さいゆうしゅう3歳さい牡馬ぼばには朝日あさひ杯はい3歳さいステークスに優勝ゆうしょうした半はん弟おとうとのナリタブライアンが選出せんしゅつされた。

5歳さい（1994年ねん）

一いち強化きょうかと半はん弟おとうとナリタブライアンの台頭たいとう

ナリタブライアン

翌よく1994年ねんは2月がつの京都きょうと記念きねんから始動しどうし、過去かこ最高さいこうの負担ふたん重量じゅうりょうとなる59kg、初はじめて経験けいけんする稍やや重じゅう馬場ばばといった懸念けねんを払拭ふっしょくし、2着ちゃくに7馬身ばしん差さをつけて圧勝あっしょう。京都きょうと記念きねんの翌日よくじつには半はん弟おとうとのナリタブライアンが共同通信きょうどうつうしん杯はい4歳さいステークスを勝利しょうりし、兄弟きょうだいで連日れんじつの重じゅう賞しょう制覇せいはを達成たっせいした。

次つぎ走はしの天皇てんのう賞しょう（春はる）では、ウイニングチケットが休養きゅうよう中ちゅう、トウカイテイオーと前年度ぜんねんど優勝ゆうしょう馬ばのライスシャワーが回避かいひし、出走しゅっそう馬ばの層そうが薄うすくなった中なかで単勝たんしょうオッズ1.3倍ばいと圧倒的あっとうてきな1番ばん人気にんきに支持しじされた。レースではスローペースに堪こたえきれず掛かかる様子ようすを見みせながらも最後さいごの直前ちょくぜんで抜ぬけ出だし、2番ばん人気にんきのナリタタイシンの追おい込こみを待まってからスパートを掛かけるという余裕よゆうを見みせ、同どう馬うまに1馬身ばしん余あまりの差さを付つけ優勝ゆうしょう。GI2勝しょう目めを挙あげた。この前週ぜんしゅうにナリタブライアンが皐月さつき賞しょうをレコードタイムで制せいしていたため、民放みんぽうのテレビ実況じっきょうを行おこなった杉本すぎもと清きよしはゴール前まえで「兄貴あにきも強つよい、兄貴あにきも強つよい、弟おとうとブライアンについで兄貴あにきも強つよい」と伝つたえた。これについて杉本すぎもとは「気きの早はやいマスコミは『三さん冠かんか』などと騒さわぎ出だしてなんとなく弟おとうと一色いっしょくに傾かたむいていたので、『いや、兄貴あにきも強つよいんだぞ』という気持きもちが出でました」と述のべている。

続つづく春はるのグランプリ・宝塚たからづか記念きねんでは前まえ走はしの顔触かおぶれからナリタタイシンも抜ぬけ、GI勝がち馬ばが本馬ほんまとベガの2頭とうのみとなり、浜田はまだが「どれが相手あいてだか分わからないようなメンバー」と回顧かいこするほど出走しゅっそう馬ばが手薄てうすになったレースで、2着ちゃくアイルトンシンボリに5馬身ばしん差さ、2分ふん11秒びょう2という芝しば2200メートルの日本にっぽんレコードタイムで優勝ゆうしょうした。この2週間しゅうかん前まえに行おこなわれた日本にほんダービーではナリタブライアンが2着ちゃくに5馬身ばしん差さをつけて圧勝あっしょうし、競走きょうそう後ごに兄弟きょうだい対決たいけつについて水みずを向むけられると「今いまのビワハヤヒデなら何なにとかなるんじゃないか……。いや、これ以上いじょうは勘弁かんべんしてくれよ」と語かたった。

夏なつは前年ぜんねんと同様どうように栗東りっとうで過すごしたが、当年とうねんは記録きろく的てきな猛暑もうしょとなり、馬うま房ぼうの前まえに氷こおりを吊つるすなどの暑あつさ対策たいさくが施ほどこされた。そうした中なか、浜田はまだがビワハヤヒデの秋あきの予定よていについてオールカマーから天皇てんのう賞しょう（秋あき）、有馬ありま記念きねんという路線ろせんを進すすむことを発表はっぴょう。当時とうじ欧米おうべいやオセアニアから数々かずかずの強豪きょうごうを招まねいていた国際こくさい競走きょうそうのジャパンカップを回避かいひすることについて、「昨年さくねんの有馬ありま記念きねんでは口惜くやしい思おもいをしました。また、ともに順調じゅんちょうにいけば、有馬ありま記念きねんでナリタブライアンとぶつかることになるでしょう。だから是非ぜひ、有馬ありま記念きねんをこの秋あきのピークに持もっていけるようにしたい。（中略ちゅうりゃく）最近さいきんの傾向けいこうを見みていると、ジャパンカップと有馬ありま記念きねんという2つのレースをともに万全ばんぜんの体調たいちょうで迎むかえることは非常ひじょうに難むずかしいように思おもうんです」と説明せつめいした。

