(Translated by https://www.hiragana.jp/)
マルサン商店 - Wikipedia コンテンツにスキップ

マルサン商店しょうてん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

マルサン商店しょうてんマルサン1947ねん - 1968ねん1969ねん - )は、日本にっぽん玩具おもちゃ模型もけいメーカーである。20世紀せいき中盤ちゅうばんにブリキ玩具おもちゃ国産こくさんプラスチックモデル怪獣かいじゅうソフトビニール人形にんぎょう人気にんきはくした。本社ほんしゃ東京とうきょう台東たいとう浅草あさくさ寿ことぶきまち1-12にあった。1967ねんにマルザンに改名かいめい、1968ねん倒産とうさん[1]。1969ねんにマルサンとして再建さいけんされたが、しん会社かいしゃきゅうマルサンの資産しさん従業じゅうぎょういんはほとんど継承けいしょうしていない。ソフビ怪獣かいじゅう関連かんれん業務ぎょうむは、どう時期じき設立せつりつされたブルマァク実質じっしつてきがれた[1]

概要がいよう

[編集へんしゅう]

マルサン(マルサン商店しょうてん、マルザン)は1923ねん石田いしだ直吉なおきち東京とうきょう浅草あさくさ設立せつりつした石田いしだ製作所せいさくしょながれを玩具おもちゃ模型もけいメーカーである。1950年代ねんだいブリキ玩具おもちゃ名作めいさくつくしたメーカー、「プラモデル」を商標しょうひょう登録とうろくすることで「日本にっぽんはつ国産こくさんプラモデル」しょうして発売はつばい、プラスチックモデルの普及ふきゅう尽力じんりょくしたメーカー、そしてソフビ怪獣かいじゅうはじめていちせい風靡ふうびしたメーカーとしてられる。1968ねん倒産とうさん翌年よくねん再建さいけんされたマルサンは名称めいしょうと「プラモデル」の商標しょうひょう以外いがいきゅうマルサンの資産しさんほとんいでおらず、きゅうマルサンの事業じぎょう一部いちぶどう時期じきあらたに設立せつりつされたブルマァクがれた。

沿革えんかく

[編集へんしゅう]

1947ねん昭和しょうわ22ねん)に石田いしだ晴康はるやす(いしだ はるやす)、晴康はるやす実弟じってい石田いしだみのる(いしだ みのる)、義弟ぎてい荒井あらい康夫やすお(あらい やすお)の3にんがマルサン商店しょうてん屋号やごう玩具おもちゃぎょう開始かいし。マルサンの名称めいしょう元々もともと石田いしだ晴康はるやす以前いぜん奉公ほうこうしていた野地やちかたさん商店しょうてん商標しょうひょうが「○」に「さん」であり、それを借用しゃくようして「マルサン」とませて屋号やごうにしていたものであるが、あらたに「3にんはじめたのでサン」という意味合いみあいもくわえたとされる。1950ねん株式会社かぶしきがいしゃマルサン商店しょうてんとなり、石田いしだ晴康はるやす社長しゃちょう就任しゅうにんした。ロゴマークは「○」に「SAN」をれたものを使用しようした。

当初とうしょセルロイド人形にんぎょう双眼鏡そうがんきょう顕微鏡けんびきょうなどの光学こうがく玩具おもちゃあつかう。おもにアメリカ輸出ゆしゅつ商品しょうひんとして製造せいぞう販売はんばいおこなっていた。1953ねん昭和しょうわ28ねん)にブリキ玩具おもちゃ傑作けっさくばれたキャデラック発売はつばい当時とうじのブリキ玩具おもちゃがおよそ300えん - 500えんだったのにたいしこの商品しょうひんは1500えんという高額こうがく発売はつばいされるもその精巧せいこうさから人気にんき商品しょうひんとなりマルサンの知名度ちめいど向上こうじょうさせた。

しかし1954ねん12月にアメリカで「日本にっぽんのセルロイドは発火はっかせいがあり危険きけんである」とされ、急速きゅうそくにセルロイド製品せいひん市場いちばから姿すがたした。セルロイド人形にんぎょう販売はんばいしていたマルサンもこのあおりをしん商品しょうひん開発かいはつした。アメリカ・レベル当時とうじ表記ひょうきは「ラベール」)しゃ1953ねん発売はつばいした「原子力げんしりょく潜水せんすいかんノーチラスごう」のプラスチック・モデルなどを参考さんこうとし、1958ねん昭和しょうわ33ねん)12月に「プラモデル」の商標しょうひょう登録とうろくとともに、「日本にっぽんはつのプラモデル」としょうして国産こくさんプラスチック・モデルをおくした。このとき商品しょうひんぐん以下いかの4つである。

