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フィジー

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フィジー
Na vosa vaka-Viti
はなされるくに フィジーの旗 フィジー
地域ちいき だいいち言語げんごバヌアレブとう,ビティレブとうひがしはん, カダブとう, ナヤウとう, ラケンバとう, オネアタとう, モセとうコモとう, ナムカとう, カバラとうブラガとうオゲアとう バトアとう、その諸島しょとうだい言語げんご
話者わしゃすう 母語ぼご話者わしゃ35まんにんだい言語げんご話者わしゃ20まんにん
言語げんご系統けいとう
表記ひょうき体系たいけい ラテン文字もじ
公的こうてき地位ちい
公用こうよう フィジーの旗 フィジー
統制とうせい機関きかん 統制とうせいなし
言語げんごコード
ISO 639-1 fj
ISO 639-2 fij
ISO 639-3 fij
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フィジー(フィジーご、フィジー: Na vosa vaka-Viti)は、フィジーはなされる言語げんごオーストロネシア語族ごぞく、メラネシアぞくす。だいいち言語げんごとしての話者わしゃは35まんにんだい言語げんごとしての話者わしゃは20まんにん。1997ねんフィジー協会きょうかい発足ほっそくし、英語えいごヒンディーにならんで国語こくごとしての独立どくりつ運動うんどうおこなっている。

フィジー

文字もじ発音はつおん

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ラテン文字もじもちいる

母音ぼいん

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  • たん母音ぼいん:a,e,i,o,u
  • ちょう母音ぼいん:ā,ē,ī,ō,ū、辞書じしょ教材きょうざい以外いがいではうえぼう長音符ちょうおんぷ)をつけない
  • 重母音じゅうぼいん:ai,ei,oi,au,eu,ou,iu

子音しいん

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言語げんご表記ひょうきとはおおきくことなる。とく有声音ゆうせいおんまえかる鼻音びおん出現しゅつげんするのはおおきな特徴とくちょうである[1]

  • b [mb]
  • c [ð]
  • d [nd]
  • dr [nr]
  • f [f]
  • g [ŋ]
  • h [x]
  • j [tʃ]
  • k [k]
  • l [l]
  • m [m]
  • n [n]
  • p [p]
  • q [ŋg]
  • r [r] - いわゆる「じたのr
  • s [s]
  • t [t]
  • v [βべーた]
  • w [w]
  • y [j]

アクセントは長音ちょうおんちょう母音ぼいん重母音じゅうぼいん)がある場合ばあいはそこにる。たん母音ぼいんだけのかたり場合ばあい語末ごまつから番目ばんめにアクセントがる。ながかたりでは末尾まつび要素ようそのアクセントがおもになる。

文法ぶんぽう

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語順ごじゅん

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SVOがたである。

主語しゅご代名詞だいめいしのときは主語しゅご-動詞どうし主語しゅご名詞めいしのときは動詞どうし-主語しゅごという語順ごじゅんになる。[2]

時制じせい時制じせいあらわ標識ひょうしき動詞どうしまえにおく。

au ā rai-ci koya.(わたし 過去かこ標識ひょうしき る―他動詞たどうし かれを)

わたしかれた。」

au sā rai-ci koya.(わたし 現在げんざい標識ひょうしき る―他動詞たどうし かれを)

わたしかれる。」

na tau na uca.(未来みらい標識ひょうしき 定冠詞ていかんし

あめるだろう。」

否定ひていぶんは、否定ひてい語句ごく sega ni を代名詞だいめいし時制じせいあらわ標識ひょうしき)と動詞どうしあいだにおく。

au ā sega ni rai-ci koya.(わたし 過去かこ標識ひょうしき 否定ひてい る―他動詞たどうし かれを)

わたしかれなかった。」

形容詞けいようし

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形容詞けいようし独立どくりつせいひく名詞めいし)は、名詞めいしこうおけされる。[3]

na vale levu(定冠詞ていかんし おおきい)「おおきいいえ

na vale kau (定冠詞ていかんし )  「いえ

同等どうとう名詞めいしは ni でつなげる。

na dela ni vale 「いえ頂上ちょうじょう

ただし、固有名詞こゆうめいしまえでは、例外れいがいてきに、通常つうじょう所有しょゆうは nei、身体しんたい部位ぶい親族しんぞくは i によって結合けつごうする。[3]

na i-vola nei Tomasi 「トマスのほん

na ulu i Tomasi    「トマスのあたま

形態けいたいろん

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接頭せっとうやめ接尾せつびをもつ

接頭せっとう

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  • vaka- 使役しえき通常つうじょう接尾せつびの -taka(他動詞たどうし)とセットで使つかわれる)

vaka-dodonu-taka「ただす」 (dodonu「ただしい」)