しかしこの決定けっていは、特とくに天皇てんのう賞しょう出走しゅっそうについて一部いちぶに「勝負しょうぶ付づけの済すんだ相手あいてと走はしり、未知みちの強豪きょうごうから逃にげている」という旨むねの批判ひはんを招まねき、作家さっかの石川いしかわ好よしみは日本中央競馬会にっぽんちゅうおうけいばかいの広報こうほう誌し『優ゆう駿しゅん』に「日本にっぽん最強さいきょう馬ばの動向どうこう」と題だいした抗議こうぎ文ぶんを特別とくべつ寄稿きこうした。また、同誌どうしで国際こくさい欄らんを担当たんとうしていた石川いしかわワタルは、ジャパンカップへの展望てんぼう記事きじでこの回避かいひを「退散たいさん」と表現ひょうげんし、後のちに「今いまはもうそんなことは思おもっていない」としながら、当時とうじは「日本にっぽん最大さいだいのレース・ジャパンカップをあえて逃にげるなんて、そんな及および腰ごしでは、そのうち良よくないことが起おこるだろう。勝負しょうぶの世界せかいでは、弱気よわきになったら負まけなんだ」と感かんじたとしている。一方いっぽう、こうした出来事できごとを受うけて同誌どうしが「有力ゆうりょく馬ばのGI回避かいひ説せつ」について読者どくしゃからの意見いけんを募集ぼしゅうすると、回避かいひに賛成さんせいする意見いけんが48%、そもそもファンに口出くちだしする権利けんりはないとする意見いけんが25%、回避かいひに反対はんたいする意見いけんが22%であった。浜田はまだは後のちにジャパンカップ回避かいひは中島なかじまの意向いこうだったと明あかし、「（天皇てんのう賞しょうは）昔むかしの賞しょう典てん競走きょうそうだから。昔むかしの人間にんげんにとっては、やっぱり天皇てんのう賞しょうは大おおきいよ」と述のべている。

故障こしょう - 引退いんたい

秋あき緒戦しょせんのオールカマーではウイニングチケットと有馬ありま記念きねん以来いらいの対戦たいせんとなったが、同どう馬うまに1馬身ばしん3/4差さをつけて勝利しょうり。しかし浜田はまだが「478kg、悪わるくても476kgで走はしらせるつもりだった」という馬うま体重たいじゅうは470kgと細ほそ化かしており、競走きょうそう後ごの岡部おかべの表情ひょうじょうも沈しずんだものだった。天皇てんのう賞しょうに向むけての調教ちょうきょう過程かていにおいても体重たいじゅうは戻もどらず、10月30日にちの天皇てんのう賞しょう当日とうじつも前まえ走はしと同おなじ馬ば体重たいじゅうで出走しゅっそうした。当日とうじつは単勝たんしょうオッズ1.5倍ばいの1番ばん人気にんきに支持しじされ、スタートが切きられるといつも通とおり先行せんこうしたが、最終さいしゅうコーナーから最後さいごの直線ちょくせんにかけて一いち度ども先頭せんとうに立たつことなく、ネーハイシーザーの5着ちゃくに敗退はいたいし、掲示板けいじばんには入はいったものの生涯しょうがいで初はじめて連れん対たいを外はずす結果けっかとなった。さらにコースから引ひき上あげる最中さいちゅうに岡部おかべが下馬げばし、馬うま運うん車しゃに乗のせられて退場たいじょうした。競走きょうそう後ごに左前ひだりまえ脚あしに屈こごめ腱けん炎えんを発症はっしょうしていることが判明はんめい、全治ぜんち1年ねん以上いじょうと診断しんだんされた。岡部おかべは「パドックで跨またがった瞬間しゅんかん、いつもと違ちがうと感かんじた」といい、「道中どうちゅうは脚あしの異常いじょうは感かんじなかったが、反応はんのうがすごく悪わるかった。ボキッといかなかっただけよかったよ」と回顧かいこし、浜田はまだは「ハヤヒデは鋼鉄こうてつではできていない、とは言いってたけど、やっぱり馬うまは馬うまか。これで"ハヤヒデ神話しんわ"は終おわったわ」と語かたった。

競走きょうそうから3日にち後ごの11月2日にち、同おなじく天皇てんのう賞しょうで屈こごめ腱けん炎えんを発症はっしょうしたウイニングチケットに続つづく形かたちで、浜田はまだからビワハヤヒデの引退いんたいが発表はっぴょうされた。これにより有馬ありま記念きねんで期待きたいされたナリタブライアンとの兄弟きょうだい対決たいけつも実現じつげんせず終おわった。この天皇てんのう賞しょうから一いち週間しゅうかん後ごに行おこなわれた菊花賞きっかしょうで、ナリタブライアンは2着ちゃくに7馬身ばしん差さをつける圧勝あっしょうで1984年ねんのシンボリルドルフ以来いらい史上しじょう5頭とう目めとなるクラシック三さん冠かん制覇せいはを達成たっせい。実況じっきょうを行おこなった杉本すぎもと清きよしは最後さいごの直線ちょくせんでナリタブライアンが先頭せんとうに立たつと「弟おとうとは大丈夫だいじょうぶだ」という言葉ことばを数すう回かい挿みながらその模様もようを伝つたえた。

翌よく1月がつには春はるのGI2勝しょうが評価ひょうかされ、JRA賞しょう最優秀さいゆうしゅう5歳さい以上いじょう牡馬ぼばに選出せんしゅつされた。16日にちには京都競馬場きょうとけいばじょうで引退いんたい式しきが執とり行おこなわれ、菊花賞きっかしょうのゼッケン「7」を着つけファンに競走きょうそう生活せいかつ最後さいごの姿すがたを見みせた。なお、引退いんたい式しきの翌日よくじつに兵庫ひょうご県けん南部なんぶ地震じしん（阪神はんしん・淡路あわじ大震災だいしんさい）が発生はっせいし、一いち週間しゅうかん後ごの1月がつ23日にちには父ちち・シャルードが腸捻転ちょうねんてんにより亡なくなった。

