ドナルドダック

ドナルドダック; Donald Duck
初はつ登場とうじょう	かしこいメンドリ
作者さくしゃ	ディック・ランディー; ウォルト・ディズニー
原語げんご版ばん声優せいゆう	クラレンス・ナッシュ（初代しょだい）; トニー・アンセルモ（現在げんざい）
日本語にほんご版ばん声優せいゆう	BVHE版はん; 山寺やまでら宏一こういち
詳細しょうさい情報じょうほう
種族しゅぞく	アヒル
性別せいべつ	♂
	テンプレートを表示ひょうじ

ポータルディズニー

ドナルドダック（英語えいご: Donald Duck）は、アヒルをモチーフにしたディズニーアニメのキャラクター。本名ほんみょうはドナルド・フォントルロイ・ダック（英えい: Donald Fauntleroy Duck）。

伯父おじにスクルージ・マクダックとルードヴィヒ・フォン・ドレイク教授きょうじゅ、甥おいっ子こにヒューイ・デューイ・ルーイがおり、彼かれらを総称そうしょうしてをダックファミリーと呼よぶ。1930年代ねんだいから1950年代ねんだいにかけてディズニーの短編たんぺん映画えいがの多おおくの作品さくひんで主人公しゅじんこうを務つとめた。加くわえてダックファミリーが登場とうじょうするアニメーションには、『クワック・パック』や『ダックテイル』などがある。現在げんざい^[いつ?]これらの番組ばんぐみはディズニー・チャンネルやディズニーXDなどで放送ほうそうされている『ディズニー・コメディ・タイム』や『ミッキーマウスクラブハウス』、『ミッキーマウス!』内ないで視聴しちょうできる。

歴史れきし

1934年ねん 6月9日にち、シリー・シンフォニー・シリーズの一いち作品さくひんである『かしこいメンドリ』で初はつ登場とうじょう。この作品さくひんでは脇役わきやくとしての登場とうじょうであったが、その独特どくとくなキャラクターから支持しじを集あつめる。同年どうねんには短編たんぺん映画えいがであるミッキーマウスの短編たんぺん映画えいがシリーズの『ミッキーの芝居しばい見物けんぶつ』にてミッキーマウスと初はつ共演きょうえんを果はたし、同どうシリーズ『ミッキーと犬いぬ泥棒どろぼう』では早はやくもピートと戦たたかう役やくどころを演えんじている。

それ以降いこう、ドナルドダックの短編たんぺん映画えいがシリーズの製作せいさくが始はじまるなど出演しゅつえん作品さくひんは170本ほん以上いじょうを数かぞえ、ミッキーマウスの出演しゅつえん作品さくひん数すうを上回うわまわっている。なお、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中なかに製作せいさくされた短編たんぺん映画えいがはプロパガンダとしての側面そくめんを持もつ作品さくひんも多おおく、ドナルドが大日本帝国だいにっぽんていこくやナチス・ドイツなどの枢軸すうじく国こくを相手あいてに戦たたかっていることから、日本にっぽんなどの一部いちぶの国くにでは2024年ねん時点じてんでも公開こうかいされていない作品さくひんも少すくなくない^[1]。

ドナルドの主演しゅえん作品さくひんの中なかで『総統そうとうの顔かお』が1943年ねんのアカデミー賞しょうで短編たんぺんアニメ賞しょうを受賞じゅしょうした^[1]。

声優せいゆう

原語げんご版ばん声優せいゆう

初代しょだい：クラレンス・ナッシュ（1934年ねん - 1985年ねん）
二に代目だいめ：トニー・アンセルモ（1985年ねん - 2016年ねん）
三さん代目だいめ：ダニエル・ロス（2017年ねん - 現在げんざい）
一時いちじ代役だいやく：サム・クワスマン（1987年ねんのみ）

『ドナルドの夢ゆめの声こえ』での声変こえがわり後ごの声こえはレスリー・デニソンが演えんじている（吹ふき替かえ版ばんでは同どう一いち声優せいゆうが声色こわいろを変かえて演えんじている）。『ダックテイルズ』リブート版ばんでの子供こども時代じだいの声こえはオリジナルのヒューイ・デューイ・ルーイ役やくだったルシー・テイラーが演えんじた。

