ベイラー大だい聖堂せいどう (ゲーム・オブ・スローンズ)

ベイラー大だい聖堂せいどう “Baelor”
『ゲーム・オブ・スローンズ』のエピソード
話はなし数すう	シーズン1 第だい9話わ
監督かんとく	アラン・テイラー
脚本きゃくほん	デイヴィッド・ベニオフ D・B・ワイス
音楽おんがく	ラミン・ジャヴァディ
作品さくひん番号ばんごう	109
初はつ放送ほうそう日び	2011年ねん6月がつ12日にち (2011-06-12)
時間じかん	57 minutes
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『ベイラー大だい聖堂せいどう』はHBO(日本にっぽんではスター・チャンネルが放送ほうそう)のファンタジー・ドラマ・シリーズである『ゲーム・オブ・スローンズ』の第だい1章しょう『七なな王国おうこく戦記せんき』の第だい9話わである。プロデューサーでもあるデイヴィッド・ベニオフ と D・B・ワイスが脚本きゃくほんを書かき、 アラン・テイラーが監督かんとくした。

囚とらわれの身みとなり、大逆だいぎゃく罪ざいで訴うったえられたエダード・スタークが、娘むすめたちを救すくうために虚偽きょぎの自白じはくをすべきか迷まよう。妻つまのキャトリンは、息子むすこのロブがラニスター家かに対たいして初陣ういじんを戦たたかえるように、戦略せんりゃく的てきに重要じゅうような河かわを渡わたるための交渉こうしょうをウォルダー・フレイ公おおやけと行おこなう。一方いっぽう、ジョン・スノウはメイスター・エイモンの秘密ひみつを知しり、デナーリスはカール・ドロゴの治療ちりょうをするために、ドスラク人じんの伝統でんとうに挑戦ちょうせんする。

あらすじ

ラニスターの陣じん

戦陣せんじんの宴うたげで、タイウィン公おおやけ(チャールズ・ダンス)はティリオン(ピーター・ディンクレイジ)とその味方みかたの〈山やまの民みん〉が先鋒せんぽうで戦たたかうと、ティリオンに告つげる。ティリオンは父ちちが自分じぶんを殺ころそうとしているのではないかと疑うたがう。ティリオンがテントに帰かえると、ブロン(ジェローム・フリン)が娼婦しょうふのシェイ(シベル・ケキリ)を見みつけてきている。3人にんは身みの上うえ話ばなしを交かわし、ティリオンは、16歳さいの時ときに、兄あにジェイミー(ニコライ・コスター＝ワルドー))とともに、ティシャという娘むすめを救すくいだし、結婚けっこんしたことを明あかす。だが父ちちタイウィンがこれを知しると、ティシャが実じつは雇やとわれた娼婦しょうふであったとジェイミーに告白こくはくさせた。そしてラニスター家かの衛兵えいへいたちが全員ぜんいん銀貨ぎんか１枚まいずつ払はらいティシャと性交せいこうするところを見みるよう強しいられたと話はなす。

しばらくして、スターク家かの軍勢ぐんぜいが近ちかづいたと、ブロンがティリオンを起おこす。ティリオンは鎧よろいを身みにつけ、〈山やまの民みん〉に戦たたかいを命めいじる。だがティリオンは味方みかたの軍勢ぐんぜいに踏ふみつけられ、意識いしきを取とり戻もどした時ときには戦たたかいは終おわっている。タイウィンは、スターク軍ぐんは2千せんの兵へいしかいなかったと言いい、残のこりの1万まん8千せんの兵へいはどこに行いったのかと訝いぶかる。

双子ふたご城じょう

スターク軍ぐんは武装ぶそうされた橋はしである双子ふたご城じょうにやって来くる。ここはキャトリン(ミシェル・フェアリー)の父ちちのホスター・タリーに忠誠ちゅうせいを誓ちかう、ずる賢かしこいウォルダー・フレイ(デイビッド・ブラッドリー)が支配しはいする場所ばしょである。だがフレイ公こうは橋はしを閉鎖へいさして軍ぐんの通行つうこうを拒否きょひし、キャトリンは息子むすこロブ(リチャード・マッデン)の代理だいりとして交渉こうしょうする。厳きびしいやり取とりの後のち、フレイ公こうは橋はしの通行つうこうを許ゆるし、助勢じょせいを約束やくそくするが、その代かわりにロブとアリアが自分じぶんの子こと結婚けっこんすることを求もとめる。ロブは渋しぶりながらも受うけ入いれる。

河かわを渡わたった後のち、ロブは軍勢ぐんぜいを二ふたつに分わけ、タイウィン公こうの注意ちゅういをそらすために2千せん人にんの兵へいを送おくる。ロブがラニスターの斥候せっこうに誤あやまった情報じょうほうを流ながしたため、タイウィン公こうの軍ぐんはこれがロブの全ぜん軍ぐんだと信しんじ込こむ。ロブの軍ぐんの大半たいはんはジェイミーの軍ぐんに密ひそかに近ちかづいて破やぶり、ジェイミーを捕虜ほりょとする。ジェイミーは一対一いちたいいちの決闘けっとうでの決着けっちゃくを求もとめるが、ロブは拒絶きょぜつする。