競走きょうそう馬ば引退いんたい後ご

競走きょうそう馬ば引退いんたい後ごは中島なかじまの個人こじん所有しょゆうで、幼よう駒こまのビワハヤヒデを中島なかじまに勧すすめた高山たかやま裕ひろし基もとが経営けいえいする日ひ西にし牧場ぼくじょうで種たね牡馬ぼばとなった。「馬うまに負担ふたんを掛かけたくない」という中島なかじまの意向いこうで交配こうはい頭数とうすうを抑おさえる方針ほうしんをとったが、それでも3年ねん目めまで66、54、60と数かずを集あつめ、相手あいての全体ぜんたい的てきな質しつでは後のちに種たね牡馬ぼば入いりしたナリタブライアンに劣おとったものの、早田そうだ牧場ぼくじょうの馬うまを中心ちゅうしんに一いち級きゅうの繁殖はんしょく牝馬ひんばとも交配こうはいされた。初年度しょねんど産さん駒こまの育成いくせいが進すすむに連つれ、馬うま産地さんちでは「ビワハヤヒデの仔こは走はしる」と評判ひょうばんが立たち、4年ねん目めの交配こうはい相手あいては70頭とうとさらに増加ぞうかしたが、1998年ねんよりデビューした産さん駒こまから、中央ちゅうおう競馬けいばの重じゅう賞しょう勝利しょうり馬ばは出でなかった。主おもな産さん駒こまには、日経にっけい新春しんしゅん杯はい2着ちゃく、京都競馬場きょうとけいばじょう・2400mのコースレコードを樹立じゅりつしたサンエムエックスなどがいる。

2003年ねん以降いこうは産さん駒こまがなく、2005年ねんをもって種たね牡馬ぼばを引退いんたい。以後いごは日にち西牧にしまき場じょうで功労こうろう馬ばとして余生よせいを過すごした。2010年ねん7月がつ25日にちにはウイニングチケットと共ともに函館はこだて競馬けいば場じょうに来場らいじょうし、2頭とう共ともに開門かいもん直後ちょくごからふれあいパドックに姿すがたを見みせ、昼休ひるやすみにはパドックを周回しゅうかいしてファンにお披露目ひろめされた。

2019年ねん9月がつ16日にちに日にち西にし牧場ぼくじょうの従業じゅうぎょう員いんが、ビワハヤヒデのたてがみが長ながさ約やく10センチ以上いじょう、幅はば約やく10センチにわたって何者なにものかによって鋭利えいりな刃物はもので切きり取とられた跡あとがあることを発見はっけんした。同月どうげつ15日にちには日高ひだか町まちのヴェルサイユファームでタイキシャトルとローズキングダム、18日にちには浦河うらかわ町まちの観光かんこう宿泊しゅくはく施設しせつ「うらかわ優ゆう駿しゅんビレッジAERU」でウイニングチケットが同様どうようの被害ひがいに遭あっており、今回こんかいの件けんで日にち西にし牧場ぼくじょう社長しゃちょうの高山たかやま直樹なおきは「1人ひとり悪わるければ、みな悪わるく見みえるものです」と述のべ、今後こんごの見学けんがくについては一切いっさい断ことわる方針ほうしんを示しめした。

2020年ねん7月がつ21日にち未明みめい、老衰ろうすいのため、繋つなぎ養やしなえ先さきの日ひ西にし牧場ぼくじょうにて30歳さいで死亡しぼう。高山こうざんは「年としだったので体力たいりょくはなくなってきていた。夏なつは弱よわい馬うまで、今年ことしはそんなに暑あつくないから大丈夫だいじょうぶかなと思おもったけど、うまくいかなかった」と言葉ことばを寄よせている。