また、この vaka- は形容詞けいようし副詞ふくしとしても使つかわれる。

vaka-Viti 「フィジーの、フィジーふうに」

vika-vinaka「く」 (vinaka「い」)

  • ca-, ka-,ra-,ta-,lau- 偶発ぐうはつてき受動じゅどう ta-sova「こぼれた」 ( sova「そそぐ」)

ra-mudu, ka-musu「れた」 ( musu「こわす」)

これらの選択せんたくには規則きそくせいがない

  • ya- 配分はいぶん ya-dua「ひとつずつ」( dua「1」)
  • i- 動詞どうし名詞めいしする i-vola「ほん」( vola「く」)

接尾せつび

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*-a,-ca,-ga,-ka,-ma,-na,-ra,-ta,-va,-ya,および-haka,-kaka,-laka,-maka,-naka,-raka,-taka,-vaka[3]   他動詞たどうし(これらもどれがどの動詞どうしにつくかの選択せんたく規則きそくせいはない)

cina「照明しょうめい」:cina-va 「らす」

rere「こわい」:rere-vaka「おそれる」

動詞どうし目的もくてきが、固有名詞こゆうめいし人称にんしょう代名詞だいめいしであるとき、-a を-i にえ、-ca,-caka は-ci,-caki などのようになる。[3]

ena dau nanu-mi Viti.(かれ未来みらい標識ひょうしき いつも おもう() フィジーを)

かれはいつもフィジーのことをおもっている。」

人称にんしょう代名詞だいめいし

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一人称いちにんしょう主語しゅごそうすう以上いじょう)に包括ほうかつがた排除はいじょがたをもつ。

一人称いちにんしょうそうすうがた包括ほうかつ edaru 排除はいじょ keirau

一人称いちにんしょうさんすうかたち包括ほうかつ edatou(datou) 排除はいじょ keitou

一人称いちにんしょう複数ふくすうがた包括ほうかつ eda(da) 排除はいじょ keimami

三人称さんにんしょう単数たんすう主語しゅごがたがなく、また人称にんしょう男女だんじょ区別くべつはない。

代名詞だいめいしがた無生物むせいぶつ名詞めいしには適用てきようできないなどの特徴とくちょうがある。

所有しょゆうぶつへの範疇はんちゅう

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メラネシアてき特徴とくちょうとして、所有しょゆうぶつへの範疇はんちゅうおこなわれ、[3]範疇はんちゅうことなるとそれにわせて所有しょゆう代名詞だいめいしかたちわる。

所有しょゆうぶつものであれば範疇はんちゅうII、ものであればIII、身体しんたい部位ぶい親族しんぞくであればIV、それ以外いがい中立ちゅうりつ)のものはIに分類ぶんるいされる。

I na nona vale「かれいえ」  (nona かれの vale

II na kena uvi「かれのヤムイモ」(mena かれの uvi ヤムイモ)

III na mena tī「かれちゃ」   (kena かれの tī ちゃ

IV na ulu-na 「かれあたま」   (-na かれの ulu あたま

これにより、

na nona yaqona 「かれの(栽培さいばいした、るための)カヴァノキ」

na mena yaqona 「かれの(むための)カヴァ」

のように、所有しょゆう代名詞だいめいしちがいで名詞めいし形容けいようすることができる。


参考さんこう文献ぶんけん

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岩佐いわさよしみおや『フィジー入門にゅうもん』(1985ねんたいりゅうしゃ

亀井かめいたかし河野こうの六郎ろくろう千野ちの栄一えいいち編著へんちょ 三省堂さんせいどう言語げんごがくだい辞典じてん だい3かん 世界せかい言語げんごへんした-1)』1992ねん

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 標準ひょうじゅんフィジー入門にゅうもん 菊沢きくざわ律子りつこ - 東京外国語大学とうきょうがいこくごだいがく
  2. ^ 亀井かめいたかし河野こうの六郎ろくろう千野ちの栄一えいいち編著へんちょ 三省堂さんせいどう言語げんごがくだい辞典じてん だいかん 世界せかい言語げんごへんした-1)』1992ねん p.650
  3. ^ a b c d e 亀井かめいたかし河野こうの六郎ろくろう千野ちの栄一えいいち編著へんちょ 三省堂さんせいどう言語げんごがくだい辞典じてん だいかん 世界せかい言語げんごへんした-1)』1992ねん p.651

外部がいぶリンク

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