マルサンせいわらわともしゃばん)ともととなったレベルせいうえ)のノーチラス。形状けいじょう部品ぶひん分割ぶんかつともほぼおなじであるが、船体せんたい寸法すんぽうはマルサンのほうわずかにちいさく、ランナーない部品ぶひん配置はいちことなる。
  • SSN-571 原子力げんしりょく潜水せんすいかん ノーチラス 1/300スケール
レベルしゃのキットのコピー。現在げんざいかねがたわらわともしゃ所有しょゆうし、「日本にっぽん最初さいしょのプラモデル」としょうしてのさい発売はつばいすうかいおこなっている。昭和しょうわ33ねん12月15にちづけの『日本にっぽん模型もけい新聞しんぶん』は、「本邦ほんぽう最初さいしょのプラスチック・モデル」としてほん製品せいひんが12月初旬しょじゅん発売はつばいされたとほうじている。
  • ダットサン1000 211がたセダン 1958ねんがた 1/25スケール
マルサン記述きじゅつでは211がたではあるが正確せいかくには210がたである。「こう樹脂じゅし」が日産自動車にっさんじどうしゃ賞品しょうひん販促はんそくひんようとして企画きかく開発かいはつし1958ねん10がつごろ発売はつばい。「こう樹脂じゅし」は日産自動車にっさんじどうしゃ納入のうにゅうするととも一般いっぱんにも販路はんろ拡大かくだいのため問屋とんや模型もけいてんにも販売はんばい開始かいしした。そのことをったマルサン商店しょうてんは、かずこう樹脂じゅしたいして製品せいひんすべてマルサンがわ納入のうにゅうするよう提案ていあん。マルサン商店しょうてん数カ月すうかげつに「ノーチラスごう」の発売はつばい予定よていしており、「ノーチラスごう」を「日本にっぽん最初さいしょのプラモデル」として大々的だいだいてき予定よていであったため、それに先行せんこうするかたちこう樹脂じゅしのダットサンが市場いちばながれるのを防止ぼうしする必要ひつようがあった。こうがわとしては営業えいぎょう活動かつどうはぶけるためにそれを応諾おうだく、マルサンははこ印刷いんさつされたこう樹脂じゅしのマークのうえにマルサンの自社じしゃブランドのシールをって、ノーチラスごうどう時期じき発売はつばいした。なお、かずこう樹脂じゅしはダットサンの発売はつばい同時どうじにプラモデルよう塗料とりょう開発かいはつし、それを「プラカラー」とび、プラスチックモデルのことを「プラモデル」と社内しゃないでは使つかっていた。マルサンが「プラモデル」「プラカラー」を最初さいしょ商標しょうひょう登録とうろくしたことから、「プラモデル」の名称めいしょう発明はつめいしゃはマルサンであるとする後世こうせい文献ぶんけん存在そんざいするが、実際じっさいには「プラモデル」の名称めいしょう発明はつめいしゃこう樹脂じゅしであり、マルサンはそれを盗用とうようしたにぎない。
なお、かずこう樹脂じゅしのダットサン1000ならびに日野ひのルノー、トヨペット等々とうとう製品せいひんこう樹脂じゅし、マルサンの両方りょうほうのブランドにて並行へいこう販売はんばいされている。
レベルしゃのキットのコピー。このかねがたはノーチラスごうかねがたより製作せいさくむずかしくマルサンではつくっていない、他社たしゃより提供ていきょうされたものであった。
  • ボーイング B-47 ストラトジェット 1/200スケール
オーロラしゃのキットのコピー[2]

発売はつばいさいし、マルサンはこう樹脂じゅしがすでに社内しゃない使つかっていた「プラカラー」、「プラモデル」を商標しょうひょうとして採用さいようし、1959ねん昭和しょうわ34ねん)に商標しょうひょう登録とうろくおこなった。しかし当時とうじ日本にっぽんではしきプラスチックモデルはほとん存在そんざいしておらず、理解りかいられなかったため販売はんばい苦戦くせんした。問屋とんや部品ぶひんがバラバラにはいっていることから「なんだ、このクズは」とってりを拒否きょひした。そこでマルサンは開局かいきょくしたばかりのフジテレビ日曜日にちようび午前ごぜん10から25分間ふんかんりくうみそら』という番組ばんぐみ放送ほうそう司会しかいすでにアメリカせいのプラモデルをてていたさんゆうてい小金こがね毎週まいしゅうひとつのキットを紹介しょうかいするコーナーをもうけたところ知名度ちめいど急速きゅうそくたかまり、マルサン製品せいひんもとより、他社たしゃ模型もけいきもびたという。番組ばんぐみ視聴しちょうりつは20%にたっ放送ほうそうは2年間ねんかんつづいた。