競走きょうそう成績せいせき

以下いかの内容ないようは、netkeiba.comの情報じょうほうに基もとづく。

競走きょうそう日び	競馬けいば場じょう	競走きょうそう名めい	格かく	距離きょり（馬場ばば）	頭あたま 数かず	枠わく 番ばん	馬うま 番ばん	オッズ （人気にんき）	着ちゃく順じゅん	タイム （上あがり3F）	着ちゃく差さ	騎手きしゅ	斤量きんりょう [kg]	1着ちゃく馬ば（2着ちゃく馬ば）	馬うま体重たいじゅう [kg]
1992.09.13	阪神はんしん	3歳さい新しん馬うま		芝しば1600m（良りょう）	14	3	4	006.90（2人ふたり）	01着ちゃく	R1:38.3（47.9）	-1.7	0岸きし滋彦しげひこ	53	（テイエムシンザン）	488
0000.10.20	京都きょうと	もみじS	OP	芝しば1600m（良りょう）	10	7	8	002.30（1人ひとり）	01着ちゃく	R1:34.3（47.5）	-0.2	0岸きし滋彦しげひこ	53	（シルクムーンライト）	484
0000.11.07	京都きょうと	デイリー杯はい3歳さいS	GII	芝しば1400m（良りょう）	9	8	8	001.70（1人ひとり）	01着ちゃく	R1:21.7（46.5）	-0.3	0岸きし滋彦しげひこ	54	（テイエムハリケーン）	476
0000.12.13	中山なかやま	朝日あさひ杯はい3歳さいS	GI	芝しば1600m（良りょう）	12	6	7	001.30（1人ひとり）	02着ちゃく	R1:35.5（35.5）	-0.0	0岸きし滋彦しげひこ	54	エルウェーウィン	478
1993.02.14	東京とうきょう	共同通信きょうどうつうしん杯はい4歳さいS	GIII	芝しば1800m（良りょう）	9	1	1	001.30（1人ひとり）	02着ちゃく	R1:48.7（34.9）	-0.0	0岸きし滋彦しげひこ	57	マイネルリマーク	484
0000.03.20	中山なかやま	若葉わかばS	OP	芝しば2000m（良りょう）	8	8	8	001.30（1人ひとり）	01着ちゃく	R2:00.9（35.7）	-0.3	0岡部おかべ幸雄ゆきお	56	（ケントニーオー）	482
0000.04.18	中山なかやま	皐月さつき賞しょう	GI	芝しば2000m（良りょう）	18	8	18	003.50（2人ふたり）	02着ちゃく	R2.00.3（35.4）	-0.1	0岡部おかべ幸雄ゆきお	57	ナリタタイシン	478
0000.05.30	東京とうきょう	東京とうきょう優ゆう駿しゅん	GI	芝しば2400m（良りょう）	18	4	7	003.90（2人ふたり）	02着ちゃく	R2.25.6（36.3）	-0.1	0岡部おかべ幸雄ゆきお	57	ウイニングチケット	474
0000.09.26	阪神はんしん	神戸こうべ新聞しんぶん杯はい	GII	芝しば2000m（良りょう）	9	1	1	001.60（1人ひとり）	01着ちゃく	R2:02.9（35.0）	-0.2	0岡部おかべ幸雄ゆきお	56	（ネーハイシーザー）	478
0000.11.07	京都きょうと	菊花賞きっかしょう	GI	芝しば3000m（良りょう）	18	4	7	002.40（1人ひとり）	01着ちゃく	R3:04.7（34.5）	-0.9	0岡部おかべ幸雄ゆきお	57	（ステージチャンプ）	480
0000.12.26	中山なかやま	有馬ありま記念きねん	GI	芝しば2500m（良りょう）	14	8	13	003.00（1人ひとり）	02着ちゃく	R2:31.0（35.3）	-0.1	0岡部おかべ幸雄ゆきお	55	トウカイテイオー	482
1994.02.13	阪神はんしん	京都きょうと記念きねん	GII	芝しば2200m（稍やや）	10	6	6	001.20（1人ひとり）	01着ちゃく	R2:16.8（37.0）	-1.1	0岡部おかべ幸雄ゆきお	59	（ルーブルアクト）	478
0000.04.24	阪神はんしん	天皇てんのう賞しょう（春はる）	GI	芝しば3200m（稍やや）	11	8	11	001.30（1人ひとり）	01着ちゃく	R3:22.6（36.5）	-0.2	0岡部おかべ幸雄ゆきお	58	（ナリタタイシン）	476
0000.06.12	阪神はんしん	宝塚たからづか記念きねん	GI	芝しば2200m（良りょう）	14	8	13	001.20（1人ひとり）	01着ちゃく	R2:11.2（35.0）	-0.8	0岡部おかべ幸雄ゆきお	56	（アイルトンシンボリ）	474
0000.09.18	中山なかやま	オールカマー	GIII	芝しば2200m（重じゅう）	8	8	8	001.20（1人ひとり）	01着ちゃく	R2:14.5（35.4）	-0.3	0岡部おかべ幸雄ゆきお	57	（ウイニングチケット）	470
0000.10.30	東京とうきょう	天皇てんのう賞しょう（秋あき）	GI	芝しば2000m（良りょう）	13	2	2	001.50（1人ひとり）	05着ちゃく	R1:59.1（35.1）	-0.5	0岡部おかべ幸雄ゆきお	58	ネーハイシーザー	470

• タイム欄らんのRはレコード勝がちを示しめす。

主おもな産さん駒こま

• サンエムエックス（2001年ねん日経にっけい新春しんしゅん杯はい2着ちゃく・京都きょうと2400mレコードホルダー）
• テンエイウイング（2003年ねん中山なかやま牝馬ひんばステークス2着ちゃく）
• シアトルリーダー（2004年ねん阪神はんしんスプリングジャンプ2着ちゃく）
• ジェーピーバトル（2006年ねんせきれい賞しょう（盛岡もりおか重じゅう賞しょう））

特徴とくちょう・評価ひょうか

競走きょうそう馬ばとしての特徴とくちょう・評価ひょうか

デビューから引退いんたいまで一線いっせんで活躍かつやくし続つづけ、短距離たんきょりの1400mから長距離ちょうきょりの3000mまで4度どのレコード勝利しょうりを挙あげた実績じっせきから「万能ばんのうの名馬めいば」（吉沢よしざわ譲治じょうじ）とも評ひょうされるが、岡部おかべ幸雄ゆきおは「本質ほんしつ的てきには優すぐれた中距離ちゅうきょり馬ば」であったと評ひょうしている。ライターの山田やまだ康文やすふみは、ビワハヤヒデの「天賦てんぷの才ざい」はスピードであり、長距離ちょうきょりで活躍かつやくするために必要ひつようなスタミナは鍛錬たんれんによって後天的こうてんてきに備そなわったものであるとしている。岡部おかべはビワハヤヒデが菊花賞きっかしょうを優勝ゆうしょうした時点じてんで、3歳さい時じから使つかい詰づめで2度どレコード勝利しょうりを収おさめながらも、4歳さいになってクラシックを全すべて走はしり切きったビワハヤヒデの順調じゅんちょうさは特筆とくひつものであると評ひょうし、「数々かずかずのレースに出走しゅっそうし、激はげしい競馬けいばを続つづけたにもかかわらず、この間あいだ、これといったアクシデントもなく、最後さいごに念願ねんがんのクラシックを手てに入いれた。こんな丈夫じょうぶな馬うまは何なん千せん年ねんに1頭とうあるかないかです」と述のべている。山田やまだ雅人まさとはビワハヤヒデが4歳さい秋あきにがっしりとした馬うま体たいに変貌へんぼうし、神戸こうべ新聞しんぶん杯はい・菊花賞きっかしょうを勝利しょうりしたことについて、「この時とき（菊花賞きっかしょう）には春はるのひ弱よわさもなく、サラブレッドの一番いちばん充実じゅうじつした形かたちの走はしりになっていた。重心じゅうしんの低ひくさはタニノチカラを思おもわせ、身体しんたいの筋肉きんにくはテンポイントを思おもわせた」と評ひょうし、その成長せいちょう力りょくについて「サラブレッドがひと夏なつを超こしてこれほど成長せいちょうするのかと思おもい知しらしめてくれた」と評ひょうしている。