吹ふき替かえ声優せいゆう

坊ぼう屋や三郎さぶろう（初代しょだい）^[2]^[3] - 1950年代ねんだいのテレビ番組ばんぐみ
藤岡ふじおか琢也たくや（2代目だいめ）^[2]^[3] - 1950年代ねんだいのテレビ番組ばんぐみ
肝付きもつき兼太かねた（3代目だいめ）^[2]^[3] - 1950年代ねんだいのテレビ番組ばんぐみ
山崎やまざき唯ゆい（1981年ねん、1983年ねん） - 『ファン・アンド・ファンシー・フリー』TBS版はん^[4]、『ミッキーマウス・レビュー』（2009年ねん5月がつ25日にちに閉鎖へいさ）
関せき時男ときお（1984年ねん - 1988年ねん） - ポニー版はん・バンダイ版はん（廃盤はいばん）
緒方おがた賢一けんいち（1984年ねん - 1985年ねん） - 日本にほんテレビ『ミッキーマウスとドナルドダック』
富山とみやま敬たかし（1988年ねん - 1989年ねん） - テレビ東京てれびとうきょう『わんぱくダック夢ゆめ冒険ぼうけん』
龍田たつた直樹なおき（時期じき不明ふめい） - アニメの王国おうこく
山寺やまでら宏一こういち（1989年ねん - 現在げんざい） - BVHE版はん
瀬水せみず暁あきら - エー・アール・シー版ばん
小坂こさか知裕ともひろ - DVD『ドナルドダック　スペシャルBOX』

設定せってい

本名ほんみょう

ドナルド・フォントルロイ・ダック（Donald Fauntleroy Duck）^[5]。

職業しょくぎょう

ディズニー短たん編集へんしゅうでは様々さまざまな職業しょくぎょうについているが、本業ほんぎょうはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく海軍かいぐん軍人ぐんじんである。第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中なかの従軍じゅうぐん経験けいけんあり。『ダックテイル』（オリジナル版ばん）のプロローグでは彼かれが航空こうくう母艦ぼかんに配属はいぞくされ長期ちょうき航海こうかいに出でるシーンが描えがかれている。

性格せいかく

釣つりとゴルフを好このむ。得意とくいな楽器がっきはマラカス。甥おいっ子こ達たちと生活せいかつしている時ときは食事しょくじを作つくり、短編たんぺん作品さくひんではホットケーキを作つくりもしているので意外いがいにも料理りょうり上手じょうずらしい。人ひとをからかうことが好すき。短気たんきな性格せいかくであり、ディズニーキャラクターの中なかで喜怒哀楽きどあいらくが非常ひじょうに激はげしい。また、傍若無人ぼうじゃくぶじんで自己じこ中心ちゅうしん的てきな上うえとても騙だまされやすい^[6]。かなり短気たんきなせいなのか、口調くちょうは子供こどもっぽいがかなりの毒舌どくぜつである。

彼かれは気性きしょうが激はげしく、先さき項こうにて述のべた『ハウス・オブ・マウス』内ないでは、気きに入いらない相手あいてを麻酔ますい銃じゅう（鳥とりのアラカンなど）で撃うったり、同どう番組ばんぐみ内ないで放送ほうそうされた『housesitter』という作品さくひんでは、ピートの態度たいどが悪わるかっただけで銃じゅうを構かまえるシーンも見受みうけられた（ただし、ミッキーも過去かこの作品さくひんで似にたことをやっている）。一部いちぶの作品さくひんでは悪役あくやくとして登場とうじょうさせられたり、イタズラをしたり、ずるをしたりするため、大抵たいていの場合ばあいはドナルド自身じしんがしっぺ返がえしを食くらってとことん酷ひどい目めに遭あうことが多おおく、特とくにチップとデールとの共演きょうえん作品さくひんではほとんど悪役あくやく的てき存在そんざいとして描えがかれ、毎回まいかいと言いっていいほど散々さんざんな結末けつまつ（ドナルド自身じしんに身体しんたい・財産ざいさんに被害ひがいを受うけるのがほとんど）で終おわる。そのため、ミッキーを始はじめとする共演きょうえん者しゃからは悪わるい印象いんしょうばかりが目立めだつが、根ねは気きの良よい性格せいかくでやりすぎたりすると反省はんせいしたり、悲かなしんでいる人ひとがいると気きを遣やったりするなどの一いち面めんもある。また、短気たんきな印象いんしょうが強つよいが、相手あいてがあまりに強つよいと弱気よわきになる小心しょうしんな一いち面めんもあり、「クワックパック」や「ミッキー、ドナルド、グーフィーの三さん銃じゅう士し」ではその部分ぶぶんが強調きょうちょうされた。トラブルメーカーなイメージが強つよいが回かいによっては平和へいわに暮くらすもしくは真面目まじめに仕事しごとしているにも関かかわらず、他者たしゃ（主おもに甥おいっ子こやチップとデール）にちょっかいを出だされるなど必かならずしも彼かれに非ひがある訳わけではない。

ディズニー各かく作品さくひんでは知しらない相手あいてに「誰だれだ?」と身分みぶんの上下じょうげ関係かんけいなく言いう。また、これを目上めうえであるナレーターにも言いう。