流行りゅうこうとなったため周辺しゅうへん商品しょうひん開発かいはつする必要ひつようせまられ「プラカラー」「プラシンナー」「プラボンド」という商品しょうひんめい模型もけいよう塗料とりょう溶剤ようざい接着せっちゃくざいなども販売はんばいしていた。後発こうはつ模型もけい企業きぎょう参入さんにゅうしてさい「プラモデルとべるのはマルサンだけ」という惹句で自社じしゃ商標しょうひょう前面ぜんめんした宣伝せんでんおこなった。また、かつてキットをコピーしたレベルしゃ提携ていけいし、「マルサン・ラベール提携ていけいひん」としょうしておおくのレベル製品せいひん国内こくない販売はんばいおこな一方いっぽうじゅん国産こくさんプラモデルの開発かいはつにもちからちゅういだが、海外かいがいメーカーのキットのコピーもつづおこなわれていた。

1965ねん昭和しょうわ40ねん)のスロットカーブームでは多額たがく設備せつび投資とうしおこなったが、ブームのはやすぎる終息しゅうそくによりおおくの負債ふさいのこされた。1966ねん昭和しょうわ41ねん)には『ウルトラQ』や『ウルトラマン』に登場とうじょうする怪獣かいじゅうソフトビニール人形にんぎょう発売はつばい当初とうしょ問屋とんや評価ひょうかひくかったが、子供こども支持しじだいヒット商品しょうひんとなった。これらの商品しょうひんだいいち怪獣かいじゅうブーム人気にんき一端いったんになった[3]

1967ねん昭和しょうわ42ねん)には社名しゃめい株式会社かぶしきがいしゃマルザンに変更へんこうした。これは、ソフビ怪獣かいじゅうだいヒットにもかかわらず、スロットカーブーム負債ふさいのために経営けいえい安定あんていしなかったため、当時とうじ社長しゃちょう石田いしだみのる姓名せいめい判断はんだん意見いけんれ、マルサン(まる = きむる)からマルザン(まるざん = きむのこる)へとえたものである。ロゴマークも赤丸あかまる上下じょうげ分割ぶんかつし、小文字こもじで「san」と記入きにゅうしたものに変更へんこうされた。当時とうじのカタログやプラモデルのパッケージでは、社名しゃめいは「K.K.マルザン」となっているが、「MARUSAN」や「マルサン/プラモデル」などの表記ひょうきもみられ、社名しゃめい変更へんこうもブランドめいとしてはマルサンが使用しようされていた。

1968ねん昭和しょうわ43ねん)にはいるとだいいち怪獣かいじゅうブームにもかげりがあらわれ、ブームを牽引けんいんしていた『ウルトラセブン』の放送ほうそう終了しゅうりょうほどなくマルザンは倒産とうさんした。債務さいむ整理せいり順調じゅんちょうすすみ、事業じぎょう一部いちぶはマルサンのもと社員しゃいんあらたに設立せつりつしたブルマァクがれ、プラモデルのかねがたもブルマァクのほか日本にっぽん模型もけい富士ふじホビー、わらわともしゃとう複数ふくすう会社かいしゃがれた。

1969ねん昭和しょうわ44ねん)に石田いしだみのる(株)かぶしきがいしゃマルサンとして事業じぎょう再開さいかいしたが、マルザン資産しさん処分しょぶんみであり、ほぼ0からのスタートとなった。あたらしいロゴマークは、赤丸あかまる上下じょうげ分割ぶんかつし、大文字おおもじで「SAN」と記入きにゅうしたものを使用しようし、「プラモデル」の商標しょうひょうつづもちいていた。1970年代ねんだい前半ぜんはんにはウルトラシリーズのミニソフビやミニプラモ、1/100スケールの日本にっぽん傑作けっさく(パチパチキット)などを発売はつばいした。しかし経営けいえいくるしく、1970年代ねんだいなかばには「プラモデル」の商標しょうひょうけん大手おおて問屋とんや三ツ星みつぼし商店しょうてん売却ばいきゃくしている。1970年代ねんだい後半こうはん以降いこうOEM事業じぎょう中心ちゅうしんとなって玩具おもちゃ模型もけいおもて舞台ぶたいから姿すがたし、再開さいかい開発かいはつされたプラモデルのかねがた他社たしゃ譲渡ゆずりわたされた。1981ねんにはプルバックやノコノコ歩行ほこうのゼンマイに使用しようする小型こがたギアボックスを開発かいはつし、おおくのメーカーの製品せいひん使用しようされている。1997ねんおりからの昭和しょうわレトロブームのなかで、マルサン・オリジナル怪獣かいじゅう復刻ふっこく販売はんばい以降いこう昭和しょうわ時代じだいのソフビの復刻ふっこくばんや、昭和しょうわテイストで新規しんき造形ぞうけいされたソフビ人形にんぎょうなどの販売はんばいおこなっている。