中央ちゅうおう競馬けいば史しにおいて、ビワハヤヒデは1988年ねんの年度ねんど代表だいひょう馬ばタマモクロスから始はじまり、オグリキャップ、メジロマックイーンと続つづいた「芦あし毛げの王者おうじゃ」の系譜けいふに連つらなるとされ、自身じしんの引退いんたいにより「芦あし毛げの時代じだい」が終おわりを迎むかえたとされている。岡部おかべは自身じしんが騎乗きじょうした歴代れきだいの名馬めいばとの比較ひかくについて、「中ちゅう長距離ちょうきょりでは七なな冠かん馬ばシンボリルドルフに次つぐ存在そんざいか」との質問しつもんに対たいして「それぐらいに思おもってる」と答こたえ、有馬ありま記念きねんで敗やぶれたトウカイテイオーとの上下じょうげについて問とわれた際さいには、「テイオーは確たしかに強つよいときはビワ以上いじょうのものを感かんじた」としつつ、「コンスタントに走はしれるのはとにかく強つよみ」としてビワハヤヒデを上位じょういに挙あげた。自身じしんの騎手きしゅ引退いんたい後ごに自著じちょでビワハヤヒデの競走きょうそう生活せいかつ晩年ばんねんを回顧かいこした際さいには、「あの年としに無理むりをさせず、十分じゅうぶんな夏休なつやすみを与あたえていれば、天皇てんのう賞しょうで故障こしょうすることもなく、翌年よくねんはチャンピオンホースになれていたんじゃないかと確信かくしんしている」と述のべている。浜田はまだはビワハヤヒデの性格せいかくについて「厩舎きゅうしゃでは悠々ゆうゆうと落おち着ついているんですが、内面ないめんはデリケートで神経質しんけいしつなんです。そういう内弁慶うちべんけいなところがあった」と述のべ、このような性格せいかくだったため関東かんとうでの競馬けいばには弱よわかったとしており、朝日あさひ杯はい・共同通信きょうどうつうしん杯はい時じはいずれも現地げんち到着とうちゃくと同時どうじに気持きもちが萎縮いしゅくしてしまった状態じょうたいでの出走しゅっそうだったと明あかしている。後のちに東京とうきょう・中山ちゅうざんでのGIで勝利しょうりできなかった理由りゆうについても「精神せいしん面めんでの『弱よわさ』が残のこっていたから」と述のべている。

他方たほう、その存在そんざい感かんについてライターの谷川たにがわ善久よしひさは「真しんのスターの座ざにつけないまま競走きょうそう馬ば生活せいかつを閉とじ」「いつもレースの中心ちゅうしんにいながら、決けっして物語ものがたりの中心ちゅうしんにはいなかった」と述のべ、また須田すだ鷹雄たかおは「語かたるべき物語ものがたりの無ない馬うま」と評ひょうしている。自身じしんの作品さくひんにビワハヤヒデを数多かずおおく取とり上あげた競馬けいば漫画まんが家かのよしだみほは「実績じっせきの割わりに評価ひょうかが低ひくくなってる気きがする」と述のべた上うえで、「ハヤヒデは結果けっか的てきに勝かってたとかいうんじゃなくて、こいつは負まけないだろうという雰囲気ふんいきを漂ただよわせつつ、本当ほんとうに勝かっちゃうんだから強つよい馬うまだったのは間違まちがいないはず。そういうオーラをもってる馬うまって、あまりいないからね」と称となえている。評論ひょうろん家かの井崎いざき脩五郎しゅうごろうは「どんな状況じょうきょうでもよく頑張がんばるというのが、ビワハヤヒデの特筆とくひつすべきところ」とした上うえで「堅実けんじつで、波瀾万丈はらんばんじょうでないぶん地味じみな印象いんしょうを与あたえがちなビワハヤヒデは、ナリタブライアンが三さん冠かんを獲えったことによってなおいっそう、立たち位置いちが一いち歩ほ下さがってしまった感かんがあるが、『15戦せん連続れんぞく連れん対たい』はもっと大だい威張いばりしていい勲章くんしょうなのだ」と賞しょうしている。

ナリタブライアンとの比較ひかく

ナリタブライアンはクラシック三さん冠かんの序盤じょばんにおいてすでに同どう世代せだいの競走きょうそう馬ばを能力のうりょく的てきに大おおきく凌しのぐ存在そんざいとして認識にんしきされた。そのため1994年ねん上半期かみはんきの古こ馬うま中ちゅう長距離ちょうきょり路線ろせんにおいて3戦せん3勝しょう、GI2勝しょうの成績せいせきを収おさめた兄あにビワハヤヒデを最大さいだいのライバルとみなし、兄弟きょうだい対決たいけつに期待きたいするムードが高たかまっていった。浜田はまだはビワハヤヒデが天皇てんのう賞しょう（春はる）を優勝ゆうしょうした時点じてんで「弟おとうとがあんな強つよい勝かち方かた（皐月さつき賞しょう）をするんだから兄あにの面目めんぼくにかけても負まけられない。年度ねんど代表だいひょう馬ばの座ざを賭かけることになるだろう」というコメントした。