〈壁かべ〉

総帥そうすいジオー(ジェームズ・コスモ)は、死しから甦よみがえり〈亡者もうじゃ〉となった哨士から命いのちを救すくわれた礼れいに、息子むすこのサー・ジョラーが追放ついほう前まえに所持しょじしていた剣けん”ロングクロウ”をジョン(キット・ハリントン)に贈おくる。だが、サム(ジョン・ブラッドリー)が ラニスター家かと戦たたかうロブの軍ぐんの話はなしをした時とき、ジョンは動揺どうようし、ロブを助たすけてその傍はたにいるべきだと感かんじる。

メイスター・エイモンはジョンを呼よび、なぜ〈冥めい夜よるの守人もりと〉が結婚けっこんしないのかを説明せつめいし、それは愛あいする家族かぞくへの忠誠ちゅうせい心しんと、規則きそくを守まもる義務ぎむの間あいだの苦くるしい選択せんたくを避さけるためだと言いう。メイスター・エイモンは実じつは狂きょう王おうエイリス・ターガリエンの叔父おじであり、デナーリス・ターガリエンの大叔父おおおじにあたるエイモン・ターガリエンであり、ターガリエン家かが王位おういから追おわれ、親族しんぞくが殺ころされ追放ついほうされるのを〈壁かべ〉から見守みまもるしかなかったため、その辛つらさが良よく分わかると言いう。エイモンは、ジョンは〈冥めい夜よるの守人もりと〉への義務ぎむと家族かぞくへの義務ぎむのいずれかを選えらばなければならないと言いい、いずれにしてもその選択せんたくの結果けっかは、ジョンの残のこりの人生じんせいに付つきまとうことになると言いう。

狭せまい海うみの向むこう側がわ

カール・ドロゴ(ジェイソン・モモア)は前ぜん話はなしで受うけた胸むねの傷きずが化膿かのうして苦くるしみ、落馬らくばするが、これはドスラク人じんの間あいだでは弱よわさの徴しるしとされる。デナーリス(エミリア・クラーク)はテントにドロゴを運はこび入いれさせ、ミリ・マズ・ドゥールを呼よぶ。ドスラク人じんは強つよさのみを尊重そんちょうするため、今いますぐにここを去さるべきだとジョラー(イアン・グレン)は言いう。ドロゴが死しねば、コソやほかの血縁けつえん騎士きしたちが後継こうけい者しゃとなるために戦たたかい、勝者しょうしゃはデナーリスとまだ生うまれぬ子こを殺ころして、敵てきを減へらすだろうと言いう。ミリがドロゴは助たすけられず、安楽あんらく死しさせるべきだと言いっても、デナーリスはドロゴを見捨みすてようとしない。デナーリスはミリに〈血ちの魔術まじゅつ〉を用もちいるよう願ねがうが、ミリは命いのちの代償だいしょうは死しだけだと言いい、魔術まじゅつは望のぞましくない結果けっかを招まねくことがあると警告けいこくする。ミリは馬うまをテントに入いれてその喉のどを斬きり裂ざき、人々ひとびとを立たち去さらせる。コソはデナーリスの行為こういに驚おどろき、魔術まじゅつを止とめようとするが、邪魔じゃまをさせまいとするモーモントに殺ころされる。陣痛じんつうがデナーリスを襲おそうが、ドスラク人じんの産婆さんばはデナーリスが呪のろわれたと信しんじて誰だれも助すけようとしない。絶望ぜつぼうのあまり、モーモントはデナーリスをドロゴのテントに運はこび入いれてミリの助たすけを求もとめる。

キングズランディング

ヴァリス公おおやけ(コンリース・ヒル)が牢ろうのエダード(ネッド)(ショーン・ビーン)を訪たずね、虚偽きょぎの自白じはくをしてジョフリー王おう(ジャック・グリーソン)に忠誠ちゅうせいを誓ちかえば、サーセイ (レナ・ヘディ)はエダードを助命じょめいして〈壁かべ〉に追放ついほうすると言いう。エダードははじめ拒否きょひするが、娘むすめサンサ(ソフィー・ターナー)の命いのちもかかっているとヴァリスが言いったため、考かんがえ直なおす。