製品せいひん

[編集へんしゅう]

スケールプラモデル

[編集へんしゅう]

マルサンの製品せいひんには、自社じしゃ開発かいはつによるオリジナルキット、海外かいがいメーカーとの提携ていけいにより国内こくない販売はんばいおこなったキット、他社たしゃ製品せいひんをコピーしたキットの3種類しゅるいがある。提携ていけいさきとしては、上述じょうじゅつのレベルのほか、PyroとSnapがある。レベルとの提携ていけいは1960ねんはじまり、1964ねん提携ていけいさきグンゼ産業ぐんぜさんぎょうわるまでのあいだ多種たしゅのレベル製品せいひん国内こくない販売はんばいした。提携ていけいひんのパッケージは基本きほんてきにアメリカばん同一どういつで、マルサンのロゴと、「マルサン・ラベール提携ていけいひん」の文字もじ追加ついかされていた。また、一部いちぶ製品せいひんには日本語にほんご組立くみたて説明せつめいえられていた。Pyroからははこスケールの船舶せんぱくキットが5てんほど、Snapからは1/40スケールのべいぐん軍用ぐんよう車両しゃりょう火砲かほう、ミサイル、ヘリコプターなどのキットがじゅうすうてん、それぞれアメリカばんじゅんじたパッケージで発売はつばいされている。他社たしゃ製品せいひんのコピーはプラモデル開発かいはつ当初とうしょから1960年代ねんだいなかばまでつづけられ、コピーされたメーカーも、レベル、モノグラムオーロラ、リンドバーグ、ITC、ロコなど多数たすうにわたった。また、1960年代ねんだいなかばからアメリカのUPC (Universal Powermaster Corporation) が多種たしゅのマルサン製品せいひん輸入ゆにゅうし、自社じしゃパッケージでの販売はんばいおこなっている。そのなかには米国べいこくメーカーのキットをマルサンがコピーしたものもふくまれていた。1960年代ねんだいまつにはおなじくアメリカの玩具おもちゃメーカーEldonが1/72複葉ふくよう、1/100戦闘せんとう、HOスケール軍用ぐんよう車両しゃりょうなどのキットを輸入ゆにゅうし、ブックマッチ形式けいしきのパッケージでマッチキット(Match Kit)の名称めいしょう販売はんばいしている。ブックマッチ形式けいしきのパッケージはマルザン末期まっき製品せいひんにもみられる。

