チアチア語ご

チアチア語ご;
	Bahasa Ciacia; 바하사 찌아찌아
話はなされる国くに	インドネシアブトゥン島とう, スラウェシ島とう
話者わしゃ数すう	80,000（2005年ねん現在げんざい）
言語げんご系統けいとう	オーストロネシア語族ごぞくマレー・ポリネシア語ご派は中核ちゅうかくマラヨ・ポリネシア語ご群ぐん（英語えいご版ばん）セレベス語ご（英語えいご版ばん）ムナ・ブトゥン語ご（英語えいご版ばん）ブトゥン語ごチアチア語ご; ; ; ; ; ;
表記ひょうき体系たいけい	ラテン文字もじ（現在げんざい）; ハングル（2009年ねん-2012年ねん、試行しこう現在げんざいも使用しよう中ちゅう）; グンドゥール文字もじ（歴史れきし的てき）
言語げんごコード
ISO 639-3	cia
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チアチア語ご（チアチアご、ラテン文字もじ: Bahasa Cia-Cia、ハングル: 바하사 찌아찌아）は、インドネシアスラウェシ島とう沖おきにあるブトゥン島とう南端なんたんの町まちバウバウ周辺しゅうへんで話はなされているオーストロネシア語族ごぞく系けいの言語げんご。南部なんぶブトゥン語ご (South Buton(ese)) とも呼よばれる。

概要がいよう[編集へんしゅう]

チアチア語ご話者わしゃは2005年ねんの時点じてんで約やく8万まん人にんである^[1]。ただし、ほとんどの者ものがほぼ同おなじ言葉ことばのウォリオ語ご（英語えいご版ばん）かインドネシア語ごも話はなせる。ウォリオ語ごは表記ひょうきにアラビア文字もじを使つかい、一方いっぽうでインドネシアの学校がっこうではラテン文字もじしか教おしえないので、書かき言葉ことばとしては使つかわれなくなってきている^[2]。

チアチア語ごは南東なんとうスラウェシ州しゅう、ブトゥン島とう南部なんぶ、ビノンコ島とう、バトゥアタス島とうなどで使つかわれている^[1]。伝説でんせつによると、ビノンコ島とうのチアチア語ご話者わしゃは、ブトゥン島とうのサルタンから派遣はけんされた軍ぐんの末裔まつえいである^[3]。

ブトゥン島とうの言語げんご事情じじょうは複雑ふくざつで、十分じゅうぶんに調しらべられていない^[4]。方言ほうげんとして、Kaesabu、Sampolawa (Mambulu-Laporo)、Wabula、Masiriなどがある^[1]^[5]。Masiri方言ほうげんは語彙ごいも豊富ほうふである^[1]。Pesisir方言ほうげんでghと発音はつおんするところ、Pedamalan方言ほうげんではrと発言はつげんする。ただしPedamalan方言ほうげんは外来がいらい語ごの影響えいきょうが強つよい^[6]。

表記ひょうき法ほう[編集へんしゅう]

チアチア語ごは昔むかしはジャウィ文字もじ系けいの文字もじグンドゥール文字もじで記しるされていた。この文字もじはアラビア語ごを元もとに、子音しいん5文字もじを足たしたものである。

ハングル採用さいよう[編集へんしゅう]

2009年ねん、バウバウ市しはチアチア語ごの表記ひょうき文字もじとして公式こうしきにハングルを採用さいようするという決定けっていを行おこない^[7]、ハングルで書かかれた教科書きょうかしょも準備じゅんびされて、3年生ねんせい50人にんに配布はいふされたと報ほうじられた^[7]^[8]^[9]^[10]^[11]。

2011年ねん10月がつ、朝鮮日報ちょうせんにっぽうはこのプロジェクトが頓挫とんざしたと報ほうじ^[12]^[13]、プロジェクトを推進すいしんしていた世よ宗むね研究所けんきゅうじょは2012年ねんにバウバウ市しの事務所じむしょを閉鎖へいさし撤退てったいした^[14]。しかし2017年ねんの時点じてんでも、学校がっこうと地域ちいき表示ひょうじ板ばんにハングルが使つかわれ^[15]、活動かつどうを再開さいかいし、2022年ねんに最初さいしょのチアチア語ご辞典じてんが発表はっぴょうされた。ハングル版ばんは2023年ねんに出版しゅっぱんされる予定よていである。