ライバルや宿敵しゅくてきは、ピート、J.ジョーンズ、グラッドスターンガンター、ケントパワーズ、フリントハートグロムゴールド、チップとデール、アルゴス、ハンフリー・ベアー、アラクアン・バード、ハチ、ビーバー、ロバ、小鳥ことり、モグラ、ムササビ、ペリカンなど数かぞえ切きれないほど存在そんざいしているが、近年きんねんの作品さくひんでは親友しんゆうのミッキーすらライバル視ししている部分ぶぶんが多おおく、クラシックシリーズでも敵対てきたいした回かいがいくつかあり、「ミッキーマウス・マーチ」の一部いちぶのバージョンでもたまに自分じぶんの名前なまえを言いっており、そのため二に人にんの関係かんけいは親友しんゆうというより悪友あくゆう（いい意味いみで）に近ちかい。

日本語にほんご吹ふき替かえ版ばんにおける一人称いちにんしょうは「僕ぼく」。しかし、ポニー版はんやバンダイ版はんなどオリジナル版ばんではない声優せいゆうは稀まれに「俺おれ」や「俺おれ様さま」になることがある。

服装ふくそう

標準ひょうじゅん的てきな服装ふくそうは上半身じょうはんしんのみのセせーラらー服ふくにセーラー帽ぼう。

初期しょきから服ふくに付つけているものがボタンから蝶ちょうネクタイへ変かわっているものの、それ以外いがいはあまり変かわってはいない。だが、『トゥーンタウン』ではライフガードのような服装ふくそうで、青地あおじに黄色おうしょくの縞しま模様もようの服ふくになっている。『クワックパック』ではアロハシャツを着用ちゃくようしている。普段着ふだんぎでは下半身かはんしんは何なにもつけていないことが多おおいが、入浴にゅうよくの時ときは逆ぎゃくに上半身じょうはんしん裸はだかで下半身かはんしんにタオルを巻まいている。

声こえ

アヒルの鳴なき声ごえそのままの声こえを思おもわせる甲高かんだかく騒さわがしい声こえ。アニメの中なかでも、ミッキーマウスやグーフィーに対たいして話はなしても一部いちぶ通つうじず、話はなしを聞きいてもらえないことも多々たたある。ドナルド本人ほんにんも長年ながねんの悩なやみである。

ドナルドの声こえを扱あつかった以下いかのような短編たんぺん映画えいががある。

『ドナルドの夢ゆめの声こえ』 - 男おとこらしい声こえで男おとこらしくデイジーにプロポーズするのが夢ゆめだったという描写びょうしゃがある。
『気きみじかドナルド』 - 短気たんきを克服こくふくした後のちにデイジーに会あった際さい、声こえが変かわる演出えんしゅつがある。
『ドナルドのジレンマ』 - 頭あたまに鉢植はちうえが落おちてきた衝撃しょうげきで美声びせいとなり、世界せかいのスーパースターとなる。この回かいは吹ふき替かえ版ばんでの日本語にほんごでの吹ふき替かえはされていない。
『ミッキーマウスとロードレーサーズ』 - 第だい7話わの「じょおうさまのおちゃかい」で紳士しんしになる特訓とっくんの際さい、お茶ちゃを飲のんだドナルドの声こえが良よくなる演出えんしゅつがあり、その場ばにいたミッキーやグーフィーも驚おどろいた。
『ダックテイルズ』 - 「影かげの戦たたかいパート2 ダックファミリーは負まけない！」でドナルドの言葉ことばをき取きとれずに苛立いらだったジャイロの発明はつめい品ひんを飲のみ込こんだことで声こえが良よくなり、その影響えいきょうかいつになく、強気つよきな発言はつげんをしている。

誕生たんじょう日び

1934年ねん6月がつ9日にち説せつ: 初はつ登場とうじょうした『かしこいメンドリ』が公開こうかいされた1934年ねん6月がつ9日にちを誕生たんじょう日びと公式こうしきで発表はっぴょうされている。; ディズニーストアでは毎年まいとしドナルドバースデーグッズ発売はつばい、トゥーン・ディズニー（現げん：ディズニーXD）およびディズニージュニアおよびディズニー・チャンネルにてハッピーバースデードナルド特番とくばんを放送ほうそうされる。近年きんねんではディズニーパークでも誕生たんじょう日びを祝いわう催もよおしがある。
13日にちの金曜日きんようび説せつ: 映画えいが『三さん人にんの騎士きし』では13日にちの金曜日きんようびという設定せっていで短編たんぺん映画えいが『ドナルドの誕生たんじょう日び』ではドナルドの誕生たんじょう日びが3月13日にちとなっているが何故なぜかいつも金曜日きんようびでドナルドの不幸ふこう体質たいしつもそれが原因げんいんで周囲しゅういに恵めぐまれず、イベントや休暇きゅうか先さきで酷ひどい目めに遭あったり、クリスマスでも良よい子こリストに載のってはいるが贈おくり物もののほとんどが自身じしんの短所たんしょを治なおす本ほんと欲ほしいものとは言いえないもが送おくられていた。その為ためか『ミッキーのマジカル・クリスマス/雪ゆきの日ひのゆかいなパーティー』ではへそを曲まげていた。しかし、『ミッキーマウスクラブハウス』ではサンタから今いままで欲ほしかった物ものをたくさん貰もらっていた。