両りょう馬うまの比較ひかくについて、早田そうだ光一郎こういちろうはナリタブライアンが皐月さつき賞しょうを勝かった時点じてんでナリタブライアンの方ほうが上うえと評価ひょうかし、武たけ豊ゆたかはビワハヤヒデが天皇てんのう賞しょう（春はる）を勝かった直後ちょくごに「現時点げんじてんでもナリタブライアンのほうが上うえでしょう」とし、ビワハヤヒデが宝塚たからづか記念きねんを勝かった後のちにも「ナリタブライアンなら、もっとすごい勝かち方かたをしていたはず。現時点げんじてんでもナリタブライアンの方ほうが上うえ。あの馬うまの強つよさはケタ違けたちがい」と語かたった。野平のだい祐二ゆうじは「中距離ちゅうきょりでは互角ごかく、長距離ちょうきょりでは心身しんしん両面りょうめんの柔軟じゅうなん性せいに優すぐれるナリタブライアンにやや分ぶんがある」と述のべ、血統けっとう評論ひょうろん家かの久米くめ裕ひろしは2頭とうについて「血統けっとう構成こうせい上じょうは甲乙こうおつつけがたい」としたうえで、1,600 - 2,000メートルではビワハヤヒデが有利ゆうり、2,400メートルでは互角ごかく、3,000 - 3,200メートルではナリタブライアンが有利ゆうりと述のべている。評論ひょうろん家かの大川おおかわ慶けい次郎じろうは、有馬ありま記念きねんにおける対決たいけつが実現じつげんしていた場合ばあいの結果けっかについて、「ビワハヤヒデが有馬ありま記念きねんに出でていたら勝かっていたんじゃないか」と推測すいそくしている。

両りょう馬うまの対決たいけつはビワハヤヒデが天皇てんのう賞しょう（秋あき）を最後さいごに引退いんたいしたことで実現じつげんしなかったが、岡部おかべは「兄弟きょうだい対決たいけつになってもブライアンをねじ伏ふせられた可能かのう性せいも低ひくくはなかっただろう」と述のべており、浜田はまだは「相手あいては三さん冠かん馬ば。敬意けいいを表あらわすどころの存在そんざいではないのですが、ハヤヒデの安定あんてい性せいをもってすれば、戦たたかっても面白おもしろかったでしょうね」と述のべている。

顔かおの大おおきさ

身体しんたい面めんの特徴とくちょうでは顔かおが大おおきいことがしばしば取とり上あげられ、チャームポイント、あるいは揶揄やゆの対象たいしょうとなった。アナウンサーの杉本すぎもと清きよしはビワハヤヒデが初はじめてメンコを外はずした神戸こうべ新聞しんぶん杯はいについて「これには驚おどろきました。何なにに驚おどろいたって、デカい顔がおにです」と振ふり返かえり、顔立かおだちは男前おとこまえだけど大おおきくて長ながい顔かおとしながらも、当時とうじ仲間なかまと「写真しゃしん判定はんていになったら得とくするのではないか」とい合いあっていたことを明あかしている。ライターの阿部あべ珠樹たまきは「岡部おかべ騎手きしゅを乗のせたビワハヤヒデを見みると、騎手きしゅの胴体どうたいよりも馬うまの顔かおの方ほうがはるかに大おおきく、長ながく、思おもわず笑わらわずにはいられなかった」としつつ、ビワハヤヒデに女性じょせいファンが多おおかったことについて、「その顔かおがもたらすおっとりした雰囲気ふんいきのせいもあっただろう」と述のべている。一方いっぽう、高山たかやま裕ひろし基もとは幼よう駒こまの頃ころのビワハヤヒデについて「黒目くろめが大おおきくて、いかにも賢かしこそうに感かんじた」と振ふり返かえり、「後のちにターフの人気にんき者しゃとなってから、ハヤヒデは顔かおがデカイなどと言いわれたけれど、そんなことはない。白しろい分ぶん、大おおきく見みえる。それだけのことだと思おもう」と、顔かおが大おおきいという見方みかたを否定ひていしている。

なお、浜田はまだはかつて「顔かおの大おおきい馬うまは競走きょうそう馬ばとして駄目だめだ」という自説じせつを述のべたことがあり、その理由りゆうとして「顔かおが大おおきいと頭あたまが前まえに下さがり、前ぜん脚あしの出方でかたが不十分ふじゅうぶんになり、姿勢しせいが窮屈きゅうくつになり、フォームのバランスが崩くずれる」という論理ろんりを展開てんかいしていた。しかし、後のちにこの体型たいけいがむしろ今いまのスピード競馬けいばにあっていると評ひょうし、「肩かたも腰こしも全体ぜんたいのバランスも、すべて脚あし部ぶに負担ふたんのかからない構造こうぞうになっていて、それがこの馬うま体たいを作つくり上あげている。だからこそ、どんな激はげしいレースをしても、どんな速はやいタイムで走はしっても、脚あし部ぶを痛やめがったりしない」と自身じしんの考かんがえを改あらためている。大川おおかわ慶けい次郎じろうはビワハヤヒデを語かたる際さいにこの説せつを用もちいて、それでも高たかい競走きょうそう能力のうりょくを見みせたことについて「たぶん、内蔵ないぞうされているエンジンが他たの馬うまとは違ちがって、一級いっきゅう品ひんなのだと思おもいます。それで、あれだけの実績じっせきを挙あげられたのだと思おもいます」と述のべている。競馬けいば解説かいせつ者しゃ・評論ひょうろん家かの伊藤いとう友康ともやすはビワハヤヒデの馬うま体たいについて、三さん歳さい秋あき時点じてんでは顔かおや首くびの大おおきさも含ふくめて「ズングリした馬うま」との印象いんしょうだったが、「四よん歳さい秋あきには『こんな馬ばではなかったはずだが…』と首くびをひねるほど、胴どうが伸のび、体からだも柔やわらかくなった」との私見しけんを述のべ、当初とうしょ短距離たんきょり型がたの馬うま体たいであったものが、クラシック戦線せんせんをこなす中なかで成長せいちょう・発展はってんし、顔かおの大おおきさが気きにならないものになったとの見解けんかいを示しめしている。