以下いかの表記ひょうきはすべて、チアチア語ごの表記ひょうき法ほうである。

チアチア文字もじ^[16]
子音しいん	ㄱ	ㄲ	ㄴ	ㄷ	ㅌ	ㄸ	ㄹ	ᄙ*	ㅁ	ㅂ	ㅸ**	ㅍ	ㅃ	ㅅ	ㅇ***	ㅈ	ㅉ	ㅎ
ロろーマ字まじ	g	k	n	d	dh	t	r ~ gh, l		m	b	v ~ w	bh	p	s	null, ’, ng	j	c	h
IPA	[ɡ]	[k]	[n]	[ɗ]	[d]	[t]	[r ~ ʁ, l]		[m]	[ɓ]	[βべーた]	[b]	[p]	[s]	[-, ʔ, ŋ]	[dʒ]	[tʃ]	[h]
母音ぼいん	ㅏ	ㅔ	ㅗ	ㅜ	ㅣ	ㅡ
ロろーマ字まじ	a	e	o	u	i	null

* ㄹの文字もじは /r/ を、ᄙの文字もじは /l/ を表あらわす。ᄙが2字じに分わけて書かかれることもあり、例たとえば빨리は前まえの字じの最後さいごのㄹと次つぎの字じの最初さいしょのㄹを合あわせてpaliと発音はつおんされる。세링はㄹが1つなのでseringとなる。冒頭ぼうとうの /l/ は無む音字おんじㅡを利用りようして을ㄹ-のように書かかれる。語尾ごびの /l/ は単たんにㄹと書かかれる。語尾ごびの /r/ は無む音字おんじㅡを利用りようして르と書かく。そのため、例たとえば사요르はsayorとなる。

** 現在げんざいのハングルには [v] を表あらわす文字もじが無ないため、韓国かんこくではすでに使つかわれなくなったㅸの文字もじが復活ふっかつして使つかわれている^[17]。

*** ㅇは朝鮮ちょうせん語ごでは [ŋ] を意味いみする。チアチア語ごの [ʔ] もㅇで表あらわすため、文字もじでは両者りょうしゃを区別くべつできない。

文例ぶんれい^[18]:

아디 세링 빨리 노논또 뗄레ᄫᅵ시. 아마노 노뽀옴바에 이아 나누몬또 뗄레ᄫᅵ시 꼴리에 노몰렝오.

adi sering pali nononto televisi. amano nopo'ombae ia nanumonto televisi kolie nomolengo.

単語たんご

数詞すうしの1から10は:

1から10の数詞すうし^[19]
数詞すうし	1	2	3	4	5	6	7	8	9	10
ラテン文字もじ化か	dise, ise	rua, ghua	tolu	pa'a	lima	no'o	picu	walu, oalu	siua	ompulu
ハングル表記ひょうき	디세, 이세	루아	똘루	빠아	을리마	노오	삐쭈	ᄫᅡᆯ루, 오알루	시우아	옴뿔루

動詞どうし

부리 buri (bughi) 書かく
뽀가우 pogau 話はなす
바짜안 baca'an 読よむ^[18]^[20]

名詞めいし

까아나 ka'ana 家いえ
시골라 sikola 学校がっこう
사요르 sayoro 野菜やさい
보꾸 boku 本ほん^[21]^[22]