  • 1/100世界せかいシリーズ : 主力しゅりょくシリーズの1つで、だい世界せかい大戦たいせん各国かっこく戦闘せんとう中心ちゅうしんであるが、B-29B-24のようなよんはつばくげきや、F-86F-104のようなジェット戦闘せんとう製品せいひんされていた。
  • 1/50世界せかいシリーズ : 1/100となら主力しゅりょくシリーズの1つ。きゅうななつかさひゃくしきれいしきさんすいなど、当時とうじ国産こくさんキットではトップクラスの製品せいひんふくまれ、とくF-86D自衛隊じえいたい使用しようちゅう機体きたいだったこともあり、ギミック、外形がいけい正確せいかくさともに海外かいがい一流いちりゅうメーカーの製品せいひんけをらなかった。一方いっぽうほんシリーズの外国がいこく大半たいはんは、モノグラムやリンドバーグなどの米国べいこくメーカーの1/48スケールキットのコピーであった。
  • マッチばこシリーズ : 年少ねんしょうしゃけのながさ3-4cm程度ていどの、小型こがた安価あんか航空機こうくうきキット。
  • 民間みんかんシリーズ : 1/125スケールの旅客機りょかくきなど。
  • 傑作けっさくシリーズ : 1/50、1/100以外いがい各種かくしゅスケールの航空機こうくうきキット。1/35スケールれいせんなど一部いちぶのぞき、ほとんどが海外かいがいメーカーのはこスケールキットのコピー。
  • 1/72複葉ふくようシリーズ : デッドコピーではないが、レベルの1/72スケール複葉ふくようキットの影響えいきょうつよけた製品せいひん。マルザン末期まっき製品せいひんであり、実際じっさいにマルザンブランドで発売はつばいされたかどうかは不明ふめいであるが、Eldonからの1/100スケールキットととも発売はつばいされている。のち日本にっぽん模型もけい富士ふじホビー、サニー、アメリカのEntexなどからも発売はつばいされた。さらにESCIから発売はつばいされた複葉ふくようキットもほんキットのかねがたまたはそのコピーをもちいている。
  • 1/700日本にっぽん連合れんごう艦隊かんたいシリーズ : 戦艦せんかん空母くうぼじゅう巡洋艦じゅんようかんけい10てんほど多色たしょく成形せいけいのフルハルモデルで、モーターで水上すいじょう走行そうこう可能かのうなほか、煙突えんとつからけむりすギミックをっていた。
  • 1/400日本にっぽん連合れんごう艦隊かんたいシリーズ : 大和やまと武蔵むさし信濃しなのの3てん
  • 帆船はんせんシリーズ : 1/1000、1/400、1/200スケールの日本にっぽんまる海王かいおうまるなど。
  • 魚雷ぎょらいていシリーズ : スケール表示ひょうじはないが、1/100スケール程度ていど各国かっこく魚雷ぎょらいてい
  • 機甲きこう師団しだんシリーズ : HOスケールのドイツとアメリカの軍用ぐんよう車両しゃりょう火砲かほうおよびフィギュアセットなど。すべてオーストリアRocoしゃのミニタンクシリーズのコピーだった。通常つうじょうはこではなく、初版しょはん透明とうめいのプラスチックケースり、再版さいはんはブックマッチ形式けいしきのパッケージで発売はつばいされた。
  • 透視とうし解剖かいぼう模型もけいシリーズ : 外装がいそうをクリア成形せいけいした人体じんたい動物どうぶつ昆虫こんちゅうなど。
  • 1/100パチパチキット : 再建さいけんされたマルサンが1973ねん発売はつばいしたキット。外国がいこく発売はつばい予定よていされていたが、日本にっぽん戦闘せんとう6てんのみが発売はつばいされた。外形がいけい正確せいかくさ、表面ひょうめんのモールドなど、きゅう製品せいひんとは一線いっせんかくしたキットで、金属きんぞく部品ぶひんもちいてあしをワンタッチでれするギミックをっていた。ただし、金属きんぞく部品ぶひんあつかいは年少ねんしょうしゃにはむずかしかったため、のちあし可動かどうギミックは廃止はいしされた。1970年代ねんだい後半こうはんかねがたわらわともしゃうつり、以後いごながらく生産せいさんつづけられている。また、2003ねんにはブラインドボックス形式けいしき塗装とそうみキットのつばさコレクションシリーズにかねがた利用りようされて人気にんきはくし、のちにほぼどういちフォーマットで機種きしゅかねがた新規しんき製作せいさくされている。

キャラクタープラモデル

[編集へんしゅう]

最初さいしょ発売はつばいされたキャラクターモデルは1964ねん電動でんどうゴジラ[注釈ちゅうしゃく 1]バラゴンTemplate:Rだい百科ひゃっか106、1966ねんから1967ねんにかけては同様どうようのギミックで歩行ほこうする、『ウルトラQ』や『ウルトラマン』に登場とうじょうする怪獣かいじゅうが10てん以上いじょう発売はつばいされた。『ウルトラマン』で発売はつばいされたメカはジェットビートルと特殊とくしゅ潜航せんこうていSごうのみで、つづく『キャプテンウルトラ』や『ウルトラセブン』では一転いってんしてメカ中心ちゅうしん製品せいひん展開てんかいとなり、ウルトラホークやポインターはそれぞれだいなかしょうの3タイプが発売はつばいされている。海外かいがい映画えいがやテレビドラマからも、『宇宙うちゅう家族かぞくロビンソン』のジュピター2ごうやスペースタンク、『2001ねん宇宙うちゅうたび』のオリオン宇宙船うちゅうせん、『ミクロの決死けっしけん』のプロテウスごうなどのメカが発売はつばいされている。また、トッポ・ジージョミッキーマウスドナルドダックなどのディズニーキャラクター、ターザンなどのフィギュアけいのキットも発売はつばいされた。これらのうち電動でんどうのウルトラマン、パゴス、ペギラの3てんはUPCブランドで米国べいこくないでも発売はつばいされている。1968ねん倒産とうさん、ジェットビートルやポインターなど一部いちぶウルトラメカのかねがたはブルマァクにられ生産せいさんつづけられたが、そののキャラクターモデルのかねがたは、電動でんどうゴジラやマスコット怪獣かいじゅうなどごく一部いちぶのぞいて溶解ようかい処分しょぶんされた。ゴジラのかねがたうしなわれたとかんがえられていたが、レトロ玩具おもちゃ販売はんばいてんのノスタルジック・ヒーローズので30ねんぶりに復刻ふっこくされた。つづいて電動でんどうウルトラマンも復刻ふっこくされた。