ラニスター家かから逃のがれた後のち、次女じじょのアリア(メイジー・ウィリアムズ)はキングズランディングの通とおりの乞食こじきとして暮くらしているが、父ちちが神かみ々の前まえで裁さばかれるため、ベイラー大だい聖堂せいどうの前まえに人々ひとびとが集あつまっていることを知しる。ジョフリー、サーセイ、サンサそして小しょう評議ひょうぎ会かいが見守みまもる中なか、エダードは人々ひとびとの前まえで反逆はんぎゃく罪ざいを告白こくはくし、ジョフリー王おうに忠誠ちゅうせいを誓ちかう。約束やくそくしたように、サーセイとサンサはジョフリーにエダードの助命じょめいを請こう。だがジョフリーは約束やくそくを破やぶり、エダードの斬首ざんしゅを命めいじる。サンサが恐怖きょうふの目めで見守みまもる中なか、サーセイ、ヴァリスそして小しょう評議ひょうぎ会かいは処刑しょけいをやめさせようとし、アリアも父ちちを救すくおうとするが〈冥めい夜よるの守人もりと〉の新兵しんぺい募集ぼしゅう係がかりのヨーレンに止とめられ、父親ちちおやの処刑しょけいの場面ばめんを見みないで済すむ。

製作せいさく

ベイラー大だい聖堂せいどうのシーンはマルタで撮影さつえいされた

脚本きゃくほん

原作げんさく第だい一部いちぶ『七なな王国おうこくの玉座ぎょくざ』の第だい58-60章しょう、第だい62-65章しょうに基もとづいて、プロデューサーでもあるデイヴィッド・ベニオフ と D・B・ワイスが脚本きゃくほんを書かいた。

ティリオン、ブロン、シェイが酒さけを飲のむ遊あそびをしているシーンがドラマのために付つけ加くわえられ、以前いぜんの章しょうで語かたられた、ティリオンの失敗しっぱいに終おわった結婚けっこんの話はなしが使つかわれた。その他た、ロブ・スタークが軍ぐんを分わけた戦略せんりゃくも原作げんさくとは異ことなる。また、ターガリエン家かの家系かけい図ずにも変更へんこうがあり、原作げんさくでは狂きょう王おうエイリスはエイゴン・ターガリエン五ご世せいの孫まごであるところが、ドラマでは子ことされている。すなわちジェヘアリーズ二に世せいが家系かけい図ずから消きえている。

タイトルは、七なな王国おうこくにおける主要しゅような宗教しゅうきょうである七なな神かみ正教せいきょうの、キングズランディングにおけるもっとも重要じゅうような建物たてものであるベイラー大だい聖堂せいどうをさしている。ベイラーは、かつてのターガリエン王朝おうちょうの王おうであり、七なな神かみ正教せいきょうの信仰しんこう篤あつい後援こうえん者しゃであった。

キャスティング

本ほんエピソードでは、娼婦しょうふのシェイ役やくで、ドイツ人じん女優じょゆうシベル・ケキリが登場とうじょうする。原作げんさく者しゃのジョージ・R・R・マーティンによれば、「オーディションでは綺麗きれいな女優じょゆうが何人なんにんもシェイの役やくを演えんじた。だがシェイには別べつの面めんがある。シェイはほかの娼婦しょうふほど、この職業しょくぎょうに慣なれていない。普通ふつうの女おんなの子このようにはしゃぎ、傷きずつきやすく無垢むくなところがある。シェイ役やくの候補こうほは皆みなすばらしく魅力みりょく的てきだった。何人なんにんかはほかの候補こうほにないものを持もっていた。だがシベルは特別とくべつだった。オーディションをみたら、熱あつい血ちの流ながれる男おとこなら誰だれでも、全員ぜんいんをベッドに誘さそいたいと思おもうだろう。だがシベルとは恋こいに落おちるのさ。」

ロケーション

室内しつないのシーンはベルファスト郊外こうがいのスタジオで撮影さつえいされ、スターク家かおよびラニスター家かの陣じんや双子ふたご城じょうは北きたアイルランドの古城こじょうで撮影さつえいされた。

ベイラー大だい聖堂せいどうのシーンはマルタで撮影さつえいされた。

評判ひょうばん

視聴しちょう者しゃ数すう

初回しょかい視し聴者ちょうしゃ数すうは270万まん人にんとなり、前ぜん話はなしと並ならんでシーズン最高さいこうを記録きろくした。同夜どうやの再さい放送ほうそうを含ふくめると340万まん人にんとなった 。

賞しょう

本ほんエピソードの演技えんぎによって、ピーター・ディンクレイジは2011年ねんプライムタイム・エミー賞しょうの助演じょえん男優だんゆう賞しょうミニシリーズ/テレビ映画えいが部門ぶもんを受賞じゅしょうした。また、本ほんエピソードは同どう賞しょうの脚本きゃくほん賞しょうドラマ部門ぶもんにノミネートされた。

外部がいぶリンク

• スター・チャンネル 『ゲーム・オブ・スローンズ』ページ
• ワーナー・ブラザース DVD&Blu-ray 『ゲーム・オブ・スローンズ』ページ
• Official U.S. website HBO