会話かいわ

따리마 까시 Tarima kasi. ありがとう
인다우 미아노 찌아찌아 Indau miano Cia-Cia. 私わたしはチアチア語ご話者わしゃです
인다우 뻬엘루 이소오 Indau pe'elu iso'o. 好すきです
모아뿌 이사우 Moapu sia'u. ちょっといいですか
움베 Umbe. はい
찌아 Cia. いいえ^[23]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ ^a ^b ^c ^d ^e Ethnologue report for language code cia （英語えいご） - エスノローグ
^ Butonese - Introduction
^ Noorduyn, J. 1991. "A critical survey of studies on the languages of Sulawesi" p. 131.
^ Noorduyn, J. 1991. "A critical survey of studies on the languages of Sulawesi" p. 130.
^ Donohue, Mark. 1999. "A grammar of Tukang Besi". p. 6.
^ Konisi & Hidayat
^ ^a ^b Agence France-Presse, "Southeast Sulawesi Tribe Using Korean Alphabet to Preserve Native Tongue Archived 2009年ねん8月がつ10日とおか, at the Wayback Machine.", Jakarta Globe, 2009 August 06
^ "South Korea's Latest Export: Its Alphabet", New York Times, 2009 Sept. 11
^ Korea Times, 2009-08-06[1]
^ Indonesian tribe to use Korean alphabet Archived 2009年ねん8月がつ12日にち, at the Wayback Machine.
^ (LEAD) Indonesian tribe picks Korean alphabet as official writing system
^ “チアチア族ぞくへのハングル教育きょういくがピンチに”. 朝鮮日報ちょうせんにっぽう日本語にほんご版ばん (2011年ねん10月がつ10日とおか). 2011年ねん10月がつ10日とおか時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2019年ねん2月がつ25日にち閲覧えつらん。
^ “Adoption of Hangeul by Indonesian Tribe Hits Snag”. The chosun ilbo (2011年ねん10月がつ10日とおか). 2019年ねん2月がつ25日にち閲覧えつらん。
^ Yi Whan-woo (2012年ねん10月がつ8日にち). “Sejong Institute withdrawal to leave Cia-Cia out in cold”. The Korea Times. 2019年ねん2月がつ25日にち閲覧えつらん。
^ “Wow... Ada Kampung Korea di Sulawesi Tenggara! [Wow... There's a Korean village in Southeast Sulawesi]” (Indonesian). Kompas TV. (2017年ねん4月がつ7日にち)
^ slideshow
^ （朝鮮ちょうせん語ご） “사라질 소수민족 언어 ‘한글’로 새 생명 (Hangul which brings the new life to the Cia-Cia people)” (朝鮮ちょうせん語ご). 경향신문（京きょう鄉きょう新聞しんぶん）/Kyunghyang Sinmun. (2009年ねん8月がつ6日にち) 2009年ねん8月がつ9日にち閲覧えつらん。
^ ^a ^b （朝鮮ちょうせん語ご）印しるし尼あま 소수민족, '한글' 공식 문자로 채택
^ Numbers in Austronesian languages
^ （朝鮮ちょうせん語ご） 인도네시아에 한글 사용하는 섬 생겼다 Archived 2009年ねん8月がつ28日にち, at the Wayback Machine.
^ （朝鮮ちょうせん語ご） 8월20일 뉴스후 131회 - ‘따리마까시(고마워요), 한글’ (밤9시45분) Archived 2009年ねん8月がつ28日にち, at the Wayback Machine.
^ （朝鮮ちょうせん語ご） 한글을 공식문자로 채택한 인도네시아 한글마을 가보니 현장스케치 (전체공개)^{[リンク切きれ]}
^ （朝鮮ちょうせん語ご） 세계속의 한글

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

van den Berg, René. 1991. "Preliminary notes on the Cia-Cia language (South Buton)." In Harry A. Poeze and Pim Schoorl (eds.), Excursies in Celebes: Een bundel bijdragen bij het afscheid van J. Noorduyn als directeur-secretaris van het KITLV, 305-24. Leiden: KITLV.
Mustafa Abdullah. 1985. Struktur bahasa Cia-Cia. Proyek Penelitian Bahasa dan Sastra Indonesia dan Daerah Sulawesi Selatan, Departemen Pendidikan dan Kebudayaan.
Ho-Young Lee, Hyosung Hwang, Abidin. 2009. Bahasa Cia-Cia 1. Hunmin jeongeum Society of Korea.
（インドネシア語ご） Konisi & Hidayat, 2001, Analisis kategori kata bahasa cia liwungau