再建さいけんのマルサンの製品せいひんは50えんないし100えん小型こがたキットが中心ちゅうしんとなった。1972ねんから1974ねんにかけて『ウルトラマンA』、『ウルトラマンタロウ』、『ウルトラマンレオ』に登場とうじょうする怪獣かいじゅうやメカを製品せいひんしている。だい2ウルトラシリーズ終了しゅうりょうの1975ねんにはアニメ『宇宙うちゅう騎士きしテッカマン』に登場とうじょうするメカも製品せいひんした。1970年代ねんだいなか以降いこう一部いちぶ商品しょうひん商標しょうひょうをプラモデルからプラ模型もけいえ、ふくろパッケージで駄菓子だがしなどで販売はんばいされた。また1980ねん以降いこうわらわともしゃから一部いちぶ商品しょうひん版権はんけんのオリジナルメカとしてさい発売はつばいされた。

ソフトビニール玩具おもちゃ

[編集へんしゅう]

1966ねんに『ウルトラQ』と『ウルトラマン』に登場とうじょうする怪獣かいじゅうのソフビ人形にんぎょう発売はつばいして以降いこう、『キャプテンウルトラ』、『ウルトラセブン』や、『かいししブースカ』のようなテレビ番組ばんぐみ東宝とうほうゴジラシリーズ大映だいえいの『だい魔神まじん』、ガメラシリーズなどの映画えいが作品さくひん登場とうじょうする怪獣かいじゅうやキャラクターのソフビ人形にんぎょう大量たいりょう発売はつばいしている。対象たいしょうとした作品さくひんはキャラクタープラモデルとほぼおなじであるが、かねがた製作せいさく容易よういぶん製品せいひん種類しゅるいはソフビのほうはるかにおおかった。発売はつばいのピークは1967ねんで、怪獣かいじゅうブームにかげりがはじめた1968ねんにはソフビ人形にんぎょう発売はつばい減少げんしょうしている[1]。マルザンの倒産とうさんは、ソフビのかねがた版権はんけんとともにブルマァクにうつり、さらなる展開てんかいたしている。新生しんせいマルサンのほうはウルトラシリーズの版権はんけんられないため、オリジナルデザインのソフビ怪獣かいじゅう発売はつばいしていたが、そのなかにウルトラエースという商品しょうひんがあったえんで『ウルトラマンA』のミニソフビの版権はんけん、それ以降いこう『ウルトラマンレオ』までのウルトラシリーズのミニソフビを発売はつばいしている。

ブリキ玩具おもちゃ

[編集へんしゅう]

1953ねん発売はつばいされたキャデラックは、欧米おうべいでも人気にんきはくし、フリクション動力どうりょくばんくわ電動でんどうばんや、リモコン操作そうさ可能かのうなバージョンも発売はつばいされた。よく1954ねんにはフリクション動力どうりょく実際じっさい水中すいちゅうを10メートル以上いじょうすすむことのできる潜水せんすいかん発売はつばいしている。この製品せいひん人気にんきはくし、各種かくしゅバリエーションの合計ごうけいではぜん世界せかいで100まん以上いじょう販売はんばいしている。上記じょうき以外いがいにも1950年代ねんだいから1960年代ねんだいはじめにかけて乗物のりもの中心ちゅうしんおおくの種類しゅるいのブリキ玩具おもちゃ発売はつばいし、欧米おうべいにも輸出ゆしゅつしている。また、1964ねんにはリモコン電動でんどう歩行ほこうのゴジラを発売はつばい[3]、1966ねん以降いこうには電動でんどう歩行ほこうのウルトラマンなども発売はつばいしている。