血統けっとう

血統けっとう背景はいけい

父ちちシャルードはビワハヤヒデの活躍かつやくを受うけて日本にっぽんに輸入ゆにゅうされたが、他たに目立めだった活躍かつやく馬ばを出だすことはなかった。高山たかやま裕ひろし基もとは、ビワハヤヒデはシャルードよりも祖父そふカロの影響えいきょうが強つよく出でたのではないかとしている。4代だい父ちちグレイソヴリンを祖そに持もつ「グレイソヴリン系けい」の種たね牡馬ぼばは「早熟そうじゅくな短たん～中距離ちゅうきょり馬ばの血統けっとう」という定評ていひょうがあったが、血統けっとう研究けんきゅう家かの吉沢よしざわ譲治じょうじは「その既成きせい概念がいねんを新種しんしゅ牡馬ぼばで登場とうじょうしたトニービンと共ともに、180度どくつがえしたのがビワハヤヒデだった」と評ひょうし、菊花賞きっかしょう以降いこうの飛躍ひやくは母ははの父ちちノーザンダンサーの影響えいきょうによるものではないかとしている。血統けっとう評論ひょうろん家かの久米くめ裕ひろしは、アスワン、アンバーシャダイ、ギャロップダイナ、ダイナガリバーといったノーザンテースト産さん駒こまが日本にっぽんにノーザンダンサーの血ちを根付ねつかせたという定説ていせつについて、これらの馬うまは母方ははかたの血ちの効力こうりょくによって能力のうりょくを発揮はっきした馬うまであり、父方ちちかたのノーザンダンサーの血ちの生いかし方かたが中途半端ちゅうとはんぱであったため、本当ほんとうの意味いみで日本にっぽんで初はじめてノーザンダンサーの血ちを生いかした配合はいごう馬ばはビワハヤヒデであると述のべている。

血統けっとう表ひょう

ビワハヤヒデの血統けっとう			（血統けっとう表ひょうの出典しゅってん）
父系ふけい	カロ系けい（フォルティノ系けい）
父ちち *シャルード Sharrood 1983 芦あし毛げ アメリカ	父ちちの父ちち Caro 1967 芦あし毛げ アイルランド	*フォルティノ Fortino	Grey Sovereign
			Ranavelo
		Chambord	Chamossaire
			Life Hill
	父ちちの母はは Angel Island 1976 黒くろ鹿毛かげ アメリカ	Cougar	Tale of Two Cities
			Cindy Lou
		Who's to Know	Fleet Nasrullah
			Masked Lady
母はは *パシフィカス Pacificus 1981 鹿毛かげ アメリカ	母ははの父ちち Northern Dancer 1961 鹿毛かげ カナダ	Nearctic	Nearco
			Lady Angela
		Natalma	Native Dancer
			Almahmoud
	母ははの母はは Pacific Princess 1973 鹿毛かげ アメリカ	Damascus	Sword Dancer
			Kerala
		Fiji	Acropolis
			Riffi
母系ぼけい(F-No.)	13号ごう族ぞく(FN:13-a)
5代だい内ないの近親きんしん交配こうはい	Nasrullah 5×5（父ちち内ない）
出典しゅってん

近親きんしん

• 半はん弟おとうと - ナリタブライアン（朝日あさひ杯はい3歳さいステークス、皐月さつき賞しょう、東京とうきょう優ゆう駿しゅん、菊花賞きっかしょう、有馬ありま記念きねんなど）、ビワタケヒデ（ラジオたんぱ賞しょう）
• 従妹じゅうまい - ファレノプシス（桜花おうか賞しょう、秋あき華はな賞しょう、エリザベス女王じょおう杯はいなど）
• 従弟じゅうてい - キズナ（東京とうきょう優ゆう駿しゅんなど）
• 祖母そぼ - パシフィックプリンセス（デラウェアオークスなど）
• 大伯母おおおば - スイートワヒネ（ヨークシャーオークスなど）
• 曾祖母そうそぼ - フィジー（コロネーションステークス）