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

Ethnologue report for Cia-Cia language （英語えいご） - エスノローグ
Cia-cia: Sampolawa language on Globalrecordings.net
（朝鮮ちょうせん語ご） Interview on the Cia-Cia's adaption of Hangeul
チアチア語ごのハングル表記ひょうき体系たいけいについて (PDF) - 財団ざいだん法人ほうじん朝鮮ちょうせん奨学しょうがく会かい

[eth-1] Ethnologue report for language code cia （英語えいご） - エスノローグ

[2] Butonese - Introduction

[3] Noorduyn, J. 1991. "A critical survey of studies on the languages of Sulawesi" p. 131.

[4] Noorduyn, J. 1991. "A critical survey of studies on the languages of Sulawesi" p. 130.

[5] Donohue, Mark. 1999. "A grammar of Tukang Besi". p. 6.

[6] Konisi & Hidayat

[jakartaglobe-7] Agence France-Presse, "Southeast Sulawesi Tribe Using Korean Alphabet to Preserve Native Tongue Archived 2009年ねん8月がつ10日とおか, at the Wayback Machine.", Jakarta Globe, 2009 August 06

[NYT-8] "South Korea's Latest Export: Its Alphabet", New York Times, 2009 Sept. 11

[9] Korea Times, 2009-08-06[1]

[Cia-10] Indonesian tribe to use Korean alphabet Archived 2009年ねん8月がつ12日にち, at the Wayback Machine.

[Cia2-11] (LEAD) Indonesian tribe picks Korean alphabet as official writing system

[12] “チアチア族ぞくへのハングル教育きょういくがピンチに”. 朝鮮日報ちょうせんにっぽう日本語にほんご版ばん (2011年ねん10月がつ10日とおか). 2011年ねん10月がつ10日とおか時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2019年ねん2月がつ25日にち閲覧えつらん。

[13] “Adoption of Hangeul by Indonesian Tribe Hits Snag”. The chosun ilbo (2011年ねん10月がつ10日とおか). 2019年ねん2月がつ25日にち閲覧えつらん。

[14] Yi Whan-woo (2012年ねん10月がつ8日にち). “Sejong Institute withdrawal to leave Cia-Cia out in cold”. The Korea Times. 2019年ねん2月がつ25日にち閲覧えつらん。

[15] “Wow... Ada Kampung Korea di Sulawesi Tenggara! [Wow... There's a Korean village in Southeast Sulawesi]” (Indonesian). Kompas TV. (2017年ねん4月がつ7日にち)

[16] slideshow

[17] （朝鮮ちょうせん語ご） “사라질 소수민족 언어 ‘한글’로 새 생명 (Hangul which brings the new life to the Cia-Cia people)” (朝鮮ちょうせん語ご). 경향신문（京きょう鄉きょう新聞しんぶん）/Kyunghyang Sinmun. (2009年ねん8月がつ6日にち) 2009年ねん8月がつ9日にち閲覧えつらん。

[cbs-18] （朝鮮ちょうせん語ご）印しるし尼あま 소수민족, '한글' 공식 문자로 채택

[19] Numbers in Austronesian languages

[joins-20] （朝鮮ちょうせん語ご） 인도네시아에 한글 사용하는 섬 생겼다 Archived 2009年ねん8月がつ28日にち, at the Wayback Machine.

[21] （朝鮮ちょうせん語ご） 8월20일 뉴스후 131회 - ‘따리마까시(고마워요), 한글’ (밤9시45분) Archived 2009年ねん8月がつ28日にち, at the Wayback Machine.

[22] （朝鮮ちょうせん語ご） 한글을 공식문자로 채택한 인도네시아 한글마을 가보니 현장스케치 (전체공개)^{[リンク切きれ]}

[23] （朝鮮ちょうせん語ご） 세계속의 한글

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