最初さいしょ国産こくさんプラスチックモデル

[編集へんしゅう]

マルサンはプラモデルを商標しょうひょう登録とうろくしたことで「日本にっぽんはつのプラモデルメーカー」と紹介しょうかいされる。しかし、プラスチックモデルは前述ぜんじゅつのとおり、「こう樹脂じゅし」というメーカーがマルサンよりさきにダットサン1000セダンを発売はつばいしている、また、それ以前いぜん大阪おおさか布施ふせの「(かぶ)日本にっぽんプラスチック」が1956ねん10がつごろに「ゼロせん」を発売はつばいし、そのすぐに1957ねんはるにはゴム動力どうりょくの「原子力げんしりょく潜水せんすいかんノーチラスごう」を発売はつばいしている。順番じゅんばんうならば3番手ばんてのメーカーである。

またマルサンの最初さいしょのプラモデルのノーチラスごうは、かねがた自社じしゃつくってはいるものの、レベルしゃ製品せいひん石膏せっこうかたりしてめすがたつくり、工作こうさく機械きかいでなぞってかねがた複製ふくせいした外国がいこく製品せいひんのデッドコピーである。また過去かこには、じゅん国産こくさんプラスチック・モデルだい1ごうとしてつぎのようなキットのげられていた。

日本にっぽん模型もけいがマルサンに3ヶ月かげつほどおくれて1959ねん3がつ10日とおか発売はつばいしたじゅん国産こくさんキット。マルサンのノーチラスがディスプレイモデルだったのにたいし、ゴム動力どうりょくにより走行そうこうし、価格かかくも100えん安価あんかだったため大人気だいにんき商品しょうひんとなった。過去かこにはこのキットがじゅん国産こくさんプラスチック・モデルだい1ごうとされることがおおかった。
  • かずこう1/25スケール「ダットサン1000」
マルサンブランドでノーチラスとどう時期じき発売はつばいされた。パーツ構成こうせいこそ米国べいこくせいキットにはんをとっているものの、設計せっけい自体じたい完全かんぜん日本にっぽんオリジナルである。発売はつばいは1958ねん10がつごろで、マルサン商店しょうてんのノーチラスごうよりも2ヶ月かげつほどはやかった。こう樹脂じゅし製品せいひんのダットサンのうえばこのロゴマークのうえにマルサンのシールをって発売はつばいしたものである。

東京とうきょう練馬ねりまんでいたまち発明はつめいせき孝太郎こうたろう」はくるまのプラモデル企画きかくし、それを日産自動車にっさんじどうしゃんだ、日産にっさん自社じしゃのデザイナーを派遣はけん、200まん資金しきん援助えんじょをし開発かいはつ全面ぜんめんてき協力きょうりょくした。そして、せき射出しゃしゅつ成形せいけいメーカーの「日精樹脂工業にっせいじゅしこうぎょう」の創業そうぎょうしゃである青木あおきかたかねがた開発かいはつから製品せいひんまでを依頼いらい、その製品せいひん成功せいこうした。ダットサンののち発売はつばいされた「ダットサン スポーツ」、「日野ひのルノー」、「トヨペット」などはすべて「日精樹脂工業にっせいじゅしこうぎょう」が開発かいはつ製造せいぞうしたものである。

  • 日本にっぽん模型もけい1/60スケール「ソニーごう ベル47J
一般いっぱん販売はんばいされたのは1959ねんの10がつであるが、「日本にっぽんプラモデル50ねん」によればソニーの促販グッズとしてごう潜水せんすいかん先行せんこうして製作せいさくされたものとされる。
  • NBK日本にっぽん文化ぶんか教材きょうざいしゃ 「原子力げんしりょく潜水せんすいかんノーチラスごう

これは、株式会社かぶしきがいしゃ日本にっぽんプラスチックが1957ねんはるごろ発売はつばいしたゴム動力どうりょくのノーチラスごうかねがたにより再販さいはんされた、はこえキットもたて説明せつめい日本にっぽんプラスチックのものを使用しようして発売はつばいされ、その説明せつめいだけはNBKのロゴマークにえられて発売はつばいされた。発売はつばいは1959ねん2がつであり、日本にっぽん模型もけいごう潜水せんすいかん発売はつばいは1959ねん3がつ10日とおかなので、それよりもいちヶ月かげつはや発売はつばいだった。