好物こうぶつ

『クワック・パック』ではピーナッツバター入はいりガーリックトーストが好物こうぶつということになっている。主演しゅえんゲームでは、ミルクシェイクが好物こうぶつという設定せっていがあった。

その他た

1940年代ねんだいの作品さくひんのいくつか（『ミッキーの移動いどう住宅じゅうたく』、『ドナルドの危機一髪ききいっぱつ』など）で、大変たいへんな危機ききに追おい詰つめられた際さいに、キリスト教徒きりすときょうとのような祈いのりではなく、仏教徒ぶっきょうとのように合掌がっしょうして念仏ねんぶつを唱となえるなど神頼かみだのみをするシーンがある。
ドナルドは飛とべないというイメージが強つよいが、ミッキー、プルートとアルプス登山とざんをする『ミッキーの山登やまのぼり』では、お尻しりの羽はねを抜ぬいて回転かいてんさせることで宙ちゅうを舞まい、ミッキーを襲おそっていた鳥とりに立たち向むかっている。ビーチで鮫さめと一いち戦せん交まじえたときは、ビーチパラソルを翼つばさのようにして鮫さめから逃にげて行いく姿すがたでエピソードを締しめくくっている。
- 三さん人にんの騎士きし内うちで飛とぼうとするが、ドナルドだけはうまく飛とべない（ホセ・キャリオカ、パンチートはうまく飛とべている）。
『ドナルドのサインマニア』ではドナルドが有名人ゆうめいじんからサインを貰もらおうとスタジオに訪おとずれるが、ドナルドを追おい出だそうとした警備けいび員いんや有名人ゆうめいじん達たちもドナルドの大だいファンであり、大勢おおぜいでドナルドからサインを貰もらおうと頼たのんで来きた。
母親ははおやはスクルージ・マクダックの妹いもうとのホーテンス・マクダック、父親ちちおやはクックモア・ダック。ダンベラ・ダック^[7]という妹いもうと^[8]がおり、その子供こどもがヒューイ・デューイ・ルーイである。
1990年ねん 3月がつ10日とおかに京葉線けいようせんの全線ぜんせん開通かいつう式典しきてんで、ミニーマウスとともにテープカットを行おこなっている。また、同年どうねんに開場かいじょうした千葉ちばマリンスタジアム（現げん・ZOZOマリンスタジアム）のこけら落おとし（プロ野球やきゅうオープン戦せん・巨人きょじん対たいロッテ^[9]）にもミッキーマウスと共ともに来場らいじょうし、始球しきゅう式しきに立たち会あっている^[10]。
60歳さいの誕生たんじょう日びを迎むかえた1994年ねん 6月9日にち、東京とうきょうディズニーランドの駐車ちゅうしゃ場じょうと公募こうぼで選えらばれた一般いっぱん市民しみんの自動車じどうしゃ1169台だいを用もちいてドナルドの地上ちじょう絵えが作つくられ、ドナルドも自動車じどうしゃの誘導ゆうどうに参加さんかしていた。
2004年ねん 8月がつ9日にちにハリウッドの殿堂でんどう入いりを果はたし、ハリウッド大通おおどおりに星ほし形がたプレートが埋うめ込こまれた。
オレゴン大学だいがくの公式こうしきキャラクターとなっている^[11]。
AFP通信つうしんによると、ドイツではドナルドがミッキーマウス以上いじょうに人気にんきがあることが2017年ねんに報ほうじられた。利口りこうぶっているミッキーと比くらべて、短気たんきで不運ふうんで完璧かんぺきではないドナルドがドイツ人じんの共感きょうかんを得えたからと分析ぶんせきされており、ドナルドやその一族いちぞくを描えがいたコミックは50年ねん以上いじょうにわたってベストセラーとなっており、同年どうねん11月がつには第だい500版はんが刊行かんこうされている^[12]。
デビュー作さくである『かしこいメンドリ』のアメリカにおける著作ちょさく権けん保護ほご期間きかんが同どう作品さくひんの公開こうかいから95年ねんとなる2029年ねんに終了しゅうりょうする予定よていであるため、同年どうねん以降いこうはドナルド出演しゅつえん作品さくひんのパブリックドメインが発生はっせいすることになる^[13]。