参考さんこう文献ぶんけん

• 市丸いちまる博司ひろし（編へん）『サラブレッド怪物かいぶつ伝説でんせつ・平成へいせい版ばん - ヒーローたちの夢ゆめの蹄跡』（廣済堂こうさいどう出版しゅっぱん、1997年ねん）ISBN 4331652491
• 伊藤いとう友康ともやす『競馬けいば 馬ばの見方みかたがわかる本ほん 誰だれも教おしえてくれなかった馬うまを見みるポイント』（池田いけだ書店しょてん、1995年ねん）ISBN 4262144704
• 大川おおかわ慶けい次郎じろう『大川おおかわ慶けい次郎じろうが選えらぶ「個性こせい派は」名馬めいば18頭とう』（ザ・マサダ、1999年ねん）ISBN 4915977994
• 岡部おかべ幸雄ゆきお『勝負しょうぶ勘かん』（角川書店かどかわしょてん、2006年ねん）ISBN 4047100609
• 木村きむら幸治こうじ『調教ちょうきょう師し物語ものがたり』（洋よう泉いずみ社しゃ、1997年ねん）ISBN 4896912926
• 木村きむら幸治こうじ『名馬めいば牧場ぼくじょう物語ものがたり』（洋よう泉いずみ社しゃ、1998年ねん）ISBN 4896913191
• 島田しまだ明宏あきひろ『武豊たけとよインタビュー集しゅう3 躍動やくどう』（廣済堂こうさいどう、2004年ねん）ISBN 4331510646
• 杉本すぎもと清きよし『三さん冠かんへ向むかって視界しかいよし - 杉本すぎもと清きよし・競馬けいば名実めいじつ況きょう100選せん』（日本文芸社にほんぶんげいしゃ、1995年ねん）ISBN 4537024836
• 杉本すぎもと清きよし『これが夢ゆめに見みた栄光えいこうのゴールだ―名実めいじつ況きょうでつづる永遠えいえんの名馬めいばたち』（日本文芸社にほんぶんげいしゃ、2001年ねん）ISBN 453725050X
• 橋本はしもと全ちょん弘ひろし『ナリタブライアンを忘わすれないー私わたしが見みつめた最強さいきょう三さん冠かん馬ばの軌跡きせき』（ベストセラーズ、1997年ねん）ISBN 4584182884
• 渡辺わたなべ敬たかし一郎いちろう『最強さいきょうの名馬めいばたち - 「競馬けいば名めい勝負しょうぶ」真実しんじつの証言しょうげん』（講談社こうだんしゃ、1999年ねん）ISBN 4062097125
• 吉沢よしざわ譲治じょうじ『最強さいきょう馬ば伝説でんせつ』（文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう、1997年ねん）ISBN 4163527702
• よしだみほ『よしだみほの20世紀せいきの100名馬めいば』（ワニブックス、2000年ねん）ISBN 4847013743
• 光栄こうえい出版しゅっぱん部ぶ（編へん）『名馬めいば列伝れつでん ビワハヤヒデ』（光栄こうえい、1995年ねん）ISBN 4877192328
• 光栄こうえい出版しゅっぱん部ぶ（編へん）『名馬めいば列伝れつでん クラシック93』（光栄こうえい、1995年ねん）ISBN 4877192565
• 光栄こうえい出版しゅっぱん部ぶ（編へん）『夢ゆめはターフを駆かけめぐる〈10〉菊花賞きっかしょうメモリアル―涙なみだと笑わらいの競馬けいばバラエティー』（光栄こうえい、1995年ねん）ISBN 4877192751
• 『忘わすれられない名馬めいば100 - 関係かんけい者しゃの証言しょうげんで綴つづる、強烈きょうれつな印象いんしょうを残のこしてターフを去さった100頭とうの名馬めいば』（学研がっけん、1997年ねん）ISBN 4056013926
• 『Sports Graphic Number PLUS - 20世紀せいきスポーツ最強さいきょう伝説でんせつ（4）競馬けいば 黄金おうごんの蹄跡』（文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう、1999年ねん）ISBN 4160081088
• 『名馬めいば物語ものがたり The Best Selection』（エンターブレイン、2002年ねん）ISBN 4757708750
• 『優ゆう駿しゅん』1994年ねん9月がつ号ごう（日本中央競馬会にっぽんちゅうおうけいばかい、1994年ねん）
• 『優ゆう駿しゅん』1994年ねん11月がつ号ごう（日本中央競馬会にっぽんちゅうおうけいばかい、1994年ねん）
• 『優ゆう駿しゅん』1995年ねん1月がつ号ごう（日本中央競馬会にっぽんちゅうおうけいばかい、1994年ねん）
• 『優ゆう駿しゅん』1995年ねん8月がつ号ごう（日本中央競馬会にっぽんちゅうおうけいばかい、1995年ねん）
• 『優ゆう駿しゅん』1998年ねん8月がつ号ごう（日本中央競馬会にっぽんちゅうおうけいばかい、1998年ねん）
• 『優ゆう駿しゅん』2000年ねん11月がつ号ごう（日本中央競馬会にっぽんちゅうおうけいばかい、2000年ねん）
• 『優ゆう駿しゅん』2002年ねん11月がつ号ごう（日本中央競馬会にっぽんちゅうおうけいばかい、2002年ねん）
• 『優ゆう駿しゅん』2009年ねん2月がつ号ごう（日本中央競馬会にっぽんちゅうおうけいばかい、2009年ねん）
  • 谷川たにがわ善久よしひさ「【サラブレッド・ヒーロー列伝れつでん】ビワハヤヒデ」
• 『優ゆう駿しゅん』2010年ねん9月がつ号ごう（日本中央競馬会にっぽんちゅうおうけいばかい、2010年ねん）
  • 篠原しのはら美穂子みほこ「【馬うま産地さんちニュース】函館はこだて競馬けいば場じょうでライバル2頭とう、ウイニングチケットとビワハヤヒデが16年ねんぶり再会さいかい!」
• 『さようならナリタブライアン全書ぜんしょ』（産業経済新聞社さんぎょうけいざいしんぶんしゃ、1996年ねん）
• 『臨時りんじ増刊ぞうかん号ごうGallop'94』（産業経済新聞社さんぎょうけいざいしんぶんしゃ、1998年ねん）
• 『週刊しゅうかん100名馬めいば Vol.29 ビワハヤヒデ』（産経新聞さんけいしんぶん社しゃ、2001年ねん）

外部がいぶリンク

• 競走きょうそう馬ば成績せいせきと情報じょうほう netkeiba、スポーツナビ、JBISサーチ、Racing Post
• ビワハヤヒデ - 競走きょうそう馬ばのふるさと案内あんない所しょ
• ビワハヤヒデ - 引退いんたい名馬めいば（名馬めいば.jp）