  • 日本にっぽんプラスチック1/50スケール「れいせん」、「ムスタング」

1956ねん10がつごろ発売はつばい、そのすぐの1957ねんはるにはゴム動力どうりょくのノーチラスごう発売はつばいした。株式会社かぶしきがいしゃ日本にっぽんプラスチックの登記とうき簿じょうでは1956ねん3がつ設立せつりつになっている。

以上いじょうのように日本にっぽん最初さいしょのプラスチックモデルがなにだったかについてはこれまでいろいろとりざたされてきたが、これまでの資料しりょう関係かんけいしゃ証言しょうげんなどにより株式会社かぶしきがいしゃ日本にっぽんプラスチックが1956ねん10がつごろ発売はつばいした「ゼロせん」が日本にっぽんはつのプラスチックモデルであることが検証けんしょうされ確認かくにんされた。

ただ、マルサン商店しょうてん日本にっぽんにおいて「プラモデル」という名称めいしょうとともに大々的だいだいてき製造せいぞう販売はんばいしたメーカーであることは間違まちがいない。テレビ番組ばんぐみ提供ていきょうふくめた積極せっきょくてき宣伝せんでん活動かつどうによってほとんられていなかったプラスチックモデルというしん商品しょうひんひろ認知にんちさせ、結果けっかとしてほかのメーカーの参入さんにゅうをもうながし、マルサン商店しょうてん日本にっぽんのプラスチックモデルのパイオニアとばれるのも不思議ふしぎではない。ただ、過去かこかたられていたマルサン伝説でんせつなどの物語ものがたりについては関係かんけいしゃなどの意図いとてきつくられた証言しょうげん模型もけいライターの調査ちょうさ不足ふそくによる捏造ねつぞうされたものである。[よう出典しゅってん]

脚註きゃくちゅう

[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく

[編集へんしゅう]
  1. ^ オーロラしゃのプラモデルを参考さんこうにしている[1]

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b c d ちょう常識じょうしき 2016, p. 205, 「Column ゴジラ&東宝とうほう怪獣かいじゅう ソフビギャラリー」
  2. ^ 平野ひらの克己かつみ へんちょ 『20世紀せいき飛行機ひこうきプラモデル大全たいぜん 平塚ひらつかコレクションの世界せかい文春ぶんしゅんネスコ、2004ねんISBN 4-89036-193-6、P.124
  3. ^ a b ゴジラだい百科ひゃっか 1990, pp. 106–107, 構成こうせい 西村にしむら祐次ゆうじ「ALL TOYS OF GODZILLA ARE COMING HERE!!」、最新さいしんゴジラだい百科ひゃっか 1991, pp. 106–107, 構成こうせい 西村にしむら祐次ゆうじ「ALL TOYS OF GODZILLA ARE COMING HERE!!」

参考さんこう文献ぶんけん

[編集へんしゅう]
  • Gakken MOOK(Gakken
    • 『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラだい百科ひゃっか監修かんしゅう 田中たなか友幸ともゆき責任せきにん編集へんしゅう 川北かわきた紘一こういち、Gakken〈Gakken MOOK〉、1990ねん1がつ1にち 
    • 『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA 最新さいしんゴジラだい百科ひゃっか監修かんしゅう 田中たなか友幸ともゆき責任せきにん編集へんしゅう 川北かわきた紘一こういち、Gakken〈Gakken MOOK〉、1991ねん12月1にち 
  • 井田いだひろし ちょ日本にっぽんプラモデル興亡こうぼう -わたしの模型もけい人生じんせい-』 文春ぶんしゅんネスコ発行はっこう、2003ねん ISBN 4-89036-187-1
  • 日本にっぽんプラモデル工業こうぎょう協同きょうどう組合くみあい へん日本にっぽんプラモデル50ねん文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう企画きかく出版しゅっぱん、2008ねん ISBN 978-4-16-008063-8
  • 神永かみなが英司えいじ ちょ 『マルサン物語ものがたり 玩具おもちゃ黄金おうごん時代じだい伝説でんせつ朝日新聞あさひしんぶん出版しゅっぱん、2009ねん ISBN 978-402-250550-7
  • 『ゴジラのちょう常識じょうしき』[協力きょうりょく]東宝とうほう双葉社ふたばしゃ、2016ねん7がつ24にち原著げんちょ2014ねん7がつ6にち)。ISBN 978-4-575-31156-3 
  • 日本にっぽん模型もけい新聞しんぶん
  • 青木あおきかた 回顧かいころく」(平成へいせい元年がんねん10がつ発行はっこう 日精樹脂工業にっせいじゅしこうぎょう発行はっこう

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]